クリーブランド「HB SOFT(ハンティントンビーチ ソフト)」ミルドパター

主な注目点

・クリーブランドのお値打ちパターシリーズがアップデート

・10モデル(スライトアークが6モデル、ストレートバック/ストレートフォロスルーが4モデル)

・UST「ALL IN」カーボンファイバー-スチールシャフトがオプションでラインナップ

・価格はスチールシャフトが1本199.99ドル、「ALL IN」シャフトは249.99ドル。発売は11月18日


クリーブランド「HB SOFT」ミルドパターは、あなたが好きな多くの要素を持つパターと言える。

ミルドパターの見た目が好きでしょ?

ミルドパターの見た目は好きだけど400ドルも払いたくないでしょ?

フェーステクノロジーは欲しいよね?

新しい複合パターシャフトには興味があるんじゃない?

あなたこのパター好きでしょ? 

2016年の初代「ハンティントンビーチ(つまりHB)」パターシリーズまで遡ってみても、クリーブランド以上に手頃なパターを送り出しているブランドを見つけることは難しいだろう。また、クリーブランド以上に、手頃なパターを世に送り出しているにもかかわらず評価されていないブランドを見つけることも大変だ。

往年のロックバンド“バッファロー・スプリングフィールド”は1967年当時、もちろんクリーブランドのパターを歌にしたことなんてないが、このパターを表すのにピッタリな歌詞を書いた。 「何かが起きているが、それが何かは良く分からない」。

では、その何かをはっきりさせることができるかチェックして行こう。


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クリーブランド「HB SOFT」ミルドパターについて思うこと

「たくさんのテクノロジーが詰まった新作パターは?」と聞かれてクリーブランドが最初に思い浮かぶだろうか? 2番目?それとも9番目?

新しいクリーブランド「HB SOFT」ミルドパターに、ゲームを変えるほどの要素はない。2020年のシリーズとはほぼ同等だ。今回追加されたのは、数種類の新形状とホーゼルタイプ。6モデルは、スライトアークなストロークをする人向けのトゥハング(トゥの傾き度合)で、4モデルはストレートバック/ストレートフォロスルーのストロークをするゴルファー向けのフェースバランスタイプとなっている。

※スライトアーク:ストロークのアーク(フェースの開閉)が小さい人向け

ストロングアーク向けはないのかって?残念ながら上記のどちらか(スライトアーク・ストレート)を使うか、他のモデルを探すしかない。


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とはいえ、クリーブランド「HB SOFT」ミルドパターシリーズは、お手頃価格のイノベーションがポイントだ。「HB」シリーズは、刷新するたびに重要なテクノロジーが追加されている。価格も新モデルのために上がっているが、それはまた別の話としよう。

元々、「HB SOFT」シリーズは他のお手頃価格のパターシリーズと同様、ミルドフェースに鋳造ボディを特徴としていた。この場合、100%ミルドパターと比較し低コストになることがメリット。反面、仕上がりチープに見えてしまうというデメリットもある。

パフォーマンスはともかくとして。さらに正しいかどうかは別として、「見た目重視」の層にとっては、見た目が良いパターの方がパフォーマンスも良いと信じているという点もある。


シャープなイメージ

新しいクリーブランド「HB SOFT」ミルドパターは鋳造のままだが、ボディ、フェースともに仕上げは精密ミルド加工が施されている。

「鋳造してからミルドするという製造工程にした主なメリットは、無駄な素材を少なくできることであり、つまりはコストを抑えることにある」と話すのはクリーブランドの製品マネージャー、ケーシー・シュルツ氏。「フルミルドパターにおける明確なメリットを賢く実現する方法といえる」。


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「鋳造だとバラツキが出てしまう部分をミーリング(削り出し)するとことで、通常、ミルドパターでしか実現できない精度と高級感のある仕上がりを表現できるのだ」。

今回のシリーズの違いは分かり易い。新しい「HB SOFT」ミルドパターのラインナップは、よりシャープになっており、全体的に高級感もアップ、チープな雰囲気はないってことだ。

さらに、今回も「SOFT」フェースミーリングを採用している。「SOFT」は「Speed Optimization Face Technology」の略で、ミスヒットした時でも距離が変わらないような工夫が施されている。

