オデッセイのルーク・ウィリアム氏から次にリリースされるパターが「Red Ball」というモデルだと聞いたとき、私は完全に「ダニエル・バーガーの赤い2-Ballパターを小売向けに改良したもの」だと思い込んでいた。

しかし箱をあけた瞬間、その考えは吹っ飛んだ。

マレットタイプには違いないが、前モデルのヘッドの上に描かれた大きな白いボールの代わりに、小さく輝く赤いボールが顔を出した。この新たに開発された「レッドボール・スコープ・アライメントシステム」は衝撃的だった。

デザイナートリオ(ウィリアムズ氏・ローリンソン氏・ツーロン氏)は、なぜ今回このデザインを思いついたのだろうか?

 

レッドボール・アライメントスコープ

 

新作のRed Ballは、聞けば馴染みのある要素を特徴としている。Versaでデビューしたコントラストの強い配色、さらにホワイトホットRXインサートの採用。どちらもオデッセイパターに欠かせない要素だ。

しかし、今回のRed Ballは一味違う。

 

今回の目玉であるレッドボール・システムとは、「ゴルファーが、アドレス時にボールに対して正しくポジションをとること」を目的としている。

コンセプト自体はかなりシンプルだ。光沢あるレッドボールをスコープリングの中に合わせることで、パターに対してゴルファーが正しいポジションを取ることができる。そして、Versaのアライメントラインを利用してパターをターゲットに合わせる。これだけで準備は完璧だ。

簡単だろう?

ここまで読んで、「他のパターにもすでにこの手のアライメントシステムは採用されている」と言いたい読者もいるだろう。

思いつくだけでも、ウィルソン Vizorパター、キャメロンRed X、SeeMoreのRifle Scopeテクノロジーなどがある。これらのパターでは、マークやラインをシャフトで隠したり、ヘッドの中のラインを使ってパターを正しく構えられるようになっている。

ザック・ジョンソンは別として、これらのアライメントシステムはまだ広まっていない。その中でRed Ballは、一般ゴルファーに受け入れられるモデルになるだろうか?

Red Ballと従来モデルとの違いは、赤いボールと黒いリングを使えば360度どの方向からもヘッドの向きを調節できる点だ。これまでのシステムでは、左右または上下方向にしか調節できなかった。

Red Ballでは、ボールが完璧に中心にセットされたかを確認することができる。そうすることでロフトやライといった観点でも、パターを正しく構えることができる。正しい方向へ適正な振り幅で打てれば、パットは成功したも同然だ。

 

その技術は、決して誰にでも真似できる簡単なものではない。レッドボールをリングの中心にセットできたとしても、それだけでは正しいパッティングスタンスは完成しない。

かかとに体重を乗せた状態では、リングの中でレッドボールは下の方に見える。それが中心にくるようにスタンスを調節すればいいのだが、問題はその状態で腕を下に垂らせばレッドボールはリングの中心にくる。しかし、これではパターのトゥ側が上がってしまう。

つまり理想的なパッティングポジションができていないのに、レッドボールは「正しいポジション」と示してしまうことになるのだ。

これが、この手のアライメントシステムの問題でもある。ゴルファーが手の位置を変えるだけで簡単にラインを隠したり、レッドボールをリングの中心にセットしたりすることができてしまうのだ。

あら探しはこのくらいにしておこう。

360度全方向から調整できるレッドボール・アライメントシステムは、従来モデルよりも進化している。

正しく構えられれば、自信も持てる。私はRed Ballパターで数ラウンドした後、この機能のおかげでシンプルなパッティングルーティーンを完成させた。

グリーンを読み、Versaラインをターゲットに向け、スタンスが正しいことを確認し、レッドボールがリングの中心に見えたら、後は打つだけだ。

もうひとつ押さえておきたいポイントは、もし今マイクロヒンジ・フェースのオデッセイパターを使っている場合、ホワイトホット・インサートがとても柔らかく感じることだ。

この二つの打感の違いは大きい。優劣をつけるつもりはないが、私は絶対に硬めのホワイトホット・マイクロヒンジが好きだ。

 

発売日・価格

フェースバランス機能を特徴としたオデッセイRed Ballマレットパターは、7月20日より179.99ドルで販売が開始される。レッドボール・アライメントシステムに対するゴルファーの反応が楽しみだ。

オデッセイは、これまでの集大成と言えるアライメントシステムを完成したのか?

それとも、Red Ball も従来モデルと同じ道をたどるのだろうか?

もしRed Ball がヒットすれば、オデッセイは他のモデルにもレッドボール・アライメントシステムを採用するだろう。「#7」や「#1」のワイドボディーにレッドボールをうまく採り入れてくるのではないだろうか(もしかすると、すでに開発が始まっているかもしれない)。

 

昨年の夏、オデッセイはO-Works(レッド・ブラック)のスラントネックパターを数モデル発売し、翌年1月に本腰を入れてO-Works(レッド・ブラック)をリリースした。

今回もそのパターンだとすれば、6か月後にRed Ball が世界各地で一気にばら撒かれるかもしれない。