展示会は大規模な取引の場であり、どのような業界でも主要な展示会が少なくとも1つはあるだろう。コンシューマーエレクトロニクスショーやAHR EXPO(空調冷熱展)は有名だし、コンクリート・骨材・アスファルトを取り扱うCONEXPO-CON/AGGなんていうものもある。

そして、忘れてはならないのはPGAショーだ。

空調やアスファルトはゴルフよりも日常生活に欠かせないものだが、ワクワクしながら車道を舗装したり、スリルを求めてエアコンを取り付けたりする人はいないだろう。

一方PGAショーは、ゴルフチャンネルやMyGolfSpyの取材対象であふれている。その理由は単純で、私たちはゴルファーであり、ゴルフ用品を買うからだ。

PGAショー

しかし、ゴルフ業界のベテランたちはあなたにこう言うだろう。「PGAショーはかつての姿を失ってしまった」と。これは今に始まったことではない。

PGAショーは、もはやゴルフ用品メーカーにとって大量の注文を受ける場ではなくなっているし、メーカーの製品リリースや小売店の購入スケジュールの前倒し、小売店の統合、eコマースの台頭などによって、少なくともここ10~15年は昔のようなショーではなくなっている。

さらに、2019年のショーに参加しないというテーラーメイドの判断を考えると、PGAショーの妥当性や必要性、将来性に疑問を感じるのは当然だろう。

MyGolfSpyは、その答えを探るために、公表を前提としてメーカーにインタビューを行った。キャロウェイ、タイトリスト、コブラ/プーマ、ミズノ、スリクソン/クリーブランド、ウィルソン、ブリヂストン、ツアーエッジ、ニューレベルゴルフがそれに同意してくれた。

ピンとテーラーメイドは未回答だった。また、PGAショーの主催者であるリード・エグジビションにも話を聞くことができた。

さらに、4人の業界関係者が匿名を条件にコメントを寄せてくれた。彼らにも仕事があるし、私たちはNSA(アメリカ国家安全保障局)ではないので、匿名なのは仕方ないだろう。

彼らをそれぞれA氏、B氏、C氏、D氏と呼ぶことにする。最初の3人はメーカーの元経営幹部であり、4人目は現役のサポート職だ。

2019年のPGAショーが迫ってきたので、私たちが彼らから得た情報を紹介したい。

きっとあなたは驚くに違いない。

PGAショー

 

帰らぬ「古き良き時代」

国際的なB2B展示会は進化している。というより、進化する必要がある。

商談や受注は徐々になくなり、3日間のショーの役割は小売店との関係構築へシフトしている。展示会は、業界のすべてが順調に進んでおり、未来が明るいことを利害関係者に示すまたとないチャンスだ。

それは、ゴルフメーカーにとってのPGAショーでも同じだ。たった一つ、消費者が蚊帳の外だということを除いては。

「CESが家電業界にとって、Outdoor Lifeがアウトドア業界にとって重要なのと同じように、PGAショーはゴルフ業界にとって重要だ」とキャロウェイのハリー・アーネット氏は言う。

「それは、ゴルフ業界の未来やゴルフに影響を与えている問題について話ができる絶好の機会だ。PGAショーが放つエネルギーやストーリーは、その年のゴルフ業界の指針になる」

「PGAショーは、ゴルフ業界を称賛する手段だと考えている」と述べたのは、コブラ/プーマのセールス・マーケティング担当役員だ。

「PGAショーは、新しい年を迎えて、自社の新製品やイノベーションを紹介し、小売・メディア・PGAプロなど、パートナーたちと顔を合わせることができる素晴らしい機会だ」

PGAショー

大手メーカーは未だにショーで注文を受けているが、1月下旬までにその年の取引のほとんどが確定する。

「PGA TOUR SUPERSTOREやWorldwide Golfに対する営業活動は10月から11月には始まっている」とC氏。「PGAショーが始まるずっと前に春/夏のオーダー、場合によっては秋のオーダーまで入っているのだ。」

