この10年で数多くのパターをテストしてきたが、2025年のパターテストでは、これまでにない革新が加わった。

その革新のカギとなるのが『PuttView(パットビュー)』だ!最先端のこのテクノロジーによって、これまで以上に精度の高いテストと、信頼性あるデータを提供できるようになった。

今回のテストは、データに基づいた、市場で最も網羅的かつ公平なパターレビューだ。誇張は一切なし。派手な宣伝文句もない。ただ純粋に、“パフォーマンス”だけを基準に評価している


2025年「MyGolfSpy」MOST WANTEDに選出された注目のマレットパターたち。PING、BETTINARDI、INFINITEなどのトップブランドモデルが一堂に並ぶ比較ショット。

2025年モデルでは、36モデルのマレットパターをテストした。オデッセイ、スコッティキャメロン、PING、テーラーメイドといった名だたるブランドが集結した。しかし、そこに思わぬ伏兵も現れた。知名度の低いブランドがサプライズを巻き起こす展開も…。

今、パター市場は変革の時を迎えている。依然として大手ブランドがシェアの多くを占めている一方で、無名のメーカーたちが着実に勢力を伸ばしている。これまで埋もれていたブランドが、いよいよ表舞台に躍り出ようとしているのだ。

そんな中、180時間、23,040回のパットという膨大なデータをもとに、「PuttView」を本格導入してから初となる『Most Wantedマレットパターテスト』がついに完結した。

では、2025年のベストマレットパターを紹介する。


パターのフィッティング中に会話する2人のゴルファー。背景には複数のパターが並び、最適なパター選びをサポートするプロの姿が写っている。

2025年最も優れたマレットパター

ウィルソン「INFINITE BUCKINGHAM」

総合1位 –ウィルソン「INFINITE BUCKINGHAM」

RUNNERゴルフ「MALLET」

2位 – RUNNERゴルフ「MALLET」

PING「スコッツデール PRIME TYNE 4」

3位 – PING「スコッツデール PRIME TYNE 4」

TOURA「PROTO P5」

ショートパット部門1位 – TOURA「PROTO P5」

MAKEFIELD「DEFIANT」

ミドルパット部門1位 –MAKEFIELD「DEFIANT」

STIX GOLF「COMPETE」マレット

ロングパット部門1位 – STIX GOLF「COMPETE」マレット


2025年ベストマレットパター「総合ランキング」TOP10

PuttViewハンディキャップに基づく2025年のマレットパター総合ランキング。WILSON、RUNNER GOLF、PINGなどのモデルが上位を占める。

『PuttViewハンディキャップ』による評価

最終的に、「優れたマレットパター」とは『PuttView』のハンディキャップ指標で最も高いスコアを記録したモデルを指す。中には、「ショート(~約2m)」、「ミドル(約2〜5m)」、「ロングパット(約5m以上)」のいずれかに特化して優れた結果を出したモデルもあれば、すべての距離で安定したパフォーマンスを発揮したものもある。それぞれが異なる強みを武器に上位へと名乗りを上げたが、共通しているのは「平均を大きく上回るパフォーマンス」を実現している点だ。

ここからは、「総合評価」で選ばれた2025年のトップマレットパターを紹介する。


「総合評価」第1位 ウィルソン「INFINITE BUCKINGHAM」

PuttView HCP総合
-6.6
ショート
-6.1
ミドル
-9.2
ロング
-9.0

このパターが最適なゴルファーは?

  • ►本気でスコアを縮めたい人。ミドルパットに不安を感じている人。:

    「INFINITE BUCKINGHAM(インフィニット・バッキンガム)」は、ただの“コスパの良いパター”ではない。2025年『Most Wantedマレットパターテスト』で、実際に結果を出した、実力派の1本だ。特に注目したいのは、ミスの出やすい中距離パットで見せた安定感。この距離はスコアに直結するだけに、小さな差が大きな結果を生む場面も多い。その中で「INFINITE BUCKINGHAM」は、信頼できる結果を安定して出せるパターとして、高く評価されている。見た目やブランド名にこだわらず、「確実にスコアを縮めたい」というプレーヤーには、このモデルは非常に魅力的だ。

このパターが合わないゴルファーは?

  • ►主観的要素でパターを選ぶ人:

    ゴルフクラブの中で、最も“感覚的な好み”が購入判断に影響を与えるのがパターだ。そんな中で、「INFINITE BUCKINGHAM」に欠点があるとすれば、それは“主観的な魅力”にある。過去のテストでも、テスターたちからの主観的評価が高かったことはない。

注目すべきポイント

これぞ、“実力”で頂点に立ったマレットパター。ウィルソン「INFINITE BUCKINGHAM」は、2025年『Most Wanted』マレットパターテストで総合1位を獲得。その実力は、ミスの出やすい中距離パットでの圧倒的な安定感と、ショートパットの高い成功率によって証明された。『PuttView』による精密なパフォーマンス計測でも高評価を得ており、客観的データからも信頼できるパターであることがわかる。 過去のモデルも高評価を受けてきたが、今回の結果はその延長ではなく“飛躍”。この価格帯で、これだけのパフォーマンスを数値として示せるパターは稀有であり、「とにかく結果を出せるパターが欲しい」というゴルファーにとって、迷いなく“候補に入れるべき1本”だ。

テスターたちの声

“入るべきパットがきっちり決まる。でも、音はちょっと気になる。”

“しっかりカップインできる。見た目はイマイチだけど性能は確かだ。”

“外しちゃいけないパットをいくつか外したけど、非常に打ちやすかった。転がりも安定している。”

