ゴルフは簡単じゃない。

それは、我々が行う独立かつ公正で、データに基づいたクラブテストも同じことだ。

2025年版「競技志向(上級者向け)」アイアンテストは、これまでにないほど徹底的に比較・検証された。これ以上の比較テストは、まず見つからないだろう。

「MyGolfSpy」は独立系クラブテストの第一人者。10年以上にわたる経験をもとに、誇張やマーケティングトークを排した、信頼できる“データ”と“結果”だけを提示している。

今回のテストでは、全22モデルを320時間かけて検証。20名のテスターが21,120ショットを打ち、その膨大なデータから導き出された結論は、どんなゴルファーにとっても価値ある指針になるはずだ。

次に選ぶ「競技志向(上級者向け)」アイアンに求めるものが何であれ、その答えはきっとここにある。

さあ、2025年ベスト「競技志向(上級者向け)」アイアンを見ていこう。


MyGolfSpyによる2025年アイアンテストのイメージ。実際のテストシーンで使用されたクラブの並び。

「総合評価」で選ぶベスト「競技志向(上級者向け)」アイアン

毎年のテストで明らかになるのは、「競技志向(上級者向け)」アイアンの性能差がごくわずかであるという事実。だからこそ私たちは、集めたデータをさらに深く分析する工程を欠かさない。

今回のレビューでは「正確性」「飛距離」「寛容性」の3つの主要スコアを軸に、2025年のベストモデルを導き出した。

中でも「正確性」に優れたモデルが、総合評価で上位に名を連ねる傾向にある。ここで紹介するのは、すべての項目で高いパフォーマンスを発揮した、“本当に信頼できる”ベストアイアンたちだ。



ベスト「競技志向(上級者向け)」アイアン

スリクソン「ZXi7」

総合1位 – スリクソン「ZXi7」

PXG「0317T」

第2位 – PXG「0317T」

Orka「RS10 CB」

第3位 – Orka「RS10 CB」

Vice「VGI01」

飛距離 1位 – Vice「VGI01」

スリクソン「ZXi7」

正確性 1位 – スリクソン「ZXi7」

Sub 70「859 Pro」

寛容性 1位– スリクソン「ZXi7」

「総合」第1位 スリクソン「ZXi7」

総合スコア
9.4/10
飛距離
9.1
正確性
9.5
寛容性
9.5

このアイアンが最適なゴルファーは?

  • ►あらゆる面でパフォーマンスを求めている人:

    データを見れば一目瞭然。スリクソン「ZXi7」は、「競技志向(上級者向け)」アイアン市場を席巻する存在だ。「正確性」と「寛容性」でトップの評価を獲得し、さらに「飛距離」でも7位にランクイン。どこをとっても高水準でまとまっており、バランス重視のゴルファーには見逃せない1本だ。

  • ►クラブの見た目や打感にもこだわる人:

    スリクソン「ZXi7」は、性能面だけでなく“使いたくなる魅力”(あくまで主観的評価のためランキングには全く影響しないが)でも高く評価されている。「打音」、「打感」、「見た目」、そして「購入の可能性」のすべてでトップの評価を獲得。フィーリングを大切にするゴルファーには、このモデルがまさにぴったりのようだ。

このアイアンが合わないゴルファーは?

  • ►スリクソンに抵抗がある人:

    現時点で「ZXi7」を試打リストから外す理由は皆無。ほぼ全てのアイアンカテゴリーで安定した高性能を示しており、「ZXi7」もその例外ではない。特定のブランドへの執着がなければ、真っ先に候補に加えたいモデルだ。

注目すべきポイント

スリクソン「ZXi7」は、『i-FORGED』技術と「S15C超軟鋼」を用いた1ピース鍛造構造によって、“究極の打感とコントロール性能”を追求したモデル。ツアープレーヤー好みのコンパクトなヘッド形状と純鍛造構造が、上級者に求められる操作性とフィードバックを高めると、メーカーはうたっている。

これに対し、MyGolfSpyの2025年テストでは、「ZXi7」が総合スコア9.4を記録。「正確性」と「寛容性」でNo.1に輝き、さらに主観的評価の「打感」「打音」「見た目」「購入の可能性」のすべてでもトップ評価を獲得した。

つまり「ZXi7」は、スリクソンが掲げる“打感”と“操作性”という価値感を、実際の厳格なテストでも証明した数少ないモデル。性能とフィーリング、その両方を求めるゴルファーにとって、2025年もっとも注目すべき1本であることは疑いの余地がない。

テスターたちの声

“まさにベスト・オブ・ベスト。打感も驚くほどソフトで心地いい。ありえないほど正確だ。”

“最高だよ。これまで試した中で一番いい。このカテゴリーを考えるとトップラインはやや厚めだけど、それが逆に安心感につながる。”

“とにかく打ちやすくて、安定感も飛距離も申し分なし。スピン量はやや多めで、弾道のばらつきも少ない。”

“思い通りにショットを操れる。いわゆる伝統的な“競技志向(上級者向け)アイアン”とは少し違うけど、とにかく安定感が抜群で、求める要素はすべて揃っている。”

専門家の評価

これまで「競技志向(上級者向け)」アイアンは、モデル間の性能差が小さく、専門家でもその違いを見極めるのが難しい分野だった。

しかし、2025年のテストではその構図が一変。「ZXi7」は「正確性」と「寛容性」の両面で明確な差をつけて他を圧倒し、単なる“高性能アイアン”ではなく、「ショットの一貫性を劇的に高められる実戦向きモデル」として頭ひとつ抜けた存在となった。

さらに、セット全体を通じてスピンや弾道のバラつきを抑える特性は、上級者がスコアメイクで重視する「狙った弾道を繰り返せる安定性」に直結する。つまり「ZXi7」は、“違いが見えにくい”このカテゴリーにおいて、明確なアドバンテージを示す稀有なアイアンだ。

今までスリクソンを敬遠していたなら、このモデルこそ一度手に取ってみるべきかもしれない。案外、ハマるかもしれないよ。


第2位 PXG「0317T」

総合スコア
9.0/10
飛距離
8.9
正確性
9.4
寛容性
8.5

このアイアンが最適なゴルファーは?