「私たちは一部のアパレル企業とは違い、ショーであまり営業活動をしない」とタイトリストのボールマーケティング担当役員マイケル・マホーニー氏は語る。

「ただ、フットジョイは違う。彼らは販売ブースを持ち、注文を受けている」

メーカーブースには依然として営業担当者が配置されているが、eコマースと小売店の統合は業界に大きな変化をもたらしたようだ。

「ショーが始まった頃は、現在のような小売店のコングロマリットは存在していなかった」とC氏は言う。

「昔は店舗ごとにバイヤーがいたため、全国のバイヤーを1か所に集めることにショーの意義があった。現在は、たった6人のバイヤーが取引の90%を行っている」

昔のショーは、買い手と売り手が心から握手を交わすようなお祭りだった。あるベテラン営業担当者は、ショーでボールの年間売上の90%を受注したという。

既に倒産してしまったメーカーが行った、ユニバーサル・スタジオにも匹敵する伝説的なおもてなしの逸話を耳にしたことがある。

食べ放題・飲み放題の上、なんとヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのコンサートまでやったそうだ。現在はパーティーの規模は縮小しており、ゴルフ用品の販売を行っているのは小規模なブティックブランドが多い。

「ショーに参加する数十社のパターメーカーについて考えてみてほしい」とA氏は語り始めた。

「彼らは数百名のクラブプロや家族経営の小さな店のオーナーに会い、受注を勝ち取るつもりだ。大手メーカーにとっては重要ではないかもしれないが、パターメーカーにとっては間違いなく重要だ。」

PGAショー

何人かの情報筋は、展示会という業界全体が胸を躍らせる「お祭り」を開催するメリットを説明するために、「optics(大衆の意見)」という言葉を使った。そしてメーカーは、全力で「お祭り」にお金をつぎ込むだろう。

「自社のブランドや製品を紹介する上で、このようなイベントよりも優れた方法はない」とラッド氏は言う。

「当社のゴルフを楽しむためのメッセージや、ゴルフや業界に対する愛を多くの人に伝えられるのだから」

「いくつかの大手メーカーが、PGAショーの開催は業界にとって良いことだと考えていることは知っている」とA氏は述べる。

「彼らは会社の資金を使っているが、あくまで善良な従業員としてそれを行っている。それ自体に問題はない」

その資金とは何ドルくらいだろうか?

 

これからさらにショッキングなニュースを伝えるが、驚かないでほしい。

 

費用、価値、ROI(投資収益率)

何人かの情報筋によると、ビッグ5(テーラーメイド、キャロウェイ、コブラ/プーマ、ピン、タイトリスト)が、ショーに費やす金額は優に100万ドルを超えるそうだ。

「テーラーメイドのブースを出すには」とA氏は語り出した。「従業員の飛行機代や宿泊費、食費、催し物、ブースの組立・解体などに莫大な金がかかる」

いくつかのメーカーは毎年、出展するかどうかについて議論を重ね、その決定は多くの場合、いくつかの「大衆の意見」に行き着くという。

「どの企業も不参加を検討している」とツアーエッジのジョン・クラフィ氏は話す。「しかし結局参加を決めるのは、新製品を流行らせる重要な機会を逃したくないからだ」

「ショーの課題の一つは費用だ」とラッド氏は続ける。「PGAとリード・エグジビションは、いつもその議題について話している。社員は、自社の資金を何に投資するかを決めなければならない」

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「ビッグブランドだからこそ、自分たちが誇りに思えるような形でブランドを表現したい」とアーネット氏は言う。「しかし、私たちがショーにつぎ込む資金は、恐怖を感じるほどの額ではない。」

いずれにせよ、ほとんど注文が入らない4日間、小売店との関係構築だけに費やすことを考えると大金だろう。そのため、特に中間階層の「チャレンジャーブランド」にとって、期間中のすべてのミーティングが重要なのだ。

「ショーは4日しかないので、PGA TOUR SUPERSTOREを夕食に招待できるかどうかは重大だ」とA氏は述べた。

「これは常に戦いだ。朝食会、ランチミーティング、あるいは30分のアポイントを獲得したか聞かれて、こう思うんだ。『おかしいな、この人たちと素晴らしい関係を構築したはずなのに、昼食を共にできないとはどうしたことだろう…』ってね」

「それは難しいことだ」とラッド氏が語る。

「あなたが受注した取引、あなたが受けたメディアインタビュー、あなたが顔を合わせた重要な取引先、そしてあなたが会った何千人ものPGAプロについて考えてほしい。これらを一度に得られる場所が他にどこにあるというのだろう?全米中を飛び回って手に入れることはできるかもしれないが、結局は高くつくだろう」

