ボールのグループ分け方法🔍
テスト対象のボールは、基準ボールを加えたうえで6つのグループに分け、各グループは6~9個のボールで構成された。グループ分けは、できる限りボールの構造や性能特性を基準に行っている。
テストの流れ📈
各ボールで3〜4球を打ち、その後に同じグループ内の次のモデルへ移行。順番を変えずにこのローテーションを何度も繰り返し、全ショットを打ち終えた時点で次のグループに進む。
ドライバーとアイアンの検証では、「トラックマン(Trackman)」のローンチモニターでデータを計測。
さらに「GCクワッド(GCQuad)」も併用し、ロボットの動作ブレや環境の変化をチェックすることで、テスト全体を通じて計測環境の一貫性を保った。
異常値の扱い
最終のデータ処理の前に、「1.5IQRルール」で「外れ値」を取り除いた。ドライバーとアイアンはキャリーの飛距離と左右のブレを基準に、35ヤードのウェッジテストは打ち出し角とスピン量を基準に外れ値を判定している。
結果
基準ボールは、データの基準となる値を設定するために使用。各指標は、同じグループ内の基準ボール(Pro V1)と比較したときのパーセンテージ差から算出している。
🎯重要結果
1. タイトリスト「Pro V1x Left Dash」に真のライバル出現
これまでのテストでは、タイトリスト「プロV1x レフトダッシュ(Pro V1x Left Dash)」は、まさに別次元の存在だった。特に高ヘッドスピードのドライバーテストでは、このモデルに迫った競合はほんのわずかしかなかった。
しかし今年のテストでは、「レフトダッシュ」に肩を並べる「ボール初速」と「飛距離」を記録するモデルがいくつも登場した。
「レフトダッシュ(Left Dash)」は今なお“飛距離性能においてトップクラスのボール”として存在感を放っている。
しかし今回のテストで、100コンプレッション超え(およびそれに迫る数値)のモデルが増えてきたことは、ボールメーカーが“飛距離を最優先にするツアーボール”を望むゴルファーがいて(そしてそれが彼らに恩恵をもたらしている)──その事実に気づき始めている証拠だ。
2. 前回からの変化は絶大
新モデルの登場は、単にネーミングやスタンプが新しくなっているだけじゃなく、そこにはしばしば、性能面での進化が伴っている。
実際のデータと見た目からも、ブリヂストンのボールは全体的に大きく進化しており、カークランド「Performance+」は、まったく別物という感じで、マックスフライ「Tour X」は過去最高といえる仕上がりになっている。
また、テーラーメイドも大きな一歩を踏み出したが、まだ改善の余地は残されている。一方でミズノは、わずかに後退した印象を受ける。
3. 50ドルを払わなくても良いボールは手に入る
今までも直販メーカーやプライベートブランドのボールのコスパについて触れてきた。実際、マックスフライの「Tour S」はニッチな商品かも知れないが、「Tour」は「Tour X」同様に優れたボールだった。
また、PXGのボールは今回も完成度が高く、Viceも相変わらず安定したパフォーマンスを発揮している。
コストコは以前の「Performance+」で見られた過剰なスピンを改善しすぎた感はあるが、今回のモデルはこれまでで最高の3ピースボールと言える。しかも価格が1ダース20ドル以下なわけで、このコストパフォーマンスに文句のつけようはない。
4. アイオノマーボールは悪くないけど限界がある
今回は、これまで以上に低価格帯のアイオノマー系モデルをたくさんテストした。
そして、ドライバーやアイアンの「飛距離」、「スピン量」、「弾道」が驚くほど良い結果になることもあった。中でもタイトリスト「Tour Soft」は、いい意味で期待を裏切る存在だった。
一方で、グリーン周りのパフォーマンスに関しては悪いニュースもある。トップクラスのパフォーマンスを見せたアイオノマーボールですら、スピン量が不十分なのだ。
総合的な性能を求めているなら、今回テストしたアイオノマー系ボールはどれも不十分と言わざるを得ない。
5. 最大のパフォーマンス差は思ってもないところにある
ドライバーでの性能がボールごとに同じだとは言えないものの、アイアンと比べればその差はごくわずかだ。
それでも意外に思うかもしれないが、実はボールによる最大の違いはグリーン周りの短いショットで最も顕著に現れる。
高ヘッドスピードのアイアンテストでは、「打ち出し角の差」は上下1度未満、「スピン量」も最大で1,800rpm程度の差に収まり大きな違いは確認できなかった。
一方で35ヤードのウェッジショットでは、「打ち出し角の差」がおよそ7度、「スピン量」に至っては最大と最小で4,000rpm近い開きがあった。
6. ボール初速アップにお金はかからない
欲しい弾道やスピンを得るために、「ボール初速」を犠牲にする必要はない。もし“極端にソフトな打感”を好むのでなければ、初速を落とさずに求める性能を手に入れられる。
ほとんどの状況下で平均を上回るボール初速を示したモデルを見てみると、弾道とスピン特性のさまざまな組み合わせを見出すことができた。
7. 気にするべきは「打ち出し角」ではなく「弾道」
昨年も触れたテーマだが、ここで改めて強調しておきたい。これまでゴルファーは、クラブ性能を「ボール初速」、「打ち出し角」、「スピン量」、そして「飛距離」で判断することが当たり前になっている。
しかしゴルフボールに関して言えば、「打ち出し角」だけを切り取って見ても、その性能は語れない。
多くの場合、ボールごとの「打ち出し角の差」は極わずかだ。「打ち出し角」、「高さ(最高到達点)」、「最高到達点までの距離」(その到達点が何ヤード先か)、そして」「落下角度」といったボールの「弾道全体」を考慮すると大きな差が現れる。
注目すべきは、「ボールの弾道が“低くてフラット”なのか?“高くてフラット”なのか?あるいは“まっすぐ上がって、まっすぐ落ちる”のか?」という点だ。
要するに、ゴルフボールの「弾道」は想像以上に複雑だ。単純化は常にリスクを伴うが、見るべきは「打ち出し角」ではなく「最高到達点」だろう。
その他に知っておくべきこと💡
ここでは、このレポートをより深く理解できるように補足事項をいくつか紹介する。
「ソフト」なゴルフボールとは何なのか?
以下のパフォーマンスセクションでは、「ソフト」や「ややソフト」といった表現が登場する。だが、ゴルフ用品界全般に言えるように、ゴルフボールの「ソフト」を定義する普遍的な基準は存在しない。
実際のところ、「ソフトな打感」とされるボールでも、コンプレッション(硬度)が50未満から100まで幅広い。
そこで今回のレポートでは、コンプレッションが“70台半ば以下”のものを「ソフト」、“80台前半”のものを「ややソフト」と分類した。
だが、市場で最もソフトなボール(コンプレッション60未満)の多くは、2ピース構造のアイオノマーボールだ。これは、非常にソフトなコアを採用することで、硬いアイオノマーカバーでは得られにくい“柔らかい打感”を補っているためである。
ロボットの設定は重要❗
今回のテストパラメータは、各グループの平均的ゴルファーによる「打ち出し角」と「スピン量」に合わせて調整されている。
また「飛距離」は、「ボール初速」、「弾道」、「スピン量」、「キャリーの飛距離」、「トータル飛距離」によって決まるため、実際にはゴルファーごとの生み出す「弾道」や「スピン量」によって数値は多少変動する。
ただし、「ボール初速」、「打ち出し角」、「スピン量」の関係は大きく変わらず(あるゴルファーにとってスピン量が多いボールは他のゴルファーとっても多い)、今回の結果は、あくまで特定のロボット設定下で得られたものであることを理解しておく必要がある。
バウンスと転がりは常に数式
トラックマンやフォーサイト、あるいは全く異なる他のアルゴリズムであっても、“トータル飛距離”の数値は実際の地面の状況を標準化するため、数式による補正が行われている。
今回のテストでは、ドライバーの「トータル飛距離」をUSGAの『バウンス&ロール・アルゴリズム』に基づいて算出。一方で、アイアンとウェッジにおいては、それぞれトラックマン(アイアン)とフォーサイト(ウェッジ)が提供する「トータル飛距離」データを採用した。
ゴルフボールのパフォーマンスは相対的
最後に付け加えておきたいのは、多くのメーカーが自社製品の性能を“自社内の比較”で語っているという点だ。
つまり、あるメーカーが「高弾道・低スピン」と説明しているボールでも、市場全体で見れば「中弾道・中スピン」に位置づけられることがある。同様に、ここで示す弾道やスピンに関する解説も、このテストに参加した他のボールとの相対比較に基づいている。
厳選されたボールについて
今回のテストでは、各ヘッドスピードのグループごとにボールを選定し、「高スピン」「中スピン」「低スピン」の3カテゴリーに分類した。本文中に記載はないが、ほとんどの場合、各リストには「高弾道」、「中弾道」、「低弾道」のボールが(この順で)含まれている。
一方、ドライバーでは「高スピン・高弾道」のボールが、アイアンでは「中スピン・中弾道」と評価されることもあり、必ずしも同じカテゴリーに収まるわけではない。
重要なのは、各カテゴリーでできる限り多くの性能オプションを示しているということにある。
また、異常な飛びを見せたモデル(環境要因では説明できないほど大きく曲がったり、明らかに他のサンプルとは違う弾道になったボール)は選考対象から除外した。
さらに、各カテゴリーには「お買い得」モデルとイオノマーボールの厳選品も含めている。
なお、リストはトップ3に絞ってあるが、実際には追加した方が良いようなモデルは多数あったことは伝えておきたい。
👉「高ヘッドスピード部門」の結果
厳選ボール(高ヘッドスピード)
我々が『MGS厳選ボール』を決める上で重視したのは、「ボール初速」、「弾道」、「スピン量」、「飛距離」といった主要パフォーマンス指標だ。
以下に挙げた「高ヘッドスピード向け」のおすすめボールは、ドライバーとアイアン両方の性能を組み合わせて導き出された結果となっている。
低スピン: ミズノ「Pro S」、タイトリスト「Pro V1x Left Dash」、Vice「Pro Plus」
中スピン: タイトリスト「Pro V1」、キャロウェイ「Chrome Tour◆◆◆」、タイトリスト「Pro V1x」
高スピン: ブリヂストン「TOUR B XS」、スリクソン「Z-STAR DIAMOND」、ウィルソン「Staff Model X」
お買い得: カークランド「Performance+ v3.5」
アイオノマー: スリクソン「Q-STAR ULTISPEED」
「高ヘッドスピード:ドライバー」
テスト項目
テスト平均(全ボール)
使用ドライバー:PXG「Black Ops Tour-1」
ボール初速:74.2 m/s
ヘッドスピード:51.9 m/s
トータル飛距離:319.46 yd
設定した“基準”打ち出し角:10.5°
実測打ち出し角:9.76°
設定した“基準”スピン量:2,500 rpm
実測スピン量:2,641 rpm
トータル飛距離
📌ポイント
• 今回のテスト条件下で最も飛距離を稼いだのは、キャロウェイ「Chrome Tour ♦♦♦」、PXG「Xtreme Tour」、ブリヂストン「TOUR B X」だった。
• タイトリスト「Pro V1x Left Dash」は依然として飛距離性能の高いボールの一つだが、もはやトップの座ではない。
• アイオノマーカバーボールの中では、タイトリスト「Tour Soft」が最も飛距離を伸ばした。
• 「飛距離」と「高スピン量」の両立を求める高ヘッドスピードゴルファーには、スリクソン「Z-STAR DIAMOND」とブリヂストン「TOUR B X」がおすすめだ。
• 「高弾道」という点では、スリクソン「Z-STAR DIAMOND」が改めて際立ち、さらにコストコのカークランド「Performance+ V3.5」やスリクソン「Z-STAR XV」も好結果を残した。
• 一方、よりフラットな弾道で「飛距離」を最大化したいなら、キャロウェイ「Chrome Tour ♦♦♦」とタイトリスト「Pro V1x」が「低弾道」で飛ぶボールとして注目に値する。
ボール初速
📌ポイント
