・タイトリストの「TSi」ハイブリッド3種は各279ドル

・「TSi1」はヘッドスピードがあまり速くないプレーヤーに向けた軽量モデル

・「TSi2」は多くのゴルファーに幅広く合うクラブ

・「TSi3」はコンパクトなアイアンのような形状を求めていたゴルファーに


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3つのモデルの新しい「TSi」ハイブリッドのラインナップについて、タイトリストではゴルフ業界で最も完成度が高く、最先端のものであるとしている。

“最先端”という形容は通常、どのクラブのカテゴリーで使われても良い言葉だ。しかし“完成度が高い”というのは、褒めているのかけなしているのか今ひとつよくわからない表現だ。

業界最大手メーカーのウッド系ラインナップを考えてみよう。3種のドライバー(シャフトの選択肢は低弾道、中弾道と高弾道)とフェアウェイウッドも3種からの選択。

ではハイブリッドはどうだろう。例外はあるものの(たとえばテーラーメイドの「GAPR」)、ハイブリッドのラインナップが2種類もあったら、選択肢が多いと驚かれるだろう。

なんでそうなるのか。ドライバーやフェアウェイウッドの場合、複数の弾道および寛容性の選択肢があるおかげでゴルファーは最高のゴルフをすることができるとメーカーは豪語している。ならばハイブリッドにも同じことが言えるのではないのか。

そう完璧な世界ならね。でもここでは、私もゴルフメーカーも「完璧」を目指しているわけではない。たった1種類のハイブリッドですらゴルファーの関心をなかなか引けないというのに、3種の異なる「TSi」ハイブリッドモデルを提案して、皆の注目を維持しようとするのは(興味を持ってもらうだけでも)大変なことなのだから。

でも、そちらがやる気なら私も乗るよ。


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タイトリストの「TSi」ハイブリッドについて

タイトリスト「TSi」ハイブリッドのラインナップは、「TSi1」「TSi2」「TSi3」。ブランディングの一貫性は高評価。3つとも「455カーペンタースチール」のフェースを採用している。皆そこはそんなに気にしていないとは思うが、私は仕事上言わないわけにいかないので。

少なくとも今日はタングステンの話はしないで済む。(編集部注:ふぅ〜)

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「SURE FITホーゼル調整機能」は3モデルそれぞれに搭載されている。

ドライバーのラインナップや、ごく最近(本日)拡充されたフェアウェイウッドのラインナップについて馴染みがあるなら、ハイブリッド各モデルがラインナップの中でどこに当てはまるのか気づくはずだ。

簡単に説明すると、型番が1から3(TSi1」、「TSi2」および「TSi3」)に上がるにつれてヘッドが小さくなり、寛容性も徐々に低くなっていく。

それだけが知りたかったという人は、ここまでで結構。そもそもハイブリッドについて皆が興味津々だとは私も思っていない。もしもっと掘り下げたいというならば続きをどうぞ。


タイトリスト「TSi1」ハイブリッド

「TSi1」ドライバーや同フェアウェイウッドの仲間である「TSi1」ハイブリッドは、タイトリストの「TSi」ラインナップの中で最も寛容性の高いハイブリッドであるだけでなく、「タイトリストがこれまでに作った中で最も寛容性の高いハイブリッド」だ(MOI値に基づく)。

標準的なハイブリッドよりも20gも軽いことを考えると、それ(寛容性を高めること)は容易いことではない。重量的に難しいものを、より大きな投影面積にすることで成し遂げた。

タイトリスト「TSi1」ハイブリッドは確かにカッコ悪くなくバカでかくもないが、少なくともサイズ的には「TSi3」ハイブリッドよりもコブラの「RADSPEED TOUR」のようなコンパクトなフェアウェイウッドに近い。