「これは世界のゴルフメディアと顔を合わせる絶好の機会だ」とアーネット氏。

「当社(キャロウェイ)を訪れる機会を持たない、小規模で独立したスポーツメディアがたくさんある。ショーがあることで、彼らはアラン・ホックネル氏やロジャー・クーブランド氏、チップ・ブリュワー氏と話すチャンスを得るのだ」

投資収益率(ROI)に関しては、「費用の半分は支出に見合った効果が見込めるが、残りの半分はそうはならない」という古いマーケティングの格言が当てはまるだろう。どちらに転ぶかは誰にも分からない。

「それは、ツアープロと契約する理由やTVCMを出す理由と同じだ」と語ったのは、ブリヂストンの新CEOダン・マーフィー氏だ。

「ROIとこれらの理由の間にある相関関係を説明できるだろうか?結局、業界で存続するためにアピールしなければならない広報活動の一部として、プロ契約やCM出稿を行っているだけだろう」

PGAショー

「ROIは非常に主観的な指標であり、どのように測定したらいいのかまったく分からない」とC氏は言った。

「それは本当に感覚的なものだ。発注書の数で測っていた時代もあったが、それは小売店の統合が起こる前の話だ。」

全米プロゴルフ協会は伝統的に、PGAプロのためにショーを開催している。プロたちはフロリダに向かい、ラウンドをし、新製品をチェックし、その年の買い物をするのだ。その光景は(ある程度は)今でも見られる。

「新製品を見たり試したりするのが好きだ」とミネソタ州のPGAレッスンプロ兼クラブフィッターであるブラッド・プラス氏は述べる。

「PGAショーは、ボブ・ボーケイ氏やロジャー・クリーブランド氏といった大物と時間を過ごし、彼らの新製品に対するビジョンを聞くことができる数少ない機会だ。」

「全米プロゴルフ協会を支持することこそ、私たちがショーに出展する理由ではないだろうか」とC氏は話した。

「それは大衆の意見でもある。誰だって、PGAに『自分たちを支持してくれないなら、こちらもあなたを支持しない』と言われたくないだろう」

メーカーは、主要な小売業者とは普段から頻繁に顔を合わせているため、ショーの期間中はPGAプロとのコミュニケーションに時間を割きたいと考えている。

ゴルフ業界では小売のチャネルが徐々に減少しているが、メーカーは依然として重要視している。

「大手小売業者との会合はシカゴでもできる」と語るのは、ウィルソンのティム・クラーク氏だ。「PGAプロとの交流はシカゴではできないので、そこにショーの意義がある。」

「PGAプロは、販売チャネルとしては大きな割合を占めているわけではないが、マーケティングと需要創出ネットワークの一部ではあるかもしれない」とC氏は付け加えた。

「PGAプロは、バイヤーというよりもツアプロのように扱われている。つまり、PGAプロとの交流は、自社のロゴを適切な人に適切なタイミングで適切な場所に提示することにつながる。拡販というよりも、むしろブランディングに近いだろう。」

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「私たちのルーツはPGAプロに遡る」とタイトリストのマホニー氏は言う。

「このショーは、製品教育からブッチ・ハーモン氏やキャメロン・マコーミック氏とのティーチングセッションに至るまで、数多くのプロと濃密な交流する機会だ。レッスン、フィッティング、製品教育を問わず、私たちはパートナーが自身のプレーを改善する手助けをしたいと考えている」

PGAショーのデモデー(Demo Day)やコンベンションセンターでは、プロやバイヤー向けのセミナーが開催される。今年は50以上の公式クラスと、メーカーや卸業者が個別に実施するトレーニングやデモセッションが予定されている。

「重要なのはPGAプロだ」とB氏は付け加えた。

「ただ、毎年ショーに訪れるプロの人数はどれくらいなのだろうか?きっと減少しているはずだ。参加するだけでもお金がかかるし、メールで用品を買っているプロにとっては追加の支出になってしまうだろう」

 

テーラーメイド不参加の影響

テーラーメイドは、2019年のショーに参加しないことを正式に発表した。理由は、ショーに費やしていた資金を別のことに使うためだ。

「テーラーメイドは全米プロゴルフ協会への投資を拡大する予定であり、成長戦略を追求することによって、ゴルフにとってさらに大きな価値を生み出したいと考えている」とテーラーメイドのCEOデービッド・アベレス氏は10月にコメントしている。