• ご想像の通り、最も飛ぶボールは「ボール初速」が速いことが多い。とはいえ、一部モデルは「打ち出し角」と「スピン量」の組み合わせによって順位を上げており、特定のゴルファーにとって飛距離アップの可能性を示している。
• 「初速チャート」のトップに立ったのは、マックスフライ「Tour X」、キャロウェイ「Chrome Tour ♦♦♦」、ミズノ「Pro X」。当然ながら、いずれも高コンプレッション(硬めの打感で高ヘッドスピード向け)モデルとなっている。
• 大きなサプライズが少ない中で、タイトリスト「Tour Soft」は例外かもしれない。我々の計測ではコンプレッション値が88で、「Pro V1」とほぼ同等の硬さを示している点は注目に値する。(コンプレッション値80台前半で「ややソフト」の区分けでいうと「やや硬め」。商品名と実際のスペックは異なる例。)
• 以前から繰り返し述べているように「ソフト=初速が遅い」。そのため、低コンプレッション(柔らかめの打感)モデルが「初速チャート」の上位に入ることはない。
スピン
ドライバーに関しては、低スピンのほうがストレートショットにつながりやすく、有利になることがある。そのため「低コンプレッションボール」が、より「寛容性が高い」と表現される。
📌ポイント
• 高ヘッドスピードのドライバーテストで最も「高スピン」だったのは、スリクソン「Z-STAR DIAMOND」と「Z-STAR」の2モデル。ブリヂストン「TOUR B X」とウィルソン「Staff Model X」もそれに続いた。
• 以前のコストコ「Kirkland Performance+」は“スピン過多”との評価が定着していたが、新モデルはスピン量が中程度に収まった点が注目に値する。
• 「低スピン」だったのは基本的にアイオノマーボール。ただし例外もあり、マックスフライ「Tour S」とテーラーメイド「TP5x」といった一部のウレタンボールも比較的低スピンを示した。
モデル名
ボール初速(m/s)
打ち出し角(°)
スピン軸(°)
スピン量(rpm)
最高到達点(m)
落下角度(°)
キャリーの飛距離(yd)
トータル飛距離(yd)
Srixon Z-STAR
74.1
9.64
-2.41
2,944
26.7
32.60
288.99
316.27
Srixon Z-STAR DIVIDE
74.2
10.14
-2.88
2,737
27.2
32.10
289.98
317.43
Member's Mark Pro Series 2
74.7
9.75
0.74
2,791
26.9
31.54
293.43
322.20
Wilson Staff Model X
75.1
9.65
-1.33
2,873
26.0
31.53
290.48
317.73
TaylorMade TP5
73.9
9.51
-3.25
2,720
26.5
31.51
284.48
310.66
Srixon Z-STAR DIAMOND
74.7
9.80
-1.46
2,958
26.2
31.25
291.96
322.25
Vice Pro Plus
74.4
9.73
1.19
2,786
25.9
30.96
288.00
319.30
Srixon Z-STAR XV
74.9
9.61
-1.14
2,766
25.7
30.71
292.41
324.09
Wilson Staff Model
74.8
9.84
-1.24
2,749
25.5
30.66
290.97
321.60
Titleist Pro V1x
75.0
9.58
-0.35
2,680
25.0
30.55
290.45
320.09
TaylorMade TP5X
74.4
9.81
-2.04
2,524
24.7
30.21
284.51
313.08
Kirkland Performance+ v3.5
74.5
10.05
-3.1
2,658
25.5
30.19
291.96
322.72
Srixon Q-STAR TOUR
73.3
9.93
-2.59
2,627
24.6
29.81
285.49
316.59
Bridgestone TOUR BX
74.5
9.63
-1.49
2,892
25.1
29.81
291.96
324.83
Bridgestone TOUR B XS
74.1
9.36
-1.16
2,844
24.8
29.70
291.97
320.99
Callaway Chrome Soft
73.7
9.79
-2.76
2,633
24.3
29.58
284.99
318.58
Maxfli Tour X
75.2
9.60
0.27
2,565
24.7
29.58
289.96
320.15
PXG Xtreme Tour X
74.8
9.74
-3.16
2,669
24.5
29.48
288.00
320.27
Titleist Tour Soft
74.7
9.75
-4.49
2,735
24.6
29.47
290.99
324.26
Bridgestone TOUR B RX
74.0
9.67
-3.27
2,673
23.6
29.19
284.48
315.83
Wilson Triad
73.8
9.62
-0.52
2,711
23.5
29.17
281.44
314.85
Vice Pro Air
73.2
9.76
0.57
2,541
23.8
29.05
282.96
315.19
Vice Pro
74.0
9.57
0.23
2,684
23.8
28.96
288.00
320.13
Maxfli Tour
74.4
9.44
-1.83
2,676
23.8
28.91
288.00
319.91
Titleist Velocity
74.5
9.95
-4.12
2,442
24.0
28.70
288.50
321.75
Callaway Chrome Tour
74.4
9.65
2.63
2,727
23.8
28.68
289.99
320.47
TaylorMade Tour Response
73.6
9.73
-3.02
2,407
23.9
28.68
289.49
324.11
Titleist Pro V1x Left Dash
75.1
9.73
-0.94
2,572
24.1
28.58
288.99
322.00
Bridgestone TOUR B RXS
73.2
9.73
0.22
2,549
22.9
28.57
281.44
313.99
Titleist Pro V1
74.8
9.75
-3.21
2,643
23.7
28.50
287.00
320.92
Mizuno Pro S
74.2
9.83
-1.67
2,696
23.8
28.47
288.50
321.09
Callaway Chrome Tour ♦♦♦
75.2
9.78
-2.64
2,630
24.1
28.45
292.45
327.96
Callaway Chrome Tour X
74.8
9.53
-1.41
2,834
23.3
28.16
287.50
321.55
Mizuno Pro X
75.1
9.55
-2.77
2,698
23.2
28.04
287.00
320.66
Callaway ERC Soft
74.1
9.93
-3.38
2,392
23.4
27.97
287.50
321.20
Titleist AVX
74.2
9.66
-1.56
2,708
22.7
27.71
283.98
319.58
Maxfli Tour S
73.7
9.84
-1.59
2,457
22.8
27.70
283.47
319.64
PXG Xtreme Tour
74.7
9.42
-3.2
2,587
23.2
27.69
290.98
325.30
Srixon Q-STAR ULTISPEED
74.2
9.91
-3.44
2,390
22.8
27.66
283.46
319.22
TaylorMade SpeedSoft
72.6
10.23
-0.45
2,345
22.9
27.64
281.42
316.58
Titleist TruFeel
73.8
9.97
-3.29
2,453
22.3
27.47
281.93
315.40
Pinnacle Rush
74.0
9.82
-4.29
2,486
21.4
26.48
276.77
314.53
Callaway Supersoft
72.9
10.29
-3.19
2,115
21.4
26.34
274.68
312.69
Srixon SOFT FEEL
72.9
10.0
-3.37
2,305
20.8
25.44
272.04
313.14
「高ヘッドスピード:アイアン」
テスト項目
テスト平均(全ボール)
使用クラブ:PXG「0317ST」
ボール初速:56.8 m/s
ヘッドスピード:40.2 m/s
トータル飛距離:191.05 yd
設定した“基準”打ち出し角:17°
実測打ち出し角:12.44°
設定した“基準”スピン量:6,500 rpm
実測スピン量:6,498 rpm
トータル飛距離
📌ポイント
• アイアン部門では、高ヘッドスピードのテストでも「高コンプレッションボール」はやや飛距離が落ち、中コンプレッションや一部の「低コンプレッションボール」のほうが飛ぶケースがあった。
• 今回のテストで最も飛距離を伸ばしたのは、テーラーメイド「Tour Response」、ブリヂストン「TOUR B RXS」、マックスフライ「Tour S」だった。
• 注目すべきは、ドライバーで飛距離上位を記録した(キャロウェイ「Chrome Tour ♦♦♦」、ウィルソン「Staff Model X」、マックスフライ「Tour」)のいくつかが、アイアンの総飛距離では下位に沈んだ点だ。ただし、どんなボールを選ぶにしても、アイアンの飛びすぎは必ずしもプラスにはならない。
• 硬めのモデルで飛距離性能を発揮したのはPXG「Xtreme Tour」、Vice「Pro」、スリクソン「Z-STAR XV」。
• 高弾道で優れた飛距離性能を示したのは、 PXG「Xtreme Tour」、Vice「Pro」、ブリヂストン「TOUR B RX」。
• 飛距離を度外視しても弾道が高かったのは、ウィルソン「Staff Model」、マックスフライ「Tour」、テーラーメイド「TP5x」。
• 一方、よりフラットで低弾道なのはウレタン系だとブリヂストン「TOUR B XS」とミズノ「Tour S」。
• そして、コストを抑えつつアイアンの飛距離を求めるなら、ピナクル「Rush」やスリクソン「SOFT FEEL」を検討すべき。
ボール初速
📌ポイント
• 今回のテスト条件下で「ボール初速」トップ13の差は、わずか約0.22 m/s以内だった。
• 最速ボールの多くは「高コンプレッションモデル」に集中したが、ややソフトなアイオノマーボールも含まれていた。
• 「ソフトウレタンボール」でアイアンの初速を求めるなら、テーラーメイド「Tour Response」が有力だ。同カテゴリーの中でも頭ひとつ抜けていた。
• また、スリクソン「Q-STAR ULTISPEED」やタイトリスト「Tour Soft」といったアイオノマーモデルも、十分な初速を記録した。
スピン
📌ポイント
• 今回のテスト条件下で「高スピン」ボールとなったのは、スリクソン「Z-STAR DIAMOND」、キャロウェイ「Chrome Tour X」、そして意外にもタイトリスト「Velocity」だった。
• 予想通り、「低コンプレッション(ソフト)」ボールはスピンチャート下位に位置し、ブリヂストン「TOUR B RXS」、キャロウェイ「Supersoft」、Vice「Pro Air」は高ヘッドスピード環境で最も「低スピン」となった。
• 一方、硬めのボールでスピン量が少なかったのは、ミズノ「Pro S」、テーラーメイド「TP5x」、Vice「Pro」とだった。
モデル名
ボール初速(m/s)
打ち出し角(°)
スピン軸(°)
スピン量(rpm)
最高到達点(m)
落下角度(°)
キャリーの飛距離(yd)
トータル飛距離(yd)
Maxfli Tour X
57.1
16.95
1.63
6,601
30.6
48.50
185.68
193.86
