キャロウェイが初代「APEX Ai(エイペックスAi)」アイアンを発売した際、ラインナップは「Ai 200」と「Ai 300」の2モデルに絞られていた。

「Ai 200」はキャロウェイの主力となる「競技志向(上級者向け)飛び系」モデルとして登場し、「Ai 300」はそこにやさしさを加えた「スコア改善型(初・中級者向け)」モデルとして展開されていた。

最初から、「Ai 200」と「Ai 300」は始まりにすぎないことは明らかだった。

ナンバーの異なる新モデルが加わっていくのは、ほぼ既定路線。そして今回、「Ai 150」の登場によって、キャロウェイは「APEX Ai」シリーズのラインナップをさらに拡充。いや、より正確に言えば“補完”しようとしている。

モデル名に使われている番号の意味はシンプルだ。タイトリストの「Tシリーズ」と同様、数字が大きくなるほどヘッドは大きくなり、「寛容性」も増していく。

その法則に従えば、「Ai 150」は「APEX Ai」シリーズの中でも最もコンパクトで、「競技志向(上級者向け)」に位置するモデルといえる。


キャロウェイ「APEX Ai 150」アイアンのバックフェース。シンプルかつモダンなデザインに「APEX」ロゴとFORGEDの文字が配置されている。

「APEX Pro(エイペックスプロ)」の後継モデル

シンプルに言えば、「Ai 150」は「APEX Pro(エイペックスプロ)」の後継にあたるモデルだ。

キャロウェイはこれを、“最速”の「競技志向(上級者向け)」アイアンと位置づけている。あくまで「競技志向」であることがポイントだ。

もちろん、キャロウェイのアイアン全体で見れば、もっと初速の出るモデルは存在する。

ただし、「Ai 150」は、コンパクトな形状を持つアイアンの中では“最速”(=最もボール初速が出るモデル)であり、『Aiスマートフェース』を搭載した初の主力モデルの「競技志向(上級者向け)」アイアンとなる。


キャロウェイ「APEX Ai 150」アイアンのフェース面。スコアラインが精密に刻まれた構造が確認できる。

設計思想

「Ai 200」(シリーズ中間の位置づけ)をベースに小型化していく。そんな一般的な手法は、今回の「Ai 150」には当てはまらない。

キャロウェイが選んだのは、逆のアプローチだった。

ベースとなった形状は、「APEX TCB(ツアーキャビティバック)」。ただし、そこからサイズを縮小するのではなく、今回は“拡大”する方向へ。

具体的には、「APEX TCB」の形状をベースにしつつ、フェースを大きく、トップラインを厚く、ソール幅を広げ、さらにわずかにオフセットを加えることで仕上げられている。

似ているようで、まったく違うアプローチだ。


キャロウェイ「APEX Ai 150」アイアンをアドレス時の視点から撮影。薄めのトップラインとコンパクトなフェースが上級者向けらしい精悍な印象を与える。

素材にこだわるゴルファーのために

「Ai 150」は、「1025軟鉄鍛造」の中空構造を採用し、3番〜7番アイアンには「455カップフェース」、8番アイアンからウェッジまでは「17-4ステンレススチールフェース」を搭載している。

番手によってフェース素材を使い分けることで、ロングアイアンでは『カップフェーステクノロジー』による「ボール初速」向上と、『Aiスマートフェース』による最適化の恩恵を最大限に引き出している。

さらに、ヘッド内部にタングステンを配置することで、高弾道と高MOI(慣性モーメント)を実現。

コンパクトな見た目のまま、より大型アイアンのような安定したパフォーマンスを発揮する設計となっている。

注目すべきポイントのひとつが、インパクトエリアの背面に配置された交換可能なウエイトだ。

これにより、カスタム仕様に関係なくバランスの調整が可能になり、フィッティングの精度が求められる現代のクラブ選びにおいて、重要な機能となっている。


キャロウェイ「APEX Ai 150」アイアンのバックフェースを斜め上から捉えた構図。フェース仕上げの光沢が美しい。

ソール設計

「Ai 150」には、キャロウェイが『トライレベル・ ソールデザイン』と呼ぶ形状が採用されており、リーディングエッジには丸みを持たせた加工が施されている。

このようなソール形状を採用するブランドは増えており、今では一般的な設計のひとつになりつつある。

この構造により、芝の上をスムーズに抜けやすくなり、それが「初速」や「飛距離」の向上につながる。

らに、芝との摩擦が減ることで、「打感」がより洗練されるという考え方もある。

芝の抜けにこだわる「競技志向(上級者向け)」ゴルファーにとって、このソール設計は、あらゆるライで安心感をもたらしてくれるはずだ。


キャロウェイ「APEX Ai 150」アイアンのトゥ側から見たソール。丸みを帯びたトゥデザインとソール幅が確認できる。

ターゲット層

キャロウェイ「APEX Ai 150」は、ハンディキャップ3〜9のゴルファーを想定して設計されている。

「精度」や「コントロール性能」を求めつつも、最新テクノロジーによって「初速」や「安定性」も手に入れたい。そう考えるゴルファーに最適だ。

よく言われることだが、このモデルは「競技志向(上級者向け)」アイアンの見た目や打感を備えながら、『Aiテクノロジー』による性能向上も享受できる、まさに“いいとこ取り”の仕上がりとなっている。

「Ai 150」の登場により、キャロウェイの「APEX Ai」シリーズは、異なるスキルレベルやプレースタイルに対応する3モデルのラインアップが出そろった。

「やさしさ」を重視するなら「Ai 300」、バランスを求めるなら「Ai 200」、そして、「競技志向(上級者向け)」の性能に最新テクノロジーを融合させた一本を探しているなら、「Ai 150」がその答えになるはずだ。


キャロウェイ「APEX Ai 150」アイアンのヒール側から見た構造。フォージドの刻印とネジ付きバックプレートが見える。

スペック・価格・発売日

日本ではまだ、キャロウェイ「APEX Ai 150」アイアンの発売は正式にはアナウンスされていないが、これまでの流れを踏まえれば、9月頃に登場すると見て間違いないだろう。今後の続報に期待したい。

※下記はアメリカ仕様のスペック及び情報。

標準シャフトには、「True Temper Dynamic Gold Mid」(115g/R・S・Xフレックス)と、「三菱ケミカル MMT」(80g/R、90g/S)がラインアップ。

グリップは「Golf Pride Z Grip」が標準装着となっている。

キャロウェイ「APEX Ai 150」アイアンは、7月10日から予約受付を開始し、7月25日より一般販売がスタート。

価格は、3番アイアン〜Aウェッジまで1本あたり229.99ドルに設定されている。