これは、ショーの資金を全米プロゴルフ協会の支援に使うと言っているようにもとれる。しかし、何も発表されていないし、詳細も明らかにされていない。

これは興味深い。

「テーラーメイドのブースでは、PGAとのつながりを示す活動を行っていたことを覚えている」とB氏は話した。

「しかし、ゴルフ業界でタイトリストとキャロウェイに立ち向かうのは難しいだろう。ボールメーカーにとって、それは苦しい戦いだ。私は、テーラーメイドが白旗を掲げて、ダイレクトマーケティングやマスマーケティングに注力するのではないかと思う」

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「テーラーメイドのような業界リーダーがショーに参加しないだって?彼らは矛盾したことを言っているね」とD氏は語る。

「PGAプロを気にかけて支援すると言っているくせに、PGAの年間で最大のショーに参加しないなんて。」

ショーに参加しないと、必ず噂が広がるものだ。ナイキが2016年に撤退したとき、ゴルフ用品部門が苦境に陥っているという噂が立ち始めた。その年8月までに、その噂は真実であることが明らかになった。

テーラーメイドともなると、噂の広がり方は比にならないだろう。

「(CEOである)アベレス氏にはプレッシャーがかかっており、資金繰りを気にしているのだろう」とA氏は言う。

「5~6か月前に従業員を一時解雇すると聞いたが、そうはならなかったので、ただの噂だったのだろう。今からPGAショーまでの間にそういったことをすれば、アベレス氏は面目を失い、彼らの発表内容がショー不参加の決断とは何の関係もないことが明らかになるだろう」

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そして、テーラーメイドが、プライベートエクイティ企業であるKPS Capital Partnersの支配下に入って最初の1年を終えるところだという事実を軽視してはならない。

「好調なキャロウェイと比べると、テーラーメイドはかなり苦戦していると思われる」とB氏は述べる。

「彼らはクラブを売る必要に迫られている。そして、彼らは依然としてPGAプロにもクラブを売ろうとしている。しかし私の目には、彼らが投資家に対して最終的な収益を良く見せようとしているように映る」

「理由はとてもシンプルだ」とアーネット氏は話した。

「テーラーメイドを所有しているのはプライベートエクイティ企業であり、資金についての考え方がまったく違うのだろう。彼らは、企業価値を上げることが目的であり、彼らの投資は極めて短期間で行われる」

テーラーメイドは、MyGolfspyの2回目のインタビューの要請にも回答しなかった。

 

大衆の意見に惑わされない

テーラーメイドがPGAショーに参加しないのは2010年以来2度目であり、2000年代にはタイトリストとピンがショーに数年間参加しなかった。ブリヂストンもこれまで2回ほど参加を見合わせたことがあり、その時期は販売が2年間低迷したそうだ。

「中間階層のブランドにとっては、ショーに出展しないと注目度が下がる不安があるのだろう」とA氏は語る。

「テーラーメイドならば、『参加しなくても、やりたいことは何でもできる』と言えるが、参加しないのがウィルソンなら、『最近あまり上手くいってないと聞いた。Driver vs. Driverも上手くいってないのだろう』と言われてしまう。真実であろうとなかろうと、このような噂が広まってしまうのだ。」

PGAショー

「大企業の動向は確かに業界の意見に影響を及ぼすが、その影響力は弱まっており、時間の経過とともに衰えてきている」とC氏は言う。

「あなたが大手メーカーだったら、PGAショーに費やしたであろう7桁の数字を使って、別のツアープロと契約したり、Golf Galaxy(アメリカのゴルフショップ)に販促物を送ったりしたほうがいいかもしれない。

何に資金を投じるかによって効果は変わる。それとも、あなたは業界の意見に迎合するだろうか?

「大衆の意見」。またこの単語が出てきた。

大衆の意見と言えば、テーラーメイドの不参加の発表から48時間以内に、ブリヂストンとミズノがショーへの復帰を発表した。その後すぐに、コブラ/プーマがテーラーメイドが出展するはずだったスペースに移動した。

「今年は攻撃側に立つつもりだ」とラッド氏は述べた。

「これでスペースが広くなり、フィッティングや製品の展示を行う試打ブースが近くなった」

マーフィー氏は、ブリヂストンがショーへの復帰を決めたのはテーラーメイドの撤退よりかなり前だったと話したが、テーラーメイドの不参加については複雑な心境であることを認めている。