Srixon Q-STAR ULTISPEED
57.0
16.67
1.61
6,813
32.8
48.12
183.77
191.07
PXG Xtreme Tour X
57.0
16.89
1.66
6,818
32.4
46.95
185.72
193.19
Callaway Chrome Tour ♦♦♦
57.0
16.83
1.45
6,777
30.7
48.77
180.11
184.97
Callaway Chrome Tour X
56.9
16.66
0.71
7,118
32.2
47.60
184.89
191.04
PXG Xtreme Tour
56.9
17.13
1.71
6,481
33.5
49.04
185.84
194.49
Wilson Staff Model X
56.9
16.68
1.59
7,090
33.0
48.78
181.69
186.82
Srixon Z-STAR XV
56.9
16.97
1.28
6,602
32.6
47.58
186.52
194.67
Maxfli Tour
56.9
17.00
0.59
6,496
33.7
50.07
179.68
186.11
Callaway ERC Soft
56.9
17.49
1.48
6,021
33.6
48.05
186.07
194.53
Titleist Pro V1
56.9
17.00
1.11
6,626
32.9
48.23
183.89
190.91
Titleist Tour Soft
56.8
16.51
1.58
6,741
31.8
48.01
181.60
187.65
Callaway Chrome Tour
56.8
17.14
1.01
6,343
30.8
48.83
185.52
192.96
TaylorMade Tour Response
56.8
17.49
1.54
5,968
32.8
46.73
192.28
202.76
Titleist Pro V1x
56.8
16.87
1.50
6,728
32.5
47.90
181.43
189.30
Wilson Staff Model
56.8
16.93
1.79
6,513
34.1
50.47
179.40
184.38
Titleist AVX
56.8
17.09
1.53
6,417
32.9
48.35
185.42
193.56
Bridgestone TOUR B XS
56.8
16.70
1.19
6,781
31.9
47.73
183.29
190.68
Titleist Velocity
56.8
16.55
1.81
7,104
31.9
47.99
181.11
188.11
Bridgestone TOUR BX
56.7
16.87
1.75
6,655
32.2
47.26
184.05
190.35
Callaway Supersoft
56.7
17.37
1.62
5,848
30.5
48.16
183.48
191.12
Srixon Z-STAR DIAMOND
56.7
16.50
1.63
7,151
32.2
47.96
179.68
184.50
Titleist TruFeel
56.7
17.28
1.99
6,507
32.3
47.18
185.94
194.08
Mizuno Pro X
56.7
17.05
1.74
6,613
32.7
48.01
184.74
192.86
TaylorMade TP5
56.7
17.20
2.11
6,332
30.7
40.43
182.35
190.91
Vice Pro
56.7
17.20
0.81
6,296
32.8
48.09
185.43
194.74
Vice Pro Plus
56.7
17.02
1.87
6,664
33.1
48.42
183.36
189.79
Callaway Chrome Soft
56.7
17.17
1.52
6,410
32.3
46.71
188.18
197.70
Titleist Pro V1x Left Dash
56.6
17.07
1.54
6,465
32.2
46.66
184.27
191.67
TaylorMade TP5x
56.6
17.47
1.38
6,200
33.5
48.15
184.97
192.41
Maxfli Tour S
56.6
17.43
1.79
6,000
32.4
46.59
190.03
199.30
Bridgestone TOUR B RXS
56.6
17.28
1.61
5,433
32.5
46.73
189.30
198.45
Wilson Triad
56.6
16.95
1.62
6,400
32.5
48.18
182.80
190.79
Srixon Z-STAR DIVIDE
56.6
16.93
1.90
6,636
33.3
50.20
176.42
180.89
Bridgestone TOUR B RX
56.6
17.22
1.47
6,008
32.7
47.71
189.53
198.69
Kirkland Performance+ v3.5
56.6
16.70
0.76
6,817
32.3
48.28
181.76
189.36
Srixon Z-STAR
56.6
16.84
1.19
6,680
32.9
49.28
181.26
188.10
Srixon Q-STAR TOUR
56.5
17.24
1.77
6,261
32.1
47.11
184.91
192.75
Pinnacle Rush
56.5
16.96
1.92
6,762
31.4
46.75
184.87
192.75
Member's Mark Pro Series 2
56.5
16.98
1.86
6,401
32.6
48.44
180.85
188.26
TaylorMade SpeedSoft
56.5
17.03
1.23
6,497
32.2
47.52
182.82
190.91
Mizuno Pro S
56.4
17.40
1.80
6,134
32.2
47.20
187.45
196.60
Srixon SOFT FEEL
56.4
17.33
1.56
6,288
31.8
46.48
186.80
195.02
Vice Pro Air
56.4
17.56
1.26
5,949
32.5
47.14
185.04
192.67
👉「中ヘッドスピード部門」の結果
厳選ボール(中ヘッドスピード)
ボールを選ぶにあたっては、「ボール初速」、「弾道」、「スピン量」、「飛距離」といった主要パフォーマンス指標を考慮した。「中ヘッドスピード部門」のおすすめボールは、ドライバーとアイアン両方の性能を組み合わせて判断している。
低スピン: テーラーメイド「Tour Response」、タイトリスト「Pro V1x Left Dash」、マックスフライ「Tour X」
中スピン: タイトリスト「Pro V1」、PXG「Xtreme Tour X」、Vice「Pro」
高スピン: スリクソン「Z-STAR DIAMOND」、キャロウェイ「Chrome Tour X」、タイトリスト「Pro V1x」
お買い得: カークランド「Performance+ v3.5」
アイオノマー: タイトリスト「Tour Soft」
「中ヘッドスピード:ドライバー」
テスト項目
テスト平均(全ボール)
使用ドライバー:PXG「Black Ops」
ボール初速:66.6 m/s
ヘッドスピード:45.6 m/s
トータル飛距離:282.79 yd
設定した“基準”打ち出し角:13°
実測打ち出し角:12.25°
設定した“基準”スピン量:2,600 rpm
実測スピン量:2,441 rpm
トータル飛距離
📌ポイント
• こちらもドライバーの飛距離ランキング上位は硬めのボールが占めた。
• マックスフライ「Tour X」 がトップ、続いてスリクソン「Z-STAR XV」、キャロウェイ「Chrome Tour X」が続いた。
• ソフトボールの選択肢を求めるなら、キャロウェイ「ERC Soft」、ブリヂストン「TOUR B RX」、そしてウィルソン「Triad」が候補。これらは、市場で最もソフトな部類ではないが、飛距離上位のものよりはソフト寄り。ただし飛距離では中位にとどまった。
• スリクソン「Z-STAR XV」、「Z-STAR DIAMOND」、そして特にキャロウェイ「Chrome Tour X」はスピン量が多いものの優れた飛距離を実現。一方、マックスフライ「Tour X」やPXG「Xtreme Tour X」は「低スピン」で突出した飛距離を記録した。
• 今回のテスト条件において中ヘッドスピードで最も飛んだボールは基本的に弾道が高い。
• 一方で、ソフト系(ブリヂストン「TOUR B RX」、ウィルソン「Triad」)の一部は弾道が低く、トータル飛距離の多くをランに依存していた。
• 飛距離を問わず、最も弾道が高かったのはテーラーメイド「TP5」、「TP5x」。
• 逆に、最も弾道が低かったのはアイオノマーカバーのキャロウェイ「Supersoft」、スリクソン「SOFT FEEL」、そしてピナクル「Rush」だった。
• 低弾道ウレタンモデルは、ブリヂストン「TOUR B RXS」、テーラーメイド「Tour Response」、そしてウィルソン「Triad」が含まれる。
ボール初速
📌ポイント
• 中ヘッドスピードでも最速ボールのリストはほぼすべて硬めのモデルで占めていた。
• 10位のタイトリスト「Pro V1」まで、全て「コンプレッション90台半ば以上」のボール。
• そんな中で今回も、タイトリスト「Tour Soft」が意外な存在感を示した。
• ソフトなボールを求めているなら、キャロウェイ「ERC Soft」やブリヂストン「TOUR B RX」まで順位を下げることになる。
スピン
📌ポイント
• 中ヘッドスピードにおけるドライバーショットで最も「高スピン」だったのは、キャロウェイ「Chrome Tour X」、スリクソン「Z-STAR DIAMOND」、ウィルソン「Staff Model X」のような「高コンプレッションボール」だった。
• ややスピン量が多めだったソフト系モデルには、ブリヂストン「TOUR B RX」とタイトリスト「AVX」がある。いずれも「高スピン」や特別にソフトといえるほどではなかった。
• 一方で最も低スピンだったのは、キャロウェイ「Supersoft」、スリクソン「SOFT FEEL」、テーラーメイド「Tour Response」といったソフト系のモデル。
• ウレタン構造で「低スピン」を求めるゴルファーは、マックスフライ「Tour S」、タイトリスト「Pro V1x Left Dash」、そして意外にも過去モデルに比べて明らかにスピン量が減ったコストコ「Kirkland Performance+」が候補となる。
モデル名
ボール初速(m/s)
打ち出し角(°)
スピン軸(°)
スピン量(rpm)
最高到達点(m)
落下角度(°)
キャリーの飛距離(yd)
トータル飛距離(yd)
Callaway Chrome Tour ♦♦♦
67.3
12.17
-1.2
2,411
23.4
30.41
254.98
285.38
Maxfli Tour X
67.2
12.34
1.1
2,406
23.8
29.92
260.41
289.45
Wilson Staff Model X
67.2
11.87
-1.62
2,686
24.1
30.98
256.95
286.47
Mizuno Pro X
67.1
12.25
-1.1
2,601
22.7
29.02
255.50
286.72
Callaway Chrome Tour X
67.0
12.08
0.35
2,777
23.0
29.53
255.99
287.59
Titleist Pro V1x Left Dash
67.0
12.15
-1.07
2,335
22.9
29.61
253.00
285.44
Wilson Staff Model
67.0
12.21
-1.38
2,438
23.1
30.08
252.49
281.20
PXG Xtreme Tour X
67.0