  • ►「正確性」を最優先する人:

    すべてのアイアンテストにおいて、もっとも重視されるのが「正確性」だ。PWでも7番や5番アイアンでも、狙うべきはグリーンの上か、そのすぐそば。PXG「0317T」は、セット全体を通じて安定した精度を発揮する。この一貫性こそが、ゲームを変える要素になる。“ターゲットに対して正確に運ぶこと”を重視するなら、一度試す価値があるモデルだ。

このアイアンが合わないゴルファーは?

  • ►「寛容性」を求める人:

    「競技志向(上級者向け)」アイアンはもともとミスへの寛容性には限界があるカテゴリーだが、PXG「0317T」はその中でも「寛容性」が平均をやや下回るという結果に。

    具体的には、「キャリーの飛距離」「ボール初速」「スピン量」「左右のばらつき」などの指標で、他モデルに比べてやや劣る傾向が見られた。ミスショットに対する許容度や安定性を重視するゴルファーには、他のモデルのほうがフィットする可能性が高い。

注目すべきポイント

PXG「0317T」は、ツアープレーヤーが求める「操作性」と「フィーリング」を重視しつつ、やや大きめのヘッドサイズと中空構造によって、安定したパフォーマンスを引き出すよう設計されたモデルだ。PXGは、“非常識なコントロールと作業性”を提供すると謳っており、中空ポリマー充填構造によってスピン性能と飛距離コントロール、そして「寛容性」のバランスが取られているとされている。

実際、MyGolfSpyテストにおいても、その設計コンセプトはしっかりと結果に表れている。特に「正確性」ではスコア9.4という高評価を獲得し、セット全体を通じてブレの少ない安定したショット性能が際立った。また、操作性と安心感のあるヘッド形状を両立したデザインは、構えやすさや抜けの良さを求めるゴルファーにも高く評価されている。

価格と性能のバランスに優れた、注目すべき「競技志向(上級者向け)」アイアンであることは間違いない。

テスターたちの声

“パフォーマンスは文句なし。構えた時の収まりもいいし、打感も非常にソリッド。正直、買いたいと思えるレベル。”

“構えたときにすっきり見えて、打感も音もすごくいい。”

“これまで打ったPXGアイアンの中で一番。とにかく安定していて、距離のばらつきも少なく、狙った距離を打ちやすい。”

専門家の評価

PXG「0317T」は、「競技志向(上級者向け)」アイアンに求められる「操作性」「打感」「精度」といった要素を高いレベルで備えながら、セット全体を通じてブレの少ないショットを実現できる、完成度の高いモデルだ。

「0317T」は「正確性」のテストでトップクラスの結果を残し、安定感とコントロール性で明確な存在感を放っている。とくに「距離の再現性」や「ショットの予測しやすさ」は、実戦での武器になるだろう。

また、構えたときの安心感とシャープさのバランスも絶妙で、“シャープな見た目=難しそう”というイメージを払拭する設計も評価されるポイントのひとつだ。

「正確性を最優先しながらも、扱いやすさと打感にもこだわりたい」。そんな上級者ゴルファーにとって、PXG「0317T」は確実に選択肢に入る一本だ。


第3位 Orka「RS10 CB」

総合スコア
9.0/10
飛距離
8.1
正確性
9.3
寛容性
9.4

このアイアンが最適なゴルファーは?

  • ►「正確性」と「寛容性」の両方を重視する人:

    アイアンにおいて最も重視すべき性能のひとつが「正確性」。Orka「RS10 CB」は、その「正確性」に加えて、ミスヒットへの強さ=「寛容性」でも優れたパフォーマンスを見せている。

    さらに注目すべきは、ショット結果の一貫性。打つたびに左右のバラつきが少なく、狙った弾道を安定して再現できる特性は、スコアメイクに直結する。正確に狙いたい、でもミスもある程度カバーしてほしい。そんな欲張りなニーズに応えてくれる1本だ。

このアイアンが合わないゴルファーは?

  • ►とにかく「飛距離」を重視したい人:

    「競技志向(上級者向け)」アイアンは、そもそも「飛び系」や「やさしさ重視」のモデルほど「飛距離性能」に特化しているわけではない。それでも、このカテゴリー内で比較すると、もう少し飛ばせるモデルも存在する。

    もし「飛距離こそ最優先」というゴルファーであれば、Orka「RS10 CB」はそのニーズには応えてはくれないだろう。飛ばすことよりも、“狙い通りに止める精度や安定感を重視するゴルファー向け”のアイアンだ。

注目すべきポイント

Orka「RS10 CB」は、日本製「S25Cカーボンスチール」を四重鍛造した一体成形構造により、きわめてソフトな打感を実現している点が大きな魅力だ。Orkaは「ゴルフ業界で最もソフトな打感」を掲げ、中空構造とヒールトゥの重心設計によって、ミスヒット時にも高い「寛容性」と弾道の安定性を追求している。

その設計思想は、MyGolfSpyテストでも見事に証明された。総合ランキングで3位に入り、「正確性スコア」9.3「寛容性スコア」9.4という高評価を獲得。セット全体でのショットの安定性とブレの少なさが際立っている。

さらに、Orkaが意図した“ソフトな打感と操作性・安定性の両立”というコンセプトは、テストデータによって裏付けられており、ブランドの設計力と実戦性能の高さが明確に示されたかたちだ。

知名度は高くないが、性能で勝負できる実力派モデルとして、見逃せない存在といえる。

テスターたちの声

“打感がすばらしくて、弾道もスムーズかつ安定している。まさに“打ちたい球が打てる”アイアン。”

“打感はしっかりしていて好印象。ただ、他のアイアンよりもオフセットが強めなのは好みが分かれるかも。”

“かなり寛容性は高い。オフセットはあまり好きじゃなかったけど、打ちやすくて飛距離も申し分ない。”

専門家の評価

Orka「RS10 CB」は、「ソフトな打感」と高い「正確性」、そして「一貫性」のある弾道を兼ね備えた、実力派の「競技志向(上級者向け)」アイアンだ。テストでは、特にミスヒット時の安定性とショットの再現性の高さが際立った。これにより、ピンを狙う場面でも安心して振っていける信頼感が生まれる。

一方で、ヘッド形状にはややオフセットがあるため、構えたときの見た目に敏感なゴルファーにはやや好みが分かれる可能性がある。しかしこの点を差し引いても、アイアンとしての性能バランスの高さは特筆に値する。メジャーブランドに比べると認知度は高くないが、Orka「RS10 CB」は、性能でしっかりと評価を勝ち取った“知る人ぞ知る”一本。