「すべてのメーカーがショーに参加し、彼らの活動をアピールするなら、それは業界にとって素晴らしいことだ」と彼は話す。

「一方で、テーラーメイドが参加しなければ、当社への注目度はその分高くなる。率直に言って、彼らが参加しないほうが、当社のチャンスは増えるだろう」

PGAショー

これはまったくの推測だが、何人かの情報筋は、テーラーメイドの不参加表明後の駆け引きによって、ブリヂストンとミズノがショーへのカムバックを決めたと信じているという。

「突然テーラーメイドのスペースが空いてしまい、リード・エグジビションはそれを埋める必要があった」とA氏は語る。「私の推測では、5割引、あるいは8割引でスペースを売ったのではないかと思う」

情報筋によると、テーラーメイドの営業担当者の中には、ショーに参加しないことに不満の声を漏らす人もいたという。

しかし、彼らが自費で参加するのは危険だ。タイトリストが参加しなかった年、タイトリストの営業担当者の中には、自費で参加しようとした人もいたらしい。

しかし当時のCEOが、「タイトリストは参加しない(つまり営業担当者も参加しない)し、ショーに行く営業担当者は解雇する」と発言して、その動きに待ったをかけたらしい。

「撤退しても、結局復帰することになる」とウィルソンのクラーク氏は語る。

「PGAショーの予算を節約して、1~2回不参加を決めても、最終的には突然復帰するという決断を下す。どうやらPGAショーから撤退すると何か悪いことが起こるみたいだね」

PGAショー

 

リード・エグジビション側の要因

リード・エグジビションは、全米プロゴルフ協会と共同でPGAショーを開催している。

リード・エグジビションは多国籍企業であり、40か国で航空宇宙・航空、建築・建設、エレクトロニクス、医薬品、ヘルスケアといった業界に関する500以上のイベントを開催しており、特にPGAショーの主催者としてよく知られている。

「リード・エグジビションは概して融通が利かないが、それも仕方がないと思う」とA氏は言う。

「彼らには、例外を許さないルールがある。デモデーの参加費を払わなければ、ショーフロアへの出展は許されない。彼らはあなたに金額を提示して交渉してくるだろう。彼らが困るのは、広いスペースがガラガラで、来場者に『今年は本当にがっかりだよ』と言われてしまうことだ」

一方C氏は「リード・エグジビションは、スペースを無料で差し出すと思う」と述べた。「彼らは『今年は参加しないって?この条件ならどう?』と交渉し、ショーを盛り上げるために大手メーカーにスペースを無料提供するだろう」

しかし、彼らは小規模メーカーに対しては、そこまで気前よくはない。

「私たちはデモデーだけに参加するつもりだ」とニューレベルゴルフのエリック・バーチ氏は話す。

「私たちには、デモデーのブースに人を配置し、すぐにコンベンションセンターに戻って準備をするだけの金も人員もない。リード・エグジビションはショーをアラカルトで提供すべきだ。」

PGAショー

「彼らは依然として一部に対して過度に価格を吊り上げている」とD氏は語る。

「一部の価格は法外だ。それらがショーへの出展費用を引き上げている。」

マーク・サイモン氏は、リード・エグジビションのPGAゴルフエキシビションイベント担当役員だ。彼は、リード・エグジビションと全米プロゴルフ協会は、すべての質問や懸念、および提案を真剣に受け止めているとMyGolfSpyに話した。

「目標は、4万人以上の出席者と1,000社近くの出展企業・ブランドのニーズに最大限応えることだ」とサイモン氏は述べる。

「全員を満足させることは難しいかもしれないが、PGAショーの満足度と(出展者と来場者の)スコアがリード・エグジビション主催のイベントの上位5%に入っていることを嬉しく思っている」

「多くの人々が、全米プロゴルフ協会はイベントの意義を無視し、出展者から大金をせしめていると思っている」とアーネット氏は語る。

「しかし実情は違う。全米プロゴルフ協会は、人々が見たいと思うもの、変わってほしいと思うもの、そしてそれが効果的かどうかについて、大小の出展者と非常にうまく協力している」

