・「MIZUNO PRO」シリーズからニューモデル3製品が登場

・「MP」シリーズ史上、最もテクノロジーを駆使した製品

・予約受付中(2月3日発売)

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数ヶ月遅れではあるが、ついにミズノから「MP」、ではなく、「MIZUNO PRO」が登場する。通常ならここでテクノロジーやパフォーマンスと同じぐらい、デザインの芸術性から美しく流れるようなライン、精密な形状やミズノの伝統について語るところだが…。

今回は違う。


伝統への挑戦

ゴルフの人口構成は変化している。以前にも新規ゴルファーが増えているという話をした。その新規ゴルファーはミズノのゴルフクラブに特別の思い入れはない。せいぜい業界におけるミズノの伝統的な立ち位置をなんとなく聞いたことがある程度だろう。

つまり、「アイアンブランド」と「ウッドブランド」という既存イメージの垣根がなくなりつつある今、ミズノは新たなスタートを切るチャンスだと考えている。

ミズノは過去の歴史にこだわるのではなく、新たな歴史を作っていきたいと考えている。つまり、ニック・ファルドのようなミズノのアイコンが出てくる機会は減るということだ。また、ミズノの伝統や昔話もあまり聞かれなくなるだろう。

もちろん、ミズノの愛用者がブランドへの愛着を失うことはないだろうが、「MIZUNO PRO」の発売はミズノ社内においては全く新しいゲームの始まりと捉えられている。


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皮肉なことに、「MIZUNO PRO」というブランド自体は新しいものではない。このブランドはミズノの伝統に根づいており、日本では独占的ともいえるほどの看板シリーズとなっている。そのため、ミズノ社内では、矛盾や混乱、不必要な繰り返し、そしておそらく相当な不満が生じていたのではないだろうか。

数年にわたる争いの末、ミズノUSAは“書体闘争”とでもいうべき戦いに勝利し、特徴的な手描き書体のロゴを引っさげた「MIZUNO PRO」が遂にグローバルシリーズの一部となった。

そんなわけで「MIZUNO PRO」ブランドには脈々たる歴史があるものの、ミズノがそれにこだわることはない。ミズノの強みを活かしつつ、これまでにない方法で新規ゴルファーに語りかけていこうとしている。

過去の歴史ではない。今まさに作られようとしている歴史だ。





とはいえ、近代化されたミズノであっても既存の戦略の強みは活かしている。これまでに何度もおこなってきたように、3種の新しいアイアンモデルを展開。ミズノ方式に則り、「MIZUNO PRO(221)、(223)、(225)」アイアンは、それぞれ組み合わせて使うことができる。

ミズノはそのような誘惑が常にあることを理解しているし、そうすることに全く問題はないが、各モデルはそれぞれ独立して設計されている。「MIZUNO PRO」シリーズを最大限に活用するためにセットで購入する必要はない。

個々のモデルに移る前に、「MP-20」に採用された「打感」を改善する「銅下メッキ」が、「MIZUNO PRO」シリーズにも引き続き採用されていることに言及しておこう。これはつまり来シーズン、ミズノが市場で一番の「打感」を有するアイアンのブランドになるということなのか?答えはノー。もちろん主観的な意見だが、だからといって設計意図が損なわれるものではない。


「MIZUNO PRO 221」

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「MIZUNO PRO221」はマッスルバックであり、つまり本質的に複雑なテクノロジーではないことを意味する。『グレインフローフォージド1025E』の一枚板から鍛造された「221」は、伝統からの脱却という意味では、今回のアイアンラインナップの中では、その目的に反したモデルである。

どういうことか。


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もちろん何も変わっていないということではない。最も注目すべきは、ミズノがヒール部分の重量を少々奪って、インパクトエリアの後ろのマッスルパッドを厚くしたことだ。その結果もたらされたより“心地良い打感”がプレーヤーテストで好評だった。

他と同様、「MIZUNO PRO 221」でも『プログレッシブ重心設計』を採用している。これは、ロフトが大きくなるにつれて、より突き抜けるような弾道を生み出すというもので、一般的にショートアイアンでよりフラットな弾道を好む上級者に適している。


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また、形状にも変化が見られる。「MIZUNO PRO 221」は、「MP-20」よりもヘッド長が短くなり、全体的にコンパクトになった。また、トップラインにはグラインドを施しており、アドレス時に分厚く見えないようにしている。