「飛距離」よりも「正確性」と安定性を重視し、アイアンにこだわりたい上級者にとって、間違いなく検討に値する存在だ。



2025年「競技志向(上級者向け)」ベストアイアン TOP5

飛距離・正確性・寛容性のバランスに優れた総合評価ベスト5アイアンを一覧で紹介。

飛距離性能で選ぶ「競技志向(上級者向け)アイアン」ベストモデル

「競技志向(上級者向け)アイアン」は、もともと「飛距離」を追求するクラブではない。上級者が重視するのは、「正確性」や「コントロール性能」。そのため、多少の「飛距離」を犠牲にするケースも少なくない。

とはいえ、飛ばせるクラブはいつの時代も魅力的だ。たとえ「正確性」を優先するプレーヤーでも、「飛距離性能」に優れたアイアンがあれば自然と目がいく。数ヤードの差がスコアに影響するのは、上級者にとっても同じことだからだ。

ここでは、「飛距離」に最も優れた「競技志向(上級者向け)アイアン」のベストモデルを紹介する。


「飛距離性能」No.1 Vice「VGI01」

総合スコア
8.5/10
飛距離
9.7
正確性
8.2
寛容性
7.8

このアイアンが最適なゴルファーは?

  • ►「飛距離」を求めている人:

    Vice「VGI01」は、飛距離性能の面で、もはや“飛び系アイアン”に迫るようなパフォーマンスを持つ。分類上は「競技志向(上級者向け)」モデルだが、このカテゴリーとしては異例の飛距離を叩き出す。もちろんこれは悪いことではない。多くのゴルファーにとって“数ヤード伸びる”という感覚は大きな魅力だ。もし、「正確性」だけでなくしっかりした「飛距離性能」も求めるなら、「VGI01」はまさにそのニーズに応える1本だ。

このアイアンが合わないゴルファーは?

  • ►「正確性」と「寛容性」を優先している人:

    「飛距離性能」の高さが魅力のVice「VGI01」は、多くのゴルファーの興味を引くモデルだ。実際、テスト中に実際に購入を決めたテスターが出たほど。しかしその一方で、「正確性」と「寛容性」の面ではやや物足りなさがあり、総合評価にも影響している。ショットの安定性や狙ったラインへの再現性を重視するゴルファーにとっては、パフォーマンスに不安を感じる可能性があるだろう。より高い精度を求める場合は、プロによるフィッティングを受けて最適化を図ることが必須になる。

注目すべきポイント

カテゴリーを問わず、「飛距離」で飛び抜けているアイアンはある。今年の「上級者向け」アイアンカテゴリーの飛距離性能で注目されたのはVice「VGI01」。テスト開始当初から、その飛びが飛距離分野で武器になることは明らかだった。一方、残念ながら「正確性」と「寛容性」はイマイチ。価格は検討に値する「競技志向(上級者向け)」アイアンだが、フィッティングを受けるか、少なくとも番手間ギャップに意識を向ける必要がある。

テスターたちの声

“全体的には良かったけど、ミスショットに対しの寛容性は他モデルほどじゃなかった。”

“打音も打感も良い。でも、構えたときにヘッドがギラつきすぎてちょっと気になる。”

“見た目は正直ひどい。でも打感はすごくいい。ただ、飛びすぎて距離のコントロールが難しい。”

“これは…たぶんこのカテゴリーに収まるクラブじゃない。でも、とにかく魅力的。今すぐコースで使いたいレベル。”

専門家の評価

Vice「VGI01」は、競技志向(上級者向け)アイアンの枠に収まりきらない圧倒的な「飛距離性能」を備えた異色のモデルだ。実際テストでは、このカテゴリーとしては異例の「飛距離」を記録し、あるテスターはテスト中にその場で購入を決めたほど、インパクトのあるパフォーマンスを見せた。

一方で、課題も明確だ。「正確性」と「寛容性」に関しては評価が伸び悩み、ミスヒット時のばらつきや、距離のコントロールの難しさを指摘する声も少なくない。見た目の好みも分かれやすく、「光沢が強すぎて構えづらい」といった声もあった。

ただし、しっかりとフィッティングを行い、自分に合ったスペックを選べば、その飛距離性能は大きな武器になる。「飛距離も捨てがたい」「でも見た目や打感も妥協したくない」そんなゴルファーにとって、「VGI01」はチャレンジする価値のある一本だ。

「飛距離」第2位 コブラ「3DP Tour」

総合スコア
8.9/10
飛距離
9.6
正確性
8.9
寛容性
8.1

このアイアンが最適なゴルファーは?

  • ►「飛距離」も「正確性」も、どちらも譲れない人:

    「コブラ 3DP Tour」は、「競技志向(上級者向け)」アイアンとしては「飛距離性能」が高く、それでいて「正確性」にもしっかり優れている。単に“飛ぶ”だけでなく、“コントロールしやすい飛距離”が手に入るのが大きな魅力だ。

    このモデルは、テストで重視される3項目のうち「飛距離」と「正確性」で高い評価を獲得しており、精度とパワーのバランスを求める上級者には理想的な選択肢となる。

    さらに、他の“飛び系プレーヤーズアイアン”に比べて、フィッティング不要でもすぐに実戦投入しやすい“扱いやすさ”があるのも見逃せないポイント。飛ばしたい。でも、狙いたい。そんなゴルファーのニーズに応える1本だ。

このアイアンが合わないゴルファーは?

  • ►予算に制限がある人:

    革新的な構造と個性的な設計を採用した分、「コブラ 3DP Tour」は価格もそれなりに高めに設定されている。実際、市場に出ているアイアンセットの中でもトップクラスの高価格帯モデルのひとつだ。

  • ►「寛容性」と「ショットの安定性」を最優先したい人:

    ゴルファーによっては、多少のミスをカバーしてくれる「寛容性」や、「毎回似た結果を出せる安定性」がプレーの鍵になる。しかし「コブラ 3DP Tour」は、その点ではやや不安が残る。テストでは、一部の評価指標でバラつきが見られ、「寛容性」のスコアは平均を下回った。繊細なショットの再現性やミスへの許容度を重視するプレーヤーにとっては、他のモデルのほうが適している可能性がある。

注目すべきポイント

コブラ「3DP Tour」は、3Dプリント技術を駆使した画期的な構造で注目を集める“革新的“「競技志向(上級者向け)」アイアン。中空ボディに『3Dプリントメダリオン』を搭載し、打感・打音の最適化と高慣性モーメント(MOI)を両立。フェースには『鍛造フェースインサート』を採用し、フェース全体で高初速を生み出す設計となっている。

