ベスページ・ブラックでの『ライダーカップ』を前に、ファンの期待は高まるばかり。

そんな中、ショットスコープの“データオタク”たちはひとつの遊びに興じていた──ゴルフが強いのはアメリカか、ヨーロッパか?

『ライダーカップ』といえば、ファンの熱狂が“善と悪”の両極を引き出す大会。

確かに“ゴルフという競技“を生んだのはヨーロッパだが、250ヤード先から「入れ!」と叫び、ゴルフカートをビール運搬車に変える“エンターテイメント”を完成させたのはアメリカ人だ。

もし7,000人のアマチュアゴルファー、アメリカとヨーロッパから3,500人ずつを集めて対決させたら?

ショットスコープはそれを現実にした。

ハンディキャップ0から30まで、6段階のレベル別にゴルファーを揃え、“アマチュア版ライダーカップ”をデータで検証したのだ!(笑)

いよいよここに、栄えある『第一回アマチュアライダーカップ』が開幕する。

ただし競技内容と結果はプロの舞台とはひと味違う。増えるのはガッツポーズではなく、3パットとロストボールの山。


第1ラウンド:平均飛距離

ゴルフ場の背景に「MATCH 1 P-Average Driver Distance」と表示され、ヨーロッパの平均飛距離230ヤードに対し、アメリカが246ヤードで勝利したことを示すグラフィック。左側にEU旗、右側にアメリカ国旗が薄く重ねられている。

勝者:アメリカ(やっぱり飛ばし屋!)

まずはアメリカの見せ場。平均飛距離は246ヤードで、ヨーロッパの230ヤードを大きく引き離す結果となった。

その差16ヤード──これこそ、アメリカ人ゴルファーがスコア95でも妙に胸を張っていられる理由かもしれない。

データはショットスコープの「パフォーマンス・アベレージ」に基づいており、外れ値は除外済み。

つまり、一度だけ飛んだ320ヤードの豪快ショットは残念ながらノーカウントだ。


第2ラウンド:ショットの正確性

ゴルフ場を背景に「MATCH 2 AVG FIR(Fairways in Regulation)」と表示されたグラフィック。ヨーロッパのフェアウェイキープ率49%が、アメリカの48%を上回り勝利を収めていることが示されている。

勝者:ヨーロッパ(なんてこった)

ここでヨーロッパが反撃開始。フェアウェイをとらえた割合は49%で、アメリカの48%をわずかに上回った。

たった1%差?いやいや、ゴルフの世界ではその1%が勝敗を分ける。

なにせ「今のパットは2フィート11インチ(約89cm)か、3フィート(約91cm)か」で延々と議論できる競技なのだから。


第3ラウンド:ティーショットでのロストボール

ゴルフ場を背景に「MATCH 3 Fewest Lost Balls off the Tee」と表示されたグラフィック。ヨーロッパの平均ロストボール数1.08個が、アメリカの1.62個を下回り勝者となっていることが示されている。

勝者:ヨーロッパ(堅実だね)

ここはアメリカにとって手痛い数字。1ラウンドあたりのロストボールはヨーロッパが1.08個、アメリカは1.62個で、その差は0.54個。

数字だけ見れば小さいが、裏を返せば毎ラウンド約2ドル(約300円)分。二度と戻らない「Pro V1」の“お布施”を払わずに済む計算になる。


第4ラウンド:パーオン率

「MATCH 4 Average GIR(Greens in Regulation)」と表示されたグラフィック。ヨーロッパのパーオン率27%に対し、アメリカは34%で勝利を収めたことが示されている。背景にはゴルフ場と欧州旗・米国旗が重ねられている。

勝者:アメリカ(巻き返した!)

ここでアメリカが反撃。平均パーオン数は1ラウンド6回(34%)と、ヨーロッパの5回(27%)をしっかり上回った。

やはり飛距離のアドバンテージは大きい。短いアイアンで狙えるかどうか、その差がスコアに表れることを証明した一幕だ。


第5ラウンド:50ヤードからのピンまでの距離

「MATCH 5 Average Proximity (ft) from 50 yds」と表示されたグラフィック。ヨーロッパもアメリカも33フィート(約10.1m)で並び、勝敗がつかず引き分けとなったことを示している。背景には秋のゴルフコースと国旗が配置されている。

結果:引き分け(どっちもどっち?)

50ヤードからのショット結果は、アメリカもヨーロッパも平均ピンまで33フィート(約10メートル)つまり互角。

これは両大陸がウェッジの極意を会得したのか、それとも“揃ってイマイチ”なのか。答えは読者に委ねよう。


第6ラウンド:100ヤードからのピンまでの距離

「MATCH 6 Average Proximity (ft) from 100 yds」と表示されたグラフィック。ヨーロッパは51フィート(約15.5m)、アメリカは54フィート(約16.5m)で、ヨーロッパが3フィート(約0.9m)リードして勝利を収めたことを示している。

勝者:ヨーロッパ(微差でも勝利!)