12.06
1.28
2,463
22.6
29.25
254.49
286.73
Titleist Pro V1x
67.0
12.16
0.45
2,564
23.0
29.45
255.50
287.12
Titleist Pro V1
66.9
12.29
-0.94
2,460
22.2
29.06
252.00
284.1
Srixon Z-STAR XV
66.9
12.03
-0.37
2,619
23.7
30.21
257.47
287.69
PXG Xtreme Tour
66.9
12.36
-1.97
2,422
23.0
29.78
254.00
282.57
Member's Mark Pro Series 2
66.9
12.09
1.12
2,495
24.2
31.81
254.45
279.75
Titleist Tour Soft
66.8
12.30
-0.08
2,429
22.4
29.23
252.50
284.57
Srixon Z-STAR DIAMOND
66.8
11.97
-1.04
2,687
23.3
29.89
256.46
286.81
Titleist Velocity
66.8
12.48
0.68
2,281
22.6
29.04
252.50
284.85
Callaway Chrome Tour
66.7
12.16
0.89
2,492
22.5
29.31
255.98
284.77
Vice Pro Plus
66.7
12.08
0.89
2,531
23.9
31.14
254.98
283.44
Maxfli Tour
66.7
12.17
-1.06
2,510
22.8
30.12
253.00
283.10
Bridgestone TOUR BX
66.7
11.86
-1.29
2,636
23.1
30.06
254.98
284.57
Kirkland Performance+ v3.5
66.7
12.42
-1.47
2,343
23.3
30.42
252.49
281.76
TaylorMade TP5x
66.7
12.24
0.7
2,629
24.4
31.12
256.49
284.68
Srixon Q-STAR ULTISPEED
66.6
12.36
0.8
2,266
21.8
28.56
248.99
280.86
Titleist AVX
66.6
12.34
0.4
2,462
21.3
28.27
247.97
283.01
Srixon Z-STAR DIVIDE
66.6
12.32
-1.97
2,444
24.4
32.20
249.52
275.23
Mizuno Pro S
66.6
12.14
0.33
2,438
22.1
29.69
246.52
277.30
Callaway ERC Soft
66.5
12.22
0.49
2,301
22.3
28.63
253.99
286.14
Srixon Z-STAR
66.5
11.98
-1.86
2,643
23.4
31.22
247.52
277.34
Bridgestone TOUR B XS
66.5
11.94
0.23
2,671
23.1
30.43
254.00
283.32
TaylorMade TP5
66.4
11.86
-1.32
2,626
24.4
31.88
252.00
277.96
Vice Pro
66.4
12.28
-0.41
2,505
23.2
30.62
252.50
280.13
Bridgestone TOUR B RX
66.4
12.02
-0.23
2,550
21.5
28.00
251.50
286.99
Pinnacle Rush
66.3
12.39
-0.11
2,300
20.2
26.99
242.34
279.03
Callaway Chrome Soft
66.3
12.40
-0.22
2,428
22.0
28.99
250.50
283.30
Titleist TruFeel
66.3
12.46
1.63
2,262
21.1
28.14
245.43
278.20
Wilson Triad
66.3
12.25
0.39
2,426
21.3
27.90
250.50
285.81
Maxfli Tour S
66.3
12.35
1.36
2,306
21.8
28.40
248.98
284.05
TaylorMade Tour Response
66.2
12.37
-0.59
2,231
21.9
28.19
248.98
285.03
Srixon Q-STAR TOUR
66.0
12.34
-0.57
2,415
22.8
30.13
249.49
279.54
Bridgestone TOUR B RXS
66.0
12.33
1.1
2,357
20.9
27.20
247.97
284.34
Vice Pro Air
65.9
12.25
1.2
2,351
21.4
28.06
247.97
280.63
Callaway Supersoft
65.6
12.66
-0.54
1,975
20.0
26.50
241.82
278.15
Srixon SOFT FEEL
65.6
12.46
0.16
2,144
19.9
26.82
239.21
275.35
TaylorMade SpeedSoft
65.5
12.63
-0.03
2,217
21.6
28.34
247.47
282.14
「中ヘッドスピード:アイアン」
テスト項目
テスト平均(全ボール)
使用クラブ:Titleist「T100」
ボール初速:47.5 m/s
ヘッドスピード:35.8 m/s
トータル飛距離:154.46 yd
設定した“基準”打ち出し角:19°
実測打ち出し角:18.63°
設定した“基準”スピン量:6,000 rpm
実測スピン量:6,089 rpm
トータル飛距離
📌ポイント
• 予想通り中ヘッドスピードのアイアン飛距離上位は、「ソフト系」、「硬め」、さらには「ウレタン系」、「アイオノマー系」が入り混じる結果となった。
• 今回のテスト条件下で最も飛んだのはピナクル「Rush」で、続いてキャロウェイ「Supersoft」、Vice「Pro」、テーラーメイド「TP5」が並んだ。
• キャロウェイ「Chrome Tour X」を除けば、飛距離の出るボールはおおむね「低〜中スピン」に分類され、「トータル飛距離」を優先するとグリーン上で止まらないことを犠牲にするリスクを伴うことが示された。
• 「飛距離」を確保しつつスピン量も求めるなら、タイトリスト「Pro V1x」、「Pro V1」、ブリヂストン「Tour B X」が候補となる。
• 飛びと高弾道の両立をさせたいなら、キャロウェイ「Chrome Tour」、「Chrome Tour X」、「Supersoft」が選択肢。ただし、「Supersoft」は極端にスピン量が少なく、止まらないことを納得の上で使用すべし。
• 「飛距離」はともかく、とにかく高弾道を狙うならミズノ「Pro X」、「Pro S」がおすすめ。ただし一つ言っておくと「Pro S」は今回のテストで飛距離が伸びなかった。
• 同じように「高弾道」だったのはタイトリスト「AVX」、キャロウェイ「Chrome Tour」、「Chrome Soft」。
• 一方、「低弾道」で飛距離を稼ぎたいなら、テーラーメイド「TP5」、Vice「Pro」、スリクソン「Q-STAR ULTISPEED」が有力。ただし「Supersoft」同様、スピン量は平均を大きく下回る。
• 中ヘッドスピードのアイアンショットで最も「低弾道」なのはテーラーメイド「Speed Soft」、ブリヂストン「Tour B XS」、スリクソン「Q-STAR ULTISPEED」だった。
ボール初速
📌ポイント
• ここでも「ボール初速」ランキングの上位は「硬めのボール」が独占した。
• 最速ボールはタイトリスト「Pro V1x」で、その後にミズノ「Pro X」、キャロウェイ「Chrome Tour X」が続いた。
• 一方で、ソフトなボールを探しているなら、キャロウェイ「Supersoft」が注目だ。このテストでは期待以上の結果を残し、その後大きく差が開いてスリクソン「Q-STAR TOUR」が続いた。
スピン
📌ポイント
• このテストで最も「高スピン」だったのは、タイトリスト「Tour Soft」、スリクソン「Z-STAR DIAMOND」、ウィルソン「Staff Model X」だった。
• 逆に「低スピン」となったのは、キャロウェイ「ERC Soft」と「Supersoft」、そしてテーラーメイド「Tour Response」。
• ウレタン系で「低スピン」を示したのは、テーラーメイド「Tour Response」、マックスフライ「Tour S」。またタイトリスト「AVX」とブリヂストン「TOUR B RX」も比較的スピンは少ないが、前者2つよりはわずかに多い。
• 「ソフト」でありながら多くのスピンを生むモデルは存在しないが、それに最も近いのはスリクソン「Q-STAR TOUR」とタイトリスト「TruFeel」で、どちらも良くて中スピンに分類される。
モデル名
ボール初速(m/s)
打ち出し角(°)
スピン軸(°)
スピン量(rpm)
最高到達点(m)
落下角度(°)
キャリーの飛距離(yd)
トータル飛距離(yd)
Titleist Pro V1x
48.4
18.28
-0.21
6,352
24.5
46.41
144.44
153.93
Mizuno Pro X
48.0
18.30
-0.34
5,991
25.0
48.37
143.20
151.08
Callaway Chrome Tour X
48.0
18.31
0.26
6,634
23.1
44.17
149.05
157.94
Srixon Z-STAR XV
47.9
18.24
0.39
6,326
24.1
46.54
144.56
153.53
Maxfli Tour X
47.8
18.52
-0.09
6,102
24.4
45.66
146.67
155.43
Srixon Z-STAR DIAMOND
47.7
17.98
0.16
6,735
22.7
44.36
143.81
150.60
Callaway Chrome Tour ♦♦♦
47.7
18.34
0.23
6,240
23.5
44.65
144.38
153.05
Wilson Staff Model X
47.7
18.17
0.63
6,644
22.8
43.48
145.27
152.99
TaylorMade TP5x
47.7
18.93
0.06
5,797
24.5
45.68
145.08
154.65
Callaway Chrome Tour
47.7
18.62
0.21
5,854
24.7
46.63
147.24
154.51
Callaway Supersoft
47.6
19.93
0.24
5,455
24.5
44.24
150.29
160.29
Srixon Z-STAR
47.6
18.35
0.43
6,539
23.3
44.53
146.06
154.27
Titleist Pro V1
47.6
18.50
0.08
6,315
23.0
43.60
146.89
155.95
Titleist Velocity
47.6
18.65
0.13
6,197
23.1
43.32
146.29
156.34
PXG Xtreme Tour X
47.6
18.50
0.27
6,226
23.7
45.36
144.23
152.65
Pinnacle Rush
47.6
19.06
0.26
5,844
23.1
42.87
150.69
161.10
Wilson Staff Model
47.5
18.28
0.02
6,146
23.8
44.83
147.03
156.11
Srixon Q-STAR TOUR
47.5
18.34
-0.23
6,345
23.8
46.77
141.52
147.75
Bridgestone TOUR BX
47.5
18.31
0.54
6,354
22.4
42.85
144.58