“ボールがよく転がる。これまでのウィルソンパターよりも良い印象だ。”

“想像以上のパフォーマンスで、勝負どころではこれを選ぶかもしれない。でも、やっぱり見た目だけは好きになれないかな。”

専門家の評価

“主観”を取り払って見れば、間違いなくトップクラスの性能。「INFINITE BUCKINGHAM」の唯一の懸念点を挙げるなら、それは見た目や打音に関する“好み”の分かれ。見た目に重きを置くゴルファーにとっては、フィーリングの相性が評価に影響する可能性もある。しかし、そうした主観的な要素を一度脇に置いてみれば、間違いなく“性能で選べる”パターだ。テストでも中距離パットでの安定感が際立ち、全体のスコアでも確実に上位にランクインしている。見た目よりもパフォーマンスを優先したいゴルファーには、十分すぎるほど試す価値がある。見逃してはいけない「実力派マレット」のひとつだ。


第2位 RUNNERゴルフ「MALLET」

PuttView HCP総合
-7.6
ショート
-6.7
ミルド
-7.8
ロング
-9.4

このパターが最適なゴルファーは?

  • ►パフォーマンス重視の人:

    もしブレードパターのテストで伝わらなかったとしても、今回のマレットテストの結果を見れば、「RUNNERゴルフ」がただ者ではないと感じる人は確実に増えるだろう。RUNNER「MALLET」の一貫性はレベルが高く、特にショートパットとミドルパットで抜群の安定感を誇る。ロングパットでも平均を上回る結果を残しており、パフォーマンスだけを見れば、このパターは間違いなく注目に値する1本だ。

このパターが合わないゴルファーは?

  • ►無名ブランドに抵抗がある人:

    RUNNERゴルフは、まだ一般的なゴルファーの間で広く知られているとは言いがたい。だが、今回のパターテストで示した結果は、その“無名”という印象を覆すに十分なインパクトがある。ブランドの知名度ではなく、純粋なパフォーマンスで判断するなら、このマレットパターは間違いなくチェックすべき1本だ。

注目すべきポイント

RUNNER「MALLET」は、2025年の『Most Wantedパターテスト』で確かな存在感を残した実力派だ。最終順位は総合2位だったが、トップの「INFINITE BUCKINGHAM」との差はごくわずか。『PuttView』による総合ハンディキャップはほぼ同等で、中距離パットでほんの少し劣っただけという結果に過ぎない。このわずかな差に惑わされるべきではない。実際、RUNNER「MALLET」はテストにおけるあらゆる距離のパットで高い安定性と再現性を発揮し、市場でトップクラスのマレットパターであることを、しっかりと証明してみせた。「どの距離でも信頼して使える1本がほしい」そんなゴルファーにとって、RUNNER「MALLET」は有力な選択肢になるだろう。

テスターたちの声

“打感が信じられないほど良い。自分のゴルフ人生史上最高かも。”

“見た目よりもよく入るパターだ。”

“スピードのコントロールが抜群。50%は入ったし、他のもかなり入りそうだった。外観はよくないけど、シンプルだね。”

“自分的には合っていた。構えやすくて、転がりも良いけど見た目はひどい。”

専門家の評価

『Most Wantedテスト』で、新興ブランドがその実力を証明し始めている。RUNNER「MALLET」は、ブレード・マレット両カテゴリーでいずれも第2位にランクイン。これは単なる偶然ではなく、設計思想と性能の一貫性が評価された結果だ。特に注目すべきは、すべての距離で高い安定性を示した再現性の高さ。ミスを最小限に抑えながら、安定した転がりを実現するその性能は、既存の有名ブランドに引けを取らないレベルにある。とはいえ、このパターはフィッティング次第でさらに真価を発揮できる可能性を秘めている。その意味でも、「とりあえず買って試す」のではなく、自分に合わせたセッティングで本領を引き出す価値がある1本だ。RUNNERの名は、今後の市場でより多く語られることになるだろう。その予兆ともいえるパターが、この「MALLET」なのかもしれない。


第3位 PING「スコッツデール PRIME TYNE 4」

PuttView HCP総合
-4.5
ショート
-5.3
ミドル
-8.7
ロング
-10.5

このパターが最適なゴルファーは?

  • ►ミドル〜ロングパットの安定感を求めるゴルファーに最適な1本:

    グリーン上でのスコアアップを狙うなら、ミドルパットからロングパットの精度は大きな鍵を握る。「スコッツデール PRIME TYNE 4」は、その距離帯で高いパフォーマンスを発揮するマレットパターだ。打感と打音のバランスが良く、構えたときの安心感も高い。見た目の評価も含め、PINGらしい完成度の高さが光る。特に印象的なのは、ミドルパットでの安定感と、ロングパットでの再現性の高さ。ミスを抑えながらしっかり距離を合わせたいゴルファーには心強いパートナーとなるはずだ。

このパターが合わないゴルファーは?

