一ヶ月、いや二ヶ月前だったか、ドライバー購入アンケートを実施した。

購入して使っているものだけではなく試打したものも対象で、どこで購入したか、フィッティングして購入したものかなどのアンケートも行った。

多くのゴルファーが、周りがどんなドライバーを使っているのか(それがいくらだったか)ということに興味を持っているだろうし、メーカー各社もゴルファーの購入傾向をより理解するため、このアンケートを楽しみにしていることは間違いない。

そしてこれまで同様、今回のアンケートにも私の意見を付け加えた。

今回、回答があったのは6,700件以上(正確には6,734件)。ご協力いただいた皆さんには感謝している。では、スタートしよう。


 

基本属性

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あなたのハンディキャップは?

結果は前回アンケートと一貫している。当サイトユーザーの約60%がハンディキャップ6〜15となっており、ゴルフ用品業界が得意とする属性と言って良いだろう。


 

あなたの性別は?

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女性が少ないことに関して言えば、そんなに驚いてはいないがちょっと残念。ここは我慢だ。


 

あなたの年齢は?

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綺麗なグラフにはなっていないが、当サイトのユーザーは市場全体をおおよそ反映していると思う。ゴルフ以外のスポーツでこれだけ年齢層が分散しているスポーツはないだろう。

ここからは肝心の調査結果だ。


 

主要アンケート

どのくらいの周期で新ドライバーを購入するか?

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MyGolfSpyの読者は基本的にギア通なので、読者の過半数のドライバー買い替え周期が1〜3年(最大は2〜3年)でも驚くことはない。

ゴルファー全体で見ると、4〜5年のドライバー買い替え周期が平均に近い属性だが、果たしてそれで楽しいのだろうか。


 

直近の購入前は、どのブランドが好きだったか?

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これについては、ある程度の先入観を持っていたり、バイアスも掛かっているように思う。誰でもブランドには好き嫌いがあるだろう。

それらは性能や数値、そして特に理由もなく左右されることもある。アンケートではその辺りも含まれている。

この10年以上、キャロウェイとテーラーメイドはドライバー市場において二大巨頭だった。

近年はピンがすごく好調だし、タイトリストには常にファンがついている。なので、基本的にこの結果は当然といえば当然だろう。

また、コブラが業界を牽引するブランドとそれらを追いかけるブランドの間に位置していることも驚きではない。

その他を選択した中で一番多かったブランドはナイキとアダムス。両ブランドとも忘れないようにしておこう。

また本間ゴルフ、ウィルソン、エアフォースワン、ボビージョーンズの名前もあった。



 

最近購入したドライバーのブランド名は?

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キャロウェイから見たら、ある種の大どんでん返しだ。一番購入されたブランドはキャロウェイで、これにピンとテーラーメイドが続いた。

また特筆すべきは、「好きなブランド」で6.76%だったコブラが、購入したブランドとしては11.49%にアップしたこと。これはタイトリストとほぼ同水準だ。

スリクソン、ミズノ、ツアーエッジなど追随するメーカーは、主要メーカーには及ばないが、前の質問よりも高い割合で購入されている。


 

購入を決める前に試打したブランドは?

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大手メーカーとそれ以外ということを語る上で、恐らくこの質問が今回のアンケートで最も興味深いと思う。

小規模または追随するメーカーにとって、クラブ購入や試打させるための最大の難関は、そのメーカーが会話の中に出てくるようにする方法を見つけることだ。

試打しなければ、購入されることはないだろう。繰り返しになるが、これは性能が悪いのではなくチャンスが少ないということだ。

購入した理由は様々あるものの、試打したからという理由も大きい。

例えばMy Golf Spyの読者を見ると、キャロウェイのドライバーはウィルソンのドライバーよりも25倍も頻繁に購入されているが、これは初期段階でキャロウェイがより話題となり、試打クラブも用意されているからだ。

簡単に言えば、ゴルファーの圧倒的多数がキャロウェイのドライバーやテーラーメイドのドライバー、ピンのドライバー、そしてタイトリストのドライバーを試打することに相当な時間を割いている。

コブラのクラブになると、試打率は急激に落ち込んでいる状況だ。これにミズノ、スリクソンが続くが、「試打していない」がその中で一番多い。

そして、大手ブランドに匹敵するかそれ以上の性能を発揮するクラブがあろうがなかろうが、小さなブランドにはセールスする機会が相当に限られていることが分かる。


 

購入したドライバーは?