153.95
Vice Pro Plus
47.5
18.73
0.08
6,016
23.4
43.87
145.35
154.34
TaylorMade Tour Response
47.5
19.23
0.40
5,504
23.6
43.41
147.24
157.01
Titleist AVX
47.5
18.54
0.45
5,722
24.6
47.40
143.53
150.24
Titleist Pro V1x Left Dash
47.4
18.50
0.40
5,971
23.4
44.99
142.60
151.25
Srixon Z-STAR DIVIDE
47.4
18.23
0.02
6,378
23.9
47.09
140.85
147.55
Kirkland Performance+ v3.5
47.4
18.40
0.53
6,352
23.3
45.00
143.95
152.16
PXG Xtreme Tour
47.4
18.67
-0.11
6,034
23.3
44.16
148.77
156.88
Member's Mark Pro Series 2
47.4
18.26
-0.01
5,872
24.4
47.04
141.35
148.63
Vice Pro
47.4
18.65
-0.29
6,041
22.9
42.57
150.39
160.15
Maxfli Tour
47.4
18.47
0.34
6,225
23.6
45.99
145.65
152.87
Callaway Chrome Soft
47.4
18.34
-0.08
6,093
24.5
47.51
142.76
149.82
Bridgestone TOUR B XS
47.3
18.37
-0.02
6,559
22.0
42.30
146.02
154.96
Bridgestone TOUR B RX
47.3
18.62
-0.16
5,746
24.1
45.81
144.23
151.93
Maxfli Tour S
47.3
18.84
0.01
5,628
24.0
44.94
147.89
156.98
Wilson Triad
47.1
18.63
0.28
6,137
23.1
45.08
144.00
152.45
Vice Pro Air
47.1
18.89
0.34
5,740
24.3
46.81
142.37
149.98
Bridgestone TOUR B RXS
47.1
18.71
0.00
5,933
24.0
46.12
141.84
148.63
Srixon Q-STAR ULTISPEED
47.1
18.89
-0.25
6,069
22.4
42.70
145.60
155.76
TaylorMade TP5
47.1
18.69
-0.13
6,106
22.7
42.49
149.17
158.83
Mizuno Pro S
47.1
18.57
0.09
5,661
24.5
47.78
141.26
148.37
Callaway ERC Soft
47.0
19.56
-0.30
5,449
23.4
44.00
147.64
158.17
Titleist Tour Soft
47.0
18.14
0.37
6,775
22.5
44.40
141.26
148.99
Srixon SOFT FEEL
47.0
19.24
0.00
5,841
23.2
44.10
146.27
155.10
Titleist TruFeel
46.7
18.94
-0.16
6,140
22.8
44.28
142.12
150.98
TaylorMade SpeedSoft
46.7
18.98
0.29
6,159
21.6
41.67
144.95
155.56
👉「低ヘッドスピード部門」の結果
厳選ボール(低ヘッドスピード)
ボールを選びでは、「ボール初速」、「弾道」、「スピン量」、「飛距離」といった主要なパフォーマンス指標を考慮した。低ヘッドスピード部門のおすすめボールは、ドライバーとアイアン両方の性能を組み合わせて判断している。
低スピン: ウィルソン「Triad」、マックスフライ「Tour S」、PXG「Xtreme Tour」
中スピン: タイトリスト「AVX」、ブリヂストン「TOUR B RX」、タイトリスト「Pro V1」
高スピン: ウィルソン「Staff Model」、Vice「Pro Air」、ブリヂストン「TOUR B XS」
お買い得: カークランド「Performance+ v3.5」
アイオノマー: スリクソン「Q-STAR ULTISPEED」
「低ヘッドスピード:ドライバー」
テスト項目
テスト平均(全ボール)
使用ドライバー:PXG「Black Ops」
ボール初速:55.2 m/s
ヘッドスピード:38.4 m/s
トータル飛距離:220.25 yd
設定した“基準”打ち出し角:13°
実測打ち出し角:12.44°
設定した“基準”スピン量:3,000 rpm
実測スピン量:3,090 rpm
トータル飛距離
📌ポイント
• 低ヘッドスピード部門では、ソフト系ボールが上位に入ることは珍しいことではない。
• トップに立ったのはキャロウェイ「Chrome Tour ♦♦♦」やスリクソン「Q-STAR ULTISPEED」といった硬めのモデルだが、キャロウェイ「Supersoft」やタイトリスト「TruFeel」もそれに迫る存在となっている。
• 「飛距離」上位のうち、キャロウェイ「Chrome Tour ♦♦♦」を除けばどれも「低スピン」に分類される。
• 一方で「高スピン」ながら飛距離性能を発揮したのはタイトリスト「Pro V1」と「Velocity」、そしてウィルソン「Staff Model X」だった。
• 低ヘッドスピードでも「高弾道」で「飛距離」を稼ぎたいなら、マックスフライ「Tour S」、タイトリスト「Tour Soft」、キャロウェイ「ERC Soft」が候補となる。
• 「飛距離」を問わず「高弾道」となったのはテーラーメイド「TP5」、「TP5x」、スリクソン「Z-STAR DIVIDE」、PXG「Xtreme Tour」だった。
• 逆に「低弾道」で「飛距離」が望めるボールは、キャロウェイ「Supersoft」やタイトリスト「TruFeel」といったアイオノマー系で、ウレタンカバーモデルが良いならタイトリスト「AVX」が候補。
• また「飛距離」を問わず最も弾道が低かったのはスリクソン「SOFT FEEL」、ピナクル「Rush」、そしてミズノ「Pro S」(ウレタン)だった。
ボール初速
📌ポイント
• 一部の例外はあるものの、低ヘッドスピードでも「ボール初速」が出るボールはウィルソン「Staff Model X」、PXG「Xtreme Tour X」、マックスフライ「Tour X」のような硬めのボールとなっている。
• ソフト系の中では、キャロウェイ「ERC Soft」やタイトリスト「TruFeel」が一定の初速性能を示し中位にランクイン。いずれも硬めのアイオノマーカバーが、「ボール初速」を引き出す要因となっている。
• ウレタン系で比較的「ボール初速」が出るのは、キャロウェイ「Chrome Soft」、ブリヂストン「TOUR B RX」、テーラーメイド「Tour Response」などが、スピードが出るウレタンボールだが、いずれも順位は下位にとどまった。
スピン
📌ポイント
• ヘッドスピード38.00 m/sのドライバーショットで最も「高スピン」だったのは、キャロウェイ「Chrome Tour X」、テーラーメイド「TP5」、ブリヂストン「TOUR B X」といった硬めのモデルだった。
• スピンが期待できる手頃な価格帯では、タイトリスト「Velocity」が平均的モデルとして位置づけられ李。
• 一方で、最も「低スピン」だったのはキャロウェイ「Supersoft」、テーラーメイド「Tour Response」、スリクソン「SOFT FEEL」。
• 硬めながらも「低スピン」なのはPXG「Xtreme Tour」、コストコ「Kirkland Performance+」、タイトリスト「Pro V1x Left Dash」。
• もし「ソフトな打感」と「高スピン」の両立を求めるなら(なかなか難しいが)、キャロウェイ「ERC Soft」、タイトリスト「AVX」、ブリヂストン「TOUR B RXS」が最もそれに近い選択肢となるだろう。
モデル名
ボール初速(m/s)
打ち出し角(°)
スピン軸(°)
スピン量(rpm)
最高到達点(m)
落下角度(°)
キャリーの飛距離(yd)
トータル飛距離(yd)
Wilson Staff Model X
55.6
12.22
0.63
3,298
17.6
29.19
190.0
221.78
PXG Xtreme Tour X
55.5
12.50
0.13
3,050
17.4
28.91
190.00
223.28
Maxfli Tour X
55.5
12.47
1.52
3,227
17.7
29.58
190.00
220.40
Titleist Velocity
55.5
12.47
0.01
3,200
18.0
29.76
191.02
221.87
Callaway Chrome Tour ♦♦♦
55.4
12.36
-0.27
3,143
17.0
28.17
190.00
223.98
Wilson Staff Model
55.4
12.21
1.15
3,209
17.7
29.57
187.00
218.99
Callaway Chrome Tour X
55.4
12.16
1.19
3,486
17.3
29.67
189.50
219.40
Srixon Q-STAR ULTISPEED
55.4
12.59
-0.43
2,948
16.8
28.32
190.51
223.68
Titleist Pro V1
55.4
12.41
0.43
3,125
17.2
28.73
189.00
222.09
PXG Xtreme Tour
55.4
12.50
0.51
2,995
18.1
30.31
190.98
220.28
Titleist Tour Soft
55.4
12.29
-0.08
3,237
17.4
29.30
190.01
221.66
Callaway ERC Soft
55.3
12.55
-0.36
3,010
17.5
28.91
188.49
221.06
Mizuno Pro X
55.3
12.37
0.88
3,250
17.0
28.83
190.00
220.78
Srixon Z-STAR XV
55.3
12.30
0.85
3,285
17.8
29.88
188.50
218.72
Bridgestone TOUR BX
55.3
12.14
0.47
3,333
17.5
29.68
187.49
219.21
Callaway Chrome Tour
55.3
12.40
0.83
3,152
17.1
28.61
188.00
220.82
Srixon Z-STAR DIAMOND
55.2
12.40
0.41
3,319
17.4
29.48
188.50
220.80
Vice Pro Plus
55.2
12.40
1.16
3,254
18.1
30.45
188.00
218.30
TaylorMade TP5x
55.2
12.50
0.33
3,291
18.2
30.26
186.98
216.84
Maxfli Tour
55.2
12.40
0.84
2,958
17.3
29.25
188.00
217.85
Member's Mark Pro Series 2
55.2
12.31
1.01
3,110
17.9
29.96
185.99
215.63
TaylorMade TP5
55.2
12.04
0.57
3,316
18.1
30.50
183.96
212.02
Titleist TruFeel
55.2
12.77
0.08
2,915
16.4
27.31
188.49
223.16
Titleist Pro V1x
55.2
12.21
1.1
3,238
17.1
28.93
188.50
219.48