2025年テストでは、「飛距離」と「正確性」の2部門で高評価を獲得。とくに“コントロール可能な飛距離”と“方向性の安定感”が絶妙なバランスで成立しており、「飛ばす」だけでなく「狙える」性能が光るモデルだと評価されている。また、構えやすさやツアーモデルらしい見た目の良さも、テスターから高く支持された。

一方、「寛容性」では平均以下の評価に留まったが、それを補って余りある魅力があるのがこのモデル。革新性と実戦性能を兼ね備えた、コブラならではの挑戦的1本だ。

テスターたちの声

“パフォーマンスの良さには驚きだった。最近のコブラでは最高のアイアン。とても易しくて打感も良かった。”

“すべてが揃っている感じ。どちらかと言えば“飛び系”っぽい側面もあるけど、グリップから重量配分までフィーリングは抜群だった。”

“とても完成度の高いアイアン。カテゴリー内ではやや大きめのヘッドサイズだが、それが安心感にもつながっている。”

専門家の評価

コブラ「3DP Tour」は、“飛ばせる「競技志向(上級者向け)」アイアン”というニッチな領域において、明確な存在感を示す1本だ。3Dプリントによる『中空構造』と『極薄フェース』の融合により、「競技志向(上級者向け)」アイアンとは思えない「飛距離性能」と「直進性の高さ」を実現。

一方で、従来のブレード型アイアンに求められる「操作性」や「打感」にも配慮された設計がなされており、コブラの技術力が垣間見える。

特に“飛んで狙える”アイアンを求める上級者には、非常に魅力的な選択肢となる。ヘッドサイズはやや大きめだが、それが安心感やミスヒットへの「寛容性」につながっている点も見逃せない。

ただし、「寛容性」のテストでは平均をやや下回っており、スイートエリアを外した際のブレ幅には注意が必要。また、価格もプレミアム帯に属するため、コストパフォーマンスを重視するゴルファーにはハードルが高いかもしれない。

それでも、従来の「競技志向(上級者向け)」アイアンに満足できないゴルファー、「もう少し飛距離が欲しい」「もう少し安心感が欲しい」と感じているゴルファーにとって、この革新的な1本が新たな“答え”になる可能性は高い。



2025年 最も飛ぶアイアン TOP5

飛距離性能で選ぶ2025年プレーヤーズアイアン。飛距離スコア上位の5モデルをピックアップ。

正確性で選ぶ「競技志向(上級者向け)」アイアン ベストモデル

「競技志向(上級者向け)アイアン」は、その名の通り、ショット精度にこだわる上級者のために作られている。クラブヘッドの性能だけでなく、アイアン自体の作り込みにも職人技が込められているのが特徴だ。

このカテゴリーのテストでは、私たちは特に「正確性」を重視して評価している。実際、このテストでも最も比重の高いスコア項目となっており、狙い通りにグリーンをとらえられるか、弾道のばらつきが少ないかが重要な基準となる。ピンに近づけることができれば、それだけでスコアは縮まる。その意味で、「正確性」は決して見逃せない要素だ。

ここでは、正確性に最も優れた「競技志向(上級者向け)アイアン」のベストモデルを紹介する。


「正確性」No.1 スリクソン「ZXi7」

総合スコア
9.4/10
飛距離
9.1
正確性
9.5
寛容性
9.5

このアイアンが最適なゴルファーは?

  • ►あらゆる面でパフォーマンスを求めている人:

    データを見れば一目瞭然。スリクソン「ZXi7」は、「競技志向(上級者向け)」アイアン市場を席巻する存在だ。「正確性」と「寛容性」でトップの評価を獲得し、さらに「飛距離」でも7位にランクイン。どこをとっても高水準でまとまっており、バランス重視のゴルファーには見逃せない1本だ。

  • ►クラブの見た目や打感にもこだわるゴルファー:

    スリクソン「ZXi7」は、性能面だけでなく“使いたくなる魅力”(あくまで主観的評価のためランキングには全く影響しないが)でも高く評価されている。「打音」、「打感」、「見た目」、そして「購入の可能性」のすべてでトップの評価を獲得。フィーリングを大切にするゴルファーには、このモデルがまさにぴったりのようだ。

このアイアンが合わないゴルファーは?

  • ►スリクソンに抵抗がある人:

    現時点で「ZXi7」を試打リストから外す理由は皆無。ほぼ全てのアイアンカテゴリーで安定した高性能を示しており、「ZXi7」もその例外ではない。特定のブランドへの執着がなければ、真っ先に候補に加えたいモデルだ。

注目すべきポイント

スリクソン「ZXi7」は、『i-FORGED』技術と「S15C超軟鋼」を用いた1ピース鍛造構造によって、“究極の打感とコントロール性能”を追求したモデル。ツアープレーヤー好みのコンパクトなヘッド形状と純鍛造構造が、上級者に求められる操作性とフィードバックを高めると、メーカーはうたっている。

これに対し、MyGolfSpyの2025年テストでは、「ZXi7」が総合スコア9.4を記録。「正確性」と「寛容性」でNo.1に輝き、さらに主観的評価の「打感」「打音」「見た目」「購入の可能性」のすべてでもトップ評価を獲得した。

つまり「ZXi7」は、スリクソンが掲げる“打感”と“操作性”という価値感を、実際の厳格なテストでも証明した数少ないモデル。性能とフィーリング、その両方を求めるゴルファーにとって、2025年もっとも注目すべき1本であることは疑いの余地がない。

テスターたちの声

“まさにベスト・オブ・ベスト。打感も驚くほどソフトで心地いい。ありえないほど正確だ。”

“最高だよ。これまで試した中で一番いい。このカテゴリーを考えるとトップラインはやや厚めだけど、それが逆に安心感につながる。”

“とにかく打ちやすくて、安定感も飛距離も申し分なし。スピン量はやや多めで、弾道のばらつきも少ない。”

“思い通りにショットを操れる。いわゆる伝統的な“競技志向(上級者向け)アイアン”とは少し違うけど、とにかく安定感が抜群で、求める要素はすべて揃っている。”

専門家の評価

これまで「競技志向(上級者向け)」アイアンは、モデル間の性能差が小さく、専門家でもその違いを見極めるのが難しい分野だった。

しかし、2025年のテストではその構図が一変。「ZXi7」は「正確性」と「寛容性」の両面で明確な差をつけて他を圧倒し、単なる“高性能アイアン”ではなく、「ショットの一貫性を劇的に高められる実戦向きモデル」として頭ひとつ抜けた存在となった。

さらに、セット全体を通じてスピンや弾道のバラつきを抑える特性は、上級者がスコアメイクで重視する「狙った弾道を繰り返せる安定性」に直結する。つまり「ZXi7」は、“違いが見えにくい”このカテゴリーにおいて、明確なアドバンテージを示す稀有なアイアンだ。

今までスリクソンを敬遠していたなら、このモデルこそ一度手に取ってみるべきかもしれない。案外、ハマるかもしれないよ。


「正確性」第2位 Toura「SCB-1」

総合スコア
8.9/10
飛距離
7.3
正確性
9.4
寛容性
9.5

このアイアンが最適なゴルファーは?

