MOST WANTED ドライバー」:キャロウェイ EPIC FLASH SUB ZERO

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<良い点>          

・2019年ランキング1位

・ストローク・ゲインドが1位

・キャリーとトータル飛距離が2位

・テスト中のフェアウェイキープ率が1位

<悪い点>

・ミスヒット時のパフォーマンスがトップ圏外

・打音の水準が低い

 

「最高飛距離」:テーラーメイド M6

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<良い点>

・飛距離系の項目で1位

・前モデルのM4に比べて明らかに低スピン

・平均ストローク・ゲインドが2位

・素晴らしい打音と打感

<悪い点>

・キャリーの安定性が下から3番目

・オリジナルシャフトのラインナップが限定的

 

「最もやさしい」:PXG 0811XF

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<良い点>

・2019年最もやさしいドライバー

・非常に安定したボールスピード

・キャリーの安定性が優れている

・ショットエリア(ばらつき)が非常に小さい

・ルックスがNo.1

<悪い点>

・ボールスピードと飛距離がトップ圏外

 

「ベストバリュー」:Tour Edge Exotics Exs

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<良い点>

・300ドルという安さ

・ボールスピードの安定性でトップ10入り

・安定したキャリー

・ストローク・ゲインドでトップ10入り

<悪い点>

・ボールスピードがトップ圏外

・ルックスが好みではないテスターがいた

 

 

すべてはゲームのために

 2019年のドライバーを探しているなら、このテスト結果が役に立つに違いない。

我々のミッションは、消費者に自信を持って商品を選んでもらうため、独立した公平な立場で、目的を持って商品テストを行うことだ。そのために、完全に独立したテストセンターでテストを行い、一貫したテスト方法と高度な分析手法を採用している。

それによって豊富なデータを応用し、ゴルファーの可能性を最大限に引き出すことができる。これらの比類なきデータは、ゴルファーにとっても大きな発見となるに違いない。

単に気に入ったクラブではなく、長く持ち続けたいと思うクラブを買ってもらいたいと考えている。これまで使っていたクラブより優れた点がないなら、1ドルたりとも払ってほしくないのだ。

 

ドライバーの購入にあたって

 新しいドライバーを買う際、最も考慮するのは「性能」だろう。しかし、購入を決める前に考慮したほうがいい点は他にもある。

<調節機能>

 多くのメーカーが取り入れる「調節機能」をうまく使いこなせば、素晴らしいドライバーになる可能性がある。現代のドライバーは、ロフトやフェース角を微調整できるホーゼルが付いていることが多い。

キャロウェイ Epic Flashや、タイトリスト TS3、ピン G410 Plusのようなドライバーでは、調節可能ホーゼルを使ってドローかフェードを選ぶことができる。

また、コブラ F9 SpeedBackや、ウィルソン Cortex、Sub70 839Dに搭載される前後可動式ウェイトによって、打ち出しやスピン、MOI(慣性モーメント)を調整できる。

両方の機能がほしい場合は、テーラーメイド M5やPXG 0811 GEN2シリーズがある。

<シャフトの選択>

 シャフトは絶対的に重要だ。既製品を好む人もカスタマイズする人も、シャフトの重さや打ち出しの特徴(低・中・高)に幅広い選択肢があれば、ドライバーの性能を引き出すことができるだろう。

<飛距離・やさしさ・弾道調整>

 どのメーカーも「ボールスピード」や「やさしさ」についての「ストーリー」を打ち出してくるが、どれもブランドイメージを崩さないように仕立ててある。

実際、ボールスピードを上げるためにはMOIが犠牲になり、やさしさを重視すればボールスピードやスピンを諦めることになる。

どれくらいのボールスピードを求めるのか、どれくらいのやさしさが必要かは、ゴルファーによって違う。

ドローバイアス(スライス修正)にするには、重量をヒール側に寄せる必要がある。つまり、ドローバイアスモデルのクラブ後部の重量を軽くすると、同じシリーズの標準モデルよりも寛容性(やさしさ)が劣ってしまう(MOIが低くなる)。

