新しいタイトリスト「Tシリーズ」アイアンは、もはや上級者のためだけにあるわけじゃない。
タイトリストの新しい「Tシリーズ」アイアンは、もはや「競技志向(上級者)」だけのものではない。というより、「Tシリーズ」は、当初から「競技志向(上級者)」に限定されたシリーズではなかった。
とはいえ、「タイトリストは、シングルハンディキャップやプロのため」だけにクラブを作っているという、遠からず近からずのイメージがあるのも事実だ。
このイメージは、同社が「Tシリーズ」以前から少しずつ変えようとしていたもので、新モデルが登場するたびにそのイメージも徐々に薄れつつある。「一度ゴルフに本気でのめり込んだら、それは“ただの趣味”じゃなく、“人生そのもの”になる」と語るのはタイトリストのマーケティング担当上級副社長ジョシュ・タルジ氏。「ゴルフはあなたの一部になるんだ」。

要するに、タイトリストは「競技志向(上級者向け)」ではなく、「上達を目指すすべてのゴルファー」のためにクラブを作っている。
ゴルフが好きで、もっと上手くなりたい。そんな思いを持つ人のために、どんなレベルにも合う一本を用意するのだ。つまり、今回の新しい「Tシリーズ」は、これまで以上にタイトリストの哲学が明確になっている。
ツアーで実績のある「T100」から“想定外”の「T250 Launch Spec」まで全5モデルをラインナップしたことで、タイトリストは、上達したいあるいはもう少しゴルフを楽しみたい、というほぼ全てのゴルファーに合うアイアンを揃えている。根本的なこと
各モデルを紹介する前に、「Tシリーズ」全体に共通する設計哲学について触れておきたい。タイトリストが掲げるのは「3D」という考え方。
それぞれの「D」は、「飛距離の精度」(Distance control)、「適正な落下角度」(Descent angle)、「ばらつきの抑制」(Dispersion area)を意味している。この哲学の本質はこうだ:
適正なアイアンフィッティングとは、キャリーの安定性を最適化し、グリーンをしっかり捉えられるだけの十分な落下角度を確保し、ショットのばらつきを最小限に抑えること。
この哲学は、単に「飛距離ばかりを追求する」業界の流れとは、ある意味“真逆”とも言える。だが、タイトリストは信じている。
この3つの要素をしっかり押さえれば、たとえ7番アイアンの飛距離で他の誰かに劣っていたとしても、より良いゴルフができるはずだと。
これまでのモデル同様、新しい「Tシリーズ」アイアンも、各モデルの「ボール初速」と「寛容性」が異なるものの、シリーズ全体でシームレスに組み合わせできるように設計されている。
モデル間を違和感なく組み合わせられることで、タイトリストが“理想的な番手間ギャップ”とする、クラブごとのボール初速差およそ2.2m/sをしっかり維持できるようになっている。それを可能にするには、かなり精密な設計と調整が必要になる。
「各モデルのヘッドは、それぞれ独立した設計なんだ」と語るのは、タイトリストのアイアン開発責任者マーニ・イネス氏。「ウエイトもロフトも、素材も構造も、全て違う。まるで1本1本がそれぞれ別の設計で成り立っているようなものなんだ。それらすべてをうまく連動させて、適切な番手間の飛距離差を生み出せるよう、ひとつのセットとして機能させる必要がある」。
「T100」と「T150」:競技志向(上級者向け)アイアンの基盤

「T100」と「T150」は、タイトリストの「競技志向(上級者向け)」アイアンをベースに設計しており、いくつかの主要テクノロジーを共有しながら、やや異なるタイプのゴルファーをターゲットにしている。
共通テクノロジー
「マッスルチャンネル・テクノロジー」:「T100」と「T150」の両モデルに共通する重要な特徴が、ロングアイアンに採用された『マッスルチャンネル・テクノロジー』だ。
かつては、「T150」のみに採用されていたこの技術が、今回ついに「T100」の3番、4番アイアンにも搭載されることになった。ここ数年になってツアープレーヤーの中でも「T100」のロングアイアンから、より初速が出て高弾道になる「T150」へ移行しているケースが増えていた。今回、この『マッスルチャンネル』を「T100」のロングアイアンに加えた狙いは、セット全体を「T100」で揃えさせることではない。「T100」の設計に十分なパワーと高さを与えることで、全てのゴルファーのセッティングの中に「T100」を入れるという新たな選択肢を持てるようにしたのだ。
プログレッシブ・グルーブ・テクノロジー:両モデルとも、タイトリストの「ボーケイ」ウェッジチームの知見を活かした新溝設計が採用されている。
セッティングを通じて溝の形状を変えることで、フェアウェイ、ラフ、濡れているライなどコンディションに関係なく安定したスピン量をキープ。これにより、タイトリストの「3D」の一つである「飛距離の精度」を向上させることができる。タングステンの分割配置:高密度のタングステン(3番~7番でそれぞれ約80g)がヒールとトウ側に分散配置されており、重心位置の最適化とMOIの向上を実現する。
バリアブル・フェースシックネス設計:新たに採用された『バリアブル・フェースシックネス・テクノロジー』により、フェース全体で初速が一定になり、打点による“飛び過ぎ”を防ぎながら、ヒールからトゥまで安定したパフォーマンスを実現する。
「100」:今どきのツアーアイアン