実際、タイトリストはこれをウッドタイプのハイブリッドという意味で「ハイウェイ」と呼んでいる。


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「TSi1」ハイブリッド:ターゲット層に最適なサイズ

すべてのゴルファーがより大きなサイズのハイブリッドを求めているわけではないが、タイトリスト「TSi1」ハイブリッドのターゲット層、つまり、払い打ちのスイングで球が上がりにくく、ヘッドスピードがあまり速くないゴルファーにとっては、より大きく、軽量で、簡単に上げられる、ロフト角の大きいフェアウェイウッドの代わりになるもの、というのは理にかなっている。

「TSi1」フェアウェイウッドと同様に、ロフトのオプションは豊富だ。4H(20度)、5H(23度)、6H(26度)、7H(29度)から選ぶなり組み合わせることが可能。左利き用は4Hと6Hのみとなる。


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純正シャフトはALDILA ASCENT 55 HY - 55グラム(Rシャフト/Sシャフト)、50グラム(R2)、40グラム(R3)。

純正グリップはゴルフプライドのTOUR VELVET 360 LITE+FLAT CAP(メンズ44グラム/レディース35.5グラム)だ。


タイトリスト「TSi2」ハイブリッド

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タイトリストのゴルフクラブマーケティングVP(バイスプレジデント)のジョシュ・タルジ氏は、タイトリスト「TSi2」を「(肉とじゃがいもの組み合わせのように)ベーシックなハイブリッド」と表現。

偶然の一致ではないが、私がゴルフクラブ市場における“肉の部分(最多数の購買層)”と呼ぶ人たちに向けて作られている。他のクラブと同じように、タイトリスト「TSi2」ハイブリッドは“万人向けではない”が、大多数のゴルファーにかなりしっくりくるクラブだ。

予想通り、「TSi2」はタイトリスト「TSi」ハイブリッドのラインナップの中ではミッドサイズの形状といえる。市場全体としては、平均よりも少し小さいだろうが、決して小さ過ぎではない。


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「TSi2」ハイブリッドの特性は、「スピン量は中~低程度」で「高打ち出し角」と表現されている。繰り返しになるが、市場全体としては、これは妥当な説明だろう。「TSi」のラインナップの中で位置づけると、お察しの通り、「中打ち出し角」の「中スピン量」となる。

結論:「TSi2」は、タイトリストの(熱くも冷たくもないスープのように)ちょうどいいハイブリッドであり、「TSi1」は大きすぎて「TSi3」は小さすぎると感じる人にはぴったりだ。

タイトリスト「TSi2」ハイブリッドは、3H(18度)、4H(20度)、5H(24度)の3種類、右利き用と左利き用がラインナップしている。


タイトリスト「TSi3」

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ゴルフメーカーは製品の差別化をはかるために日々努力を重ねている。というわけで。

タイトリスト「TSi3」ハイブリッドは厳密に言えば「TS3」の後継だが、タイトリスト史上、最も長寿のハイブリッドとの違いはこれまでになく大きい。

タイトリスト「TSi3」ハイブリッドこそ、多くの人が待ち望んでいたものだと思われる。

「TSi3」ハイブリッドは、トウがスクエアで非常にコンパクトな形状だ。タイトリストはピーナッツ型ではないと言うが、そんなにかけ離れてはいないと思う。「アイアン型ハイブリッド」という説明がとてもしっくりくる。

この手のハイブリッドを探しているゴルファーは、「スコアラインがフェース上部にまで達していないこと」を評価するだろう。小振りでひとかたまりのスチールというルックスが、クラブのロフト角と相まって、トップラインに目の錯覚をもたらす。そのおかげで「TSi3」はアドレス時にアイアンのように見えるのだ。


タイトリスト「TSi3」ハイブリッド:調整可能ウエイトシステム

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「TSi1」と「TSi2」がウエイトの重さ変更でバランスを調整できるのに対し、「TSi3」は3つの中で唯一、「調整可能(可変)ウエイト」を搭載している。「TSi3」ハイブリッドは、「TSi3」フェアウェイウッド同様、素早く変えられる「ウエイトエレベーター」設計を採用している。