 

コスト

このテストで対象にしたドライバーの価格は、シャフトのアップグレードを除いて190~650ドルだ。

ランキングの上位に入るドライバーは値段も高めだが、450ドルのF9 Speedbackは低価格帯に入る。最近では500ドルが当たり前になりつつあるが、価格と飛距離を天秤にかけると、本当にその価値があるかどうかは、すぐには判断できない。

 

2019年 総合ランキング2位:コブラ F9 SPEEDBACK

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コブラ F9は、ごくわずかな差で2位だったが、ほとんどの測定項目でトップタイだったことからも分かるように、すべての性能が格別だった。

欠点のない完璧なF9は、性能の高さだけではなく、ルックスや打感、打音においても高い評価を得た。

このテスト結果を見ても、買うドライバーを決められない人は、コブラ F9 Speedbackをぜひ試してほしい。

 

記録

テストでは、マーケット全体がどこに向かっているのか、前モデルから何が変わり改善したのかを探るため、トレンドも追っている。また、テスターからフィードバックを提供してもらい、良かった点、悪かった点を理由とともに共有してもらう。

ただし、これらの主観的なフィードバックが、Most Wantedのランキングに直接影響することはない。

 

トレンドと改善点

・今年のドライバー全体で注目すべき点は、これまでのテストの中でも最もスピン量が少なかったことだろう。以前よりその傾向は強くなっているようだ。ロフトがより大きくなり、重量はヘッド後方へ移動している。また、打ち出しを高くしスピン量を上げる目的で軟らかいシャフトを採用しているモデルもあった。

・ピン G410 Plusは、ヘッド周りのウェイトやホーゼル調節のオプションが増え、フィッティングの幅が増えた。新しいホーゼルでは、ライ角をフラットにセットすると左のミスが出にくくなる。

・9度と10.5度のヘッドがあるコブラも、あらゆるロフト角に調節できる。過去のテストでは、ロフト角を上限または下限にした時フェースアングルに問題が生じ、ショットの精度を保つのに苦戦したテスターが多かった。今年のコブラF9 Speedbackは、精度の項目でトップに入っているので、この問題は解消されたのだろう。

・TS 2/TS 3の発売によって、ついにタイトリストは「飛ばない、スピンがかかる」のレッテルから脱却した。TS3がボールスピードでトップに選ばれたのだ。また今回は、Most Wantedテストで初めて、手に負えないスピンの問題が見当たらなかった。

 

ロフト調節は、打ち出しやスピンにどのように影響するか

 ドライバーのロフトを1度調節すると、打ち出し角が8度、スピン量が300rpm変わるのを知っていただろうか。




テスターからのフィードバック

 ・PXG 0811X/XF GEN2は、「打感」で最高ランクだった。通常打音と打感は相関関係があるが、テスターの中には打感は好きだが打音が弱いと報告した人もいた。

・XXIOとクリーブランド Launcherドライバーは、振りやすくキャリーが出るという理由で、ヘッドスピードの遅いゴルファーから支持を集めた。調節機能がない数少ないドライバーの一つ、XXIOは平均打ち出し角が2番目に大きかった。

・高ヘッドスピードのテスターたちが絶賛していたのは、コブラ F9 Speedbackだ。多くのテスターがフェース全体の安定した打感を評価した。その大胆なデザインから予想できるように、「ルックス」のスコアは「非常に良い」と「非常に悪い」に分かれ、その中間はあまりなかった。