Pinnacle Rush
55.2
12.50
-0.02
3,130
16.3
27.69
187.98
221.64
Kirkland Performance+ v3.5
55.2
12.61
0.57
3,013
17.7
29.80
187.50
218.62
Titleist AVX
55.2
12.58
1.02
3,034
16.5
27.72
189.00
221.58
Srixon Z-STAR DIVIDE
55.1
12.47
0.8
3,002
18.2
30.65
187.00
215.88
Mizuno Pro S
55.1
12.55
0.74
3,000
16.6
28.19
187.50
220.29
Titleist Pro V1x Left Dash
55.1
12.37
-0.34
3,040
17.2
28.72
188.00
221.58
Bridgestone TOUR B XS
55.1
12.18
0.73
3,313
17.4
29.49
185.99
216.91
Srixon Z-STAR
55.1
12.18
-0.65
3,266
17.6
29.83
187.00
218.45
Vice Pro
55.0
12.38
0.84
3,068
16.9
28.87
186.50
218.70
Callaway Chrome Soft
55.0
12.70
0.14
2,999
17.4
28.94
188.50
220.55
Maxfli Tour S
55.0
12.65
0.24
2,862
17.4
28.89
190.00
222.32
Bridgestone TOUR B RX
55.0
12.10
-0.08
3,170
17.4
29.49
187.49
219.38
TaylorMade Tour Response
55.0
12.72
0.53
2,770
17.7
29.25
184.96
217.29
Wilson Triad
55.0
12.46
1.18
3,009
17.0
28.58
188.00
220.63
Callaway Supersoft
54.9
12.99
0.01
2,503
16.1
26.52
187.98
223.66
Bridgestone TOUR B RXS
54.9
12.42
0.6
3,025
16.9
28.66
186.99
220.61
TaylorMade SpeedSoft
54.9
12.88
0.67
2,773
17.1
28.30
186.45
220.25
Srixon Q-STAR TOUR
54.8
12.59
-0.51
2,899
17.7
20.59
185.98
218.12
Vice Pro Air
54.8
12.67
0.99
2,862
17.2
28.86
184.96
218.20
Srixon SOFT FEEL
54.7
12.93
0.06
2,754
15.8
26.64
184.38
220.39
「低ヘッドスピード:アイアン」
テスト項目
テスト平均(全ボール)
使用クラブ:スリクソン「ZXi5」
ボール初速:39.4 m/s
ヘッドスピード:29.1 m/s
トータル飛距離:130.11 yd
設定した“基準”打ち出し角:20°
実測打ち出し角:23.22°
設定した“基準”スピン量:5,000 rpm
実測スピン量:4,809 rpm
トータル飛距離
📌ポイント
• 低ヘッドスピードにおいて、最も「飛距離」が出たのは、Vice「Pro Plus」、タイトリスト「Pro V1x Left Dash」、キャロウェイ「ERC Soft」。コンプレッションが硬めからソフトな感じまで様々だった。
• 注目すべきは、トップ10のほとんどが「高コンプレッション」モデルであり、多くのモデルがスピン量も極端に偏らなかった点だ。
• 今回の結果は過去の結果に比べて、顔ぶれが少し変わっている。これはボールの改良に加え、今回のテストが「低スピン」を狙った設定だったことも影響していると考えられる。
• 「飛距離」と同時に「スピン量」も求めるなら、ウィルソン「Staff Model X」、スリクソン「Z-STAR」、スリクソン「Z-STAR DIAMOND」が有力な選択肢となる。
• ヘッドスピードが遅い場合は、「高弾道」が有利となる。その観点で最も弾道が高かった飛び系ボールのキャロウェイ「ERC Soft」、ミズノ「Pro S」、テーラーメイド「Speed Soft」だった。
• 飛距離に関係なく最も弾道が高かったのはPXG「Xtreme Tour」、マックスフライ「Tour S」、キャロウェイ「Chrome Soft」。
• 一方、「飛距離」が出たボールの中で最も弾道が低かったのは、ブリヂストン「TOUR B X」、サムズクラブ「Member’s Mark」、ウィルソン「Staff Model X」。
• 飛距離に関係なく最も低弾道だったのは「Z-STAR」、「Z-STAR Divide」、「Z-STAR DIAMOND」のスリクソン3モデルだった。
ボール初速
📌ポイント
• 今回のテスト条件下で最も「ボール初速」が速かったのはPXG「Xtreme Tour」。続いてタイトリスト「Tour Soft」と「Velocity」となった。
• とはいえ、表全体で見ればほとんどのモデルの差が約0.22 m/s以内に収まっている点は押さえておきたい。
• 比較的、「ボール初速」が遅いと考えられているランキング下位のモデルもその差はごくわずか。
• 実際、「ボール初速」の差は極めて小さいため、「飛距離」の優位性を決めるのは弾道、スピン量、そして空力性能にある。
スピン
📌ポイント
• ヘッドスピードが遅いゴルファーにとっては「スピン量」が多い方が有利になることが多い。今回のテストで最も「高スピン」だったのは、タイトリスト「Tour Soft」、スリクソン「Z-STAR DIAMOND」、キャロウェイ「Chrome Tour X」だった。
• 逆に「低スピン」となったのは、テーラーメイド「Tour Response」とキャロウェイ「ERC Soft」、またVice「Pro Air」とミズノ「Pro S」もこのグループに含まれる。
モデル名
ボール初速(m/s)
打ち出し角(°)
スピン軸(°)
スピン量(rpm)
最高到達点(m)
落下角度(°)
キャリーの飛距離(yd)
トータル飛距離(yd)
Titleist Tour Soft
39.6
22.59
0.36
5,506
17.9
40.41
117.22
128.31
PXG Xtreme Tour
39.5
23.51
-0.41
4,589
19.1
42.84
117.04
130.36
Callaway Supersoft
39.5
23.59
0.01
4,743
18.6
40.54
119.25
133.10
Titleist TruFeel
39.5
23.47
-0.70
4,856
18.5
40.74
119.35
132.93
Bridgestone TOUR B XS
39.5
22.63
0.10
5,022
18.3
41.68
115.60
127.89
Srixon Q-STAR ULTISPEED
39.5
23.25
0.76
4,782
18.4
40.79
118.55
132.37
Srixon Z-STAR
39.5
22.34
2.95
5,324
17.1
38.62
117.43
132.06
Srixon Z-STAR DIVIDE
39.5
22.35
3.29
5,023
17.1
38.50
117.45
132.24
Titleist Pro V1
39.5
23.01
0.15
5,014
18.0
40.09
117.49
131.11
PXG Xtreme Tour X
39.5
23.23
-0.13
4,810
17.9
39.76
118.95
133.51
Srixon Z-STAR DIAMOND
39.5
22.31
0.43
5,415
17.1
39.64
116.76
131.80
Bridgestone TOUR B RXS
39.5
23.33
0.33
4,703
18.5
42.12
115.10
127.43
Titleist Velocity
39.5
23.18
0.10
4,964
18.5
41.42
117.69
130.05
Wilson Staff Model X
39.5
22.58
0.48
5,122
17.6
39.78
117.98
134.13
TaylorMade Tour Response
39.4
23.71
0.75
4,260
18.7
40.73
116.03
129.64
Titleist AVX
39.4
23.74
1.11
4,480
18.8
41.20
118.37
131.94
Callaway Chrome Tour
39.4
23.21
0.54
4,732
18.3
41.23
116.78
130.46
Callaway Chrome Soft
39.4
23.70
1.20
4,458
18.8
41.42
116.11
128.66
Vice Pro
39.4
23.62
0.70
4,453
18.7
41.68
116.58
130.32
TaylorMade TP5
39.4
23.41
-0.77
4,793
18.4
40.82
115.63
128.59
Srixon Q-STAR TOUR
39.4
23.28
1.31
4,700
18.6
41.74
113.64
125.99
Bridgestone TOUR B RX
39.4
23.67
2.83
4,438
17.9
39.27
117.83
133.31
Srixon SOFT FEEL
39.4
23.49
0.33
4,791
18.5
40.92
118.60
131.73
Vice Pro Plus
39.4
23.36
-0.30
4,844
18.1
40.28
118.11
135.03
Maxfli Tour
39.4
23.19
-0.01
4,774
17.9
39.87
117.66
134.23
Callaway Chrome Tour X
39.4
22.41
-1.25
5,346
17.8
40.62
115.01
125.50
Wilson Staff Model
39.4
23.09
1.88
4,900
17.7
39.60
117.20
131.61
Maxfli Tour S
39.4
23.67
0.15
4,349
19.0
42.75
114.23
124.90
Kirkland Performance+v3.5
39.3
22.91
3.13
4,893
17.9
40.79
116.33
129.72
Maxfli Tour X
39.3
23.28
-1.07
4,761
18.0
39.31
118.39
131.40
Srixon Z-STAR XV
39.3
22.85
-0.34
5,160
17.6
39.64
115.29
127.02
TaylorMade SpeedSoft
39.3
23.75
0.81
4,625
18.2
40.03
118.36
133.16
Wilson Triad
39.3
23.65
0.89
4,443
18.7
41.29
116.44
129.94
Callaway Chrome Tour ♦♦♦
39.3
23.61
0.56
4,570
18.0
39.69
118.47
132.88
Callaway ERC Soft
39.3
24.12
-0.18
4,269
18.4
39.70
119.11
134.83
Bridgestone TOUR BX
39.3
23.19
1.27
4,843
17.4
38.68
118.38
134.77
Vice Pro Air
39.3
23.86
-1.49
4,320
18.7
41.25
116.84
130.23
TaylorMade TP5x
39.3
23.51
-2.21
4,692
18.0
39.37
118.02
130.32
Pinnacle Rush
39.3
22.86
-1.34
5,233
17.8
40.55