「TSi3」ドライバーや「TSi3」フェアウェイウッドのような従来のドローとフェード表記ではなく、ウエイトの位置はH、N、T(ヒール、ニュートラル、トウ)と表記されている。これはウエイトの位置を示すだけでなく、インパクトの位置に重心を合わせると良いことが起こるということをさりげなく思い出させてくれるものだ。

よりコンパクトな面積にもかかわらず、「TSi3」ハイブリッドは「TS3」と同じ重心の動き(ヒールポジションからトウポジションで約1.5mmの重心変動)を維持している。フックバイアス、あるいは少なくともハイブリッドにありがちとされるフックバイアスを考えると、かなり多くの「TSi3」ハイブリッドユーザーは、引っかけ防止のために「トウ」のポジションを活用すると思われる。


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3つの「TSi」ハイブリッドの中で、「TSi3」は「最も低い打ち出し角」と「最もフラットな弾道」をもたらす。私は「合うものは合う」という信条の持ち主だが、世間一般の見解では、「TSi3」 ハイブリッドはちゃんと機能するハイブリットを探している「上級者向け」になるだろう。

タイトリストの3つの「TSi」ハイブリッドの中で最も“アイアンっぽい”ことは確かだ。

“最も寛容性の高いクラブとはスイートスポットに当てやすいものである”という反論はあるだろうが、ハイブリッドに求める一番のものが寛容性だという人には「TSi3」はおそらく向いていない。

あくまで可能性の話をしているだけだが。


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タイトリスト「TSi3」のスペック

タイトリスト「TSi3」ハイブリッドは、3H(18度)と4H(20度)、いずれも右利き用と左利き用がある。

純正シャフトは、TENSEI「AV WHITE RAW 90 HY」(低打ち出し角)、HZRDUS「SMOKE BLACK RDX 80 HY」(低中打ち出し角)、TENSEI「AV BLUE RAW 75 HY」(中打ち出し角)、KUROKAGE「BLACK GC 5G HY」(高打ち出し角)。

純正グリップはゴルフプライドの「TOUR VELVET 360 FLAT CAP 58R」。


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タイトリスト 「TSi」ハイブリッド:最後に

個人的には選択肢が多いほど楽しいし、基本的にタイトリストのハイブリッドのファンなので、今回のラインナップ、特に「TSi3」に好感を持つのは当然なのだが、それでも重箱の隅をつついてみることにする。

なめらかに続く光沢ブラックのクラウンは超クリーン、もしかするとクリーンすぎるかもしれない。トップライン全体にわたり途切れることのない外観をもたらすだけに(個人的にはクラウンには少し「テクスチャー(質感の変化)」があってほしいとは思うものの、それですら)、“アライメントの補助となるもの(クラウンマーク等)”を排除したことは「TSi3」のプラス要素。

マスマーケットに目を移して、「TSi1」のターゲット層を想定するなら、“アライメントの補助となるもの”は必要とされるだろうが。

わがままを言わせてもらえば、もっとロフト角の選択肢が多かったらよかったのにと思う。これまた特に「TSi3」において。15〜16度がないせいで、低い番手のユーティリティアイアンに代わるものを提供する機会を逃したように思える。個人的には、同様にもっと高い番手の選択肢も見てみたかった。市場での需要はほぼ無い可能性が高いとはいえ。

いずれにしても、タイトリストがハイブリッドのラインナップを拡充し、差別化をはかり、ハイブリッドの設計において典型的な「1種類で全部まかなう」方法から2歩前進したことは大変喜ばしい。


タイトリスト「TSi」ハイブリッド:価格と選択肢

タイトリストの「TSi1」、「TSi2」、「TSi3」ハイブリッドの価格は279ドル。先行予約販売は2月17日から、完全小売販売開始は2月26日から。(アメリカ)日本発売日:2021年3月19日(金)