  • ►「正確性」と「安定性」を求める人:

    Toura「SCB 1」は、「正確性」と「寛容性」という2つの主要評価項目で際立ったパフォーマンスを見せた。テストでは、PW、7番、5番アイアンにおける「ストロークス・ゲインド」で「正確性」を評価。つまり、この項目で高評価を得たクラブは、グリーンをとらえる力、もしくはグリーン近くまで確実に運ぶ能力に優れているという証拠でもある。

    一方の「寛容性」は、打点がややズレた場合でも、安定したショット結果を再現できるかどうかを数値化したもの。具体的には、「ボール初速」や「スピン量」、「飛距離」などに“どれだけバラつきが少ないか”を測る項目だ。

    Toura「SCB‑1」は、これら2つの項目でしっかりと結果を残しており、「正確性」と「安定性」を両立させたバランス型アイアンとして、非常に信頼性の高い1本に仕上がっている。

このアイアンが合わないゴルファーは?

  • ►とにかく「飛距離」を落としたくない人:

    Toura「SCB‑1」は、「正確性」と「寛容性」では高い評価を得た一方で、「飛距離」に関してはこのカテゴリー内で最下位という結果に終わっている。

    そのため、少しでも「飛距離」を伸ばしたい、あるいは「飛距離性能」を絶対に落としたくないと考えるゴルファーにとっては、選択肢から外れる可能性が高いモデルだ。「正確性」や「安定性」を重視するなら有力候補になるが、“飛び”を第一に求めるなら他の選択肢を検討したほうがいいだろう。

注目すべきポイント

Toura「SCB‑1」は、「競技志向(上級者向け)」アイアンとして求められる基本性能を、価格帯を超えて高い水準でバランスさせた注目モデルだ。Touraでは、「正確性重視」の構造と「寛容性」を意識した設計により、価格対性能で優位なクラブをユーザーに提供するという姿勢が明確に打ち出されている 。

実際、MyGolfSpyテストでは、Toura「SCB‑1」は「正確性スコア」9.4、「寛容性スコア」9.5と高評価。その結果、「総合スコア」8.9を獲得し、価格は750ドルとリーズナブルながら、トップクラスの「正確性」と「扱いやすさ」を兼ね備えたモデルとして定評を得た 。

つまり、Toura「SCB‑1」は“予算は抑えたいが、性能は妥協したくない”という実直なニーズに応える一本であり、知名度では埋もれがちでも、性能とコスパを両立した“隠れた逸材”と言える

テスターたちの声

“ヘッドの性能は申し分ない。個人的には、違うシャフトにして使ってみたい。”

“打感はすごく良くて、スピン量もキャリーの飛距離も十分。ただ、自分が今使っているクラブよりは少し飛ばなかった。”

“まさに“本格派”の上級者向けアイアン。飛距離は控えめだけど、コンパクトなヘッドで打感は最高。”

専門家の評価

Toura「SCB‑1」は、高い精度と安定性を求めるゴルファーにとって見逃せない1本だ。ショットのブレが少なく、グリーンを狙うアイアンとして非常に高く評価されている。いわゆる“本格派”を好む上級者にフィットするだろう。精度やフィーリングを重視するプレーヤーにとって、価格以上の完成度を実感できる仕上がりだ。

ただし、「飛距離性能」だけを重視するゴルファーにとっては、物足りなさが残る可能性がある。Toura「SCB‑1」は、“飛ばす”アイアンではなく、“狙う”アイアン。ショットの精度と安定性を最優先したいゴルファーにとっては、価格以上の価値を感じられる“通好み”の1本と言えるだろう。



2025年 最も「正確性」に優れたアイアン TOP5

正確性に優れたアイアンをランキング化。もっともショットの精度が高かったモデルベスト5を紹介。

「寛容性」で選ぶ「競技志向(上級者向け)」アイアン ベストモデル

ゴルフ業界でよく使われる「寛容性」という言葉。その定義は、実はあいまいなまま語られることが多い。だが、ゴルファーにとって“ミスへの許容度”や“再現性の高さ”を求めるのは当然のこと。「競技志向(上級者向け)」アイアンであっても、「毎回安定した結果を出せるか」は重要な判断基準になる。

ショットごとの「ボール初速」に大きなブレはないか?「キャリーの飛距離」が一定しているか?「左右のバラつき」が小さいか?「スピン量」が安定しているか?これらすべてが「寛容性」の評価指標であり、我々のテストではこの点を細かく分析している。

ここでは、「安定性こそ最大の武器」となる、「寛容性」に優れた「競技志向(上級者向け)」アイアンを紹介する。ミスがスコアに直結する競技の場面でも、信頼して振っていける1本が、ここにある。

ここでは、「寛容性」に最も優れた「競技志向(上級者向け)アイアン」のベストモデルを紹介する。


「寛容性」No.1 スリクソン「ZXi7」

総合スコア
9.4/10
飛距離
9.1
正確性
9.5
寛容性
9.6

このアイアンが最適なゴルファーは?

  • ►あらゆる面でパフォーマンスを求めている人:

    データを見れば一目瞭然。スリクソン「ZXi7」は、「競技志向(上級者向け)」アイアン市場を席巻する存在だ。「正確性」と「寛容性」でトップの評価を獲得し、さらに「飛距離」でも7位にランクイン。どこをとっても高水準でまとまっており、バランス重視のゴルファーには見逃せない1本だ。

  • ►クラブの見た目や打感にもこだわるゴルファー:

    スリクソン「ZXi7」は、性能面だけでなく“使いたくなる魅力”(あくまで主観的評価のためランキングには全く影響しないが)でも高く評価されている。「打音」、「打感」、「見た目」、そして「購入の可能性」のすべてでトップの評価を獲得。フィーリングを大切にするゴルファーには、このモデルがまさにぴったりのようだ。

このアイアンが合わないゴルファーは?