  • ►ヒールシャフトやストロングアークのパターが苦手な人:

    「スコッツデール PRIME TYNE 4」はヒールシャフトに加え、フェースを開閉しながら打つストロークに適したモデルのため、真っすぐ引いて真っすぐ打つタイプのストロークには合いづらい可能性がある。構えたときの違和感やストロークとの相性が気になる場合は、同シリーズのセンターシャフト仕様を検討するのもひとつの手だ。

注目すべきポイント

「スコッツデール PRIME TYNE 4」の魅力は、ミドルパットでの安定感とロングパットでの再現性にある。打ち出しのブレが少なく、距離感のズレも抑えやすい設計は、パット数を減らしたいゴルファーにとって頼れる存在。打感・打音・見た目の仕上がりも秀逸で、グリーン上での安心感につながっている。 ミドル〜ロングパットに課題を感じているなら、一度試してみる価値は十分にある。PINGらしい精度と安定感が、スコアメイクをしっかり支えてくれるはずだ。

テスターたちの声

“とにかくよく入る。完成度の高いパターだと感じた。”

“形状とサイズ感がちょうどよく、自分のストロークにしっかりフィットした。”

“形状が美しく、打感も非常に気に入っている。”

“構えやすさと転がりの良さが両立していて、安心して打てるパターだ。”

専門家の評価

「スコッツデール PRIME TYNE 4」は、PINGが誇る設計精度と打感へのこだわりが詰まった1本。ミドルパットからロングパットにかけての転がりの安定感と再現性の高さは、グリーン上での信頼につながる。フェースはインパクト時のエネルギー伝達が安定しており、狙った距離に対してズレが少ないのが特徴だ。デザインは直線的でありながら構えやすく、アドレス時にターゲットに合わせやすい。打感・打音・見た目のバランスも高水準で、フィーリングを重視するプレーヤーからも高い評価を得ている。 ヒールシャフトかつストロングアーク向けの設計であるため、真っすぐ引いて真っすぐ打つタイプのストロークには合いにくい場合もある。ただし、同シリーズにはセンターシャフト仕様もあり、自分のストロークタイプに応じた選択ができる点は魅力だ。ミドルパットやロングパットの安定感を求めるゴルファーにとって、信頼できる選択肢となるはずだ。



ベストマレットパター TOP5「ショートパット部門」

PuttViewハンディキャップに基づく2025年ショートパットランキング。1位はTOURA PROTO P5、BETTINARDI、CLEVELANDなどもランクイン。

最も多くのショートパットを決められるマレットパターこそ、真のトップモデルだ。ショートパットにおいては、パッティングの成功率を下げるようなパターは避けたいところ。というのも、短い距離でのミスは、他の距離以上に「PuttViewハンディキャップ」へ与える影響が大きいからだ。

ここでは、ショートパットで優れた性能を発揮するマレットパターを紹介する。


「ショートパット部門」No.1パター TOURA「PROTO P5」

PuttView HCP総合
-5.6
ショート
-7.8
ミドル
-1.3
ロング
-5.6

このパターが最適なゴルファーは?

  • ►ショートパットで確実にカップインさせたい人:

    バーディでもパーでも、ボギーやそれ以上でも、4フィート以内のパットを沈めることはスコアを守るうえで非常に重要だ。この距離を外すと、ラウンド全体の流れが一気に崩れることもある。 「PROTO P5」は、そんなプレッシャーのかかる場面で頼りになる1本。ショートパットの安定感を求めるゴルファーには最適なパターといえる。

このパターが合わないゴルファーは?

  • ►ミドルパットでの安定性を重視する人:

    「PROTO P5」には明確な弱点もある。それがミドルパットのパフォーマンスだ。特にテストで最も重視された距離帯では、他モデルと比べて順位は振るわなかった。 ショートパットでは非常に優秀な一方で、ミドルパットでもスコアを稼ぎたいプレーヤーにとっては、やや物足りなさを感じるかもしれない。

注目すべきポイント

TOURA「PROTO P5」は、ショートパットにおいて圧倒的な実力を示したマレットパターだ。特にテストでは、ショートパット部門で2位に大差をつけてトップに輝き、そのパフォーマンスはまさに“別格”。ショートパットはスコアメイクの要。外せば1打以上の重みがあり、1日のラウンドを左右しかねない。これはテスト環境だけでなく、実際のラウンドでもまったく同じことが言える。ショートパットの安定性を何より重視するなら、「PROTO P5」は間違いなく名器と言えるだろう。

テスターたちの声

“とても気に入った。特に転がりの良さが印象的だった。”

“見た目がすっきりしていて好印象。デザインも洗練されている。”

“打感と転がりのバランスが素晴らしい。全体的にしっかりしたパターだと思う。”

“正直、意外だった。インサートはイマイチだけど、転がりは予想以上に良かった。”

専門家の評価

ショートパットに悩みを抱えているゴルファーにとって、TOURA「PROTO P5」は確実に検討すべき1本だ。4フィート(約1.2メートル)以内を沈める信頼性は、他のどのマレットパターにも引けを取らない。TOURAが採用している多様なフェースインサートは、打感や重量配分に微妙な違いを生み出す。これは細部にこだわるプレーヤーにとっては大きな利点だが、裏を返せば選び方を間違えると、本来の性能を引き出しにくくなるリスクもある。実際、ミドル〜ロングパットでは「距離感が合いにくい」という声も複数のテスターから挙がっている。このモデルは、距離のあるパットで自信を持ちたいゴルファーにとっては、フィット感の見極めがより重要になるだろう。「PROTO P5」を最大限に活かすには、“インサートの選択”こそがカギになる。ショートパットの安定性を軸にしながら、自分の距離感に合う打感を見つけ出せれば、このパターは強力な武器となるはずだ。



「ショートパット部門」第2位 ベティナルディ「INOVAI 6.0」

PuttView HCP総合
-6.8
ショート
-6.8
ミルド
-6.4
ロング
-7.0

このパターが最適なゴルファーは?

