ピンが「上級者向けディスタンス系カテゴリー」に新製品i500を投入する。さらなる飛距離を追求する上級者のニーズに応えるモデルだ。

i500を設計するにあたり、ピンは上級者好みのサイズ感や形状を残しつつ、より高く、より遠くに飛ぶ、素晴らしい打感のアイアンを目指した。

ピンは基本的に、特に高い打ち出しと飛距離を特徴とするG700の要素を取り込もうと考え、それらがうまく機能するように調整し、上級者向けモデルのi500に適用したのだ。

 

ピンが最も避けたかったのは、遠くに飛ぶだけで球は低く、グリーンをとらえられないディスタンス系アイアンだった。彼らは確実なメリットを提供する、真の「上級者向けディスタンス系アイアン」を造りたかった。

しかし、「言うは易く、行うは難し」。

これまで多くのメーカーが挑戦してきたが、そのほとんどが失敗に終わっている。

小さなヘッドが生む、大きなアドバンテージ

大きなヘッドで飛距離を得るのは簡単だが、小さいクラブでは難しい。

わかりやすく説明しよう。

i500のフェースサイズはピンの新商品i210と同じだ(i200ともほぼ同じ)。ブレードは少し長いものの、ピンの中でも最も上級者向けと言われるiBladeと同じオフセットを継承している。i500は最も小さなアイアンではないが、初級者・中級者向けクラブと間違えられることはまずないだろう。

 

i500は、G700と同様の中空ボディー構造を持つ。機械で溶接されたマレージングC300スチール製フェースは確かな性能(高い打ち出し、速いボールスピード)を実現する。

これは、ピンがフェアウェイウッドやハイブリッドのフェースに使用する素材と同じであり、いわゆる「ダイビングボード(飛び込み競技の飛び板)効果」を生み出す。

従来のアイアンと比べて、このフェースのたわみや反発はボールスピードを上げるだけでなく、非常に高い打ち出しを実現すると同時に、スピン量を減らす(ピンによると、7番アイアンでi210と比べて700rpm減少)。

中空ボディー構造 VS 充填剤

「PXGがピンを訴えるかもしれない」という反応も間違いなくあるだろう。

しかし、深く考えなくても構造は基本的に違うし、デザインが似ていてもこれらのアイアンは別のカテゴリーに分類される。

PXGとテーラーメイドは、打感を向上させながらフェースにさらに反発性を持たせるためにCOR2やSpeedFoamのような充填剤を使用している。

一方で中空ボディーを採用しているのが、ミズノ、タイトリスト、そしてピンだ。これには、たわみや反発能力を直接妨げるものは必要ないという考えが根本にある。

どちらの設計が優れているか?

それは、「誰が使うか」によるだろう。

1番手短いクラブを使える

伝統的な設計を採用した新モデルi210アイアンと比較してみると、i500ではヘッドスピードが速いゴルファーで15ヤードほど、平均的なゴルファーでも7~8ヤードほど遠くに飛ぶ可能性がある。ただし、実際はゴルファーやスイングによって数値は変わるはずであり、飛距離を保証するものではないことをお断りしておく。

最も説得力があるのが、i500のロフト角はi210より2.5度立っているにもかかわらず、理想的な打ち出し角によって十分な飛距離が出る点だ。

ロフトはスペック表を見れば一目瞭然なのだが、静止状態のロフト角は最高到達点と落下角度が考慮されていない。これまで何度も述べているが、静止ロフト角はほとんど意味がない。ボールの飛びにはロフト角だけでなく、多くの要素が関係するのだ。

 

「i500アイアンはボールが高めに上がるため、私たちは問題なくロフト角を少し立てることができた。」(マーティー・ジャートソン氏)

 

ピンによると、i500(特にロングアイアン)は競合モデルよりも明らかに球が高く上がるという。

ツアープロでも2~3%、アベレージゴルファーなら4~5%高く上がるという。最高到達点については、競合アイアンと比べて10%も高いという。

10%という数字はかなりなものだが、打ってみれば誰でもすぐにそれが本当だとわかるだろう。

最高到達点が上昇すれば、落下角度も大きくなる。それは、ほとんどの場合スピン量の減少を埋め合わせるだけでなく、グリーンでボールをしっかり止めてくれる。

その結果として、従来のアイアンより1つ上の(短い)番手で打てるようになる。7番アイアンを使う場面でも、i500では8番でOKということだ。

番手に関係なく高い球を打つことができる上、8番アイアンは7番より0.5インチ短い分コントロールしやすく、真っ直ぐ飛ばせる。実践的に考えても、これはメリットと言えるだろう。