  • ►スリクソンに抵抗がある人:

    現時点で「ZXi7」を試打リストから外す理由は皆無。ほぼ全てのアイアンカテゴリーで安定した高性能を示しており、「ZXi7」もその例外ではない。特定のブランドへの執着がなければ、真っ先に候補に加えたいモデルだ。

注目すべきポイント

スリクソン「ZXi7」は、『i-FORGED』技術と「S15C超軟鋼」を用いた1ピース鍛造構造によって、“究極の打感とコントロール性能”を追求したモデル。ツアープレーヤー好みのコンパクトなヘッド形状と純鍛造構造が、上級者に求められる操作性とフィードバックを高めると、メーカーはうたっている。

これに対し、MyGolfSpyの2025年テストでは、「ZXi7」が総合スコア9.4を記録。「正確性」と「寛容性」でNo.1に輝き、さらに主観的評価の「打感」「打音」「見た目」「購入の可能性」のすべてでもトップ評価を獲得した。

つまり「ZXi7」は、スリクソンが掲げる“打感”と“操作性”という価値感を、実際の厳格なテストでも証明した数少ないモデル。性能とフィーリング、その両方を求めるゴルファーにとって、2025年もっとも注目すべき1本であることは疑いの余地がない。

テスターたちの声

“まさにベスト・オブ・ベスト。打感も驚くほどソフトで心地いい。ありえないほど正確だ。”

“最高だよ。これまで試した中で一番いい。このカテゴリーを考えるとトップラインはやや厚めだけど、それが逆に安心感につながる。”

“とにかく打ちやすくて、安定感も飛距離も申し分なし。スピン量はやや多めで、弾道のばらつきも少ない。”

“思い通りにショットを操れる。いわゆる伝統的な“競技志向(上級者向け)アイアン”とは少し違うけど、とにかく安定感が抜群で、求める要素はすべて揃っている。”

専門家の評価

これまで「競技志向(上級者向け)」アイアンは、モデル間の性能差が小さく、専門家でもその違いを見極めるのが難しい分野だった。

しかし、2025年のテストではその構図が一変。「ZXi7」は「正確性」と「寛容性」の両面で明確な差をつけて他を圧倒し、単なる“高性能アイアン”ではなく、「ショットの一貫性を劇的に高められる実戦向きモデル」として頭ひとつ抜けた存在となった。

さらに、セット全体を通じてスピンや弾道のバラつきを抑える特性は、上級者がスコアメイクで重視する「狙った弾道を繰り返せる安定性」に直結する。つまり「ZXi7」は、“違いが見えにくい”このカテゴリーにおいて、明確なアドバンテージを示す稀有なアイアンだ。

今までスリクソンを敬遠していたなら、このモデルこそ一度手に取ってみるべきかもしれない。案外、ハマるかもしれないよ。


「寛容性」第2位 Toura「SCB-1」

総合スコア
8.9/10
飛距離
7.3
正確性
9.4
寛容性
9.5

このアイアンが最適なゴルファーは?

  • ►「正確性」と「安定性」を求める人:

    Toura「SCB 1」は、「正確性」と「寛容性」という2つの主要評価項目で際立ったパフォーマンスを見せた。テストでは、PW、7番、5番アイアンにおける「ストロークス・ゲインド」で「正確性」を評価。つまり、この項目で高評価を得たクラブは、グリーンをとらえる力、もしくはグリーン近くまで確実に運ぶ能力に優れているという証拠でもある。

    一方の「寛容性」は、打点がややズレた場合でも、安定したショット結果を再現できるかどうかを数値化したもの。具体的には、「ボール初速」や「スピン量」、「飛距離」などに“どれだけバラつきが少ないか”を測る項目だ。

    Toura「SCB‑1」は、これら2つの項目でしっかりと結果を残しており、「正確性」と「安定性」を両立させたバランス型アイアンとして、非常に信頼性の高い1本に仕上がっている。

このアイアンが合わないゴルファーは?

  • ►とにかく「飛距離」を落としたくない人:

    Toura「SCB‑1」は、「正確性」と「寛容性」では高い評価を得た一方で、「飛距離」に関してはこのカテゴリー内で最下位という結果に終わっている。

    そのため、少しでも「飛距離」を伸ばしたい、あるいは「飛距離性能」を絶対に落としたくないと考えるゴルファーにとっては、選択肢から外れる可能性が高いモデルだ。「正確性」や「安定性」を重視するなら有力候補になるが、“飛び”を第一に求めるなら他の選択肢を検討したほうがいいだろう。

注目すべきポイント

Toura「SCB‑1」は、「競技志向(上級者向け)」アイアンとして求められる基本性能を、価格帯を超えて高い水準でバランスさせた注目モデルだ。Touraでは、「正確性重視」の構造と「寛容性」を意識した設計により、価格対性能で優位なクラブをユーザーに提供するという姿勢が明確に打ち出されている 。

実際、MyGolfSpyテストでは、Toura「SCB‑1」は「正確性スコア」9.4、「寛容性スコア」9.5と高評価。その結果、「総合スコア」8.9を獲得し、価格は750ドルとリーズナブルながら、トップクラスの「正確性」と「扱いやすさ」を兼ね備えたモデルとして定評を得た 。

つまり、Toura「SCB‑1」は“予算は抑えたいが、性能は妥協したくない”という実直なニーズに応える一本であり、知名度では埋もれがちでも、性能とコスパを両立した“隠れた逸材”と言える。

テスターたちの声

“ヘッドの性能は申し分ない。個人的には、違うシャフトにして使ってみたい。”

“打感はすごく良くて、スピン量もキャリーの飛距離も十分。ただ、自分が今使っているクラブよりは少し飛ばなかった。”

“まさに“本格派”の上級者向けアイアン。飛距離は控えめだけど、コンパクトなヘッドで打感は最高。”

専門家の評価

Toura「SCB‑1」は、高い精度と安定性を求めるゴルファーにとって見逃せない1本だ。ショットのブレが少なく、グリーンを狙うアイアンとして非常に高く評価されている。いわゆる“本格派”を好む上級者にフィットするだろう。精度やフィーリングを重視するプレーヤーにとって、価格以上の完成度を実感できる仕上がりだ。