  • ►どこからでも安定したパッティング性能を求めている人:

    ベティナルディ「INOVAI 6.0」は、ショートパットでの安定感に優れた1本。それだけでなく、すべての距離でバランスの取れたパフォーマンスを発揮したことが、評価の高さにつながっている。実際、最新の『PuttViewハンディキャップ』では、ショート・ミドル・ロングすべての距離帯で堅実な結果を記録。どんな距離でも大崩れしない安定感は、スコアをまとめたいゴルファーにとって大きな武器になるはずだ。一つの距離だけに特化せず、全体のバランスを重視するタイプのゴルファーに、特におすすめしたいパターだ。

このパターが合わないゴルファーは?

  • ►ロングパットでの安定感が欲しい人:

    ベティナルディ「INOVAI 6.0」は、距離を問わずバランスの取れた性能が魅力だが、ロングパットに関しては他モデルと比べるとやや苦戦している。『PuttViewハンディキャップ』の結果を見ると、ロングパットで最も高評価だったモデルと比べて5ポイント以上の差があり、この距離帯ではやや物足りなさを感じるかもしれない。ロングパットでの“タッチの合いやすさ”や繊細な距離感を求めるゴルファーにとっては、より相性の良いパターを探す価値があるだろう

注目すべきポイント

パター市場に新たな評価基準をもたらした『Most Wantedテスト』において、ベティナルディ「INOVAI 6.0」は確かな存在感を示した。2024年の最新テストでは、『PuttView』システムを用いた評価においても安定した結果を残し、ショート・ミドル・ロングすべての距離でバランスの取れたパフォーマンスを発揮。「INOVAI 6.0」は、特定の距離に偏らない“オールラウンド性能”の高さが最大の魅力。見た目やブランドイメージにとらわれず、実力で評価された1本といえる。まさに、市場に数あるマレットパターの中でも、トップクラスの信頼を得ているモデルだ。

テスターたちの声

“打音と打感、転がりも良かったけれど、見た目がどうしても好きになれない。”

“デザインがとても気に入った。構えたときの印象がいい。”

“全体的に安定感があり、パフォーマンスも申し分なかった。”

“「Queen B」より見た目が洗練されていて、ラインに乗せやすくてスピード感も良い。”

専門家の評価

ベティナルディ「INOVAI 6.0」は、見た目の好みは分かれるかもしれないが、パフォーマンスでしっかり評価されるべきマレットパターだ。過去に『Most Wanted』に選ばれた実績があり、今回のテストでもショート・ミドル・ロングすべての距離で安定した結果を残している。決して派手さはないが、その総合力の高さこそがこのモデルの強みといえる。最新のテクノロジーや華やかなデザインに目がいきがちな今の市場において、本質的な性能で勝負できる1本、それが「INOVAI 6.0」だ。今季、見過ごしてはいけないマレットパターのひとつであることは間違いない。



最も優れたマレットパターTOP5「ミドルパット部門」

PuttViewハンディキャップによる2025年ミドルパット部門のトップパター。MAKEFIELD DEFIANTとWILSON INFINITE BUCKINGHAMが上位を独占。

ミドルパットが決まるようになると、ゴルフが変わる。かつては10フィート(約3.04m)の距離でテストしていたが、この距離になるとベストパターとワーストパターの性能差がはっきり出る。そして、この傾向は『PuttView』を導入した現在も変わらない。内部のパラメーターを調整しても、ミドルパットの距離の性能差は明確に表れる。

この距離で強さを発揮できるパターは、ランキング上位に入りやすく、今年のテストでも勝敗を左右する大きな要素となった。

では、ミッドパットのベストマレットパターを紹介する。


「ミドルパット部門」No.1ドライバー MAKEFIELD「DEFIANT」

PuttView HCP総合
-6.2
ショート
-3.3
ミドル
-9.7
ロング
-8.5

このパターが最適なゴルファーは?

  • ►ミドルパットのパッティングパフォーマンスを求める人:

    ミドルパットが決められるようになると、ゴルフの内容は劇的に変わる。この距離は「入る」か「外す」かでスコアに直結する重要なポイントだ。ロングパットのように「惜しい」で済む距離ではなく、確実に沈められるかどうかがラウンドの流れを大きく左右する。MAKEFIELD「DEFIANT」は、そんな勝負どころで実力を発揮できるマレットパターだ。この距離帯における『PuttViewハンディキャップ』のスコアも非常に良好で、安定してパットを沈められる。万が一外しても、大きく逸れることが少なく、安心して構えられる1本だ。

このパターが合わないゴルファーは?

  • ►ショートパットの一貫性を求める人:

    どの距離でもパターのパフォーマンスは大切だ。MAKEFIELD「DEFIANT」は、特にミドルパットで素晴らしい結果を出した一方で、ショートパットのテストでは平均点に届かなかった。『PuttViewハンディキャップ』のショートパット部門では下位にランクしており、ここが明確な課題となっている。このモデルを選ぶ際は、このショートパットの安定感が自分のプレースタイルに合うかどうかをしっかり確認したいところだ。少なくとも、購入を検討するなら、フィッティングを受けて自分に合った仕様で選ぶことを強くおすすめしたい。

注目すべきポイント

MAKEFIELD「DEFIANT」は、ミドルパットのパフォーマンスでトップに立った。 もし「どの距離のパットを磨くべきか」と聞かれたら、間違いなくこの距離と答えたい。この距離は、スコアを伸ばすか失うかがはっきり分かれる、まさに勝負どころ。今年から新たなテスト手法と評価基準が導入されたが、この距離での優劣が結果を大きく左右することには変わりない。スコアを安定させたいなら、まずこの距離でしっかり決める力をつけたい。そんな中、MAKEFIELD「DEFIANT」は、この距離帯での安定感が抜群。ミドルパットで自信を持ちたいゴルファーにとって、検討しない理由はないパターだ。