「T100」は、今なおPGAツアーで最も多くのプロに使われているアイアンであり、「Tシリーズ」全体のベースともいえる存在だ。
そして今回も例外なく、タイトリスト契約プロたちからのリクエストは明確だった。「何も変えないでくれ」それが彼らの声。もちろん、ヘッド形状を変えるなんて完全NGというわけだ。そうした経緯を踏まえ、新しい「T100」はこれまで通りのコンパクトな『鍛造デュアルキャビティ構造』と、ツアーで磨かれたクラシカルな見た目を継承している。
ただし、先にお伝えした新テクノロジーにより、性能面では着実な進化を遂げている。中でも大きな変更点は2つ。ひとつは、3番、4番アイアンに『マッスルチャンネル・テクノロジー』を搭載したこと。もうひとつは、ツアープロたちからの生のフィードバックを受けて、セット全体で1度ストロングロフトにしたことだ。
一見すると、「何も変えるな」という声に反するようにも思えるが、今回のロフト変更は、PGA・LPGA両ツアーの選手からのフィードバックに基づいたものだ。
もちろん、純正ロフトはあくまで“出発点”に過ぎない。多くの人が好む従来のクラシカルな上級者向けデザインはそのままにして、PGAのツアープロならロフト角を1〜2度寝かせてバウンスを増やすこともあるし、逆にLPGAのツアープロは、「T150」の初速に近づけるためにロフトを立てて調整することもある。つまり、ツアーレベルの競技志向(上級者向け)モデルとして、多様なプレーヤーのニーズに応えられる設計になっているということだ。
そして、一般ゴルファーに置き換えると、ストロングロフトにすることで飛距離アップが期待でき、さらにロングアイアンに搭載された『マッスルチャンネル・テクノロジー』によって、高弾道が打ちやすくなり、とくに難しさを感じやすい番手で“扱いやすさ”をしっかり確保している。
「T100」の純正シャフトは、スチールがトゥルーテンパー「AMT Tour White」、カーボンは三菱の「Tensei White AM2」が装着されている。
「T150」:初速が出る競技志向(上級者向け)アイアン

「T150」は、タイトリストが“ツアーアイアンの魅力を、より多くのゴルファーに”という想いで開発したモデル。
ツアーモデルらしいシャープな形状はそのままに、もう少し「飛距離」と「寛容性」を求めるゴルファーに向けた設計となっている。
見た目の面では、「T150」は「T100」と同じオフセットを採用しているが、トップラインがやや厚く、ソールも少し広めになっている。
今回はさらに、ブレード長(ヒールからトゥまでの長さ)を1mm延ばし、「T100」よりほんのわずか長くなった。これはわずかな変化のように思えるが、見た目には意外と大きな違いが出る。過去のモデルのようにトップラインだけを厚くすると、ヘッド全体が短くボテっと見えてしまうことがあった。その点、この1mmの延長によってバランスの取れた見た目を保ちながら、わずかに慣性モーメント(MOI)も向上させる効果がある。
「T100」と大きく違うもう一つの点が、「T150」には『マッスルチャンネル・テクノロジー』が他の番手にも搭載されていること。これにより初速と打ち出しの両方でメリットが得られる。
またワイドソールになっていることで、ヘッド後部にウエイトを配置することが可能になり、厚めのトップラインによる重心位置設定を相殺している。また「T150」は、「T100」と同じロフト設定ながら、『マッスルチャンネル・テクノロジー』により初速が出やすい設計になっている。
それでも本質はあくまで「競技志向(上級者向け)」アイアン。ただし、多くのゴルファーが必要とする“あと一歩のやさしさ”を備えたモデルでもある。そして「Tシリーズ」はモデル同士を組み合わせて使うことを前提に設計されているが、「T150」はそのバランスがさらに改善されたことで、他の「Tシリーズ」との組み合わせがより自然になっている。
タイトリスト「T150」の純正シャフトは、スチールがトゥルーテンパー「AMT Tour Silver」(従来の「Project X LZ」から変更)、カーボンは三菱の「Tensei White AM2」が装着されている。
「T250」「T350」:競技志向(上級者向け)飛び系とスコア改善型(初・中級者向け)の基盤

