最近私は、「Expectation vs. Reality(期待と現実)」というミーム(アイデアなどの伝達情報)が気に入っている。グーグルで画像検索をすれば、意味がお分かりいただけるだろう。ビッグマックの広告写真と実物の違いがいい例である。実物の商品が期待通りであることは、まれだ。

昨年の夏ツーロンデザインは、「ツーロンガレージ」というオンラインのデザインシステムをスタートさせた。コンピューターの画面上でパターをカスタムデザインし、製造と配送までを提供するウェブサイトだ。

もちろん費用はかかるが、自分のニーズに合ったパターを入手できるのだから、その価値はあるだろう。特筆すべき点は、デザインするプロセスでゴルファーが閲覧できる圧倒的なオプションの数だ。

サービス開始以来、私はこのシステムを使って12本ほどのパターをデザインしてみたが、とても優れたデジタルエンターテイメントだと思った。もちろんコンピューターゲームのようなものではないが、いろいろな可能性を模索するのはとても楽しかった。

しかし同時に、ちょっとした疑問が生じた。実際に届く商品は、果たしてコンピューターの画像と一致しているのだろうか。

今回は、このトピックを掘り下げたいと思う。

初めてツーロンガレージが提供するオプションを数えたとき、何百万もの組み合わせがあることが分かった。何百万は大げさだとしても、ヘッド、仕上げ、刻印、グリップ、ロフト/ライ角などの選択肢を考えれば、可能な組み合わせは膨大な数になる。

ツーロンガレージには、ほぼ無限大とも思われる選択肢があるので、ほとんどのゴルファーが自分に合った理想的なパターを見つけることができるだろう。私は自分のプレーの特性や、好みのルックスに基づいてデザインを試みた。デジタルバージョンと、実際に出来上がったパターを比較してみたいと思う。

主なオプションをいくつか紹介し、期待どおりの仕上がりになっているかを検証する。

 

利き手とヘッドデザイン

私は右利きなので問題ないが、ゴルフメーカーによっては左利きの用クラブを提供していない場合もあるので、この選択肢の有無は注目に値する。ツーロンガレージは左利き用も提供しているが、3モデルに限定されている。ちなみにコンピューターグラフィックでは、右利き用が表示される。3モデルだけとはいえ、左利き用の選択肢があるだけでもありがたい。

次はヘッドのオプションだ。ヘッドには10ものオプションがある。ここは私が、最も時間を費やして想像を膨らませたところだ。

今回はロチェスターのヘッドを選んだ。個人的には、スクエアーオフに近いブレードが自分には合っていると思う。コロンブスノッチバックと迷ったが、ロチェスターのアドレス時のルックスが気に入ったのだ。

期待と現実の比較

ヘッドの出来上がりは狙いどおりだったと思う。私が注目した点はアドレス時のルックスだったが、実際に届いたパターは期待に沿うものだった。コンピューターの画像は、実際のデザインと一致していた。

 

ネックと仕上げ

ロチェスターには、3つのネックオプションがある。私のストロークにはフローネックが適しているので、H5フローネックを選んでみた。フローネックは、最近人気が上昇している。

仕上げに関しては、単色で統一することに決めていたので、ブラック以外の選択肢は考慮しなかった。銅仕上げも好きだが、私の好みよりも暗いイメージだった。

期待と現実の比較

ネックと仕上げのデザインは、完成品がコンピューターの画像を上回ったと言える。ネックは、完璧にヘッドにマッチしている。他に2つのオプションがあるとは、想像もできないほどだ。H5ネックが、最も適しているようだ。

ブラックの仕上げも期待以上だった。ただの黒ではなく、とてもダイナミックな色合いである。キャビティーのエッジ周りが、虹色に光って見える。画像では黒いエナメルのように見えたが、黒にはプリズムの性質があるため、実物は光の加減で虹色に見えるのだ。

 

ペイントと刻印

私は黒いパターにこだわっていたため、可能な限りブラックを選んできた。少しコントラストを加えるためにグレーを入れることも考えたが、コンピューター画像のブラックは通常の黒とは少し違った色調であり、それが珍しかったので、あえてグレーは選択しなかった。

刻印(スタンプ)については、いつも迷うところだ。本当に必要なのかも疑問だし、シンプルなほうがいいかもしれないとも思った。しかし今回はツーロンガレージの可能性を知るために、「Roll Noir」の文字をバンパーに刻むことにした。

期待と現実の比較

ブラックのペイントは、期待どおりの出来栄えだった。他のパターのブラック仕上げと比べて、少し違った印象の黒だ。アドレス時には、アライメントを確認するラインがはっきりと見える。