116.11
128.87
Titleist Pro V1x Left Dash
39.2
23.40
-0.96
4,564
17.7
39.64
118.56
135.00
Titleist Pro V1x
39.2
22.70
-0.39
5,338
17.6
40.66
112.61
122.17
Member's Mark Pro Series 2
39.2
23.46
2.92
4,376
17.5
38.01
116.66
133.58
Mizuno Pro X
39.1
23.36
-1.47
4,828
18.2
41.17
115.68
127.63
Mizuno Pro S
39.1
23.71
2.98
4,325
18.0
39.51
117.54
133.50
👉35ヤードのアプローチショット
ウェッジのテストでは、グリーン周り35ヤードからのショットの再現性が目的。ロボットには特定の「打ち出し角」や「スピン量」を狙わせるのではなく、およそ35ヤード飛ばすように設定している。
「35ヤード:アプローチショット」
テスト項目
テスト平均(全ボール)
使用クラブ:Vokey「SM10」
ボール初速:19.7 m/s
ヘッドスピード:18.8 m/s
トータル飛距離:42.02 yd
設定した“基準”打ち出し角:n/a
実測打ち出し角:30.03°
設定した“基準”スピン量:n/a
実測スピン量:5,441 rpm
スピン量
📌ポイント
• グリーン周りのテストで最も「高スピン」だったのは、テーラーメイド「TP5」、ブリヂストン「TOUR B XS」、ウィルソン「Staff Model X」だった。
• さらに、キャロウェイ「Chrome Tour X」、マックスフライ「Tour X」、ウィルソン「Staff Model」、スリクソン「Z-STAR DIAMOND」も5,900 rpm以上のスピンを記録。一方、想像通りスピン量が少なかったのはアイオノマー系で、特に「Velocity」は最低値で「TP5」の3分の1程度。その次に「Speed Soft」、「Rush」、「True Feel」が続いた。
• ウレタンカバーの中で「低スピン」だったのは、ミズノ「Pro S」、カークランド「Performance+」、サムズクラブの「Member’s Mark」。
• 想定通り表の下位を占めたのはアイオノマーモデルの9モデル。もしグリーン周りでスピンを求めているなら、ウレタンカバーボールを選ぶことが不可欠だ。
打ち出し角
グリーン周りのアプローチでは「打ち出し角」をあまり意識しないかもしれないが、実際には大きな差が見られた。
📌ポイント
• 今回のアプローチショットテストでまず注目すべきは、「打ち出し角」の最高と最低の差が7度あったことだ。これは他のどのテスト条件よりも大きいな差となった。
• 以前にも触れたように、「低スピン」ボールは「高打ち出し」になりやすく、「高スピン」ボールは「低打ち出し」になる傾向がある。
• ただし、テーラーメイド「TP5」は例外で、中程度の「打ち出し角」ながら非常に高いスピン量を記録した。
• 「低打ち出し」だったのはブリヂストン「TOUR B XS」、「TOUR B X」、キャロウェイ「Chrome Tour X」。
• 「低打ち出し」だったアイオノマー系では「ERC Soft」が最も低かったが、それでも全体で上位10位に入っている。
• 一方、「高打ち出し」だったのはタイトリスト「Velocity」、テーラーメイド「Speed Soft」、ピナクル「Rush」。
• ウレタンモデルの中で最も「高打ち出し」だったのはカークランド「Performance+」だった。
モデル名
ボール初速(m/s)
打ち出し角(°)
スピン軸(°)
スピン量(rpm)
最高到達点(m)
落下角度(°)
キャリーの飛距離(yd)
トータル飛距離(yd)
Titleist Pro V1
19.98
29.00
0.07
5,689
17.35
34.35
36.70
43.25
TaylorMade Tour Response
19.90
29.68
0.25
5,578
17.83
35.02
36.75
42.54
Wilson Staff Model X
19.90
28.96
0.24
5,992
17.22
34.28
36.40
42.29
Callaway Supersoft
19.90
32.40
0.20
4,305
20.03
37.81
37.49
43.20
Titleist Tour Soft
19.89
31.53
0.03
4,583
19.33
36.95
37.49
43.35
Srixon Q-STAR ULTISPEED
19.88
31.92
0.10
4,364
19.63
37.31
37.49
43.40
Callaway Chrome Soft
19.83
29.63
0.26
5,593
17.66
34.90
36.40
42.49
Bridgestone TOUR B RX
19.83
29.20
0.25
5,693
17.27
34.47
36.20
42.54
Srixon Q-STAR TOUR
19.81
29.63
0.25
5,623
17.65
34.97
36.40
41.72
Wilson Triad
19.81
29.07
0.25
5,743
17.18
34.30
36.15
42.34
Vice Pro
19.81
29.12
0.25
5,773
17.20
34.37
36.20
42.14
TaylorMade TP5
19.81
29.13
0.25
6,009
17.22
34.50
36.10
42.14
Titleist TruFeel
19.80
32.67
0.23
4,200
20.13
38.06
37.39
42.65
Maxfli Tour X
19.80
29.15
0.25
5,948
17.21
34.47
36.04
41.88
Wilson Staff Model
19.80
29.12
0.25
5,911
17.20
34.44
36.20
41.31
Srixon SOFT FEEL
19.78
31.72
0.22
4,626
19.32
37.07
37.15
42.39
Bridgestone TOUR B XS
19.78
28.67
0.24
5,989
16.79
33.89
35.99
41.57
Maxfli Tour
19.78
29.19
0.26
5,798
17.22
34.45
35.99
42.14
Bridgestone TOUR BX
19.77
28.97
0.25
5,820
17.01
34.22
35.94
42.03
Maxfli Tour S
19.77
29.68
0.26
5,580
17.63
34.98
36.35
42.29
Vice Pro Air
19.76
29.46
0.26
5,592
17.40
34.70
36.30
42.08
Srixon Z-STAR DIAMOND
19.75
28.96
0.24
5,913
16.99
34.23
35.89
41.52
TaylorMade TP5x
19.75
29.54
0.25
5,812
17.46
34.84
36.15
41.83
Srixon Z-STAR
19.75
29.13
0.25
5,814
17.12
34.36
35.94
41.93
Bridgestone TOUR B RXS
19.75
29.13
0.25
5,718
17.11
34.34
35.94
42.19
Callaway Chrome Tour X
19.75
28.88
0.24
5,957
16.88
34.13
35.79
41.88
Srixon Z-STAR XV
19.74
29.05
0.25
5,837
17.01
34.31
35.79
41.31
Vice Pro Plus
19.73
29.43
0.25
5,823
17.36
34.75
35.99
41.31
PXG Xtreme TourX
19.73
29.39
0.25
5,682
17.30
34.60
36.10
41.98
Titleist AVX
19.71
29.47
0.25
5,646
17.32
34.72
35.89
41.57
PXG Xtreme Tour
19.70
29.55
0.25
5,632
17.37
34.80
35.89
41.31
TaylorMade SpeedSoft
19.69
34.33
0.23
3,148
21.25
39.64
37.59
43.05
Srixon Z-STAR DIVIDE
19.69
29.24
0.25
5,818
17.12
34.44
35.69
41.36
Callaway Chrome Tour
19.67
29.24
0.25
5,735
17.07
34.42
35.74
41.52
Titleist Pro V1x
19.66
28.98
0.25
5,866
16.82
34.15
35.69
41.52
Callaway ERC Soft
19.65
30.50
0.24
5,189
18.12
35.77
36.20
41.93
Kirkland Performance+v3.5
19.63
29.67
0.25
5,612
17.37
34.88
35.69
41.05
Mizuno Pro X
19.63
29.43
0.24
5,626
17.17
34.60
35.69
41.36
Pinnacle Rush
19.58
34.02
0.22
3,283
20.83
39.28
37.15
42.90
Mizuno Pro S
19.58
29.55
0.25
5,496
17.14
34.65
35.58
41.52
Callaway Chrome Tour ♦♦♦
19.55
29.66
0.26
5,612
17.22
34.82
35.48
41.41
Titleist Pro V1x Left Dash
19.52
29.33
0.24
5,688
16.88
34.44
35.27
40.99
Member's Mark Pro Series 2
19.52
29.45
0.24
5,578
16.97
34.60
35.22
40.41
Titleist Velocity
19.46
35.77
0.19
2,058
22.04
40.91
37.34
43.99
🏌️♂️2025年ゴルフボールテスト|UNRL提供⛳
これまでのボールテストでは、「ボール初速」と「コンプレッション(硬度)」の関係を表す散布図を用意してきた。今回はその散布図をさらにアップグレードし、2指標の表示が可能に。グラフの使い方はあなた次第だ。
また、メーカーやモデルでボールをフィルタリングする機能も追加
もしチャートの読み込みに問題がある場合は、以下の直リンクからアクセスできる。
◆散布図
◆棒グラフ
棒グラフ📊 & 各モデルデータ📉
以下2つのチャートは、データがよりシンプルに確認できるようになっている。機能自体は散布図と同じで、見たい指標を選んでクラブやヘッドスピード条件を指定できる。また、メーカーやボールモデルでのフィルタリングすることも可能だ。
デフォルトでは、棒グラフには指定した指標における「トップ10モデル」が表示される。表示数は自由に増減でき、上位10モデルだけでなく、中間10モデルや下位10モデルを選んで表示させることもできる。
ただし、フィルター機能は少しだけ複雑で、基本的には「Choose What?」を「Include Top x」に設定しておくのがおすすめだ。下位10モデルを見たい場合は、グラフ下部にあるソート機能を使って並べ替えると良いだろう。
具体的に言うと、最初は「スピン量が多いボールトップ10」が表示されているので、ここから「Top x」を変えずに並べ替えると、「スピン量が少ないボールトップ10」が表示されるようになっている。
最後に一度に全てを確認したい人のためにクロスタブ機能を追加した。できる限りのことはしたけど、スマホなど携帯端末だと見にくいかも知れない。
👉2025年「MyGolfSpyボールテスト」Q&A
Q: 自分のヘッドスピードに合った適正なコンプレッションは?