PGAショーは、だてにトレード・ショー・エグゼクティブのゴールド(展示会企業のための展示会)において「2017年最優秀ショー」に選ばれたわけではない。

また、リード・エグジビションは、今年のPGAショーにおいて、ただ単にラケット&パドル・スポーツ・カンファレンスの展示会を共同開催するわけではない。

このショーはPGAショーのスペースを使わずに、建物北側のフードコート専用スペースの一部を使用する。

リード・エグジビションがラケット&パドル・スポーツ・カンファレンスと一緒に展覧会を開催するのは初めてのことだ。

ショーが賑わっているように見せるために共同開催するのでは?という意見もあるだろうが、むしろ利便性の問題だろう。いずれにせよリード・エグジビションはホールを持っているので、どのようにことが運ぶのか見守るほうがよさそうだ。

PGAショー

リード・エグジビションは守るべきビジネスを持っている。彼らは、大手メーカーが不参加を決めるたびに、ショーに価値を見出せなくなったのか、それとも単に予算縮小によるものなのかと考える。

「リード・エグジビションは議論を重ねているに違いない」とAは言う。

「テーラーメイドが今年参加しないのなら、来年キャロウェイも参加しないのではないか?方針の転換は何がきっかけになるのだろうか?『すべての大手メーカーが撤退する前に撤退はしない』と言える大手メーカーは何社あるだろうか?」

近い将来、ビッグ5が参加しないというシナリオはあり得るだろうか?

「重大な転換のきっかけはあるだろう。ありがたいことに、まだ目に見える形では存在していないが」とA氏は述べる。

「しかし、もしテーラーメイドが来年も復帰せず、キャロウェイも来年撤退したら、タイトリストはどうするだろうか?ドミノ効果で、他のメーカーも参加しないのではないか?」

オフレコの情報筋は、ビッグ5がすべて撤退すると中間階層のブランドが一瞬でいなくなると考えている。

「ビッグ5が撤退したときのことを考えてみよう。他のメーカーは、参加する必要があると思っているから参加しているのだ」とA氏は話した。

「言い換えれば、彼らは参加せざるを得ないのだ。彼らは50万ドルほど費やしているに違いない。彼らはその金額を喜んで差し出しているわけではないが、製品を直接手に取ってもらうチャンスを得るには参加しなければならない」

PGAショー

「ビッグ5が去ってしまったら収入が大幅に減り、ショーを開催することができなくなるだろう」とB氏は語る。「アパレル企業がその状況を救うかもしれないが、そうなるかどうかは分からない」

一方、キャロウェイは2019年まで35年連続でPGAショーに参加しており、アーネット氏はドミノ理論の話はまったくナンセンスだと考えている。

「参加し続けている企業は、生き残る道があることを理解していると思う」と彼は言う。

「テーラーメイドの不参加が、何らかの形で連鎖反応を引き起こすとは思わない。私たちは常に進化する方法と、改善できることを考えている。今後5年間でショーは変化していくだろう。そうならなければ、ゴルフ業界は頭打ちになってしまうだろう」

ウィルソンは、その66年の歴史の中でPGAショーに参加しなかったことはない。「撤退する理由もあれば、戻ってくる理由もある」とクラーク氏は言う。

「撤退する理由はお金、戻ってくる理由はビジネスだ」

 

PGAショーは改善できるか

ショーについて最も肯定的なコメントを寄せてくれたのは、当然ながら身分を明かしている人たちだった。一方、遠慮のない発言をしたのは匿名の情報筋だったが、これも必然だろう。

だが、ショーを改善するためのアイデアについて聞かれたときは、あらゆる情報筋が非常に率直な意見を述べた。

「単純に、間違った時期に開催されていると思う」とクラーク氏は話す。

「ゴルフ用品メーカーにとっては10月か11月が理想かもしれないが、ショーにはサイクルがあり、多くの衣料品企業がショーで大量の注文を受けていることは理解している」

PGAショー

「秋のいつ頃開催するかが重要だ」とA氏は語る。「どのくらい遅くしても効果が見込めるだろうか?」

ゴルフ用品メーカーの希望だけでショーの開催時期を変えるのは、いくつかの面で問題がある。

第一に、ショーの70%を占めるのはアパレル企業、技術系企業、アクセサリー企業、ゴルフ場消耗品企業、またはその他の付帯品のベンダーであり、彼らは注文の大部分をショーで受けている。