光沢を抑えたサテンミラー仕上げで見た目も美しい。


「MIZUNO PRO 221」スペック

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「MIZUNO PRO 221」のロフト設定は伝統的と言っていいだろう。もちろん歴史的にという意味ではない。現代の基準では34度の7番アイアンや46度のピッチングウェッジはウィーク(寝かせる)ロフトの部類に入るという文脈においての話だ。

MIZUNO PRO「221」の純正シャフトは「Project X LS」。純正グリップはゴルフプライドの「Z-Grip」となっている。

ミズノの伝統に則り、「MIZUNO PRO 221」は右利き用のみ販売。小売価格は1本$187.50だ。


「MIZUNO PRO 223」

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ミズノは「MIZUNO PRO 223」について、PGAツアープレーヤーに必要とされるものだが、彼らの依頼で作ったわけではない。つまり、コンパクトな形状のアイアンでありながら、「飛距離性能」と「寛容性」も犠牲にしていないということだ。

例によって「寛容性」については文脈の解説を要する。ミズノは「MIZUNO PRO223」を「上級者にとってのJPXフォージド」だと示唆しつつ、ターゲットゴルファーを「ハンディキャップ12以下」に設定している。

「MIZUNO PRO 223」の形状はかなり小さい。形状と性能からするに、アベレージレベル以上のエンジョイゴルファーにも使えるようにしつつ、「MP-20-HMB」をツアープロ好みのサイズまで縮小したようなものに思える。


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なんとも魅力的な響きじゃないか。

ミズノが「MIZUNO PRO 223」で挑む伝統からの大きな逸脱はそれなりのリスクを伴う。8番からピッチングまでは『グレインフローフォージド1025E』を採用しているが、4番から7番は『クロムモリブデン鋼』鍛造で、さらに『マイクロスロット構造』となっている。

なんてことだ。

ミズノは、「MP-25」の設計に『ボロン鍛造』を取り入れたときにも同様のリスクを冒している。かなり多くのミズノ信者が、「MP-25」のときと同じように、これはいつもの「ミズノの打感」ではないと言うだろう。

『クロムモリブデン鋼』の打感は『1025E』ほど良くないと気づく者が出てくるのは確かだ。また、素材を混合することで、セット全体に通ずる打感の連続性が失われる可能性も否めない。


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決めつけるのは時期尚早だが、これは実際に我々が目にしているもので、2月3日に「MIZUNO PRO」の発売がスタートしたときに読者諸氏がどう感じるか興味深い。

『クロムモリブデン鋼鍛造』の利点はフェースを薄くできることだ。「MIZUNO PRO223」は「JPX921」に比べて少し薄いため、「MP」シリーズにボール初速の向上をもたらすことができた。これは今まで成し得なかったことだ。


「MIZUNO PRO 223」スペック

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「221」に比べると、「MIZUNO PRO 223」のロフトはもう少し現代的だ。ロングアイアンとミドルアイアンでは2度ストロングになっている。よりストロングなロフトは、『クロムモリブデン鋼』によるボール初速向上の利点と連動して、弾道を許容可能な範囲内に十分に保ちながら、より飛距離を生み出す。

タイトリストが「T100」で行ったことと少し似ているが、「MIZUNO PRO 223」は「上級者向け飛び系アイアン」の中でも、より上級者好みのものと言ってもいいだろう。

左利きには、「MP-20」で採用した「SEL(Special Edition Lefty)セット」の代わりに、「MIZUNO PRO 223」のフルセットを提供している。これも、アイアン3種類のラインナップの中間に位置する製品を左利きでも使えるようにするという、ミズノの伝統に少しばかり回帰したものだ。

「MIZUNO PRO 223」の純正シャフトは日本シャフト「MODUS 115(S)」および「MODUS 105(R)」。純正グリップはゴルフプライド「MMC TEAMS(ブラック/グレー)」となっている。

小売価格は1本$187.50だ。


「MIZUNO PRO 225」

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「MIZUNO PRO 225」(「HMB」の第2世代)は、オリジナルの問題のいくつかに対処している。私の経験では、「HMB」の性能に満足していても、従来のミズノの設計と比べてアドレス時に大きく見えるヘッドに適応するのに苦労したユーザーが散見された。

それを踏まえて「MIZUNO PRO 225」では、特にミドルアイアンとショートアイアンにおいて、コンパクトな、よりツアーモデルに近いシェイプとなった。


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「MIZUNO PRO 225」の長所を端的に言い表すとこうなる:より小さくより速く。

