ブリティッシュ・マスターズに合わせ、ミズノは次期発売予定のST190とST190Gドライバーの種蒔きを開始した。

今のところミズノは詳細を全く明かしておらず、おそらく来年1月までは情報を公開しないと思うが、いつものように写真からいくつかの情報を得ることはできる。

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ST190ドライバー

ST190が、今シーズンのST180の後継モデルになるのは間違いない。おそらくテクノロジーの「ストーリー」は、よりシンプルなものになるだろう。調節可能なのは、ホーゼルのみだ(±2度だと思う)。

他に目立った技術としては「WAVEテクノロジーソール」と「SP700 CORETECHフェース」があり、どちらもボールスピードをキープする機能だ。記憶にあるかもしれないが、ミズノはSP700を利用してフェースのエリアごとに厚みを変え、それによって安定したボールスピードを生み出すと説明している。

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ST190Gドライバー

ST190GはGT180の後継モデルだと思われる。「FAST TRACKテクノロジー」の最新バージョンと、いくつかの明らかな設計の変更が目立つ。

フェースアングルを調節するスライダーはなくなっている。実用性の面では、このスライダーはアドレス時にソールを地面につけるゴルファーだけに役立つものだった。使用が限定的であり、かつエンジニアがその微妙な重量調整に苦労したことを考えると、今回スライダーの採用を見送ったことは性能の観点からも十分意味があるだろう。

 

また、中央の4か所に設置されていた「FAST TRACK」もなくなっている。これによって性能がどう変わるか楽しみだ。調節機能の各部分にはそれを支える構造が必要になるが、その構造自体に相当な重量があり、それが重心をヘッドの上部に押し上げ、さらに打音にも影響する。

4つのFAST TRACKの代わりに、ミズノはソールの外周部分に3つのトラックを設置した(GT180は2か所のみ)。複雑な構造は望ましくないが、重量がヘッドの中心から外れることで、低い打ち出しと低スピンを望むゴルファーにとっては重心が前方に移動するのを妨げることなく、高い慣性モーメント(GT180と比べて)を実現できるはずだ。

また、ミズノはブルーを捨て、2モデルともより伝統的なブラックを選んだことにも注目したい。

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ツアーへの挑戦

先日MyGolfSpyがクリス・ボシャル氏(ミズノの人、要説明)と対談した時、彼自身も彼のチームも今年はミズノのウッドカテゴリーがブレイクスルーし、ツアー使用率も増えるという自信に満ちていた。

ボシャル氏によると、2人のツアープロと行ったテストでは、これらの新モデルが、そのプロ達が現在使っているテーラーメイドやピンのドライバーより勝っていたという。もしそれが本当なら、ウッド市場でのミズノの地位が上がると同時に、消費の信頼を取り戻すための重要な一歩になるだろう。

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ミズノは良いスタートを切ったと思うが、新商品発売のシーズンはまだ始まったばかりだ。数か月後には、競合との差別化を図る「ツアーストーリー」を携えた新しいドライバーが続々出てくるだろう。

ミズノには、今後PGAツアーでのドライバー使用率をかけた熾烈な争いが待っている。しかし、ここ数年プロに契約金を払ってツアー使用率を上げようとするメーカーが減ってきたことや、ミズノのアイアンがツアーで勝っていることを考えると、2019年はミズノのドライバーもテレビで多く見られる年になるかもしれない。