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大変明確な結果になった。皆さんはギアマニアであり、ギアマニアは新作が欲しいもの。とは言え、中古モデルの購入率が相対的に低かったことは驚きであり、市場全体ではこの数字は高くなると思う。

また、ユーザーからは新商品については翌年に割引されるのを待って購入するという声もあった。

良くも悪くも、割引(少なくとも急な割引)に頼る時代は概ね終焉を迎えている。メーカー各社は新モデルを売りたいし、そういう対応をしてきているのだ。

半年ごとの商品リリースは終わり、メーカーも在庫管理により責任を持つようになったことから、焼畑的な価格設定はなくなってきた。

気を長くしていればお買い得品が見つかるかも知れないが基本的に値引きは新モデルが出た時だけになっているので、約60%のゴルファーが最新モデルを購入しているのは、その結果と言えるだろう。


 

直近でドライバーはどこで買ったか?

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大型店が相変わらずトップという結果になり、これはどの世代でも共通している。またゴルフ場以外の専門店やゴルフ場のプロショップも健闘。メーカー直販が伸びている中、eBayは皆さんのご想像りだと思う。


 

最後に購入したドライバーの価格は?

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グラフをご覧のように、基本的にほとんどの価格帯で横並びの結果となった。

551〜600ドルの価格帯が低い理由は、500〜550ドルで大手メーカーのドライバーが買えるか無料アップグレードは可能なものの、50〜100ドルを上乗せしても高額で魅力的なシャフトが装着されたモデルは手に入らないからだ。

また、多くの新作ドライバーの価格が450〜550ドルなので、この価格帯がこれ以上に上昇すると考えていた。我々も知らない施策でもあるのだろうか?

250ドル以下の層の人は、どんなドライバーをどこで買ったのだろうか?7%以上いる600ドル以上のドライバーを購入した人にも、同じ疑問が残る。


 

ドライバーに装着されているシャフトは何?

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「Shaft University」シリーズではシャフトについて多くの間違いや混乱があったので、ゴルファーが何を買っているのか、そしてフィッティングにおけるシャフトの役割に関するユーザーの一般的な感覚をより理解したいと思った。

既製品の購入量、そしてカスタムフィッティングは既製品によるフィッティングであることを考えると、大多数のゴルファーは純正のシャフトが装着されたドライバーを使っていると言えるだろう。

また、2番目が追加料金なしのアップグレードであったことも特に驚くことではない。それより21%以上を占めたアフターマーケットの高額シャフトが興味深い。

ご覧いただければお分かりの通り、この数字はクールクラブスやクラブチャンピオンのような工房でカスタムフィッティングした人の割合と大差ないのだ。

こうしたフィッティングは最も内容が濃くなる傾向にあり、また高額シャフトが常にオススメになるわけでもないので、一般的にこのような工房はゴルファーにとって最適なスペックを見つける場所となっている。


 

あなたが思うヘッドとシャフトの関係性について最も適切なものはどれか?

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このアンケートも、フィッティング時のシャフトの想定的重要性の認識度を測るために設定された。

業界内でも統一した答えがある訳ではないが、過半数は、ある程度ヘッドの方がシャフトよりも重要と答えるだろう。

興味深いのは、ヘッドとシャフトの重要度は同等ではないと感じている人の中では、ヘッドよりもシャフトが大切と信じている方が多いということ。

これは「シャフトがやや重要」と「シャフトは大変重要」の両方が当てはまる。

統一された答えはないと言ったが、開発側やフィッター側の中に、シャフトの方がヘッドよりも重要と主張している人がいるなら、それは驚くべきことだろう。

少しであってもシャフトがヘッドよりも重要という裏付けを見つけることは難しいはずだ。

チューニングのつまみに例えると、ヘッドは大きなつまみで、大きく変化させるには不可欠なものであり、シャフトは小さいアジャストをする微調整用のノブと言える。


 

最後に購入したドライバーはフィッティングしたか?