ここはヨーロッパがわずかにリード。平均ピンまでの距離は51フィート(約15.5メートル)で、アメリカの54フィート(約16.5メートル)より約1メートル近かった。

数字だけ見れば大差ではないが、“3フィート縮めた”という事実は大きい。

どうやらヨーロッパ勢のほうが、あの扱いづらい中途半端なウェッジ距離を少しうまくさばけるようだ。


第7ラウンド:寄せワン率

「MATCH 7 Up and Down Likelihood」と表示されたグラフィック。ヨーロッパは寄せワン成功率33%で、アメリカの30%を上回り勝利。ゴルフ場背景に欧州旗と米国旗が重ねられている。

勝者:ヨーロッパ(ショートゲームの妙)

ここもヨーロッパが優勢。寄せワン成功率は33%と、アメリカの30%を上回った。

両チームともグリーンを外す場面が多い中、このショートゲーム力こそが“ボギーで踏みとどまれるか、ダボに転ぶか”を分けるカギとなる。


第8ラウンド:バンカーセーブ率

「MATCH 8 Sand Saves」と表示されたグラフィック。ヨーロッパの17%に対し、アメリカが18%で僅差の勝利を収めたことを示している。背景は秋のゴルフ場と国旗。

勝者:アメリカ(砂場で勝利!)

ここはアメリカが紙一重の勝利。セーブ率18%で、ヨーロッパの17%をわずかに上回った。

実質どちらも“砂遊びは運次第”だが、アメリカとしては「ビーチバレー以外でも砂で勝てる」と胸を張れる結果になった。


第9ラウンド:3パット回避率

「MATCH 9 Average Number of 3+ Putts per Round」と表示されたグラフィック。ヨーロッパは平均2.42回、アメリカは2.38回で、アメリカが僅差で勝利したことが示されている。

勝者:アメリカ(ちょっと進歩!)

ここではアメリカが僅差でリード。1ラウンド平均の3パット数は2.38回で、ヨーロッパの2.42回をわずかに下回った。

つまりアメリカ勢のほうが、ほんの少しだけ“グリーン上で発狂せずに済んでいる”ということ。わずかでも進歩は進歩だ!


第10ラウンド:ショートパット成功率

「MATCH 10 Putting Make% 6ft」と表示されたグラフィック。ヨーロッパのショートパット成功率は54%で、アメリカの51%を上回り勝利。背景にはゴルフ場と両チームの国旗が描かれている。

勝者:ヨーロッパ(決め切った!)

ここはヨーロッパが3%の上積みで勝利。ショートパット成功率は54%と、アメリカの51%を上回った。

マッチプレーではほんのわずかな差が流れを決める。この3%こそ、勝者が笑顔で握手するのか、敗者がパターを池に投げるのか…その分岐点になるのだ。


第11ラウンド:1ラウンドあたりのバーディ数

「MATCH 11 Most Birdies」と表示されたグラフィック。ヨーロッパは平均0.7回、アメリカは0.9回で、アメリカがわずかに上回り勝利したことが示されている。背景にはゴルフ場と両チームの国旗が描かれている。

勝者:アメリカ(ついにバーディ!)

ここはアメリカがリード。1ラウンドあたりのバーディ数は0.9で、ヨーロッパの0.7を上回った。

派手さこそないが、“1ラウンドで1つもバーディが出ないこともある”現実を考えれば、この0.1の差が勝敗を左右する価値ある一打になる。


第12ラウンド:ダブルボギー以上

「MATCH 12 Fewest Doubles or Worse」と表示されたグラフィック。ヨーロッパは1ラウンド平均3.38回、アメリカは4.13回で、ヨーロッパが勝利。大叩きを避ける安定感で差をつけたことを示している。

勝者:ヨーロッパ(大叩きを回避!)

締めくくりはヨーロッパに軍配。平均すると1ラウンドで“大叩き”は3.38回、アメリカは4.13回と明確な差が出た。

つまりヨーロッパ勢の方が、「なんでこんなバカげたゲームを始めたんだ」と嘆きたくなるような壊滅的スコアを避ける術に長けている、というわけだ。


最終結果

ゴルフ場を背景に、左側のヨーロッパ代表の男性が両腕を突き上げて勝利を喜び、右側のUSA代表の男性が悔しそうな表情を浮かべている。中央には「FINAL SCORE」と表示され、ヨーロッパ6.5、USA5.5のスコアでヨーロッパの勝利が示されている。

ショットスコープが行った12カテゴリーのデータ対決は、6.5対5.5でヨーロッパの勝利。アマチュア版ライダーカップも、最後は薄氷の決着となった。

もちろんアメリカ人としては言わせてもらいたい。

「この数字、どこか怪しい。“自由”と“ホットドッグ摂取量”といった“マッチョな強さ”は計算に入ってないだろ?」と。

結末は実際のライダーカップ同様、ぎりぎりまで分からなかった。──これは『ベスページ・ブラック』でも再び大接戦を予感させるのか。

それとも単に、アメリカもヨーロッパも“スコア80を切れないための工夫”においては同じレベルだという証明なのかもしれない。

マッチプレーで勝敗を分けるのは、フェアウェイをキープし、グリーンをとらえ、膝が震えるようなショートパットを沈められるかどうか。

その勝負どころでは、ヨーロッパにやや分があった。

ただしアメリカも負けてはいない。圧倒的な飛距離と、3パットを避ける粘り強さで存在感を示した。


データが語る勝敗の行方

ショットスコープのGPSウォッチやレーザー距離計を使っているなら、あなたのラウンドデータも今回の“世紀のデータ対決”に加わっていたかもしれない。

もしかして、あなたも勝ちチームの一員だった?

では本番、2025年の『ライダーカップ』ベスページ・ブラックはどうなるか。

アマチュアですら互角の戦いを見せたのなら、週末は手に汗握るドラマが待っているはずだ。

あとは願うだけ…ロストボールと3パットが、このアマチュア版より少ないことを。