タイトリストの新アイアン「T100アイアン」のツアー支給がスタート(数名が全米オープンで使用*1)したのに続いて、(トラベラーズ選手権が開催される)TPCリバーハイランドで、「T200」と「T300」アイアンをお披露目する。

ツアー支給と言うと、タイトリストのツアーレップ(担当者)がプロと連携してニューアイアン、ユーティリティ、ハイブリッドのフィッティングを行うことが目的だが、その裏には、非公式にUSGA(全米ゴルフ協会)の画像に新作クラブをチラ見せして商品をアピールする目的もある。

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ご存知の方もいると思うが、2、3週間前にお世辞にも良いとは言えない「T300」の実物画像が流出した。

このアイアンに対する最初の反応は好意的とは言いがたく、MyGolfSpyコミュニティのメンバーの一人は、この画像を見た日がエイプリルフールでないかカレンダーをチェックしたとコメントするほどのものだった。

ところが今はどうだろうか?

新しいデザインに対する第一印象は何かとよろしくないものだが、時が経つにつれてタイトリストが、大幅刷新したのは一目瞭然で、代表的モデルであるAPシリーズを大改革したデザインに対して好意的な気持ちを持つべきだと思う。

タイトリストは、いまだに新アイアンのテクノロジーやどのモデルがどの後継となるのか明かしていないが、「T100」は「AP2」の「T200」は「AP3」の後継モデルで、「T300」は「T-MB」と「AP1」の「合いの子」のようだ。

とりわけ「T200」は「MAX IMPACT」と描かれているキャビティ部分のウェイトが特徴だ。

「T300」の特徴的なキャビティデザインにも「Mi」と描かれていることが分かる。おそらく「Mi」は「マキシマム・インパクト」を表しているように思う。

何れにしても、初速が上がるアイアンからすぐに変えたいという気持ちにさせる、初速アップがキーワードになるだろう。もし、効果的に初速アップできるアイアンを持っているなら、あとはあなた次第だ。

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冗談はさておき、タイトリストが新アイアンを初速アップではなく、スコアアップに対して最大限の(素晴らしい)効果をもたらすことを推し出す可能性もあると思う。

おそらく最大効果とは、ボールが適正なスピン量を伴い効率の良い角度でグリーンに落ちることを意味しているのだろう。

そして、今のところ明らかになっていないのが「T400」だ。詳細ははっきりしていないが、「T400」はタイトリスト史上、最も寛容性があるアイアンになるのではないかと感じている。

タイトリストがPGAツアーにおけるアイアン使用率No.1(5年連続でここ15シーズンでは14シーズン)であることは言うまでもないだろう。

ドライバー(ほとんどの週)、ハイブリッド、ウェッジ、そして当然ながらボールの使用率でもトップであり、そのためのお金事情は常に付きまとうが、その裏で圧倒ぶりは印象的でもある。

しかし、タイトリストの課題は、こうしたツアーでの成功の裏で近年のアイアンシェアが落ち込んでいる小売市場に注力することだ。

「TS」のウッドシリーズと同様、新鮮で他とは違う、そして安定した在庫を店舗に置く努力をすることがブランドの再構築となる。

こうすることで、この数年で競合メーカーに流れていったゴルファーの興味を引くことができるだろう。

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お手並み拝見だ。

*1 記事配信後に、タイトリストから全米オープンにおいて、チャールズ・ハウエルIIIが「TS3ハイブリッド」に加え、「T100」と「620CB」のコンボセットを使い、キャメロン・スミスが「T100」の#4〜#9アイアンと「U500」の#3アイアンをバックに入れ、ジャスティン・トーマスが「T100」の#4アイアンでプレーしたという連絡が入った。