ゴルフの世界には、必ずしも『Most Wantedテスト』や『バイヤーズガイド』の枠には収まりきらないが、魅力的で気になるギアが数多く存在する。

そんなモデルが本当に実力を発揮するのか…それを確かめるのが「We Tried It」シリーズだ。実際にコースや練習場で試し、宣伝どおりの性能かどうかを徹底的にチェックしている。


今回試したモデル

テーラーメイド「P790」アイアン。

これまで使ってきたのは、某メーカーのスコア改善型アイアンだが、そろそろ別のモデルを試してみたくなった。

そして今は、新しい「P790 ビンテージカッパー」がキャディーバッグに収まっている。


今回試した人

コナー(レフティ)。マイゴルフスパイのマネージングエディターで、筋金入りのスニーカーマニア。自称「編集部でいちばん下手なゴルファー」だが、少しずつ着実に上達中。


なぜ「P790」なのか?

テーラーメイド「P790」ビンテージカッパー仕上げの5番アイアン。タングステン搭載で安定した弾道と高い寛容性を実現。

今回選んだのは、ビンテージカッパー仕様のテーラーメイド「P790レフティ」アイアンだが、正直に言えば、このビンテージカッパー仕様が「レフティ」でも発売されたことがうれしかった!それが一番の理由だ(笑)。

このモデルは性能こそ通常モデルと同じだが、そのシャープな見た目に惹かれて手に取った。

ここからは、この「P790」を実際に使ってわかった特徴と性能を紹介していく。

早速いってみよう!


第一印象

テーラーメイド「P790」ビンテージカッパー仕上げのアイアンフェース。精密なスコアラインが高スピンと安定した弾道をサポート。

見た目からして美しい。「P790」ビンテージカッパーの仕上げも魅力的だが、全体の形状やサイズ感は、いま使っているアイアンよりも格段に洗練されている。

トップラインの厚さには特にこだわりはない(厚くても薄くても気にしない)が、「P790」はどの角度から見てもバランスがよく、完成度の高いデザインだと感じた。

最初に気づいたのは、「スコア改善型(初・中級者向け)」アイアンと比べて、オフセットがかなり抑えられていること。これが実にうれしかった。

というのも、自分のミスは引っかけ気味のドローが多め。ゴルフは得意じゃないが、ドローだけはやたらと打てる。だから、フェースがあらかじめ少し閉じているような“お助け設計”は、正直いらない。

さて、見た目の話はこのくらいにして、いよいよ気になる性能について触れていこう。


データ

『競技志向(上級者向け)飛び系アイアンテスト』の正式結果はまだ出ていないが、「P790」アイアンについて、手持ちの「スコア改善型(初・中級者向け)」アイアンと比較するための初期データを集めてみた。

今回は7番アイアンとピッチングウェッジのみを試打。(5番アイアンは現在使っていない。)


テーラーメイド「P790」と使用中アイアン(Gamer)のキャリーの飛距離比較。PWと7Iでのデータを棒グラフで表示。
テーラーメイド「P790」と使用中アイアン(Gamer)のボール初速比較。PWと7Iでの測定結果を棒グラフで表示。
テーラーメイド「P790」と使用中アイアン(Gamer)のスピン量比較。PWと7Iでのスピン性能を棒グラフで表示。