第二に、ショーはPGAプロのオフシーズン中のイベントだ。

「ミネソタ州やボストン州のプロについて考えてみてほしい」とA氏は言う。

「彼らはお金を稼ぐために、できるだけ試合に出なければならない。試合スケジュールが落ち着いて、彼らが旅行に出られるのはいつだろうか?」

サイモン氏は、ショーのタイミングは常に全米プロゴルフ協会や業界リーダー、主要出展者(用品メーカーを含む)で話し合っていると述べた。

「現在に至るまで、開催時期の変更を支持する意見が共有されたことはない」と彼は付け加える。

「出展者と出席者の大半は(1月という開催時期に)満足している」言い換えれば、70%の企業が30%の企業に多数決で勝っているわけだ。

最も議論が白熱したのは、ショーを一般消費者向けに開放することについてだった。

「このテーマは、100人にアンケートすると50対50に分かれるだろう」とA氏は話す。

「木・金曜日を業界人だけにして、金・土曜日を20ドルの入場料を支払う一般消費者向けに開放するとする。何人の消費者の参加が見込めるだろうか?」

「消費者向けに開放すると、新製品が拡散されやすくなるかもしれない」とラッド氏は話す。

「問題はどこの消費者を呼ぶかだ。オーランドからなのか、それとも広く全米から呼ぶのか?」

「正直に言うと、ショーの3日目は捨て駒みたいなものだ」とD氏は言う。

「金曜日は、ハロウィンのように無料の品をねだる人ばかりが押し寄せる。そのため、金曜日に消費者を参加させて製品を体験させるのは、マーケティングの観点で見ても価値がある」

「ゴルフ業界は完全に的外れなことをやっている。まったくの的外れだ」とB氏は強調する。

「企業のイノベーションとテクノロジー、そしてそのクールさをお披露目する最大のショーなのに、消費者を参加させないなんてあり得ない。これは完全に機会の損失であり、ゴルフ業界がいかに偏狭でエリート主義かを物語っている」

アマチュアゴルファーが友人と一緒に真冬のPGAショーに行くだろうか?アーネット氏は「間違いなく行く」と言う。

「どこかの会社がPGAショーツアーを企画すればいい」と彼は述べた。「友人3人で参加して、ホテルはここで、ラウンドはここで、これが入口で見せるパスだ、みたいにね。あり得ないことではないし、そうなれば最高なのに」

「コミコン・インターナショナルと同じくらいの規模で行うことができるだろう」とB氏が付け加えた。

「イーデルがパターやウェッジでやっているように、自社のクールな製品を披露することができる。キャロウェイもやっていることだし、参加者は楽しんでくれるだろう。消費者の参加がプロとのコミュニケーションの邪魔になるって?そんな馬鹿な!」

PGAショー

しかし、全員が消費者の参加に賛成しているわけではない。

「毎年このことは議題に上がる」とクラーク氏。

「リード・エグジビションは参加すべき重要な人々が確実に参加できるよう配慮してきた。ひやかし客がいなければ来場者数は減ることになるが、ビジネスはより健全なものになる。それこそが私がショーに求めていることだ」

「消費者と顔を合わせる目的でショーに参加する企業はゴルフ業界にいないだろう」とクラフィ氏は言う。「これは展示会なのだから、今のままでいい」

「ショーの参加資格を限定することは重要だ」とマーフィー氏。

「企業は、真のビジネスマンを求めている。これが消費者のショーになってしまうと、私たち出展者はそれに合わせなければならなくなり、目的が変わってしまう」

一方でマーフィー氏は、「消費者向けの大規模なゴルフショーを開催すれば、PGAショーもアマチュアゴルファーに対する影響力を持つようになるかもしれない」という。

「ゴルフはオープンマインドを持ち続ける必要がある」と彼は言う。

「確かに、今すべての答えを持ち合わせているわけではない。しかし他の業界には、多くのエネルギーと興奮を生み出す素晴らしい消費者向けのショーがある。それがゴルフ業界でやれるなら面白いだろう」

サイモン氏は、現在のところ出展者間のコンセンサスは、PGAショーをB2Bのまま維持することであると述べた。

「もちろん、変化する小売業者の勢力図と常に変わる業界の動向を見ながら、デモデーまたはショーフロアのいずれかを消費者に開放してショーを盛り上げることを毎年検討している」

PGAショー

 

PGAショーの未来

さて、最初の議題に戻ろう。「PGAショーへの出展に意味はあるか?」だ。

身分を明かしている情報筋(大枚をはたいてショーに投資している人)は全員、PGAショーが一年のハイライトであり、ビジネスにおいて決定的な役割を果たしていると考えている。