操作性

i500が他の上級者向けアイアンと違う点は、「操作性」だ。

「操作性が良い」は上級者向けアイアンの宣伝文句の定番だが、i500の場合は少し違う。

上級者にとって、i500のサイズ感、ソール設計、抑えたオフセットはフェースローテーション、インパクトロフト、入射角のコントロールを可能にしてくれる。

ゴルファーは弾道を打ち分けることができるようになると思うが、一方でi500の低スピン性能によってボールを十分に曲げられなくなるというデメリットもある。

ピンはバッバ・ワトソンがi500を使用するとは思っていなかったが、彼はきっとボールを真っ直ぐ飛ばしてくれるだろう。

上級者を含め多くのゴルファーが、それを最大のメリットととらえるのではないか。

i500はツアープロが持つ、「速いヘッドスピードで球を高く打ち上げる能力」を一般ゴルファーにも経験してもらうために設計された。ツアープロにはまだロングアイアンが必要だが、一般ゴルファーはi500の全番手からメリットを得られる。

また、i500のオフセットはiBladeに合わせているためCrossoverの有力な代替候補になり得るし、特にコンボセットを好むゴルファーにとっては理想的だ。

最近2018年PGAチャンピオンシップの出場権を得たマーティー・ジャートソン氏は、iBladeと組み合わせてi500のロングアイアンを使用している。

ルックス

最初に述べたように、i500は上級者の好みを残しつつ飛距離アップを目指して造られたアイアンだが、それはデザインをシンプルにするということを意味していた。

最小限に抑えたオフセットに加えて、面取りされたトップラインは実際よりも細く見える。ソールはiBladeよりわずかに広いが、i210より少し狭い。番手を示す数字はフェースから外され、よりシンプルなっている。ハイドロパール仕上げはオリジナルより明るく、平坦さがなくなった。

ルックスだけ見れば、i500はG700を小さく、輝きを持たせたアイアンと言っていいだろう。

 

3種類のロフトオプション

ピンは、最近のアイアンに採用してきた「Power Spec」と呼ばれるオプションをi500にも取り入れるだろう。Power Specのロフトは、通常より1度~1.5度立っている。スピン量が多いプレーヤーや、特にロングアイアンでさらなる飛距離を求めるゴルファーにとって、素晴らしいオプションだ。

i500とi210の発売を機に、ピンは「Retro Spec」と呼ばれるオプションを展開する予定だ。Retro Specのロフト角は、標準スペックより1度~1.5度寝ている。Retro Specはスピン量を求めるゴルファーや、ウェッジを3本しか使わないゴルファー向けのオプションである。

先入観を捨ててフィッティングを受け、自分に最も合うスペックでクラブをセッティングすることをお勧めする。

 

オリジナルシャフト

i500のオリジナルシャフトは、ダイナミックゴールドDG 105だ。

フレックスで見ると、DG 105は標準のダイナミックゴールドやDG 120(i210のオリジナルシャフト)と比べて柔らかい。これはピンがシャフトによる高い打ち出しを狙っているためだ。

DG 105が合わなければ、ダイナミックゴールドやKBS、日本シャフトなどから追加料金なしで選ぶことができる。

 

試打の感想

i210とi500を試打してみた。ピンはこの2モデルを「Power(パワー)とPrecision(精密さ)の選択」と謳っている。i500は完全にPower(パワー)オプションである。

7番アイアンを試打してみたが、その結果はピンの社内テストによる平均とほとんど一致していた。良いショットであれば打ち出し角の差は0.6度で、平均最高到達点は同じだった。スピン量の範囲はピンのデータより少し広かった。

結果的に、私はi500で飛距離は14ヤードも伸ばしたのだ。

際立っていたのは、i500は私が今までに打ったどのアイアンよりも水平方向の動きが速かったことだ。大げさに聞こえるかもしれないが、i500の動きはまるでウッドのようだ。誰にでも当てはまるわけではないと思うが、飛距離と安定性については「感動的」と言っても過言ではなかった。

i500とi210の比較を行ってi500の方が良い数字が出たのは事実だが、この2モデルは区別して考えるべきだ。i210は近代的でありながら伝統的なパフォーマンスを提供してくれるアイアンだ。

打ち出しは少し高く、スピン量はやや多く、操作性もある。私の場合は、増えたオフセットによってロングアイアンが打ちやすくなった。i500ほどではないにしても、一定のゴルファー層には十分役立つだろう。

i500は、これまでとは全く違う経験を与えてくれる。これまでのピンでは味わえなかった経験を、だ(G700がその道を切り開いたのだが)。i500は万人向けではないが、スピン量、操作性ともに抑えたショットを楽しむ「スピードアイアン」である。

正直、飛び過ぎると思うゴルファーもいるかもしれないが、一度打ったら衝撃を受けることは間違いない。

 

価格と販売状況

ピンi500の先行販売は本日(7/16)開始、小売店では7/31より販売を開始する。小売価格はスチールシャフトで175ドル、グラファイトシャフトで190ドルだ。