「T250」と「T350」は、「競技志向(上級者向け)飛び系」と「スコア改善型(初・中級者向け)」カテゴリーが重なる領域にいるゴルファーのニーズに応えつつ、共通のテクノロジーを採用した、タイトリスト史上最も洗練された「スコア改善型(初・中級者向け)」アイアンになっている。
共通テクノロジー
『マックスインパクトテクノロジー』:「T250」と「T350」には、どちらも『マックスインパクトテクノロジー』が搭載されている。
これは、薄い鍛造フェースの後ろにポリマー素材のコアを配置することで、ボール初速を高めながらも心地よい打感をキープする技術だ。そしてタイトリストでは、このテクノロジーを以下の例を用いて説明している。それが「スパイクボール」(シカゴ発祥の新スポーツ)のトランポリンだ。
トランポリンの例で言えば、ボールを真ん中に当てればボールは高く跳ね返るが、端の方に当てると、反発力が弱くなって、同じようには跳ね返らない。それは中央の方が、はるかに反発力があるからだ。

アイアンのフェースもこれと同じようなものだ。多くのメーカーは、フェース全体の初速を均一化するために、フェース中央の後ろにサポート構造を搭載したり、フェース自体を厚くすることで、あえてフェース中央の初速を抑えている。
その結果、パフォーマンスは安定するが、フェースのど真ん中で打ったときの初速性能が犠牲になってしまう。一方で、この『マックスインパクト』は、例えるなら大きなトランポリンの下に小さいスパイクボール用のトランポリンを仕込むようなもの。
これにより、フェースの中央の性能を犠牲にすることなく、ミスヒット時のボール初速も向上する。タイトリスト曰く、この『マックスインパクトテクノロジー』は、何ひとつ妥協することなく、フェース全体のボール初速を最大限に引き出す設計だという。“瓶詰め”製法:前作の「T250」と「T350」には、バックキャビティに取り付けられたプラスチック製のバッジが一部で批判の的になった。
もちろん機能的な役割は果たしていたものの、シンプルで美しいヘッドデザインがどこかチープに見えるという意見があったのだ。しかし、今回の「T250」と「T350」では、タイトリストが“瓶詰め”と表現する新たな製造プロセスを採用。ヘッドの大部分を製造した後、トゥ部分に残された小さな開口部から『マックスインパクトコア』内部に注入した。
この手法により、バックフェース側からキャビティ内部へアクセスする必要がなくなり、プラスチック製のバッジも不要に。その結果、よりシームレスで洗練されたデザインに仕上がっている。
「なぜ最初の段階で『マックスインパクトコア』を入れないのか?」と疑問に思うかもしれない。そこには、アイアン製造における“現実的な理由”がある。
タングステンウエイトのろう付け、熱処理、各パーツを固定するための溶接。こうした工程の熱によってポリマー素材が溶けてしまい、本来の小さなトランポリンどころか、形の崩れた粘着物になってしまうのだ。そこで、トゥ部分に小さな開口部を設け、ヘッドの組み立てがほぼ完了した段階で『マックスインパクトコア』を注入し、最後にその穴を閉じるという手法が採られている。高比重タングステン:モデルやロフトによって異なるものの、両モデルとも、打ち出し角と寛容性を最適化するために、100g以上の高比重タングステンを戦略的に搭載している。
プログレッシブ・グルーブ・テクノロジー:「競技志向(上級者向け)」アイアン同様、両モデルにはあらゆる状況でも安定したスピン性能を維持する新溝設計が採用されている。
「T250」:競技志向(上級者向け)飛び系を再定義するアイアン