バンパーの刻印も上出来だ。コンピューター画像では、テキストボックスを張り付けたように見えたが、実物は、職人の手(もしかしたらショーン・ツーロン氏本人かもしれない!)によって刻印されたことが明らかだ。ツーロン氏本人とは言わないまでも、職人の手仕事であることは確かだ。機械で刻印されたのではなく、手作り感があるところが気に入っている。自分のために作られたという、特別感がある。

 

シャフト・グリップ・デザインオプション

シャフトもブラックに統一したが、グリップについては白のSuperStroke Pistol GTグリップを選んだ。グリップの選択肢はたくさんあるが、残念ながら黒一色のオプションはなく、白と黒のミックスならば相性がいいと思った。

今年1月にキャロウェイ本社を訪れた際に、幸運にもSAM Lab パターのフィッティングを完了することができた。その時の経験を踏まえて、ライ角を1度フラットに、ロフトは1度立てることにした。

期待と現実の比較

 

  

曲げ専用の機械にパターを置いたところ、やはり正確に1度フラットで1度立っていた。単なる飾り物ではなく結果を出すためには、スペックは正確であることが必須だ。

 

独創的な外箱

ここまで読んで、ツーロンガレージのロチェスターが、コンピューターの画像から私が抱いた期待をはるかに上回ったことがお分かりだろう。しかし期待を裏切らないのはパターだけではない。

外箱を開けると、パターが発泡材できれいに固定されている。よくある梱包材が詰め込まれたものとは、対照的だ。付属のステッカーや、ツーロンガレージのスペシャルデザインのヘッドカバーも気に入った。

そして箱の中にもう1つ、小さな箱があることに気付いた。

その小箱の中には、ツーロンブランドのピッチツールと金属製の証明書が入っていた。言うまでもなく、これらのサービスは非常にクールである。証明書であるメタルカードはすばらしい出来で、カスタムメードの特別感を感じさせる。

証明書の右側の小さな穴に指をいれて証明書を取り出してみると、そこにはツーロンガレージのコインが入っていた。嬉しいサプライズだ。このような計らいによって、購入者はさらに特別感を味わうのだろう。

 

高い価格設定

最終的に、私がカスタムオーダーしたツーロンガレージのロチェスターは754ドルになった。この時点で、興味を失った人もいるはずだ。多くの人にとって、750ドルは高すぎる。毎月の限られた生活費の中から、BMWの新車を買うようなものだ。多くの人にとって、この金額を捻出するのは難しい。ハイエンドの製品が高価なのは当然だが、万人向けではないのかもしれない。

しかし、手の届くリーズナブルな価格だと捉えるゴルファーもいるだろう。パターは他のクラブより長持ちするし、価値が高い傾向にある。ストローク数が一番多いクラブだからこそ、自分に合ったものを特注するべきではないか。パターにこだわるゴルファーなら、高い出費を正当化する言い訳がいくらでも見つけられそうである。

価格の正当性を探るため、2018年のキャメロンカスタムショップのセレクトパターの価格と比較してみよう。キャメロンのオリジナルパターは399ドルで、これをカスタマイズするのに150~300ドル程度が上乗せされる。そう考えれば、ツーロンガレージの価格と大差はない。キャメロンカスタムショップにも多くの選択肢が用意されているが、仕上げとネックのオプションは提供されていない。

キャメロンカスタムショップとツーロンガレージは、同じ価格帯で個人向けのカスタムパターを注文できることに変わりはないが、ツーロンガレージでは、パターの物理的性質まで大きく変えることができる。従来の個人向けより、さらに個人の要望に沿うパターを作ることが可能なのである。

キャメロンカスタムショップは納期までに数週間を要するが、ツーロンガレージは納期を日数で表示している点も注目だ。

 

期待を上回るツーロンガレージ

届いたパターの箱を開けた時、ビッグマックの広告写真と実物にあるような、「期待と現実の大きな差」はまったく感じなかった。出来上がったツーロンガレージのロチェスターは、期待をかなり超えていた。パターの仕上げ、刻印、全体のデザインのすべてがコンピューターの画像で見たものよりはるかに優れていた。

箱のプレゼンテーションも、特別なギフトを開けるような高揚感をもたらしてくれた。すべての面において、カスタムパターの愛好家たちを十分に満足させるものだった。

ツーロンガレージでパターを注文したいなら、システムの操作に関して心配することはない。ショーン・ツーロン氏と技術者によって開発された、デジタルカスタムパターシステムは、とても使いやすくできている。もちろん、他にもメールや電話でオーダーできる小規模なカスタムショップもあるが、注文から納品までを効率的に進めたいのなら、ツーロンガレージは最も優れたシステムだと思う。

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