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これは簡単な質問であり、ドライバーフィッティングをしているゴルファーの割合が分かることに加えて、フィッティングしたユーザーにもう少し深く聞くことができた。

ユーザーの多くがドライバーのフィッティングをしていることが分かって良かったと思う。


 

どこでドライバーフィッティングを行なったか?

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ここから数問はドライバーフィッティングを行なった回答者のみによる結果だ。

(恐らく数ある中でも)クールクラブスやクラブチャンピオン、またはトゥルースペックのような専門フィッターがいるショップでフィッティングしたユーザーの割合が多かったことは、間違いなく凄いこと。

それ以外では、大手販売店、ゴルフ場以外の専門店が続く結果となった。

大抵はこうした小売店は、ハイエンド向けのショップと同様のフィッティング能力がないので、幸先の良い結果と言えるだろう。

また、思った以上に試打会がフィッティング体験の場として少ない割合となったが、メーカー本社でのフィッティングは想定よりはやや多かった。


 

フィンティングを実施したのは室内か屋外か?

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フィッティングにおいて、時に激しい議論がかわされる質問だ。典型的なことだが、どちらにもメリットもデメリットもある。

屋外で行えばボールの全ての軌道がわかるし、アイアンのフィッティングならソールの抜けなどもしっかり感じられるだろう。また天候も考慮し、スイングに影響を及ぼす風のような単純なことにもアジャストしなければならない。

一方で室内でのフィッティングは、天候を考慮する必要がなく、ボールの弾道はシミュレーターで代替する。非常に狭いところで実施される場合が多く、スイングにも影響を及ぼすことがある。

私の感覚では、屋外も室外もフィッティングに向いている。

見逃しがちだがより大切なことは、フィッティングで使うボールは、実際のプレーで使用するものかそれに近いボールにすること。

もし、4ピースボールやウレタンボール、あるいはツアーボールを使っているなら、練習場のボールでフィッティングをするなどあり得ないのだ。



 

フィッティングの際に使用した計測器のブランドは?

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フィッティングは短い間に大きな進化を遂げたと思う。調査によれば、3.32%を除く全てで何かしらの計測器が使われたという結果となった。

トラックマンが最も使用されたということは特に驚くことでもないだろう。

実績十分だし、メーカーの多くがトラックマンを所有しており、コスト的観点でも別のプラットフォームに移行することは現実的ではないからだ。

屋外ではトラックマンやフライトスコープのレーダーによる弾道測定器も、フォーサイト/スカイトラックのカメラタイプも向いていると思う。

もしカメラタイプで活用しているアルゴリズムが信頼できないのなら、レーダータイプを推すのも理解できる。

ヘッドの取得データが正確で、ヘッドスピードとミート率が信頼できるものなら、そちらがオススメだ。

室内でのフィティングなら、カメラタイプが向いている。異なる意見もあるかと思うが、グーグルで検索すれば納得するだろう。

突き詰めれば、良いフィッターならデータの一貫性にフォーカスいることで、数値が小数点まで正確であることは必ずしも重要ではない。

有能なフィッターがいて高性能な測定器があれば、大体どんな環境でも適正なフィッティングは可能だ。


 

ドライバー購入に至った決め手は何?

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ドライバー(基本的にはゴルフクラブ)が高すぎるという一貫した考えを持っているMy Golf Spyの読者の中で、主な購入動機に「コスト」を挙げたのは2.12%だけだった。

ここではもちろん、コストが全てではないと断言はしないが、大切な要素であることは間違いない。

しかし主な購入動機という点で、コスト以下なのはブランド名だけだった。また、アンケート結果では主要メーカーを追随するブランドの試打クラブが少なかったことも興味深い。