その結果からわかったのは…。

・「P790」で得られる性能は、今使っている「スコア改善型(初・中級者向け)アイアン」と大きく変わらない。

・もし「競技志向(上級者向け)飛び系」アイアンで「スコア改善型(初・中級者向け)アイアン」並みのやさしさが得られるなら、それは大きなメリットだ。


「スコア改善型(初・中級者向け)」アイアンらしく、「飛距離」と「ボール初速」はわずかに上回ったが、乗り換えを迷わせるほどの差ではないと感じた。

一方で、打ち出しの高さ、「正確性」、「操作性」のバランスは「P790」が優秀だと素直に思えた。

もちろん、これはあくまで一人の試打結果にすぎない。

今後『競技志向(上級者向け)飛び系アイアンテスト』で他モデルと同じ条件で比較すれば、「P790」の実力がさらに明らかになるだろう。


打感と打音

テーラーメイド「P790」ビンテージカッパー仕上げのアイアンとゴルフボール。芝の上でショット前の構えをイメージしたシーン。

データの話はここまでにして、ここからは感覚的な部分、打音と打感について触れよう。

自分は「金属が柔らかく感じる」という感覚には懐疑的なタイプだ。だから「P790」が柔らかいとは言わない。

だが、打感は間違いなくしっかりしている。しかも、芯を食ったときの打ち応えには、確かな重みと安心感がある。

特にロングアイアンは、新しい段階的設計によってショートアイアンとは少し違う感触があるのも印象的だ。

芯でとらえた7番アイアンの打感は、これまで試したどのアイアンにも引けを取らない完成度だった。

打感に影響する要素として、打音についても触れておきたい。

テーラーメイド「P790」アイアンの打音をひと言で表すなら、“力強い” この言葉がいちばんしっくりくる。

知的に設計されたスイートエリアをしっかりとらえた瞬間、その音は「これは飛んだ!」と直感させるほどの迫力がある。思わず心の中でガッツポーズしたくなる、そんなインパクトだ。


やさしさを隠したアスリートモデル

テーラーメイド「P790」ビンテージカッパー仕上げの7番アイアン。高級感あるデザインと精密な作りが際立つ。

テーラーメイド「P790」に贈るべき最大の賛辞は、まさにこれだ。

見た目はツアー系らしいシャープで洗練された印象だが、その中身は「スコア改善型(初・中級者向け)」アイアンに匹敵するやさしさを秘めている。まるで“やさしさを隠したアスリートモデル”と言っていいだろう。

実際、今使っている「スコア改善型(初・中級者向け)」アイアンと同等のやさしさを感じられたうえに、このデザイン性。

改めて言いたい。

これだけ見た目が良くて、「スコア改善型(初・中級者向け)」アイアン並みのやさしさがあるなら、使わない理由はどこにもない。

テーラーメイド「P790」アイアンは、現在テーラーメイド公式で購入可能だ。


P790 ビンテージカッパー」アイアンの性能を支える主要テクノロジー

「P790 ビンテージカッパー」アイアンは、「鍛造中空構造」に、新しく改良された『SpeedFoam Air』を充填。これによりボール初速と打感が向上している。

さらに、「高精度タングステンウエイト」、新設計の内部構造、より反応性の高いフェースを採用し、飛距離性能と操作性を高次元で両立させている。


「P790 ビンテージカッパー」アイアンのシャフトラインナップ


「P790 ビンテージカッパー」アイアンには、「トゥルーテンパー・ダイナミックゴールド(スチールシャフト)」/ 純正カーボンシャフト / 「MCA MMT」をはじめとする各種カスタムシャフトといった選択肢が用意されている。(アメリカ仕様)


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「P790 ビンテージカッパー」アイアンのデザインがもたらす操作性と打感の向上

「P790 ビンテージカッパー」アイアンは、「鍛造Lフェース」によってボール初速を高め、『スピードポケット』が広いスイートエリアを確保し、ミスヒットにも強い。

さらに、新設計の『インターナル・サウンド・スタビライゼーションバー』が、心地よくスピード感のある打感を生み出している。


まとめ

総合的に見て、「P790 ビンテージカッパー」アイアンは、ツアー系のシャープな見た目と、「スコア改善型(初・中級者向け)アイアン」に匹敵するやさしさを兼ね備えた、数少ないモデルだ。

「飛距離」、「打感」、「操作性」のバランスに優れ、デザイン面でも所有欲をしっかり満たしてくれる。

見た目で選んでも後悔せず、性能で選んでも間違いない。まさに“見た目も中身も妥協しない”ゴルファーにふさわしい1本だ。