タイトリスト「Tシリーズ」アイアンの新世代モデルにあわせて、同社は2本のユーティリティアイアンをラインアップに加えた。

「T250 U」と「U505」は、ロングアイアンではカバーしきれない“飛距離の隙間”を埋めるために生まれたモデルだ。

アイアンの構えや打感をそのままに、ハイブリッドのような高弾道と安定した飛距離を両立。アイアン好きゴルファーのバッグに、自然にフィットする存在となっている。


「T250 U」見た目も打感も“T250らしさ”を継承

タイトリスト「T250・U」ユーティリティアイアンのフェース背面。鍛造ボディの美しい仕上げと精密なバックフェースデザインが際立つ。

シンプルに言えば、「T250 U」はその名前が示す通り、「T250」アイアンの設計思想を受け継いだユーティリティアイアン。

『Max Impactコア』テクノロジーを搭載し、トウとヒールに分散配置された大量のタングステンが特徴。これにより、打点のブレに強く、安定した初速と高い直進性を実現している。

さらに「T250 U」では、ヘッドをやや重めに設計し、ホーゼルには.370径(ハイブリッド用シャフト対応)を採用。構えたときの“アイアンらしさ”と打感を保ちながら、より高い寛容性とボール初速を引き出す設計となっている。


タイトリスト「T250・U」ユーティリティアイアンを構えた際の見え方。シャープなトップラインとアイアンらしいフェース形状が特徴。

「T250」の長い番手で十分なボール初速が出ず、ロングアイアン間で約5m/s以上も初速が落ちてしまう──そんなゴルファーにとって、「T250 U」はその悩みを解消してくれる一本になりそうだ。

「T250」の構えやすさとフィーリングをそのままに、ユーティリティならではの「安定性」と「飛距離性能」をプラス。ロングアイアンが苦手なゴルファーでも、より高弾道で安定した「キャリーの飛距離」を得やすい設計となっている。

特に、ロングアイアンになるほどヘッドスピードが落ちる傾向にあり、かといってユーティリティ(ハイブリッド)やフェアウェイウッド(ロフトが立ったモデル)を好まないゴルファーにとっては、理想的な選択肢となる。

「T250 U」は、2番(18度)、3番(20度)、4番(22度)の3種類がラインナップされている。


「U505」進化した“番手別設計”ユーティリティ

タイトリスト「U•505」ユーティリティアイアンのロゴと刻印をアップで撮影。鍛造ボディの質感と精度の高いミーリングが際立つ。

タイトリストのもうひとつのユーティリティアイアン「U505」は、「T350」に近い設計思想をもつモデル。こちらも『Max Impactコア』テクノロジーと大量のタングステンを搭載し、「やさしさ」と「初速性能」を両立した設計になっている。

今回の「U505」で特に注目したいのが、ロフト別にヘッド形状を変える“番手別設計”を採用している点だ。

これまでのモデルはすべての番手で同じ形状だったが、新作では番手ごとにヘッド形状を最適化している。

ロフト角の小さい1番・2番は、ソール幅を広めに設計しており、ボールを高く打ち出すのに効果的。

一方、3番・4番は、よりコンパクトな形状へと移行し、「T250 U」に近いプロファイルに仕上げられている。


タイトリスト「U•505」ユーティリティアイアンのバックフェース。フェース下部の「FORGED」刻印と高精度な削り出しが特徴。

「これまでの『U505』は、すべての番手で同じヘッド形状を採用していたため、たとえば4番アイアンでも“やや幅広のソール”がそのまま使われていたんだ」と語るのは、タイトリストのアイアン開発責任者マーニ・アイネス。

「しかし、今回の番手別設計によって、3番や4番はより多くのゴルファーにとって構えやすく、見た目もすっきりとした仕上がりになった」

言い換えれば、今回の「U505」ではロフトの大きい番手を構えたときに、ソール後方が“余分に見える”ようなことはなくなったということだ。

それは、見た目と構えの安心感を重視するゴルファーにとってもうれしい改良点と言えるだろう。


タイトリスト「U•505」ユーティリティアイアンをアドレスした際のヘッド形状。厚みのあるトップラインと安心感ある見た目が印象的。

この“番手別設計”は、ユーティリティアイアンが長年抱えてきた課題へのひとつの解答でもある。

すべての番手で構えやすさと見た目のバランスを保ちながら、求められる弾道性能を実現する──その両立を追求した結果が「U505」だ。

「U505」のロフト展開は、は、1番(16度)、2番(18度)、3番(20度)、4番(22度)の4モデルがラインナップされている。


スペック詳細 | 見た目も打感も妥協しない、つなぎの一本に

「T250 U」と「U505」には、標準シャフトとして「Project X HZRDUS Black 5G」の80gと90gが採用されている。

さらにプレミアムシャフトとして、「Graphite Design Tour AD-DI」と「AD-VF」も選択可能。とくに「AD-VF」は、PGAツアーで最も使用率の高いハイブリッド用カーボンシャフトとしても知られている。

また、両モデルともシャフト径は.370チップ仕様に統一。これにより、従来のようにテーパーチップシャフトを加工して装着する必要がなくなり、クラブフィッターにとっても扱いやすい構造になっている。

最長アイアンと最短フェアウェイウッドの間をどう埋めるか。その課題に対して、タイトリストの新しいユーティリティ2モデルは、見た目も打感も犠牲にせず、高いパフォーマンスで応えてくれる。

(もっとも……7番ウッドを試してみるのも、悪くないかもしれない。選択肢のひとつとして心に留め置いてもらいたい。)


タイトリスト「T250・U」と「U•505」ユーティリティアイアンを並べた比較画像。バックフェースの形状と仕上げの違いが分かる構図。

発売日・価格情報

タイトリスト「U・505 ユーティリティアイアン」・「T250 ユーティリティアイアン」の詳細は、タイトリストホームページより。現在発売中。


(※下記はアメリカの情報)

新しい「T250 U」と「U505」ユーティリティアイアンは、7月10日よりフィッティング開始、8月21日から一般販売がスタートする予定だ。

価格は、標準シャフト装着モデルで税込278ドル、グラファイトデザイン製シャフトを選択した場合は379ドルとなっている。

詳細は、Titleist.comをチェックしてほしい。


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