ゴルファーがミスヒットするのは紛れもない事実であり、ほんの数ミリでもセンターを外すとショートする。クリーブランドでは、ヘッドそれぞれに特化したミーリングパターンを採用することで、スイートエリアの両側では溝のスペースを小さくして接触面積を大きくし、スイートエリアではより溝のスペースを多くして接触面積を小さくしている。

接触面積が大きいということは、ちょっとしたミスヒットでもボールにエネルギーを伝えることができ、ボールがカップまで届くということだ。


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ゴルファーを魅了する10モデル

これまでクリーブランドは、「HB SOFT」と「フロントライン」の両パターにおいてマレット、ブレードともに豊富なラインナップを一貫して展開してきた。さらに、こうしたヘッド形状は一貫して手が加えられている。

それは今回の「HB SOFT」ミルドでも同様だ。先ほどもお伝えした通り、新作には「ストロングアーク」のモデルはない。ラインナップに加わったのは、スラントネックで適度にトゥハングしている人気の半月型ミニマレット(「The 5」)とプランバーネックでやや「トゥハング」しているワイドブレード(「The 8P」)。

ちなみに「The 8」には、シングルベントのフェースバランスモデルもラインナップしている。

まとめると「スライトアーク」モデルが6つで「フェースバランス」タイプが4つあるということ。ヘッド重量は345gの標準的なアンサータイプのブレードから、370gの大型マレットまで。さらに一定の支持があることから、センターシャフトの「10.5C」マレットもある。


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またクリーブランドは、良くも悪くも一貫してアライメントにも手を加え続けている。以前は「TFi 2135」のような興味深いモデルも存在。さらに、「ダブルスクエア」のようにクリーブランドがゴルファーに忘れてもらいたい馬鹿げたアイデアもあった。

今回の「HB SOFT」ミルドシリーズでは2つのオプションを展開している。2つあるアンサータイプのブレードにおいてはシンプルなシングルラインを採用している一方、それ以外のモデルは、ボールの後ろになる部分が黒く塗りつぶされたデザインで、コントラストが強くなっている。

そして、スライトアーク/ややトゥハングしているモデルは、ブラックの背景にコントラストの強いホワイトのラインが1本入っており、フェースバランスモデルでは、太めのライン1本とボールを挟むようにある2本の細いラインが特徴となっている。


「ALL-IN」シャフトもラインナップ

カーボンとスチールの複合素材パターシャフトは以前からあった。しかし、バーニー・アダムスが「ブレークスルーゴルフテクノロジー」の「スタビリティ」シャフトを、オデッセイが「ストロークラボ」をリリースした2019年は転機と言えるだろう。

そして2023年、クリーブランドが、UST「ALL-IN」を「HB SOFT」ミルドラインのオプションとして追加することになった。「ALL-IN」は少なくとも5月以降、PGAツアーで話題となってきたが、USTのホームページには掲載されていなかったシャフトだ。

クリーブランドによれば、「ALL-IN」は標準的なステップのないスチールのパターシャフトよりも26%硬く、振動数は38%高くてトルクは24%低いという。


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確かにこうした数値は興味を引くが、パッティングのストロークにどんな意味があるのだろうか?クリーブランドによると、テストではフェースローテーションの安定性が7%改善し、インパクト位置の安定性が6%ほど向上したという。

つまり、クラブヘッドのローテーションが向上し、よりフェースの真ん中で当てられるようになったということ。そして、同社によると、最終的にインパクト時のフェースアングルの安定性が10%向上するとのこと。

「(ボールに)コンタクトした時のフェースアングルの安定性が10%良くなるこのシャフトは、大きな違いを生む可能性がある」とクリーブランドのシュルツ氏。「(このシャフトは)実際にかなり影響を及ぼすし、多くのゴルファーがこれまで絶対に体験できていないパッティングにおける重要なオプションだ」。


パターシャフトで本当に違いが出るのか?

MyGolfSpyでは、2019年にこの件について、同一のパターヘッドを装着したバーニー・アダムスの「スタビリティ」シャフトと標準のスチールシャフトで比較したことがある。

結果は皆さんも各自で確認できるが、5フィート(約1.5m)と10フィート(約3m)のパットでは「スタビリティ」シャフトの方が良い結果となり、20フィート(約6m)からだとスチールシャフトの方がわずかに良いパフォーマンスを見せた。全体で見ると、「ストロークス・ゲインド」において「スタビリティ」シャフトの方がやや良い結果となった。


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一方、「ALL-IN」シャフトを装着した「HB SOFT 10.5 S」ミルドによる我々独自のフィールドテストは制約があり、結果も裏付けが乏しいものとなっている。