テスターたちの声

“アライメントのデザインが良くて構えやすい。少し重めだけど、使っているうちにしっくりきた。”

“打感が心地よく、打ち出しの感覚もすごくいい。”

“いい意味で予想を裏切られた。すごく気に入っている。”

“打音と打感が静かで、転がりもスムーズ。ミスヒットしてもスピードが変わらず、構えやすさもあって安心感がある。”

専門家の評価

MAKEFIELD「DEFIANT」は、サイズ感こそ大きめで好みが分かれるが、ミドルパットで見せるパフォーマンスは群を抜いている。この距離帯の『PuttViewハンディキャップテスト』でも、2位以下を大きく引き離し、トップの成績を収めた。特に、最下位のモデルと比べて約10ポイントもの差をつけており、このエリアでの安定感は専門家も一目置くところだ。この距離は、スコアを縮める上で最も大きな差が出やすく、ラウンドの結果を左右する大事なゾーン。そこをこれだけの安定感でカバーできるモデルは多くない。確かに、見た目や打感といった好みの面で分かれる部分はあるが、スコアメイクに直結する距離でしっかり結果を出したいゴルファーには、間違いなく試す価値がある1本だ。


「ミドルパット部門」第2位 ウィルソン「INFINITE BUCKINGHAM」

PuttView HCP総合
-6.6
ショート
6.1
ミドル
-9.2
ロング
-9.0

このパターが最適なゴルファーは?

  • ►本気でスコアを縮めたい人。ミドルパットに不安を感じている人:

    「INFINITE BUCKINGHAM(インフィニット・バッキンガム)」は、ただの“コスパの良いパター”ではない。2025年『Most Wantedマレットパターテスト』で、実際に結果を出した、実力派の1本だ。 特に注目したいのは、ミスの出やすい中距離パットで見せた安定感。この距離はスコアに直結するだけに、小さな差が大きな結果を生む場面も多い。その中で「INFINITE BUCKINGHAM」は、信頼できる結果を安定して出せるパターとして、高く評価されている。見た目やブランド名にこだわらず、「確実にスコアを縮めたい」というプレーヤーには、このモデルは非常に魅力的だ。

このパターが合わないゴルファーは?

  • ►主観的要素でパターを選ぶ人:

    ゴルフクラブの中で、最も“感覚的な好み”が購入判断に影響を与えるのがパターだ。そんな中で、「INFINITE BUCKINGHAM」に欠点があるとすれば、それは“主観的な魅力(=見た目)”にある。過去のテストでも、テスターたちからの主観的評価が高かったことはない。

注目すべきポイント

これぞ、“実力”で頂点に立ったマレットパター。ウィルソン「INFINITE BUCKINGHAM」は、2025年『Most Wantedマレットパターテスト』で総合1位を獲得。その実力は、ミスの出やすい中距離パットでの圧倒的な安定感と、ショートパットの高い成功率によって証明された。『PuttView』による精密なパフォーマンス計測でも高評価を得ており、客観的データからも信頼できるパターであることがわかる。過去のモデルも高評価を受けてきたが、今回の結果はその延長ではなく“飛躍”。この価格帯で、これだけのパフォーマンスを数値として示せるパターは稀有であり、「とにかく結果を出せるパターが欲しい」というゴルファーにとって、迷いなく“候補に入れるべき1本”だ。

テスターたちの声

“入るべきパットがきっちり決まる。でも、音はちょっと気になる。”

“しっかりカップインできる。見た目はイマイチだけど性能は確かだ。”

“外しちゃいけないパットをいくつか外したけど、非常に打ちやすかった。転がりも安定している。”

“ボールがよく転がる。これまでのウィルソンパターよりも良い印象だ。”

“想像以上のパフォーマンスで、勝負どころではこれを選ぶかもしれない。でも、やっぱり見た目だけは好きになれないかな。”

専門家の評価

“主観”を取り払って見れば、間違いなくトップクラスの性能。「INFINITE BUCKINGHAM」の唯一の懸念点を挙げるなら、それは見た目や打音に関する“好み”の分かれ。見た目に重きを置くゴルファーにとっては、フィーリングの相性が評価に影響する可能性もある。しかし、そうした主観的な要素を一度脇に置いてみれば、間違いなく“性能で選べる”パターだ。テストでも中距離パットでの安定感が際立ち、全体のスコアでも確実に上位にランクインしている。見た目よりもパフォーマンスを優先したいゴルファーには、十分すぎるほど試す価値がある。見逃してはいけない「実力派マレット」のひとつだ。



最も優れたマレットパターTOP5「ロングパット部門」

ロングパット部門の最上位に立ったのはSTIX GOLF COMPETEマレット。NEVER COMPROMISE、SCOTTY CAMERONもランクイン。

ロングパットの安定性は、パター性能を語る上で欠かせない要素だ。もちろん、カップインできれば理想だが、それ以上に重要なのがスピードのコントロールとカップにしっかり寄せる力。決定力・距離感・安定性、この3つをすべて備えているモデルこそが、最終的にランキング上位に名を連ねる。

そんな中、今年のテストでロングパットのパフォーマンスで際立ったモデルがある。


「ロングパット部門」No.1パター STIX GOLF「COMPETE」マレット

PuttView HCP総合
-5.8
ショート
-3.6
ミドル
-3.7
ロング
-12.2

このパターが最適なゴルファーは?

