イーブンロールの「ZERO(ゼロ)」シリーズに新たな3本が加わった。
人気モデル「Neo Classics ER5 Hatchback(ネオ クラシック ER5 ハッチバック)」をゼロトルク仕様にした2タイプ、さらに昨夏(2024年)に話題を集めた「Z1」マレットのセンターシャフト版。ラインアップはより充実し、選択肢はさらに広がっている。もちろん、新しいゼロトルク仕様の「ZERO」モデルには、イーブンロールの『スイートフェイスグルーブ』といった距離や方向を補正する独自テクノロジーがしっかり搭載されている。
わずか3モデルの追加では大したことがないと思うかもしれない。その考えも理解できるが、今回の追加は決して小さな意味ではない。
むしろ、この中の2本は間違いなく、イーブンロールがこれまで生み出したゼロトルクパターの最高傑作と言えるからだ。
イーブンロール(EVNROLL)のゼロトルク開発史

イーブンロール(EVNROLL)は、ゼロトルク設計をいち早く採用したブランドだ。
2022年には「ERZ」マレットを発表し、『Face Forward(フェースが前を向く)デザイン』と名付けた新しい挙動コンセプトを提示。この設計思想こそが“ゼロトルク”の出発点となった。翌2023年には「ZERO ERZ.1」をラインナップに加え、2024年には人気の「ER2」「ER5」をゼロトルク仕様として展開。進化を重ねながら、ZEROシリーズは確実に広がりを見せてきた。

2024年モデルでは、イーブンロールは新しいホーゼルを採用することでゼロトルクを実現した。
『リバースオフセットホーゼル』は、シャフトを重心位置にバランスさせるポジションに配置し、「トルクを排除する設計だ。この『リバースオフセットホーゼル』は新しい「ZERO Z5 Hatchback(ゼロ Z5 ハッチバック)」に再登場するが、残りの2モデルでは別の手法が取られている。
「Z5cs」と「Z1cs」はセンターシャフト設計で、シャフトがヘッドの重心に直接接続されている。ホーゼルを変えるだけでは大したことがないように思えるかもしれない。だが実際には、見た目もパフォーマンスも大きく変わる要素だ。
イーブンロール「ZERO」のスペックとテクノロジー

新しいイーブンロール「ZERO」3モデルはすべて、軽量な「6061アルミニウム」からフルミルド(ヘッド全体を削り出す製法)で製造されている。
ソール前方には2つのタングステンウエイトが配置され、打感に影響を与えると同時にMOI(慣性モーメント)を高めている。これらのウエイトは、重くも軽くも調整が可能だ。また、すべてのモデルには『スイートフェイスグルーブ(溝)』がフェースにミルド(部分的に削り出す加工)されている。
この溝は芯を外しても「ボール初速を均一化」し、「距離を安定」させるだけでなく、「方向のズレもターゲットラインへ補正」してくれる。まさに“ミスヒットをゼロに近づける”テクノロジーだ。
これまでにイーブンロールが『Most Wanted パター』で数々のタイトルを獲得してきたのも、この溝の効果が本物であることの裏付けだろう。
さあ、新モデルをさらに掘り下げていこう。
イーブンロール「ZERO Z5 Hatchback(ゼロ Z5 ハッチバック)」

昨年夏(2024年)、イーブンロールは初のゼロトルク(インパクト時のフェースの回転力)仕様ハッチバックモデル「Z5s」を発表した。
ステンレススチール製のこのモデルは、人気の「ER5」と「Vシリーズ V5.1」を組み合わせた形で、ファング型(牙のような形状)に後方のバーを接続したデザインだった。今回の「ZERO Z5 Hatchback(ゼロ Z5 ハッチバック)」も「Z5s」と同じファング型だが、アルミニウムボディはよりボックス型で、ファング同士はつながっていない。
「Z5s」と同様に、『リバースオフセットホーゼル』を採用し、トルク(インパクト時のフェースの回転力)を排除している。
新しい形状の利点のひとつは、ヘッド全体にわたるアライメントラインを配置できることだ。
長いラインに加え、前方のライン間のリッジ(盛り上がり)とシングルドットを組み合わせることで、包括的なアライメントシステムが完成している。打感は“硬い”でも“軽快”でもなく、あくまで「ソリッド(芯を感じるしっかりとした手応え)」。あるいは“アルデンテ”と言った方がイメージしやすいかな?
インパクト音は「ピン」という高音ではなく、「トゥオク」と表現したくなる落ち着いた響きだ。食感で言うと「サクッ」というよりは「シコシコ」という感じか。 フルミルドのアルミニウムによって、ボールには熱すぎず冷たすぎない絶妙な転がりが生まれる。距離感のコントロールも優秀で、もちろん『スイートフェイスグルーブ(溝)』がしっかりと効果を発揮している。イーブンロール「ZERO Z5cs Hatchback(ゼロ Z5cs ハッチバック)」