・2019 Most Wantedドライバーのキャロウェイ EPIC Flash Sub Zeroは、「ルックス」で高評価を得たが、「打音」の評価が低かった。

・ブリヂストン Tour B JGRは右ミスに悩むゴルファーに最適だが、明らかにアップライトなライ角を嫌うテスターもいた。

・ニューカマー、Sub70’s 839Dドライバーの「ルックス」は好評価が集まったが、「打音」が大き過ぎるという理由から評価は最低だった。

・ミズノは2年連続で高性能ドライバーを輩出した。今回はST190だ。前モデルのブルーカラーは評価が分かれたが、今回のオールブラックペイントは高い評価を得た。

 

スライスキラー:ピン G410 SFT

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スライスに悩んでいるなら、ピン G410 SFTがおすすめだ。今年のテストでは、同じG410シリーズのドローバイアスモデルが、他のどのクラブより強い左バイアスなのは明らかだった。また、ボールのばらつき(分散)が最も小さかったことも注目に値する。

つまりG410 SFTは、スライスを修正し、フェアウェイキープ率を上げるドライバーということだ。

 

2019 MOST WANTED ドライバーデータ

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上級者向けアドバイス:インパクトでのウェイト配置

ドローやフェード設定は弾道修正だけではなく、ボールスピードの向上にも利用できる。持ち球がストレートでトゥ寄りで打つタイプなら、ウェイトをフェード設定にすると、インパクトで重心が適正な位置にくるので、ボールスピードが速くなるだろう。ヒールストライカーのドロー設定にも、同じことがいえる。

 

購入のアドバイス

 ・シャフトの長さに注意する。長いシャフトを使うと飛距離が伸びることもあるが、一般的に「精度」と「安定性」は落ちる。クラブの計測方法には業界基準がないので、メーカーによっては「45.5インチ」が実際は46インチに近いことも珍しくない。試打する際は、実際のクラブの長さを計測するべきだ。単にシャフトが長いだけで、飛距離が伸びることがある。長さを測るもがないときは、クラブを打ち比べて「もともと飛ぶクラブ」なのか「シャフトが長いから飛ぶ」のかを判断しなければならない。

・ロフト角を調節すると、同時にフェース角も変わる。ロフトを寝かせるとフェースは閉じ、立てればフェースは開く。ホーゼル調節機能を使うと打ち出しとスピンが少し変わるが、ボールが飛び出す方向を変えたり、精度を上げたりすることもできる。

・年齢と同じで、ドライバーに表示されるロフトは単なる数字だ。意味がないこともある。ドライバーには、表示ロフト、メーカーが設定するロフト、リアルロフトの3種類がある。残念なことに、この3つは一致しないのだが、これには「重心位置」と「ダイナミックロフト(インパクトの瞬間のリアルロフト)」の話をしなければならない。あるブランドの9.5度が、他ブランドの9.5度とまったく同じであることはほとんどない。もしあなたが、あるメーカーの9.5度を使っていても、他ブランドでも9.5度が合うとは限らないのだ。

・各メーカーの調節式ウェイトシステムは、それぞれ違う。調節機能を最大限に使いこなしたいなら、ウェイトを広い範囲に動かせて、ヘッドの周辺に配置できるクラブを探すことをおすすめする。

 

テストについて

MyGolfSpyのミッションは、ゲームを変えるドライバーを探す手助けをすること。完全に独立した公平な立場で、「カスタマーファースト」をポリシーとして掲げている。

 

テスターについて

テスターグループは、ハンディキャップが1ケタから15くらいまでの35名のゴルファーで構成される。スイング(ヘッドスピード、アタックアングルなど)の特徴はバラエティーに富む。

テスターには、セッションごとに1本のクラブにつき10~12球の「グッドショット」を打ってもらい、そのセッションを数回繰り返す。使用するクラブの順番は、テスターごとにランダムに変える。

 

データの信頼性

データのばらつきをなくすため、テスター全員がブリヂストン B330 RXゴルフボールを使用し、フォーサイトスポーツGC Quad(GCクワッド)という弾道計測器機を使って、クラブデータとヘッドデータを収集している。

 

異常値の排除

ランキングを決定する前に、独自の検出方法を用いて異常値を探し、取り除いている。最終結果を出すために、標準偏差やデータの統計学的有意性も考慮に入れ、主な測定項目(ボールスピードや、飛距離、ばらつきなど)の平均値を算出している。

 

クラブスペック

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よくある質問

< ドライバーの購入について>

Q:どれくらいの頻度でドライバーを買い替えるべきか?