  • ►ロングパットで信頼できるマレットを探している人:

    STIX GOLF「COMPETE」マレットは、ロングパットの『PuttViewハンディキャップ』で-12.2という優れた数値を記録し、この分野で最高のマレットパターとなった。パットの成功率はもちろん重要だが、実際のラウンドでは、カップに寄せる力が、長期的に見てパット成功を高めてくれる。つまり、ロングパットでカップに寄せられるかどうかが、スコアメイクの鍵を握る。「COMPETE」は、まさにこの部分で安定感を発揮し、ロングパットでも安心して使える1本だ。

このパターが合わないゴルファーは?

  • ►ショートパットで確実に決めたい人:

    STIX GOLF「COMPETE」マレットは、ロングパットの性能は申し分ないが、ショートパットでは平均以下の評価だった。短い距離のパットを外すようではどれだけロングパットで寄せられてもスコアメイクは難しい。特に約1.2メートル以内でヒザが震えるようなゴルファーには、このパターは不向きだろう。

注目すべきポイント

STIX GOLF「COMPETE」マレットは、2025年「マレットパターテスト」のロングパット部門でトップに輝いた。『PuttViewハンディキャップ』でも2位に約1ポイントの差をつけ、この距離帯での過去最高スコアを記録している。149.99ドルという手頃な価格ながら、ロングパットでのパフォーマンスは申し分ない。ロングパットでスコアメイクを狙うゴルファーには見逃せないモデルだ。ただし、ショートパットやミドルパットではやや弱点がある点には注意が必要。すべての距離で安定したパフォーマンスを求めるゴルファーにとっては、購入前に慎重な検討が必要だろう。

テスターたちの声

“転がりがとても良くて気持ちよかった。”

“ヘッドが重くて安心感がある一方で、トゥ側に当たってミスしやすかった。”

“予想以上に打感が良くて驚いた。”

“全体的に重すぎる。グリップが大きすぎて、ヘッドとのバランスが悪く感じた。”

専門家の評価

STIX GOLF「COMPETE」マレットは、ロングパットで際立った性能を発揮し、この分野の『PuttViewハンディキャップ』テストで新記録を樹立した。特に長距離のパットでスピードコントロールとカップへの寄せやすさが際立ち、このカテゴリーでは他モデルを圧倒するパフォーマンスを見せている。一方で、ショートパットやミドルパットではパフォーマンスに課題が残った。安定して沈めたい距離での結果が平均点に届かず、スコアメイクの安定感という点では物足りない印象を受ける。また、テスターの多くが指摘したのが、このパターの大きなグリップ。一部のテスターはグリップの大きさによる安心感を評価していたが、全体的にはサイズ感に違和感を覚える声が目立ち、フィーリングの相性が分かれる結果となった。総合的に見て、ロングパットでしっかり距離感を合わせたいゴルファーには大きな武器となり得るが、すべての距離で安定感を求めるゴルファーにとっては、慎重に選ぶべき1本と言えるだろう。


「ロングパット部門」第2位 ネバーコンプロマイズ「MODEL 3」

「PuttView HCP」総合
-4.4
ショートパット
-3.1
ミドルパット
0.1
ロングパット
-11.3

このパターが最適なゴルファーは?

  • ►ロングパットで安定感を求める人

    優れたロングパットは、パッティングにおける大きな強みとなる。もちろん、すべてのロングパットを沈めるのは難しいが、ラインに乗せて距離感をコントロールできれば、自然といくつかは決まり、外してもセカンドパットが楽になる。ネバーコンプロマイズ「MODEL 3」は、まさにその安定感を実現している。 『PuttViewハンディキャップ』のロングパット部門でも、堂々の2位にランクイン。 ロングパットでスコアをまとめたいゴルファーには、間違いなく候補に入れておきたい1本だ

このパターが合わないゴルファーは?

  • ►ショートパットからミドルパットの安定性を求めている人:

    ネバーコンプロマイズ「MODEL 3」は、ロングパットでは非常に優れた結果を残した一方で、ショートパットやミドルパットのパフォーマンスでは平均を下回る結果となった。ロングパットでいくら好結果を出せても、短いパットを外してしまっては、スコアメイクは難しい。ショートパットやミドルパットに不安があるゴルファーにとっては、このモデルの購入は慎重に検討すべきだろう。

注目すべきポイント

ネバーコンプロマイズ「MODEL 3」は、ロングパット部門で堂々の2位となり、2025年の『Most Wantedマレットテスト』でその実力を証明した。この結果は、2025年のネバーコンプロマイズにとって大きな成果であり、同カテゴリーのベストブレードパターさえも上回るほどのパフォーマンスだった。特に、クラシカルでスクエア形状のマレットが好みのゴルファーには、一度試す価値がある。また、ロングパットに悩んでいる人にとっても、このモデルは大いに検討の余地がある。ただし、ショートパットやミドルパットでは平均以下の結果にとどまっており、すべての距離で安定感を求めるゴルファーには慎重な判断が必要だろう。

テスターたちの声

“打感が良く、セットアップもしやすくて予想以上に使いやすかった。”

“転がりがスムーズでバランスも良い。形状も自分には合っている。”

“使いやすさは感じたけど、見た目はあまり好みじゃない。それでも転がりは良かった。”

専門家の評価

ネバーコンプロマイズ「MODEL 3」は、ロングパットでのパフォーマンスが際立ち、2025年のテストで他モデルを大きく引き離す結果を残した。特に長い距離でのスピードコントロールとラインに乗せる安定感は、他のモデルにも一目置かれる実力だ。一方で、ショートパットやミドルパットでは、平均以下の評価にとどまったことも事実として押さえておきたい。加えて、テスターからは「使いやすいけれど見た目は好きじゃない」という声もあり、フィーリング面では好みが分かれる可能性がある。総合的には、ロングパットでの強みを活かしながら、他の距離帯での安定感をどう補うかが、このモデルを選ぶ上でのポイントになるだろう。