当然のことながら、ショーへの出展費用は予算に組み込まれているし、ブランドや商品が取材されることで消費者にアピールできることは依然として重要だ。

「タイトリストやキャロウェイがショーに参加するのは、それが自社をアピールできる唯一の方法だからだろうか?もちろん、そうではない」とアーネット氏は述べた。

「私たちは常に経験を重ねてきた。私たちは、自社のビジネスにとって正しいこと、ゴルフや他のスポーツにとって正しいことをやってきたし、間違いなく全米プロゴルフ協会やPGAプロの重要なパートナーだ」

PGAショー

あなたがゴルフ用品オタクならば、展示されている製品のほとんどをブログやYouTubeで飽きるほど見ているだろう。大量の発注書を期待するメーカーにとって、それらは心強い味方になるはずだ。

「結論としては、ショーが必要だとは思わない」とC氏は話した。

「用品メーカーは業界にいる6~7人ほどのバイヤーに対応している。ほとんどの場合、バイヤーはメーカー(特に大手)に直接赴く。あなたは、適切な人員を配置した縄張りとも言えるショールームにバイヤーを囲い込める。自社で展示会を開催すれば、そのほうがずっと安上がりだ」

「プライベートエクイティ企業が関与している場合、PGAショーへの出展はなかなか難しいだろう。どれくらい費用がかかるか?人員は何人必要か?ブースの組立・解体にはどれくらい費用がかかるか?(ショーで使う)巨大なセットを1年間のうち50週間保管しておくのにいくらかかるか?セットの修繕に毎年いくらかかるか?これらの回答をプライベートエクイティ企業の重役に説明しても、彼らの次の質問は『ROIを教えてくれないか?』だ。あなたは、『うーん、えっと、それは測定するのが難しいです』と言うしかないだろう」(A氏)

従来型の展示会は一つの手段ではあるが、リアルな場であるPGAショーにとっては、ショーを進化させるためには顧客満足体験の提供が不可欠だ。

「PGAがショーの直接体験の潜在的な価値を理解しているかどうかは分からない」とB氏は語る。

「それは『やあ、みんなで集まって新製品を試してみよう』と声を掛けるようなものだ」

アーネット氏も、ショーの進化のカギは消費者が握っていると考えている。

「私たちは、ショーを消費者に開放する方向へ進むと思う」とアーネット氏は言う。

「論争を引き起こすトピックのパネルディスカッションをもっと見たいし、コンベンションセンターのホールを内外から行き来できるようなショーもいい。業界のリーダーたちに、オンラインで質問できるような仕組みがあったら最高だ」

PGAショー

結局のところ、ショーの妥当性はあなたが欲しいものによって決まる。関係構築は依然としてビジネスにおいて重要であり、古臭いかもしれないが、一か所で一度に人脈を築くことができるのは便利だ。

しかし、コミュニケーション方法が進化すれば、ショーの必要性も進化する。

「ソーシャルメディアやデジタルコミュニケーションに精通した若者が参入するようになれば、直接ショーに行くことだけがすべてではなくなるだろう」とB氏は述べた。

「そのような考えは徐々になくなっていくだろう。今年ではないと思うが、近い将来起こるはずだ」

変革の時は近づいており、それはすぐにやって来るかもしれない。楽観的に見ることもできなくはないが、世の中はお金がものを言うというのもまた真実だ。

テーラーメイドの撤退が、メーカーがマーケティング資金を見直す兆しなのか、あるいは単に一企業の予算の問題なのかは、すぐに明らかになるだろう。

「PGAショーが存在意義を失っているという話は、実際はその(話をしている)企業の経済的な問題だと思う」とアーネット氏は話す。

「ショーの短期的な効果だけを求める企業は、、最終的に負けるだろう」

PGAショー

過去のショーの話題と言えば新製品とその大量受注だったが、技術・通信・eコマースの進化によってそれらは完全に過去のものとなった。

PGAショーは時間と共に進化する必要があるが、その道は平坦ではない。

最終的には、「個人的な人間関係や対面式の会合は替えがきかないものであり、現代の展示会はユニークで潜在的に費用対効果の高い機会へと変化している」という基本的なビジネスの道理に行き着く。

要するに、あなたが何かを販売しており、あなたの顧客や見込み客が4日間の祭典に集まるなら、あなたもその場にいることが得策だということだ。

なぜなら、ショーに参加しないで顧客と顔を合わせないということは、当然そのチャンスを競合他社が奪っていってしまうからだ。

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