トッププレーヤーがクラブを替えると聞くと、多くの場合「飛距離」や「打感」を追い求めた結果だと考えがちだ。

だが、近年はそれとは少し違う、より実用的な傾向がはっきりと見えてきている。

それが「扱いやすさ」と「寛容性」だ。
世界のトッププレーヤーでさえ、いまやこの2つを重視するようになっている。

だからこそ、ロリー・マキロイの最近のアイアン変更は、より注意深く見ていく価値がある。

そしてその理由は、MyGolfSpyが実施した2025年『競技志向者(上級者向け)アイアンテスト』の結果とも、明確に一致している。


ロリー・マキロイのクラブ構成は、どう変わったのか

長年、ロリー・マキロイはカスタムのプロトタイプ・アイアンを使い続けてきた。
だが今回、そのセッティングに大きな変化があった。

彼が選んだのは、テーラーメイドの市販モデル「P·7CB」アイアン。
ツアー専用ではなく、一般のアマチュアゴルファーも手にできるモデルだ。

変更はアイアンだけにとどまらない。

ドライバーは「Qi4D」へ、
フェアウェイウッドも同じく「Qi4D」シリーズに刷新されている。

つまり今回の変更は、
単なるアイアン交換ではなく、クラブ全体の方向性を揃える動きでもある。


ロリー・マキロイは、なぜアイアンを替えたのか

だが、マキロイが今回アイアンを替えた理由は、もっと現実的でシビアなものだった。

“わずかなミスが、想定以上の飛距離ロスにつながっていた”
その事実だ。

ドバイ・インビテーショナル初日の記者会見で、彼はこう説明している。

「助けになるなら、迷わず取り入れるよ。前から考えていたことだ。
去年の終わり、ドバイで5番アイアンを少しだけミスしたショットがあった。
5〜7ヤードのショートならまだしも、10〜15ヤードも足りなくなっていたんだ」

この差は小さくない。

5ヤードのミスと15ヤードのミスでは、グリーンを狙えるかどうかが変わるし、ピンに対してどれだけ攻められるかも大きく変わる。

つまり問題は、ミスそのものではなく、ミスの“代償”だった。

マキロイは、テストの経緯についてもこう語っている。

「それでテーラーメイドに頼んでセットを組んでもらって、オーストラリアにも持って行った。
硬い芝の上では、ブレードより明らかに芝の抜けが良かった。それ以来、家でもずっとこれで練習しているよ」


トーナメント中、パッティング前に低い姿勢でラインを確認するロリー・マキロイ。集中力の高さが伝わるグリーン上のワンシーン。

アマチュアテストが示したもの

マキロイのコメントは、MyGolfSpyが実施した2025年『競技志向(上級者向け)アイアンテスト』の結果とも重なっている。

このテストで重視したのは、単純な「飛距離」ではない。

評価軸は一貫性──
つまり、どれだけ同じ結果を繰り返せるかだ。

低ハンディキャップのアマチュアゴルファーによる21,000球以上のショットデータをもとに、「P·7CB」は以下の点で明確な強みを示している。

・キャリーの飛距離差が小さい
・スピン量が安定している
・弾道のばらつきが抑えられている

突出した飛距離を叩き出すタイプではない。

だがその代わり、わずかなミスヒットでも飛距離ロスが最小限に抑えられ、結果が読みやすい。

まさに、マキロイ自身が問題視していた点と一致している。


作業台の上に並べられた複数メーカーの最新アイアンヘッド。設計図や測定器具とともに撮影された、クラブ開発工程を象徴するシーン。

最後に

ロリー・マキロイのアイアン変更が示しているのは、
「完璧なショット」ではなく、「ミスの幅」をどう管理するかという発想だ。

ほんの少し芯を外したとき、
5ヤードで済むのか、15ヤードまで広がるのか。
その差は、スコアにも攻め方にも確実に影響する。

もし今も、小さなミスが大きな結果の差になっていると感じているなら、それはスイングだけでなく、クラブ側の問題かもしれない。

MyGolfSpyの2025年『競技志向(上級者向け)アイアンテスト』では、正確性と一貫性という観点から、
・スリクソン「ZXi7」
・Toura「SCB-1」
・Orka「RS10 CB」
といったモデルが、安定した結果を示している。

飛ばすためのアイアンではない。
だが、結果を読みやすくするアイアンは、確かに存在する。

すべてのモデルの「正確性」「飛距離」「寛容性」を含む詳細なデータは、2025年『競技志向(上級者向け)アイアンテスト』で確認してほしい。