中空構造ではあるものの、ほとんど「マッスルバック」と言ってもいいほどスリム化されている。

「HMB」同様、「MIZUNO PRO 225」は、『グレインフローフォージド製法』、『クロムモリブデン鋼』の鍛造フェースとネックを採用している。『マルチマテリアル構造』が真の鍛造と見なされるかどうかは議論の余地があるものの、ミズノは「鋳造」と「鍛造」を混合する場合、ゴルフボールと接触する部分は「鍛造」であるべきだと考えている。

例の「T」から始まる言葉を使わずにアイアンについて書くことはほぼ不可能なので仕方ないが、「MIZUNO PRO」は2〜7番アイアンで「タングステン」の重量を増やしている(ショートアイアンでのタングステン使用に実用的なメリットはない)。

「タングステン」によってもたらされる追加の重量により、「低重心化・深重心化」が可能になり、その結果、より高い打ち出しのロングアイアンとミドルアイアンが誕生した。ストロングロフトと連動する形で、アイアンをより打ちやすくしていると思えばいい。


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「MIZUNO PRO 225」は「HMB」よりも薄いフェースによって反発係数を上げている(スピード増)。もはや“最新技術があまり搭載されてないアイアンの代表格”とは言えなくなった新生「MIZUNO PRO」としては完全に筋が通った設計だ。

ミズノは飛距離を追い求めているわけではないが、敬遠しているわけでもない。ミズノが本領発揮をするのはよりコンパクトなアイアンからより多くのものを引き出すこと、なのは間違いない。

旧世代よりもコンパクトな「MIZUNO PRO 223」と「MIZUNO PRO 225」の進化によって、ブランドの価値を損ねることなく、今風にアップデートを図ることができるはずだ。


「MIZUNO PRO 225」スペック

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ご想像のとおり、「MIZUNO PRO 225」は「MIZUNO PRO」シリーズの中で一番のストロングロフトとなる。しかし、「ワイドソール」と「タングステンウエイト」から得られる高い弾道で、ストロングロフト化の懸念は払拭できるだろう。

純正シャフトは「PROJECT X IO」。純正グリップはラムキンの「ST HYBRID」となっている。

右利き用のみ。小売価格は1本$187.50。


「MIZUNO PRO FLI-HI(フライハイ)」

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「MIZUNO PRO」アイアンのラインナップを締めくくるのは「MIZUNO PRO FLI-HI」ユーティリティだ。

新設計における重要な改善点は、『MAS1C(マレージング鋼)フェース』の採用だ。金属の特性や製造の話は通常、読者の心には響かないが、ここでのポイントは、ミズノがフェアウェイウッドで使われるのと同じ素材を使用することで、ユーティリティあるいは「DLR(ダイレクト・ロングアイアン・リプレースメント)」と呼ばれるものにボール初速をもたらしたという点だ。

「MIZUNO PRO FLI-HI」のボディは『431ステンレス』から鋳造されている。つまり、“曲げられるほど軟らかい素材”であるということだ。 そこに21グラムの「タングステン」を搭載すれば完成だ。


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言うまでもなく比較対象は「MIZUNO PRO 225」のロングアイアンとなる。

比較すると「MIZUNO PRO FLI-HI」のヘッド長はより長く、ソールはより広く、オフセットもより大きくなっている。つまり全部が大きい。これにより、「MOI(慣性モーメント)」は高くなり、わずかに「高深重心」となる。

結論:打ちやすく、同様のロフト設定である「MIZUNO PRO 225」とはかなり違う使用感となる。

私見では、「DLR」の長さだった「HMB」は、ユーティリティ分野で最も打感の良いクラブの一つだった。「MIZUNO PRO FLI-HI」は、複雑な構造と内部形状を活用してより“心地よい打感”を生み出すことで、その上を行こうとしている。

“書体”に関係なく、“ミズノのアイアンはどれもがミズノのアイアンのような打感でなければならない”という事実は、世界中のどんな技術を搭載しても変わらない。


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ブラックの「イオンプレーティング仕上げ」が特徴的な「MIZUNO PRO FLI-HI」は、 それぞれ2番(16度)、3番(19度)、4番(21度)アイアンの代替品となる。純正のスチールシャフト長は「MIZUNO PRO 225」と同じ。カーボンシャフト長は4分の1インチ長い。

純正シャフトは「PROJECT X U 110(プロジェクトX U 110)」(スチール)と「HZRDUS Smoke Black RDX 80(ハザーダス スモークブラックRDX 80)」(カーボン)。純正グリップはゴルフプライドの「MCC TEAMS」(ブラック/グレー)だ。

「MIZUNO PRO FLI-HI」の小売価格は1本$187.50。右利き用のみ。


「MIZUNO PRO」アイアン

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