「ZERO Z5cs Hatchback(ゼロ Z5cs ハッチバック)」は、ZEROシリーズの中でも特に注目すべき1本だ。
このモデルと「ZERO Z1cs」は『リバースオフセットホーゼル』を排し、新設計の『ピンホーゼル』を採用。シャフトをヘッド中央の重心に直接取り付ける構造となっている。一見すると小さな変更のようだが、ホーゼルの違いはアドレス時の構えやすさからストロークの安定性まで、大きく影響する。

ホーゼルを中央に移したことで、「ZERO Z5cs Hatchback」ではフェース前方の視認性が広がった。
従来の「Z5」に採用されていた『リバースオフセットホーゼル』では、下部のアライメントラインの一部が隠れてしまっていた。だがセンターシャフト仕様の「Z5cs」に切り替えると、ヘッド前方のラインがより途切れなく見える。アドレス時にボールの後ろで上下2本のラインを同時に確認できることで、ボールのフレーミング(アドレス時にボールをラインや形状で囲み、狙いやすさを高める効果)とターゲット方向への狙いやすさが向上する。
結果として、ボールの後方から見たときにターゲットラインを鮮明にイメージでき、狙いやすさが格段に高まる。
実際に打ち比べても、センターシャフト仕様のほうが明らかに安定し、効果的に感じられた。 ゼロトルクパターをセンターシャフトで試したことがある人なら、この違いに納得するはずだ。イーブンロール「ZERO Z1cs(ゼロ Z1cs)」

「ZERO Z1cs(ゼロ Z1cs)」の“cs”は、センターシャフトを意味する。
「ZERO Z5cs」と同じく、シャフトをヘッド中央に配置したことで、初代「ZERO Z1」よりも構えやすさが向上している。2モデルを並べて比べると、その違いは一目瞭然。 「ZERO Z1cs」のアライメントシステムはよりシンプルかつ明快で、視線を自然にヘッド前方へ導いてくれる。
これは、従来モデルでラウンドカットアウトの背後にあったラインが取り除かれたこと、あるいはカットアウト自体を後方に移動させたことによる効果だろう。
気づいただろうか?センターシャフトホーゼルを組み込むために、「Z1cs」ではオープンサークル(円形のくり抜き)が後方に移動している。ゲーリン・ライフはパター作りの魔術師だが、さすがに“空中”にシャフトを装着することはできない。
サークルを後方へ動かしたことで、アライメントラインはヘッド前方に寄り、ボールのすぐ近くに配置されるようになった。
結果、ラインの視認性が高まり、サークルの輪郭もよりスッキリとした印象に。 昨秋プレーで「ZERO Z1」を使い込んだときも十分にターゲット性能は感じられたが、「Z1cs」のアライメントシステムは明らかにその上を行く。新しいイーブンロール(EVNROLL)ZEROパターについての最終考察

今回登場した2つのセンターシャフトモデルには大きな魅力を感じている。
「ZERO Z5 Hatchback(ゼロ Z5 ハッチバック)」も決して悪いデザインではないが、個人的にはセンターシャフト仕様の方が視覚的に魅力的だと感じる。もちろん逆に思う人もいるだろう。だからこそ、イーブンロールが両方のホーゼル仕様を用意しているのは素晴らしい。今回のリリースで特に気に入っている点は、イーブンロールが常に試行錯誤を重ねていることがはっきりと示されていることだ。
これまでのモデルの進化がデザインの変化に表れており、ホーゼル構造の変更といった新しいアイデアに柔軟に取り組んでいる姿勢は高く評価できる。ゼロトルク(インパクト時のフェースの回転力)パター市場は、今や非常に競争が激しい。
多くのメーカーが高品質なゼロトルク設計を投入しており、今後さらにその動きが加速していくことは間違いない。
これら新しいZEROモデルは、イーブンロールを現在そして未来のゼロトルクパター市場における強力な競争相手として確立するものだ。
現在プレオーダーが開始されており、希望小売価格は449.99ドル。25年8月8日以降に順次出荷が始まる予定だ。
詳細は公式サイト「evnroll.com」で確認できる。
また、イーブンロールのクラブの詳細や取扱い店舗は、【日本正規輸入代理店 イーブンロール ジャパン】こちらから確認可能だ。
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