A:まれに技術革新が続くこともあるが、通常メーカーがクラブの性能を向上させるには3~5年かかる。特にUSGAが規制を厳しくしたことから、今後の技術革新にはより時間がかかる可能性がある。おすすめするのは、今使っているドライバーよりも、明らかに性能が優れたクラブが見つかったときに買い替えることだ。ただし、単に新しいドライバーが欲しいという理由で買っても問題ない。

Q:新しいフェーステクノロジーがたくさんあるが、その中でボールスピードの向上が顕著なドライバーはあるか?

A:テスト結果から、フェーステクノロジーがボールスピードの向上に直接関係することはないということが分かっている。あるゴルファーが使うとうまく機能するドライバーがあるのは確かだが、特定のモデルのボールスピードが、競合品より明らかに勝るというデータはない。

Qシャフトは重要か?

A:もちろんシャフトは重要だ。スピンや打ち出しの変化はそれほど大きくないが、シャフト交換によってショットの精度やボールのばらつき、総合的な安定性の向上が期待できる。

Q:調節機能の欠点はあるか?

A:答えは「Yes」だ。調節機能ホーゼルは普通のホーゼルより重く、望まない部分にある重量を他で調整する必要がある。調整できなければ、可動式ウェイトシステムの構造は複雑なのでその部分だけで使える重量を使い果たしてしまう。また、打音や打感に影響が出ることも多い。これは特に、フィッティングを受けない場合に起こりやすい。

 

<ドライバーのライ角も重要>

ライ角がアップライトなドライバーほどボールが左に行きやすく、スライスを軽減させることをご存じだろうか。つまり、フックに悩んでいるなら、ライ角の小さいドライバーを選べばいいのだ。

 

<MOST WANTED テストについて>

Q:テスターは、どのようにしてドライバーを選ぶのか?

A:クラブはアップグレードオプションはなく、標準スペックのみを使ってもらう。ロフトは9度か10.5度(表示ロフト)を使い、ロフトやライ角、フェースアングル(ホーゼルで調整)、可動式ウェイトなどの調整機能やシャフトオプションはすべて試す。

QMost Wantedドライバーはどのように決定するのか?

A:フォーサイトスポーツGC Quad(GCクワッド)弾道計測機で集めたデータをもとに、あらゆるパフォーマンス測定項目を検証する。測定項目には、ボールスピードや飛距離(キャリー/トータル)、ストロークゲインド値、精度、ショットのばらつき(ショットエリア)などがある。それぞれのテスターとクラブにおいて、主要項目である「安定性)の標準偏差や、統計学的有意性を考慮するのが我々の分析の特徴の一つだ。

Q:どのように「最も飛ぶドライバー」を決めるのか?    

A:統計学的有意性に基づいてテスター全員の平均トータルヤードを検証し、「最も飛ぶドライバー」を決定する。また、各テスターが打った飛距離の長いショットだけをピックアップして、クラブごとに検証を行う。

Q:どのように「最もやさしい」ドライバーを決めるのか?

A:ショットエリア(ばらつき)や精度、ボールスピードとキャリーの平均標準偏差などの測定結果を考慮して「最もやさしい」ドライバーを決める。

Q:ルックスや打音、打感などの主観的な要素は、どのくらいランキングに反映されるか?

A:まったく反映されない。MyGolfSpyのランキングは、弾道計測モニター上のデータとパフォーマンス測定項目のみで決まる

Q:以前のような、ヘッドスピード別のテスト結果は公表されるか?

A:ヘッドスピード別のテスト結果は、来週発表する予定だ。

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