ロングパット部門の最上位に立ったのはSTIX GOLF COMPETEマレット。NEVER COMPROMISE、SCOTTY CAMERONもランクイン。

2025年ベストマレットパター 結果

PuttViewデータに基づいて評価された2025年のマレット型パター36モデルの性能比較表。総合・ショートパット・ミドルパット・ロングパットの各距離別に、平均ハンディキャップスコアと順位が表示されている。

このテストの最大の目的は、市場で最も優れたパターに関する正確な知識を、ゴルファーや消費者に提供することだ。そのためには、テストを通じて収集した膨大なデータを入念かつ詳細に分析する必要がある。


『PuttView』で実現する次世代パターテスト

我々のテストにおいて最も重要なのはデータだ。データがなければ、テスト自体に意味をなさない。今回『PuttView』を導入したことで、これまで業界最高レベルだった我々のパターテストが、真の意味で“業界トップ”へと進化を遂げた。しかも進化したのは、データだけではない。

『PuttView』によって、パターテスト自体がよりダイナミックで、現実のラウンドに近いものへと生まれ変わったのだ。コース上では、毎回違う距離、傾斜、曲がり、スピードと向き合うことになる。これまでも複数の距離からテストしてきたが、コース上でゴルファーが体験するような様々な要素を取り入れることはできなかった。


グリーン上にラインと傾斜が投影されたPuttViewシステムを使用しているゴルファー。傾斜や距離が視覚化され、パッティング精度向上をサポート。

しかし、今回開発した「ランダムテストプロトコル」により、コースのパッティングをよりリアルに再現できるようになった。全てのパターは同一条件下でテストあれ、全テスターが、「上り」、「下り」、「左右に曲がる」ライン、そして「ストレート」といった様々なラインを同じ回数だけストロークする。ただし、打つ場所は毎回完全にランダムに設定されており、同じ位置から繰り返すことで“慣れ”が生まれるのを防ぎ、より実際のプレーに近い、リアルなパフォーマンスを反映した結果が得られるようになっている。

とはいえ、最大の進化は「データ」だ。その膨大なデータ量こそが、我々の武器となる。

今後は『PuttView』という“お宝”をさらに活用し、データを掘り起こし、評価し、そこから得られた知見を次世代のパターコンテンツへと落とし込んでいく予定だ。


『PuttViewハンディキャップ』って何?

これまでのパターテストでは、「ストローク・ゲインド」や「合計パット成功数」を基に、『Most Wanted』パターを決定してきた。これらの指標は、どのパターがテスト全体で優れていたかを示すには十分だったが、それ以上の深い分析結果は得られず、結果もやや分かりにくいという課題があった。

そこで今回から『PuttView』と提携し、より直感的で理解しやすい新しい指標を導入。ゴルファーなら誰もが馴染みのある「ハンディキャップ」という形で表現することにした。


PuttViewのタブレット画面に表示されたパッティング解析データ。パット数、ストロークゲイン、ショート・ミドル・ロング別のスコアがリアルタイムで確認可能。

『PuttViewハンディキャップ』は以下のように定義される:

「プレーヤーのパッティング技術を表し、パーに対して何ストローク上回っているか、あるいは下回っているかを数値化したもの。『PuttViewハンディキャップ』は『ストローク・ゲインド』を基に算出され、特定の距離からのパットにおいて、ツアープロ平均と比べて自分のパフォーマンスがどれだけ優れているかを示す。」

この 『PuttViewハンディキャップ』のスコアこそが、テスト全体の結果を大きく左右する重要な指標となる。

評価は、実際のラウンドでも鍵を握る3つの距離別に分類されている:


ショート

ミドル

ロング


そして、3つの距離それぞれの『PuttViewハンディキャップ』の平均値が最も優れていたモデルが、総合優勝となる。なお、この結果は特定の距離におけるツアープロの平均パフォーマンスを基準として算出されているはあらかじめ理解しておいてほしい。


 

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2025年『Most Wantedパターテスト』の検証方法

『Most Wantedマレットパターテスト』には、延べ180時間を費やし、全36モデルのマレットパターが対象となった。また、参加したのは20名の熱心なゴルファーたちだ。


タブレットのPuttView画面で「Test Scenario(テストシナリオ)」を起動する様子。パター検証用の「Most Wanted Protocol」も選択可能。

それぞれのテスターが全パターを32回ずつストロークするという大規模な検証が行われた。テストは完全ランダム化されたシナリオに基づいており、実際のラウンドに近いパッティング状況を再現。


使用された距離は以下の4つ:


・4フィート(約1.2m)

・8フィート(約2.4m)

・12フィート(約3.6m)

・18フィート(約5.5m)


基本的にはまっすぐでフラットなパットを優先しているが、『PuttView』の導入により、「上り」、「下り」、「左右に曲がる」パットも一部取り入れることが可能に。これにより、テストのリアリティと再現性が一段と向上した。ただし、我々の目的は、あくまで「グリーンのラインを読む力」ではなく、「パターそのものの性能を評価すること」。テスト条件が複雑になりすぎると、純粋なパフォーマンスの比較が難しくなってしまうため、一定の制御とバランスを保ちながら実施している。


主な注目ポイント

マレットパターはどれでも同じじゃない・・・けどパフォーマンス差は小さい

たしかにパフォーマンスが何より重要であることは、これまでも、そしてこれからも変わらない。だが、だが、現在採用している『PuttViewハンディキャップ』という指標で見ても、ベストとワーストの間には、実に3.3のストローク差がある。これはブレードパターテストの差よりも小さい。たかがパター、されどパター。選ぶ1本が、ラウンドの結果を大きく左右することは間違いない。