A: 以前にも取り上げたが、結論から言うと「これが正解」というものはない。クラブ選びと同じで、最も重要なのは「弾道」(打ち出し角、最高到達点・落下角度の組み合わせ)と「スピン量」だ。
もちろん「ソフトなボールはドライバーで初速が出にくく、スピン量も少ない)という絶対的な傾向はある。だが最終的には「弾道」、「スピン量」、「初速」を自分のゴルフに最適化することが必要だ。
また、多くの人は「高コンプレッション=速いヘッドスピード向け」「低コンプレッション=遅いヘッドスピード向け」と考えがちだ。
しかし実際には、ヘッドスピードが速いゴルファーでも、低コンプレッションボールの低スピン性能を活かせることがあるし、逆にヘッドスピードが遅めのゴルファー(実際多い)でも、「高コンプレッションボール」による「高弾道」や「スピン」の恩恵を受けるケースは少なくない。
Q: ゴルフボール選びにハンディキャップは重要?
A: ハンディキャップはスイング特性を示すものではなく、プレー全体の実力や一貫性を測る指標にすぎない。ハンディキャップが多いゴルファーにも様々なスイングタイプがいるため、ハンディキャップが少ないゴルファーと同様のフィッティング方法が適用される。
とはいえ、スライスやフックに悩んでいるゴルファーは、ドライバーで「低スピン」になるボールを検討すると良い。低スピンボールは、ティーショットの直進性が高曲がりを抑えてくれる場合がある。
ただし注意点として、ドライバーで低スピン性能を発揮するボールは、アイアンやグリーン周りのショットでもスピン量が少なくなる場合が多い。そのため、アプローチショットでグリーンにボールを止めたり、コントロールするという点で、影響が出る可能性もある。
さらにコスト面も無視できない。1ラウンドでいくつもボールを失くすようなら、1ダースに50ドル以上費やすことは現実的ではない。中古のボールも選択肢もあるが、「ロストボール(使用済みの中古ボール)」は選ぶべきじゃない。
Q: 気温によってテスト結果は変わる?
A: ゴルフボールは暑い時ほどよく飛ぶ──これは事実だ。「キャリー」や「トータル飛距離」の数値は涼しい環境よりも長めに出ている。ただし、重要なのは「最終的な飛距離の数字そのもの」ではなく、「ボールごとの相対的なパフォーマンス差」だ。こうした関係性は、環境条件の影響をほぼ受けないと考えてよい。
Q: 自分に合ったボールはどうやって見つければ良い?
A: ボール選びには行程がある。まず、「自分に合いそうだ」と思えるボールをいくつか見つけよう。もし弾道測定機が使えるなら、そのデータをもとに候補を絞り込むと良い。もし測定環境がない場合でも、我々のデータを参考にすれば候補を絞り込むことも可能だ。そして最終的にはコースで実際に打ち比べることが重要。なお、比較の精度を高めるためには、一度にテストするのは2モデルまでにとどめるのがおすすめだ。
ボールテストの定番は、「グリーン周りのショットから始めて徐々に距離を伸ばしていく」ことだ。まず、短めのショット(パーシャルウェッジ)でボールの挙動を確認し、そこからアイアンへと移行するのが理想的。短めのショットとアイアンショットは、ボールごとの差が最も大きく、体感しやすい部分だからだ。
そして、恐らく調整可能なドライバーがあると思うので、セッティングを通じてベストなボールが決まったら、ドライバーの調整機能を使って、そのボールに合うセッティングにすると良い。
Q: ヘッドスピードが同じならロボットの結果と同じになるか?
A: あなたのヘッドスピードがとロボットと近ければ、モデル同士の「ボール初速」、「打ち出し角」、「スピン量」はある程度同じになるだろう。最も速いボールはやはり速く、一番スピンがかかるボールは、やっぱりスピンが多い。ただし、こうした要素が「トータル飛距離」にどう結びつくかは別問題で、「入射角」、「ロフト角」、「インパクト」などあなたのスイング要素によって大きく左右される。
Q: プロが使っているボールは、お店で買えるものと同じ?
A: 基本的には同じだ。PGAツアーで使用されるボールはルール適合を確認するため追加検査を受けることがあるが、ツアー専用の“秘密の高性能ボール”が存在するわけではない。メーカーとしても契約プロには市販モデルを使ってほしいと考えており、実際その通りになっている。
とはいえ、ほとんどのメーカーにはいわゆる「裏メニュー」が存在する。例えば、極端にスピン量が少なかったり多かったりするニッチなモデルで、大半のゴルファーには適さないタイプだ。
また、一部のツアープロは、新モデルに切り替わる前に市販されていた旧世代のボールを使い続けているケースもある。
Q: テスト用ボールはどこからの提供を受けたのか?
A: 今回のテストで使用したボールは、MyGolfSpyが全て複数の業者を通じて店舗で購入した。
Q: テストデータでランが大きいのはなぜ?
A: 「トータル飛距離」を算出するにあたっては、ドライバーではUSGAの「バウンス&ロール・アルゴリズム」と「弾道計測器」の数値を組み合わせている。これらはいずれも硬い場合によっては“非常に硬い”地面の状態を前提にしていると考えられる。
とはいえ、「飛距離」はあくまで相対的なもの。特にアイアンやウェッジでは「キャリーの飛距離」に注目する方が、実戦に近い目安になるだろう。
Q: ボールを「高弾道」や「弾道が高い(あるいは低い)」と表現する時はどんな指標を見ている?
A: 多くのゴルファーは「打ち出し角」で考えがちだが、ボールに関して言えばその数値はどれも大きく変わらない。例えば「打ち出し角」が低くても比較的、「高さ(最高到達点)」が高いボールも珍しくない。
我々が弾道について語る際に主に注目しているのは「高さ(最高到達点)」の数値で、これはどのボールが最も高く飛んだかを示すものとなっている。加えて「打ち出し角」のわずかな違いと、「落下角度」や「高さ(最高到達点)に到達するまでの飛距離」を見れば、その「ボールの弾道」をより正確に理解することが可能だ。
Q: 今回の結果の一部が前回の結果と違うのはなぜ?
A: まず理由のひとつは、前回のテスト以降にほとんどのメーカーが新モデルを発売している点だ。前回と変わらないのは「Pro V1x Left Dash」だけで、それ以外はモデルチェンジされている。そのためパフォーマンスに差が出るのは当然といえる。
次に、これまでと同様、テストの全体的な質を向上させるために調整を幾分か加えている。こうした変更が、「キャリー」や「トータル飛距離」といった数値に違いをもたらす要因となっている。
Q: 飛距離を最大化するようにテストをいじったのでは?
A: それは誤解だ。確かにゴルファーが「飛距離の数値」を気にするのはわかっているが、テスト条件は各ヘッドスピード帯における実際の平均値が反映している。
つまり、「飛距離」を狙って最適化しているのではなく、アベレージゴルファーが実際に出す打ち出し角やスピン量に合わせてロボットを設定している。
もちろん「飛距離」が重要な要素のひとつだが、強調したいのは「自分のスイングが生み出す弾道やスピンに合ったボールこそ最適な選択肢だ」という点だ。
Q: オフラインとばらつきのデータはどうか?
A: これはボールテストにおける「諸刃の剣」だ。特に、我々のようにたくさんのボールを比較する場合にそうなる。
一方では、カバーやディンプルパターンの影響を理解するためには、ボールの飛び全てを計測することが不可欠。だが同時に、その方法だと環境要因――つまり風の影響を受けてしまう。
特にテストの各セッションに数時間かかるため、その間の風がオフラインやばらつきの数値に影響してしまうのは避けられない。
今回のレポートでは、「ボール初速」、「打ち出し角」、「スピン量」、といった主要パフォーマンス指標、そしてそれらが飛距離にどう影響するかに焦点を当てている。
なお、我々は今後も、特に「大きなミス」とされるショットに直結する部分について、ばらつきを定量化する合理的な方法を模索していく予定だ。
Q:「Z-STAR」と「Z-STAR DIVIDE」の両方をテストしたのはなぜ?
A: これまでのテストでは、対象モデルのイエローボールをテストしてきたが、今回は、マルチカラーの「DIVIDE」を採用した。「DIVIDE」が興味深いのは、コアとカバー層の色が違うだけでなく、2色のカバーを接合するために、スタンダードの「Z-STAR」とは違うディンプルパターンを採用している点にある。
Q: スネルのボールをテストしなかったのはなぜ?
A: 本来はスネルのボールもテストに加えたかったが、同社がちょうど新モデルを投入するタイミングだった。新しい「2.0」と「4.0」はまだ発売されておらず、「3.0」についても、今回のテストで使用した他モデルと同じ方法で手に入らなかった。そのため、2026年のテストにはスネルを含める予定だ。
Q: 対象モデルの選から外れたのはなぜ?
A: ボールテストには限界もあるわけで、すべてのモデルを網羅することはできない。今年は、低価格帯やアイオノマーモデルを多く含めたので、ウレタンモデルは絞る必要があった。どのボールをテストするかは、人気や注目度を基準に決めている。
テストを毎年実施していく中で、さらに多くのブランドを取り上げられるようにしていくつもりだ。
最後に、このプロジェクトに情熱を注いでくれた才能あふれるチームに御礼を言いたい。アダム・ビーチ、フィリップ・ビショップ、ロブ・コレラ、アダム・フィリップス、デーブ・マッキアンド、ベネット・グリーン、マディソン・レイノルズ、ニック・ディングマン、イングラム・スマート、コナー・リンドマン、クリス・ニッケル、そして世界各地で支えてくれたライターの仲間たち。
古くからの仲間、新しい仲間、みんなありがとう。
また、アリゾナの過酷な環境の中で、快適に過ごすサポートをしてくれた UNRL にも感謝する。
そして、最後にここまで読んでくれたみなさんにも感謝している。
2026年にまた会おう。
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TONY COVEY
MyGolfSpyに新鮮で革新的なコンテンツをもたらす編集担当。編集以外でもMyGolfSpyのデータを駆使したテスト方法を開発する上で重要な役割を果たし、データを精査してゴルファーのプレー改善に役立つ方法を考案した。ポリシーは「ゴルファーは、何が真実で何が真実でないかを知る必要がある」。これはMyGolfSpyがメーカーによって作られた事実を超えて、真実を語る責任があることを意味する。ミッションは「誇大広告にとらわれず本当の性能を読者に伝え、ゴルファーに力を与えること」。
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