年初に始まった特集「PGAツアーを制したドライバーたち」。週ごとに勝者のクラブを記録しながら、シーズンを通して“道具が勝負を左右する瞬間”を見つめ続けてきた。
そして今、ツアー選手権が終わり、物語は最終章へ――。
一年の戦いを彩った数多のドライバーの中で、本当に“勝者のクラブ”と呼べる一本はどれだったのか。
PGAツアー2025:勝利を生んだドライバーたち
下の表では、2025年シーズンのPGAツアーで勝利をつかんだ全選手と、その手に握られていたドライバーを一覧で紹介する。
メジャー大会、特別招待大会(シグネチャーイベント)、そして小規模トーナメントまで──。
一年を通じた“勝者のクラブ”のすべてが、ここに集まっている。
PGAツアー:トーナメント別 優勝者と使用ドライバー一覧(2025)
セントリー・トーナメント
松山英樹(Hideki Matsuyama)
「ZX5 Mk II LS」
ソニーオープン・イン・ハワイ
ニック・テイラー(Nick Taylor)
「TSi3」
ザ・アメリカン・エキスプレス
セップ・ストラカ(Sepp Straka)
「Paradym Ai Smoke Triple Diamond」
ファーマーズ・インシュランス・オープン
ハリス・イングリッシュ(Harris English)
「G430 LST」
AT&T ペブルビーチ・プロアマ
ロリー・マキロイ(Rory McIlroy)
「Qi10」
WM フェニックス・オープン
トーマス・デトリ(Thomas Detry)
「Paradym Ai Smoke Triple Diamond」
ザ・ジェネシス・インビテーショナル
ルドビグ・オーベリ(Ludvig Åberg)
「GT2」
メキシコ・オープン(ビダンタ)
ブライアン・キャンベル(Brian Campbell)
「G440 LST」
コグニザント・クラシック
ジョー・ハイスミス(Joe Highsmith)
「GT3」
アーノルド・パーマー・インビテーショナル
ラッセル・ヘンリー(Russell Henley)
「GT2」
プエルトリコ・オープン
カール・ビリプス(Karl Vilips)
「Qi35 LS」
ザ・プレーヤーズ選手権
ロリー・マキロイ(Rory McIlroy)
「Qi10」
バルスパー選手権
ビクトル・ホブラン(Viktor Hovland)
「G425 LST」
テキサス・チルドレンズ・ヒューストン・オープン
ミンウー・リー(Min Woo Lee)
「Paradym Ai Smoke Triple Diamond」
バレロ・テキサス・オープン
ブライアン・ハーマン(Brian Harman)
「GT3」
マスターズ・トーナメント
ロリー・マキロイ(Rory McIlroy)
「Qi10」
RBC ヘリテージ
ジャスティン・トーマス(Justin Thomas)
「GT2」
コラレス・プンタカナ選手権
ガリック・ヒーゴ(Garrick Higgo)
「GT2」
チューリッヒ・クラシック(チーム戦)
アンドリュー・ノヴァク/ベン・グリフィン(Andrew Novak / Ben Griffin)
「G440 LST / G430 Max 10K」
CJカップ・バイロン・ネルソン
スコッティ・シェフラー(Scottie Scheffler)
「Qi10」
トゥルーイスト選手権
セップ・ストラカ(Sepp Straka)
「Paradym Ai Smoke Triple Diamond Max」
ワンフライト・マートルビーチ・クラシック
ライアン・フォックス(Ryan Fox)
「ZXi」
全米プロゴルフ選手権
スコッティ・シェフラー(Scottie Scheffler)
「Qi10」
チャールズ・シュワブ・チャレンジ
ベン・グリフィン(Ben Griffin)
「G430 Max 10K」
ザ・メモリアル・トーナメント
スコッティ・シェフラー(Scottie Scheffler)
「Qi10」
RBC カナディアン・オープン
ライアン・フォックス(Ryan Fox)
「ZXi」
全米オープン