興味深くなるのはここからだ。「T200」の後継モデルとなる「T250」は、「競技志向(上級者向け)飛び系」カテゴリーの主力に対するタイトリストの“挑戦状”で、今回のシリーズの主役と言える存在かも知れない。
2025年モデルの「T250」は、タイトリストでは初となるテーラーメイド「P790」の対抗馬。
前作の「T200」も「競技志向(上級者向け)飛び系」アイアンとして位置づけられてはいたものの、どちらもこのカテゴリーに相応しい見た目とは言い難かった。ところが、今回の「T250」はそんな認識を真っ向から覆すものになっている。当然、誰にでも合うアイアンなど存在しない。
それでもタイトリストは、この「T250」がテーラーメイド「P790」のように幅広い層のゴルファーを惹きつけるモデルになることを期待している。具体的には、“もう少し「寛容性」も求めるローハンディキャップのゴルファー”から、“「T350」では大きすぎるけど従来の「競技志向(上級者向け)」アイアンでは物足りない”。そんなハイハンディキャッパーまで、しっかりカバーできるよう設計されている。
その結果生まれたのが、「競技志向(上級者向け)飛び系」の本格的な性能を備えつつ、「スコア改善型(初・中級者向け)」の「寛容性」もあり、さらにシングルハンディキャップの多くを満足させる洗練された見た目も実現しているアイアンというわけだ。
自分がフィッティングした時は、「T250」と「T350」でかなり心が揺れた。「T250」は、「飛距離」も「寛容性」も十分で、しかも見た目はまさに伝統的な「競技志向(上級者向け)」アイアンそのもの。
最終的に「T350」を選んだけど、「T250」は見た目を妥協することなく、どんなセッティングにも対応できる万能タイプのアイアンだと感じた。タイトリスト「T250」の純正シャフトは、スチールがトゥルーテンパー「AMT Tour Black」、カーボンは三菱の「MMT AMC Blue 85」が装着されている。
また「T250U」ユーティリティアイアンもラインナップしている。
「T350」:究極のスコア改善型(初・中級者向け)アイアン

「T350」は、「T250」と同様に『マックスインパクトテクノロジー』を搭載しながら、さらにヘッドサイズを大きくし、「寛容性」を高めたモデルだ。
最大の「飛距離」と「寛容性」を求めるゴルファーに向けて設計されており、シリーズ内で最も高いCOR値(エネルギー伝達効率)を誇る一方で、操作性を損なうことなく仕上げられている。実際にフィッティングを受けてみたところ、「T350」はストロングロフト仕様でありながら、「T250 Launch Spec(※詳細は後述)」を除けばテストした中で最も飛距離が出た。しかも高弾道で、落下角度も理想的な範囲にしっかり収まっていた。
つまり、しっかり設計されたクラブであれば、初速性能が高くても弾道の高さや落下角度を犠牲にする必要はないということだろう。

また、今回で「T350」を使うのは2セット目になるが、まず強く感じたのは前モデルの「T300」と比べて見た目が大幅に洗練されたことだ。無駄な装飾がそぎ落とされ、例の“イマイチなバッジ”もなくなった。
タイトリスト自身は、「T350」はラインアップの中でもっとも「寛容性」が高いモデルのひとつだと位置づけているが、それをこれ見よがしに主張するような外観ではなく、バッグに入れても“やさしすぎるアイアン”に見えないのがいい。前回は、どちらかといえばフィッターに勧められて「T350」を選んだ感覚だった。だが今回は、「T250」という選択肢もありながら、自分から進んで「T350」を選んだ。
理由は、見た目も打感も良くなり、さらに「ボール初速」と「寛容性」が確実に向上していたからだ。
タイトリスト「T350」の純正シャフトは、スチールがトゥルーテンパー「AMT Tour Red」、カーボンは三菱の「MMT AMC Red」が装着されている。
なお、「T350」のユーティリティモデルを求めているゴルファーには、新しい「U505」ユーティリティアイアンがおすすめだ。
「T250 Launch Spec」:高弾道競技志向(上級者向け)飛び系アイアン