ゴルフパターのフィッティングでタブレットを操作し、パター性能やデータを確認する男性。背景には複数のパターが並び、最新の測定システムが見られる。

ショートパットとミドルパットは総合パフォーマンスに影響する

当初から特にミドルパットがモデル間の性能差を生む距離であることは認識していたが、今回のテストを通じて、ショートパットでの出来が評価全体にどれほど影響するかもより明確になった。

例えば、ロングパット部門でベストパターになった2モデルは、ショートパットとミドルパットでは結果が悪かった部類に入り全体の評価に影響した。

ミドルパットでの安定性は差をつけるポイントであり、ショートパットの精度の低さは、総合順位を大きく落とす要因になり得る。今回の結果は、改めてこの2つの距離が「パッティング性能の核心」を担っていることを証明した。


マレットはロングパットのパフォーマンスの方が良い

ブレードパターテストの結果に比べると、マレットは『PuttViewハンディキャップ』が平均で1.7パットも良かった。となると「マレットとブレードはどちらが優れているのか?」という疑問が生まれる。

マレットパターってブレードより良いのかな?


最新マレットパターのソール部分を確認する手元のクローズアップ。高級感あるヘッドカバーとともに、クラブの形状を丁寧にチェックしている様子。

ベスト vs ワースト:ショートパット編

ショートパットにおける、『PuttViewハンディキャップ』のベストとワーストの差は4.9。これは3つある距離の中では一番幅が小さい数値だった。下記ではTOURA「P5」とテーラーメイド「スパイダーツアー」のショートパットにおけるベストとワーストの『PuttViewハンディキャップ』を示している。


STIX GOLF COMPETEマレットとTOURA PROTO P5のロングパット分散比較。STIXは集中した結果を示し、安定した方向性を証明。

ベスト vs ワースト:ミドルパット編

ミドルパットにおける、『PuttViewハンディキャップ』のベストとワーストの差は10.6もある。この数字がすべてを物語っている。「ミドルパットこそがパターの性能差が最もはっきりと表れる距離」であり、この距離でのパフォーマンスが、最終的な評価を大きく左右するということを強く示している。MAKEFIELD「DEFIANT」がミドルパットで最高のパフォーマンスを見せた一方で、Piretti「Savona II」は最も苦戦する結果となった。


MAKEFIELD DEFIANTとPIRETTI SAVONA FNのミドルパットでの分散比較。MAKEFIELDの方が明らかに一貫性のある結果を示している。

ベスト vs ワースト:ロングパット編

「ロングパット」で際立ったパフォーマンスを見せるマレットパターはいくつか存在する。先に述べたように、「ロングパット」での平均『PuttViewハンディキャップ』は、ブレード型パターよりもわずかに高い。トップモデルが基準を引き上げている。「Stix Golf Compete Mallet」がロングパットで最良の成績を収めた一方で、「Toura Proto P5」は最も苦戦する結果となった。


ショートパットの分散比較。TOURA PROTO P5は中央付近に集中しており、TAYLORMADE SPIDER TOURよりも安定性が高い結果に。

主観的魅力が全てじゃない

オデッセイ、スコッティキャメロン、そしてPINGは主観的魅力で他を圧倒している。テーラーメイド、イーブンロール、ミズノ、さらにはネバーコンプロマイズの評価も高い。これは当然の結果だろう。一方で、RUNNERゴルフや「MALLET」ウィルソン「INFINITE BUCKINGHAM」は、今年のテストにおいてパフォーマンスがトップとなった2モデルになったが、テスターから主観的評価で最低ランクに位置づけられた。

確かに主観的部分で満足できれば、自信が持てたり、気分も高まるかもしれない。だが、いざという時、こうした要素が良いパフォーマンスに直結するかというと、そうではない。

もちろん、主観的魅力があれば自信がつき、気分も高まるかもしれない。だが、いざという時には、それが必ずしもパフォーマンスの向上につながるわけではない。


パットを決めることが全てではない

パッティングのパフォーマンスは、当然カップイン数に左右される。とはいえ、「入った/外れた」だけがすべてではない。とはいえ、カップインの確率が高くなくても、効果的で効率的なパッティングは可能だ。特に『PuttViewハンディキャップ』では、「どこに外したか」「どれだけカップに寄せたか」が重要な要素となっている。


2025年注目のマレットパターを一堂に並べた比較画像。PING、ベティナルディ、インフィニット、スコッツデール、MAKEFIELDなど人気ブランドのモデルを紹介。

たとえば、32パットのテストシナリオでは、各距離から1球ずつパットを実施。『PuttView』はボールが止まった位置まで正確に記録し、スコアに反映させている。つまり、4フィート(約1.2メートル)のパットを大きく外すことが2回以上あれば、『PuttViewハンディキャップ』に大きな影響が出る。一方で、18フィート(約5.5メートル)のパットを少し外した程度であれば、その影響は比較的小さい。


最終的な考察

安定性、寛容性、一貫性、距離感、そして適切なシャフトとグリップ──これらすべてがパッティングというパズルの重要なピースだ。自分のストロークタイプや、普段プレーするコースのグリーンスピードに合ったパターを見つけるために、ぜひフィッティングを受けよう。高額なパターでなくても、ボールをカップに沈めることはできる。大切なのは、自分のゴルフに合った1本を見つけること、それだけだ。

 

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2025年ベストマレットパターQ&A