・テーラーメイド「TP5」「TP5x」のニューモデルは3月に発売される

・両ボールとも「新ツアーフライトディンプルデザイン」が特徴

・(前作モデル<現在は39.99ドル>に比べ)「TP5」はより高初速でより飛距離性能が高くなり、「TP5x」はグリーン周りのスピン性能が向上

・ホワイトとイエローがラインナップし価格は47.99ドル、「pix」モデルは49.99ドル


ここで面白い事実を紹介しよう。

2021年2月のUSGAの適合ボールリストには、37モデルの5ピースボールが掲載されている。その内2つはキャスコ。そして、「SNYDER(スナイダー)」から3モデル、「V PLUS(Vプラス)」から2モデルが掲載されている。

その他30モデルは、全てテーラーメイド「TP5」っぽさがあるのだ。

ここから分かることがいくつかある。まず1つは、皆さんの多くが、3つの新興ゴルフボールブランドを知ったということ。もう1つは、主要ボールブランドの中で5ピースボールを製造しているのは、唯一テーラーメイドだけということだ。


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テーラーメイド「TP5」– 業界で最も完成度が高いツアーボール

テーラーメイドが、「TP5」シリーズを業界で最も完成度が高いツアーボールとしているワケは、「エクストラレイヤー」に他ならない。ゴルフボールのスピン性能は、それぞれのレイヤー(層)によって決まる。

競合他社は、段階的なコアデザインを採用することで(「TP5」シリーズと)同様の結果を得ているが、テーラーメイドは、レイヤー(層)を追加することで番手毎の適正なスピン性能を調整が可能になるとしている。

少なくとも「TP5」「TP5x」のエクストラレイヤーは差別化ポイントであり、それはゴルフ用品業界において最も重要なことに他ならない。


「ツアーフライトディンプル」デザイン

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他のニューボール同様、テーラーメイドの「TP5」「TP5x」には、パフォーマンスを向上させるために必要な要素が盛り込まれていると考えるのが普通だろう。もちろんそういった要素もあるが、テーラーメイドは飛距離追求型のビジネスから脱却しつつある。

今回の新作はともに前作よりも飛距離は出るが、その数字は示されていない。また「TP5x」は飛びに加えて、グリーン周りでスピンがよりかかるというのだ。

業界内の革新が同時に起こることなど全く珍しいことではないし、多くの場合、ジャストタイミングで起こるので、ここから読み進めて分かることは、すでに聞き覚えがある可能性もあるだろう。

最近リリースされたタイトリストの「Pro V1」同様、テーラーメイドもこの10年間では初めて新ディンプルデザインを訴求。これは、同社が“メタリカ”のアルバムジャケットのようなデザインパッケージの「Lethal(リーサル)」ボール以来の新ディンプルパターンとなっている。

ちょっとしたジョークだけど、きっと私は死ぬまで「Lethal」がどれだけ過小評価されていたか訴え続けるだろうな。


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テーラーメイドでは、「Lethal(リーサル)」のディンプルパターンは市場で最も効率が良い(抵抗が少ない)カバーであると考えている。そして同社によれば、今回の「TP5」「TP5x」(カバーはともに同じ)では、ディンプルの深さとディンプルの容積の関係性を切り離したことでさらに抵抗を抑制することに成功したようなのだ。

これがゴルファーにどう関係するかといえば、「ツアーフライトディンプル」によってボールがより上がりやすくなるということ。シンプルに言うと、上がりすぎずに空中により浮いていられるということを意味する。両モデルとも、結果的に“飛距離が伸びる”というわけだ。



同じデザイン

多くのメーカーが製品間の差別化をしっかり図ろうとしている中で、テーラーメイドはその逆を行っている。新しい「TP5」「TP5x」ゴルフボールは、前作モデル以上に両方が似ており、恐らく、競合他社のラインナップにある2モデルのボールよりも、“より似ている”と言えるだろう。

そして、各モデルについてこれまで行ってきたことを何も変えることなく、PGAツアーの契約プロが好まなかった部分を修正したいという、テーラーメイドの想いによってモデルチェンジが行われた。

具体的には、テーラーメイドには「TP5」のソフトな打感と高いスピン量を好む契約プロがいたが、彼らはティーショットで初速が速く、飛距離も伸びるということで「TP5x」に移行した。

同様に、「TP5x」の初速の速さを好んでいた他の契約プロは、グリーン周りでよりスピンが欲しいということで「TP5」に変えている。

新作の「TP5」「TP5x」ゴルフボールにおいて、テーラーメイドではそれぞれのモデルの欠点に対処し、そうすることで2モデル間の性能差を小さくした。

となると、これが何を示すのか分かるはずだ。


飛ぶ「TP5」、ソフトでスピンがかかる「TP5x」

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「ツアーフライトディンプル」の空力特性は、「TP5」でのティーショット時に有利に働く。新しい大きめのコアと相まって、「TP5」は特にドライバーショットでより初速が速くなり飛距離が伸びるのだ。