ただし、「飛距離性能」だけを重視するゴルファーにとっては、物足りなさが残る可能性がある。Toura「SCB‑1」は、“飛ばす”アイアンではなく、“狙う”アイアン。ショットの精度と安定性を最優先したいゴルファーにとっては、価格以上の価値を感じられる“通好み”の1本と言えるだろう。



2025年 最も「寛容性」に優れたアイアン TOP5

ミスヒットに強い「寛容性」評価の高いアイアン。2025年ランキング上位5本を掲載。

アイアンの選びのポイント

私たちの目的は、「なんとなく良さそう」といった主観的なイメージを取り払って、本当に“性能”で選ぶアイアン選びを推奨することにある。特に「競技志向(上級者向け)」アイアンでは、実際のパフォーマンスこそ最も重要な基準だ。

しかし、クラブ選びは性能だけで決まるものではない。自分のプレースタイルや打感の好み、構えたときの安心感、そして価格とのバランスなども、選ぶうえで重要な判断材料になる。

性能を軸にしつつ、こうした要素をどう見極めるか。それが、「競技志向(上級者向け)」アイアン選びを成功させるカギとなる。


2025年プレーヤーズアイアン人気モデルTOP10。MyGolfSpyの評価に基づくランキング。

フィッティングを受けよう

「競技志向(上級者向け)」のゴルファーにとって、2つのアイアンの性能差がごくわずかに感じられることは珍しくない。だからこそ、カスタムフィッティングが重要になる。

たとえば、「どのモデルがオフセットを最小限に抑えているか」「トウ寄りのミスヒットを補ってくれるか」「自分の持ち球を自然に打てるか」など、フィッティングによって見えてくる“自分に合った答え”は、スコアに直結する武器となる。

そしてもっと重要なことは、フィッティングによってスピン量や打ち出し角などを微調整して、みなさんのゴルフをもう一段階引き上げることができる点にある。上級者の中には、ロングアイアンに「競技志向(上級者向け)飛び系」アイアンを採用し、ショートアイアンに「競技志向(上級者向け)」アイアンを組み合わせている人もいる。

カスタムフィッティングを受ければ、自分のスタイルに合ったクラブを手にすることができるだろう。


2025年最新アイアンの価格動向

価格はいつでもクラブの購入を左右する。とくに「競技志向(上級者向け)」アイアンではその傾向が強い。多くのモデルが鍛造製法や複合素材構造を採用しているため、1セットで1,400ドル(約20万円)前後になることも珍しくない。中にはそれ以上のモデルもあるし、やや安価なものもある。また特に鍛造アイアンは製造コストがかかるので高額になりやすいことを覚えておこう。

とはいえ、Toura「SCB-1」は750ドルで手に入りコスパが最高に良い。「競技志向(上級者向け)」アイアンカテゴリーの中で掘り出し物と言えるだろう。


Toura SCB-1アイアン全番手のヘッドデザインを紹介。2025年注目の競技志向アイアン。

また、人気の「競技志向(上級者向け)」アイアンは値下がりしにくい傾向がある。もし狙っているモデルがあるなら、最新の割引情報やお買い得セールを見逃さないようにしよう。


シャフト選びがスコアを左右する!

最適なパフォーマンスを引き出すためには、「シャフト選び」が非常に重要だ。適切なシャフトは、打ち出し条件や全体の「正確性」に大きな影響を与える。

素材は主にカーボンかスチールで、カーボンのほうが軽量なため、ヘッドスピードを上げたいゴルファーには有利に働くこともある。また、「シャフトの硬さ(フレックス)」はヘッドスピードに応じて選ぶべき重要な要素で、ヘッドスピードの違いによって適した硬さが異なる。フレックスは弾道の高さやボールの飛び方にも大きく影響する。

 

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「競技志向(上級者向け)」にすべきか?「競技志向(上級者向け)飛び系」アイアンにすべきか?

自分のゴルフに合うアイアンを選ぶ際に最も重要なポイントのひとつは、最適なカテゴリーから選ぶことだ。市場に出回っているアイアンの多くは、いわゆる「やさしさ」や「飛距離性能」を重視したモデル、つまり「スコア改善型(初・中級者向け)」が中心となっている。一方で、「競技志向(上級者向け)」アイアンを使いこなすのは、ハンディキャップが低いゴルファー場合によってはツアープロレベルのプレーヤーが中心だ。

素材は主にカーボンかスチールで、カーボンのほうが軽量なため、ヘッドスピードを上げたいゴルファーには有利に働くこともある。また、「シャフトの硬さ(フレックス)」はヘッドスピードに応じて選ぶべき重要な要素で、ヘッドスピードの違いによって適した硬さが異なる。フレックスは弾道の高さやボールの飛び方にも大きく影響する。もしあなたがハンディキャップの高いゴルファーであれば、「競技志向(上級者向け)」アイアンよりも、もっと適した選択肢があるかもしれない。

たとえば、ストロングロフト設計のキャビティバックアイアンは、低重心かつ扱いやすさに優れた設計が多く、やさしくボールを上げやすい。

一方、ハンディキャップが低いゴルファーが「競技志向(上級者向け)アイアン」に乗り換える場合、最も重要なのは「弾道とショットを自分でコントロールしたいという意志」だ。

特に、標準ロフト角は、「飛び系」アイアンや「スコア改善型」アイアンより大きめに設計されており、より高い打ち出しと理想的な弾道が得られやすい。

もちろん、「競技志向(上級者向け)」アイアンは決して「やさしいクラブ」ではない。だが、求めるべきは「やさしさ」よりもコントロール性、安定性、正確性だ。自分のゴルフを冷静に見つめ直し、このカテゴリーが本当に合っているかを確認してから選ぼう。

なお、「競技志向(上級者向け)飛び系」「スコア改善型(初・中級者向け)」「超スコア改善型(初心者~中級者)」といった各カテゴリーのアイアンについても、今後のバイヤーズガイドで詳しく紹介していく予定だ。


2025年『Most Wanted』アイアンテストの検証方法

アイアンのテストは簡単な作業ではない。2025年の『Most Wantedテスト』に要した時間は320時間。2025年は、全テスターが22モデルの異なる競技志向アイアンをテストした。