J.J.スポーン(J.J. Spaun)
「GT3」
トラベラーズ選手権
キーガン・ブラッドリー(Keegan Bradley)
「G430 LST」
ロケット・クラシック
オルドリッチ・ポッティヒター(Aldrich Potgieter)
「GT2」
ジョンディア・クラシック
ブライアン・キャンベル(Brian Campbell)
「G440 LST」
ジェネシス・スコティッシュ・オープン
クリス・ゴッタラップ(Chris Gotterup)
「G440 LST」
ISCO選手権
ウィリアム・モウ(William Mouw)
「G400 LST」
全英オープン(ザ・オープン)
スコッティ・シェフラー(Scottie Scheffler)
「Qi10」
バラクーダ選手権
ライアン・ジェラード(Ryan Gerard)
「GT3」
3Mオープン
カート・キタヤマ(Kurt Kitayama)
「GT3」
ウィンダム選手権
キャメロン・ヤング(Cameron Young)
「GT2」
フェデックス・セントジュード選手権
ジャスティン・ローズ(Justin Rose)
「Paradym Ai Smoke Triple Diamond Max」
BMW選手権
スコッティ・シェフラー(Scottie Scheffler)
「Qi10」
ツアー選手権
トミー・フリートウッド(Tommy Fleetwood)
「Qi35」
タイトリストが証明した“王者の座”
2025年シーズンの勝者数トップはタイトリスト。年間12勝を積み上げ、10勝のテーラーメイドをわずかに上回った。
テーラーメイドの勝利の多くは、「Qi10」によってもたらされた。
ロリー・マキロイとスコッティ・シェフラーが信頼を置くこの一本が、シーズンを通して存在感を放った。
さらに「Qi35」も健闘し、プエルトリコのカール・ビリプス、ツアー選手権のトミー・フリートウッドによる2勝を加えている。
タイトリストは、「GT2」と「GT3」という二枚看板でシーズンを戦い抜いた。
ラッセル・ヘンリー、ジャスティン・トーマス、ブライアン・ハーマン、そしてキャメロン・ヤング――多彩なタイプのプレーヤーが「GT」シリーズで勝利を手にし、その対応力と完成度の高さを見せつけた。
PINGが示した、新旧が共鳴する強さ
PINGは2025年シーズンを7勝で締めくくった。
だが注目すべきは“勝利数”よりも、そのモデルの幅広さだ。
現行「G430 LST」はハリス・イングリッシュとキーガン・ブラッドリーに勝利をもたらし、ツアーでも十分に通用する実力を証明。
さらに「G440 LST」や、往年の名機「G400 LST」までもが、ブライアン・キャンベル、クリス・ゴッタラップ、ウィリアム・モウといった若手たちのバッグで存在感を示した。
最新か往年の名器か──。
この新旧入り交じるラインアップこそ、選手たちが「結果を出せるクラブを信じ抜く」姿勢を物語っている。
スリクソン、静かに輝いた2025年シーズン
ツアーでの存在感という点では、スリクソンは他のビッグブランドに劣るのは否めない。だが2025年シーズン、その名をしっかり刻みつけた。
松山英樹が開幕戦「セントリー・トーナメント」でスリクソン「ZX5 Mk II LS」を手に勝利。
続いてライアン・フォックスが新作「ZXi」で2勝を重ね、シーズン通算3勝を挙げてみせた。
PGAツアーの勝者と聞いて、スリクソンを思い浮かべる人は多くないだろう。だが、ライアン・フォックスの躍進が証明した。
スリクソンの最新モデルは、名だたるブランドと堂々と肩を並べられる存在だということを。
2025年シーズン、その結末に見えたもの
PGAツアーには、“これ一本で勝てる”という魔法のドライバーは存在しない。だが、結果を出すモデルには必ず理由がある。
「ELYTE」の姿が見えないぞ!?キャロウェイはどこへ行った?
勝者たちのクラブがツアーの外でもどんな実力を発揮するのか──。
詳しくは「2025年ベストドライバー完全ガイド」で確かめてほしい。
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