「TP5x」ほど飛ぶというわけではないが、ほとんどのアベレージゴルファーがその差に気付かないほど、飛距離性能の差は縮まっている。

一方「TP5x」では、よりソフトなウレタンカバーを採用することで、グリーン周りでよりスピンがかかりフィーリングもソフトに感じられるようにしている。数字で言えば、テーラーメイドによると30ヤードのショットにおいて、スピン量が数百rpm増え、打ち出し角が約1度低くなるという。

この数字は、人によってなんてことないと感じるかも知れないが、1度と400prm程度のアップは30ヤードのショットとしてはどちらも大きな数値だ。

「TP5x」だとウェッジのフルショットでスピン量がアップするようだ。


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こうした要素を合わせると、テーラーメイドの「TP5」と「TP5x」は前作よりもそれぞれが似てきていることが分かるだろうが、だからと言って両ボールは同じというわけではない。

つまりどういうことか?

テーラーメイドの「TP5」と「TP5x」を差別化する上でのポイントは狭まっているとはいえ、一つの性能特性やフィーリングの好みよりも、ボールの総合的なパフォーマンスをフィッティング時の決定要素にして欲しいということだ。


「TP5」対「TP5x」

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両者を比べると、「TP5」は各番手を通じて弾道が低く、スピンがかかるモデル。テーラーメイドのツアーボールの中では、タイトリストの「Pro V1」に近い。前作「TP5」は、数字上、タイトリストのボールと同じコンプレッション(硬さ)だが、今回の新作もそれほど変わらないだろう。

こうしたことを考えると、多くのゴルファーは、「TP5x」が「Pro V1x」に一番似ていると考えるだろうし、それが論理的と言える。コンプレッションという点では確かにそうだし(我々のデータベースで1だけ異なる)、パフォーマンスという点だと、テーラーメイドは「TP5x」の方が「Pro V1x」よりも先に世に送り出したとすぐに主張するが、高打ち出しで低スピンの「TP5x」は「Pro V1x」の「レフトダッシュ」によく似ている。

どちらが先か?というのこの際置いといて、テーラーメイドでは、新しいカバーの空力メリットと改良されたグリーン周りのパフォーマンスによって、スピン量が多いプレーヤーに対して、より完璧なパフォーマンスを提供できると考えている。

色々あるよ、ということ。

そして、色と言えば…。

(いい流れ!)



テーラーメイド「TP5」のカラーリング(そしてパターン)

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今回のテーラーメイドの新作ボールは、ホワイト、イエロー、そして「pix(クリアパスアライメント搭載)」でラインナップ。USAバージョン(TP5のみ)もある。

「Pix(ピックス)」は、テーラーメイドのボールビジネスで大きな存在になっている。リッキー・ファウラーとマシュー・ウルフはこの「Pix」ボールを使用。

特有のメリットがあることも考えられるが、このボールにしてからウルフのショートパットが改善したことを考えると、少なくともどんなレベルのゴルファーに対しても、「ボールの模様」や「カラーリング」が効果的であることは確かだろう。

コアゴルファーでも、ホワイトばかりを使っていないということだ。


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テーラーメイドのボール市場での存在感は?

順位は、カウント開始の時期と、どの数字を正確に見るかによるが、テーラーメイドが過去4年で“最も急成長したボールブランドの一つ”であるとは言えるだろう。

同社の市場シェアは10%台中盤になったこともある。これはタイトリストには遠く及ばないが、他の多くの競合とは違いテーラーメイドの「低価格帯ボール」が市場でそれほど存在感を放っていないのは注目に値する(みんな「Noodle(ヌードル※テーラーメイドの低価格ボール)」が好きでしょ?)。

テーラーメイドの契約プロの強みを考えれば分かるが、ポイントは、「ツアーレベルのボール」によって成長が支えられているということなのだ。

もしテーラーメイドのプレミアムボールの勢いが低価格帯にも浸透してくれば、テーラーメイドはいつの日か、タイトリストの地位を狙えるかも知れない“市場第2位の存在”となる可能性もある。

しかし現状において同社は、安定した成長とダスティン・ジョンソン、コリン・モリカワ、リッキー・ファウラーのようなプレーヤーが自分たちのボールを使用していることを自慢できることに満足しているに過ぎないのだ。


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価格と発売時期

テーラーメイドの「TP5」「TP5x」は47.99ドルで3月4日から発売スタート。イエローと「Pix」モデルは3月9日から発売される。イエローの価格は47.99ドルで「Pix」は49.99ドル。現在は予約も可能だ。(アメリカ)

また、今では前作となったテーラーメイドの「TP5」「TP5x」(イエローと「Pix」バージョンを含む)は39.99ドルに値下げされおり、米国大学とNBAバージョンは51.99ドルとなっている。