あくまでアンケート結果からの類推だが、コストが言うほど重要な要素ではない中で、ブランド名は想像以上に大切なのだろう。

ブランドの名前が購入動機になったわけではなくても、データでは、ブランド名のせいで選ばれないことは分かるのだ。

購入動機として一番となったこと(寛容性と安定性)と、ゴルファーがクラブ購入で基本的に手にするもの(飛距離)には差が出たが、これは我々の読者がよりゴルフやゴルフクラブを知っているからだと思いたい。

これがアイアンのテストなら適切なのだろうが、いくつかのメーカーでは、飛距離が購入決定の主な要素と独自の調査もあるようで、我々が飛距離に重きを適正に置いているとは感じられないと言ってきているのだ。

我々のアンケートで飛距離は3番目となっており、私もこの結果が正しいと思う。

そして、皆さんには、さらに賢くドライバー選びをして欲しいと思う。

選択肢7つのうち4番目(グラフでは5番目です)だったものの、新しいドライバーがスコアメイクに役立つということや「ストロークス・ゲインド値」を理由に購入した方が7.52%いた。


 

カスタムフィッティングをしなかった理由は?

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カスタムフィッティングをしなかった人にもアンケートを行った。選択肢への回答に対する私の回答は、(グラフの左から右に)次の通りだ。

「その他」で一番多い回答は「前回のフィッティングで自分のスペックは分かっている」「フィッティングは高額」「次はフィッティングしようと思う」だった。


 

購入したドライバーのロフト角は?

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ビックリするような結果とはならなかった。購入されたドライバーの多くはロフト角が9°〜10.5°で、9°台よりも10°台の方がやや人気があるようだ。

また8°台が12°台よりもやや多く、11°と11.5°は少ない結果となったが、これは、このロフト角のドライバーをラインナップしているメーカーが少ないことが原因。これは8°以下やハイロフトのドライバーも同じことが言える。

つい最近まで、多くのメーカーのドライバーのロフトには見栄があった。

既製品を買うゴルファーが常に本来選ぶべきロフト角よりも立っているドライバーを購入しているため、メーカーはあえて表示ロフトよりもロフトがあるドライバーを世に送り出していたのだ。

しかし、クラブの質量特性(クラブの内部重量)が変わり(改良され)フィッティングをするゴルファーが増えているため、トレンドは変化してきている。

メーカーの中には、実際のロフトが表示ロフトよりも少ないドライバーを製造。

表示ロフトでクラブを選んでいるゴルファーに対して、リアルロフトで期待する弾道をもたらすドライバーを設計することを目標にしている。

複雑な話ということでもないだろう。幸運にも、フィッティングをした人にとっては表示ロフトも実際のロフトも大切なわけではないのだから。


 

ドライバーの長さは?

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絶対的な結果を導き出すために、もう少し選択肢を変えたほうがよかったかも知れない。私のミスだ。

ここで言えることは、購入したドライバーの長さとして一番多かったのが44.5インチから45インチだが、既製のドライバーとフィッティング体験によるドライバーのバランスを考えると、本当の平均に近いのは45インチだろう。

ほとんどの既製のドライバーの長さは45.5インチから45.75インチの間だ。しかし、この長さは公になっている長さであって、メーカーが試打会などで飛距離を出そうと1/4インチから1/2インチ伸ばしているということは決してあり得ないことではない。

この手の馬鹿げたことは徐々に広まっており、この数年でほとんどドライバーのシャフトは長くなっている。

正確性など二の次でローンチモニター上の飛距離がドライバーを買う決め手となってきている業界で生き残るためというのがその理由だ。

一方でフィッターは、短めのシャフトの方がコントロール性が向上するということで、むしろフィッティングで(44.5インチ以下の)シャフトを勧めている。


 

最近購入したドライバーにどのくらい満足しているか?

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先入観、カスタムフィッティングの必要性、ゴルファーがしかるべき理由で購入しているなど色々あるが、何より大切なことは買ったドライバーに満足しているかということだと思う。

なので、70.58%の人が購入したクラブにすごく満足していて、26.47%の人がそれなりに満足しているという結果は良いことだ。

これからもみなさんが購入したクラブの何が好きで何が嫌いか、そして次回の購入時はどうするなどを聞いてみたいと思う。