タイトリスト「Tシリーズ」の中でも、最も意外性のある注目モデルが、この「T250 Launch Spec(★)」だ。実質的には、期待されたほどの支持を得られなかった「T400」の後継モデルという位置づけになる。
「T400」は、アイデアとしては面白く、“一定のニーズがあれば”という前提で作られていた印象があった。
それに対して、この「T250 Launch Spec」は「最初からこうあるべきだった」と感じさせる完成度を備えている。
「T250 Launch Spec」は、標準モデルの「T250」と同じテクノロジーを搭載しているものの、ロフトを4.5度寝かせヘッドは6g軽量化している。
繰り返すが…ロフト角が4.5度も寝てる!
このモデルは、タングステンを搭載し低重心化も実現しているものの、さらなる高さと落下角度の獲得をロフトに頼るゴルファーに向けて設計された「競技志向(上級者向け)飛び系」アイアンだ。
ターゲット層は、6番アイアンのヘッドスピードが約33.5m/s以下のゴルファー。つまり、シニア、ジュニア、女性、あるいはヘッドスピードアップや高さを出すことに苦労しているゴルファーということ。
フィッティングでは、この「Launch Spec(★)」はとんでもない高さが出て、ボールの行方がわからなくなり、どこまで飛んだのか分からないほどだった。
でも、これこそが狙い。そのような高さとしっかりした落下角度が出せずに悩んでいるゴルファーなら、この「Launch Spec(★)」は有効な解決策となるはずだ。数字で言うと、このモデルはロフト角27度の5番アイアンから、52度のウェッジまであり、番手間のロフト差は4度。単純な飛距離よりも、弾道の高さとグリーン上で止める力(ストッピングパワー)を最大化するために設計されたセットとなっている。

また、タイトリストは、ゴルファーに「何を犠牲にするか」も理解している。たとえば「T250 Launch Spec(★)」の7番アイアンと、一般的な「スコア改善型(初・中級者向け)」アイアンに多いロフト角35度の7番アイアンを比べれば、確かに後者のほうが飛距離は出るだろう。
でも、その分弾道は低くなり、「T250 Launch Spec(★)」が持つ“グリーンで止める力”には到底及ばない。問題は、ゴルファーが純粋な「飛距離」よりも「扱いやすさ」を優先するべきだと、タイトリストがどこまで伝えられるかということ。
少なくとも、自分が実際に体感したかぎりでは、ゴルファーは“止まる球”を選ぶべきだと思う。
「T250 Launch Spec(★)」の純正シャフトは、スチールが日本シャフト「NS 750GH Neo」、カーボンは三菱の「MMT AMC Red」が装着されている。
向上したフィッティングツール

新しい「Tシリーズ」で最も注目すべき進化のひとつが、タイトリストの「フィッティングシステム」のアップグレードだ。
新しいフィッティングヘッドは、「Tシリーズ」全体で、かつてないほどのフィッティングが可能となっており、フィッターは、“3D”「飛距離の精度」「落下角度」「ばらつきの抑制」をかつてない精度で最適化できるようになっている。このシステムでは、以下の調整が可能だ:
・ライ角:2度フラット〜4度アップライトまで、1度刻みで調整
・ロフト角:2度ウィーク〜1度ストロングまで、1度刻みで調整
・ヘッド重量:標準から最大6g軽量化まで対応
これにより、プレーヤーごとのスイングタイプや狙いに応じた、より精密なフィッティングが実現できるようになった。

そして、タイトリストのシャフトラインナップは、標準装着のトゥルーテンパー「AMTシリーズ」から、三菱やグラファイトデザインの高級カーボンシャフトに至るまで豊富に取り揃えており、個々のゴルファーのパフォーマンスを最適化できるツールが揃ったフィッティングシステムと言えるだろう。
イメージを覆す
新しい「Tシリーズ」は、「タイトリスト=競技志向(上級者向け)」というイメージに対する、最も包括的な答えと言える。
ツアーで実績のある「T100」から、高弾道を求めるゴルファー向けの「T250 Launch Spec(★)」まで、上達を目指す全てのゴルファーに応えるモデルが揃っている。
中でも注目は「T250」だ。これは、近年のタイトリストの中でも最も“革新的”といえるアイアンであり、「競技志向(上級者向け)飛び系」カテゴリーの主力モデルに真っ向から挑む存在となっている。
確かな性能を備えつつ、従来のタイトリストらしい洗練されたデザインも損なわれていない。まさに、幅広いゴルファーが求める“機能と美しさの融合”を体現した1本と言えるだろう。また、新しい「Tシリーズ」の価格は1本215ドルと業界平均を上回る設定となっている。しかしそれは、1本1本に注がれた高い設計技術と製造クオリティを考えれば納得の水準だ。
タイトリストのアイアン設計やフィッティングに共感するゴルファーにとっては、この価格に見合う価値はあるだろうし、高すぎると感じる人のために他の選択肢も用意されている。

新しい「Tシリーズ」のフィッティングは7月10日からスタート。店頭での販売は8月21日となっている。(アメリカの情報)
日本での発売日は
2025年8月22日:T100, T150, T250, T350, U・505
2025年9月18日:T250 ロンチスペックモデル
詳細はタイトリストのウェブサイトまで。
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