極端にタイトなライや硬い地面、カート道を通るバンカー。ゴルファーは、時にこのような状況に立ち向かわなければならない。

コース設計そのものや、やさしいコースから一夜にして難しいコースに様変わりするような季節的要因にもよるが、ハイロフト・ローバウンスのウェッジが必要になる場面が少なからずある。

ボーケイSM7では、Lグラインドがこの役割を担っている。このグラインドは比較的狭いソールにかなり小さいバウンス角が特徴だった。

それにローバウンスオプションを加えたのがWedge Works 60/06 Kグラインドだ。実測バウンス角は小さいが、ソール幅は広めだ。この2つのどちらが合うかはゴルファーのスイングによるが、どちらも合わないケースもある。それを考えると、ソール幅の狭いグラインドの中にさらに多くの選択肢があるのは決して悪いことではない。

それを踏まえて、WedgeWorksから発売される最新かつ限定の60度Tグラインドを紹介しよう。

Vokey WedgeWorks

Tグラインド誕生の経緯

Tグラインドは、ボブ・ボーケイ氏がタイトリストのブランドアンバサダーであるトム・パーニスJr.のために造ったものだ。MグラインドをベースにしたTグラインドは、ソール幅が狭くローバウンスで、ソールはほぼフラット、全体的に幅広いフランジが特徴だ。

実効バウンス角が小さく、ソールがフラットなTグラインドのようなウェッジは、アタックアングルが浅いゴルファーや、乾いた状態もしくは硬く目の詰まったバンカーから打つことが多いゴルファーにとって最適なオプションだ。L、K、Tグラインドのどれを選ぶかは難しい選択だが、Tグラインドが最も「多様性」に優れることは間違いない。

敬虔なボーケイファンには、2008年9月にWedgeWorksから初めてTグラインドが発売された時のことが思い出されるかもしれない。この時のTグラインドも60度だった。

Tグラインドは、その後SM5のオプションとして再び登場した。どちらかというと特別なウェッジという位置づけだったため、ロフト角は62度のみだった。

直近では、2016年3月にWedgeWorksからTグラインド64度がリリースされている。これは、かの有名なオーガスタ・ナショナルの速いグリーンに対応するため、ツアープロ向けにボブ・ボーケイ氏とアーロン・ディル氏が造ったウェッジだ。

64度のロフト角と実効バウンス角6度の64Tの特徴は、革新的な重心技術と、ボールを高く上げてグリーンでしっかり止める「スピンミルドTX4グルーブ」だった。特にグリーン周辺での多様性に特化するためヒール、トゥ、トレーリングエッジが改良されたが、必要な時にはバンカーショットにも対応できる十分なバウンスも備えていた。

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2018年60度Tグラインド限定モデル

計画通り、新しい60度Tグラインド限定モデルが発売されるが、偶然にもTグラインドが初めてWedgeWorksに登場して10年目を迎える日に発売されることになった。

前述のとおり、Tグラインドはグリーン周りで万能な、特別なロブウェッジとして設計されている。スペックとしてはローバウンス(ボーケイは4度と記すだろう)だが、新モデルの60度Tグラインドは「デュアル・バウンスソール」を特徴としている。

接地部分をソール前方に寄せるバウンス設計が、タイトなライや硬く締まったフェアウェイからでもフェースをスクエアにして打つことを可能にし、同時に大胆にグラインドされたトレーリングエッジによって、フェースを開いた時にリーディングエッジが地面の近くにセットされる。間違いなく、どんなタイトなライにも対応する究極のウェッジだ。

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Tグラインドのデュアルバウンスグラインドの改良は、ピンがEyeSoleウェッジの特徴を謳うように、その存在を明確にアピールしている。

 

「スコットランドのカーヌスティ(ゴルフリンクス)の『硬さ』と『速さ』を知ったとき、我々はTグラインドが必ず役立つと確信した。ボブはリーディングエッジを低く保ちながら、簡単に扱えるローバウンスTグラインドを造り上げた。Tグラインドは特にタイトなライで非常に優れた性能を発揮する。」(ボーケイ ツアー担当 アーロン・ディル氏)

 

全米オープンでの使用率は少し落ちたものの、その後も3~4名のプロがTグラインドウェッジをツアーで使っている。

 

超プレミアムスレートブルー仕上げ

60度Tグラインド限定モデルには、最新の超プレミアムスレートブルー仕上げ(少しブルーとグレーがかった鏡面仕上げ)が採用されている。MyGolfSpyのエディター、トニー・コービーが最近タイトリストを訪問した際、この最新の仕上げを見る機会があったのだが、彼によると写真でも素晴らしいが、実物は格段に良いという。

スレートブルー仕上げはボーケイの他モデルの仕上げより少し費用がかかるが、それに見合う価値は絶対にある。「仕上げ」がそのクラブのストーリーの一部あるいは全体となることがあるが、その耐久性はしばしば問題になる。スレートブルー仕上げは、ツアークロム仕上げの耐久性と同じで、PVDのように数回で剥がれるようなことはない。

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カスタムオプション

60度Tグラインド限定モデルも他のWedge Works同様に、10文字までの刻印や、12種類のカラーから選び、好みに合わせてカスタマイズすることができる。また、シャフトやグリップ、トゥのカスタムに伴うソケットなど豊富な選択肢から選ぶことができ、類を見ないユニークなカスタムウェッジが作れるだろう。

 

価格と販売状況

 美しさには、お金がかかる。Wedge Worksの 60度Tグラインド限定モデルは250ドルからで、本日よりボーケイ Wedge Worksから販売される。

ローバウンスのロブウェッジを探している人や、独特な「スレートブルー」が気に入った人なら60度Tグラインドは試す価値がある。おそらくすぐにSM8のラインナップにTグラインドとスレートブルーが登場することになるとは思うが、この60度Tグラインドは早々に売り切れるだろう。

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