我々が言えることは、今回のパターはスチールシャフトのパターとは非常に違うフィーリングがするということ。ストロークの安定性は「L.A.B.Directed Force 2.1」には及ばないかもしれないが、ミッドサイズのマレットパターとしては、かなり安定していると言えるだろう。

「全ゴルファーにUSTの『ALL-IN』を試してもらいたい」とシュルツ氏。「フィーリングが明らかに違うので、この剛性になれるまでは何度かトライする必要があるだろう。でも、スチールシャフトと比較してみれば、コントロール性と一貫性が向上していることがわかるはずだ」。

なおフィッティングに関して言うと、クリーブランドには公式のフィッティングプログラムはないが、オンラインと店舗でのフィッティングコンテンツを充実させている。

「我々はストロークタイプに対する考えを明確に伝えて、ゴルファーがシャフトとグリップ、そしてそれぞれのゴルフに適切にフィットするアライメントを見つけてもらいたいと考えている」とシュルツ氏。「シンプルなパターフィッティングという点で言えば、市場には足りていない部分がある。我々は、自分達が伝えたいことを明確にし、フィッティングの工程から『勘』を排除するために全力を尽くしているのだ」。


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言い換えると、クリーブランドは、『どれにしようかな』で決めるよりも、ゴルファー自身でフィットするものを見つけられるように十分な情報を与えてくれるということ。「SAM PuttLab」というわけではないが、当てずっぽうで決めるよりも、よほどマシってことだ。

※「SAM PuttLab」:超音波測定器を応用したプロユースのパットの分析及びトレーニングシステム


あくまでも個人的意見

さて、ここまで全体像が見えたところで難題がある。果たしてクリーブランドは、本格的なパターブランドなのだろうか?

「スペックの量」という点では、「Yes」と断言できる。クリーブランドでは、「HB SOFT」ミルドシリーズを、既存の「ハンティントンビーチ SOFT」パターシリーズの延長にあるものと考えている。

そして、革新的な「フロントライン」シリーズは、現状、継続モデルだが既に値引きされており、これはアップデートの時期も迫っている。


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またパフォーマンスという点でもこの難問に答えられる。クリーブランドのブレードパターとマレットパターは、今年の『Most Wantedテスト』で真ん中くらいの順位だった。しかし同社は、スコッティキャメロン、PING(ピン)、オデッセイ、トゥーロン、そしてテーラーメイドなどを上回るスコアを記録し、これを達成したのは200ドル以下のモデルだった。

また我々の最近のパターブランドに関する記事でも、クリーブランドは面白い存在になっている。キャメロン、オデッセイ、テーラーメイド、そしてPINGには成長の余地があまりないように思われる。

また価格的にも、多くのゴルファーが単に200ドルのパターが400ドルのパターと同様のパフォーマンスを持つことを知らないという事実を見過ごすこともできない。

しかし、先ほども伝えた通り、クリーブランドは非常に革新的なテクノロジーにより、たくさんの選択肢を提供してくれている。どうせなら、どんなものがあるのかだけでもチェックした方が良い。


クリーブランド「HB SOFT」ミルドパター:スペック・価格・発売時期

前述の通りクリーブランド「HB SOFT」ミルドパターシリーズは10モデルがラインナップしている。6種類あるスライトアーク/ややトゥハングモデルの純正グリップはゴルフプライド「PRO ONLY Red Star」。

これは従来のピストルタイプで、ゴルフプライドによると、自然な弧のストローク軌道の中で、手でパターをターンできるようにデザインされているという。

一方、「PRO ONLY Green Star」はフェースバランスモデルの純正グリップ。「Red Star」よりも楕円型で、やや大きく重い。グリップが太く、ストローク中にストレートにヘッドが動かせるように手の挙動が抑えられるようにデザインされている。


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ゴルフプライドの他、ラムキン、スーパーストロークもクリーブランドのカスタムでオーダーできる。

右打ち用は10モデルから選択可能だが、左打ち用はブレード4モデルと「10.5S」と「11」のマレットのみとなっている。また「10.5S」には軽量モデルとレディースモデルもラインナップしている。

標準モデルの価格は199.99ドル。UST「ALL-IN」シャフトモデルは、プラス50ドルかかる。


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クリーブランド「HB SOFT」ミルドパターシリーズは、11月18日から発売スタート。