そしてMyGolfSpyのテストプログラムでは、以下の3つの重要な要素によって構成されている:

・「フォーサイトGCクワッド」 – フォーサイトはカメラベースの弾道測定器の代表格だ。その理由は、ショット毎に信頼の置けるデータを高精度かつ確実に取得できるからだ。今回のテストにおいては、21, 000以上のショットを記録している。

・タイトリスト「Pro V1」ゴルフボール – ゴルフボールも、テストに欠かせない重要な要素のひとつ。 『Most Wantedテスト』ではすべてのショットにこのボールを使用しており、テストの一貫性を保ち、余計な変数を排除するための取り組みの一環となっている。信頼できる基準球として、「Pro V1」は私たちにとって欠かせない存在だ。

・ザ インドアゴルフ店の「SIGPROプレミアム」 – インドアゴルフが世界を席巻している。我々のテストは全て、バージニア州ヨークタウンの本社屋内で行われている。テストのたびに、スクリーンはかなりのダメージを受けるので、この負荷に対応するために高品質で耐久性のあるインパクトスクリーンが必要だが、「SIGPROプレミアム」は我々の想像を超えている。

「競技志向(上級者向け)」アイアンのテストには、計20名のゴルファーが参加。このカテゴリーは主に技術レベルの高い、あるいはハンディキャップの低いゴルファーを対象としているため、テスターもその層から選ばれている。各モデルについて、PW、7番アイアン、5番アイアンの3本を全員が打ち比べ、性能を細かく検証した。



2025年ベストアイアン 採点方法と評価基準

このテストの最大の目的は、ゴルファーであるあなたに、市場で最も優れた「競技志向(上級者向け)」アイアンの選び方に役立つ情報を届けることだ。そのために、私たちは収集したすべてのデータを丁寧かつ徹底的に分析するアプローチを取っている。

スコアリングに使用する評価カテゴリーはこれまでと同様で、以下で順に紹介していく。

なお、総合スコアは「MGS(MyGolfSpy)スコア」として10点満点で表示されており、各モデルの全体的なパフォーマンスを端的に把握できるようになっている。

「競技志向(上級者向け)」アイアンの評価は、以下の3つのスコアカテゴリで構成されている:


・「飛距離」

・「正確性」

・「寛容性」


この3つの評価項目のうち、「正確性」が最も重視されている。


「飛距離」:最大のパフォーマンスを引き出す指標

「競技志向(上級者向け)」アイアンは、他のアイアンカテゴリーと比べて「飛距離性能」が特段に高いわけではない。とはいえ、このカテゴリーの中にも、飛距離性能で頭ひとつ抜けたモデルが存在する。MyGolfSpyでは、飛距離評価において2つの特定指標を用いて、そうしたモデルを明らかにしている。


・キャリーの飛距離(ボールが空中で飛ぶ距離)

・トータルの飛距離(キャリー+ランを含めた総飛距離)


「正確性」:ショットの安定性を評価

「正確性」は、スコアを左右する重要な要素だ。狙ったターゲットにボールを乗せられるかどうかで、結果は大きく変わる。「競技志向(上級者向け)」アイアンを選ぶ際、最も重視すべき指標がこの「正確性」である。MyGolfSpyの正確性評価では、ある特定のデータ指標に基づいて分析が行われている。

ストロークス・ゲインド


「寛容性」:安定したショットの再現性を評価

MyGolfSpyの「寛容性」カテゴリーでは、“ショット結果の一貫性”に着目して評価が行われる。つまり、打点のバラつきがあってもどれだけ安定した結果を出せるかという点が重要だ。

このカテゴリーでは、以下の指標をもとに評価されている:


・キャリーの距離(バラつき)– 最も飛んだショットと最も飛ばなかったショットのキャリーの飛距離差を示す指標。この数値が小さいほど、ショットごとの飛距離のバラつきが少なく、一貫性の高いアイアンであることを意味する。

つまり、番手ごとの飛距離を信頼して狙っていけるかどうかを測る重要な評価基準のひとつとなっている。


・ボール初速(バラつき) – 所定の「競技志向(上級者向け)」アイアンで打ったショットのうち、最も速かったボール初速と最も遅かったボール初速の差を示す指標。

この差が小さいほど、ミスヒット時でも安定した初速を維持できることを意味し、「寛容性」と「安定性」の高さを評価する上で非常に重要な要素となる。


・スピン量(バラつき) – 「競技志向(上級者向け)」アイアンで打ったショットにおいて、最も多かったバックスピン量と最も少なかったバックスピン量の差を示す指標。

この差が小さいほど、スピン量が安定しており、ショットごとの弾道やボールが落下した後の転がりや止まり方が予測しやすい。つまり、距離感や方向性の再現性が高いアイアンであると評価できる。


ショットエリア(バラつき) – ショットエリアは、ショット範囲と表現しており、一連のショットが楕円状にどれだけ広がっているかを表す指標です(単位は平方ヤード)。

簡単に言えば、ターゲットに対してショットがどれだけブレたか、その“ばらつき具合”を数値で可視化したものだ。

このショット範囲が小さいほど、アイアンは「狙った場所に安定して打てる」性能が高いと評価される。「正確性」や「一貫性」を重視する「競技志向(上級者向け)」アイアンでは、非常に重要な指標となる。


 

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2025年 「競技志向(上級者向け)」アイアン 各スコアと順位

2025年の「競技志向(上級者向け)」アイアン22モデルを、総合スコア・飛距離・正確性・寛容性の4項目で評価。最上位はスリクソン「ZXi7」が獲得。

MyGolfSpy スコア算出方法

MyGolfSpyのスコアは、弾道測定器のデータである「効率値」をもとにして算出される。「効率値」はクリーンなデータであり特定の異常値を除外した平均値となっている。

そしてスコア配分は、「正確性」の指標が全体の50%で「飛距離」の指標が25%、そして残りの25%は「寛容性」の比率で構成されている。各指標の詳細については、先述した項目を参考にしてほしい。

アイアンテストでは、「正確性」を最重要指標として重視している。グリーンを確実にとらえることが、アイアン選びにおいて最優先事項であるべきだからだ。

なお、スコアのごく一部には、フィッティングに関する要素や、極端なデータの外れ値、その他の定量評価できない細かな要素も反映されている。


2025年版競技志向アイアンを一堂に並べたビジュアル。主要メーカーのモデルが勢揃い。

2025年ベストアイアンQ&A