10年の歳月をかけたパターテストが、新たなステージに突入した。

「PuttView」の最新技術を導入することで、これまでにない精度と信頼性を兼ね備えた検証体制が完成。世界中のゴルファーに、真に独立したパターテストとその成果を届けられるようになった。

今回公開するのは、ゴルフ業界でも例を見ない「ゼロトルクパター徹底レビュー」。

膨大なデータをもとにした、偏りのない純粋な性能検証だ。誇張や宣伝文句は一切なし──あるのは冷静な数値が示す“本当の実力”だけである。


2025年「Most Wanted」ゼロトルクパター集合写真。L.A.B. GOLF「OZ.1i」、テーラーメイド「Spider 5k ZT」、PXG「Allan」、オデッセイ「Ai-ONE Square 2 Square」、ベティナルディ「Antidote SB2」、シーモア「Mini Giant Curve Back」が並ぶ。

2025年版のテスト対象は、計17本のゼロトルクパター。

『L.A.B. Golf』や『ブレイクスルー ゴルフ テクノロジー』をはじめ、今や多くのメーカーがゼロ~低トルク特性を前面に打ち出したモデルを展開している。

選択肢は過去最多といえるほどに広がり、ゴルファーにとって“新たなカテゴリー”の誕生を実感させるラインナップとなった。「チタンドライバー」や「カチャカチャつきドライバー」の登場みたいにね。

パターカテゴリーの中でも、ゼロトルクという分野はまだ特殊で、理解しづらいと感じるゴルファーも少なくない。

しかし、このカテゴリーには「安定性」や「再現性」といった明確な性能上の利点がある。

だからこそ、真実を見極めるには宣伝文句ではなく、膨大なデータに裏打ちされたテストこそ最適なアプローチなのだ。

100時間のテスト、10,880回ものパット。その膨大な検証の末に、ついに『Most Wanted ゼロトルクパター』の公式結果が明らかになった。

「PuttView」の最新技術を取り入れた今回のテストは、これまでにない規模と精度で行われ、ゼロトルクパターの真の実力をデータが浮き彫りにしている。

2025年を代表する「ゼロトルクパター」のベストモデルが出揃った。

膨大なデータと徹底検証の先に残ったのは、性能で真にゴルファーを支える“本当に優れた”モデルたちだ。


2025年「Most Wanted」ゼロトルクパター全モデルが2つのキャディバッグに収納された写真。L.A.B. GOLF、テーラーメイド、オデッセイ、PXG、ベティナルディ、シーモアなど主要ブランドのパターが並ぶ。中央にはゴルフボールとカップが配置されている。

2025年版 ベストゼロトルクパター決定!

L.A.B. GOLF「OZ.1I」

データで選ばれた総合No.1 –L.A.B. GOLF「OZ.1I」

テーラーメイド「SPIDER 5K ZT」

2位 – テーラーメイド「SPIDER 5K ZT」

ベティナルディ「アンチドートSB2」

3位 – ベティナルディ「アンチドートSB2」

L.A.B. GOLF「OZ.1I」

ショートパット部門1位 – L.A.B. GOLF「OZ.1I」

ベティナルディ「アンチドートSB2」"

ミドルパット部門1位 –ベティナルディ「アンチドートSB2」

テーラーメイド「SPIDER 5K ZT」

ロングパット部門1位 – テーラーメイド「SPIDER 5K ZT」


総合評価で選ぶ ベストゼロトルクパター

最終的に“ベストゼロトルクパター”の称号を得るのは、「PuttViewハンディキャップ」で抜きん出たモデルだ。

あるモデルは特定の距離で群を抜き、またあるモデルはショートからロングまで安定して高水準を維持する。戦い方は異なれど、トップ評価に立つパターはすべて、他を大きく引き離す性能を備えている。


ここに紹介するのが、総合的に優れた性能を持つ2025年「ゼロトルクパター」だ。


2025年ベストゼロトルクパター「総合ランキング」TOP5

2025年ゼロトルクパターTOP5ランキング。1位はL.A.B. GOLF「OZ.1i」-7.6、2位テーラーメイド「Spider 5k ZT」-7.1、3位ベティナルディ「Antidote SB2」-6.7、4位PXG「Allan」-6.7、5位エヴンロール「Z2s」-6.6。

「総合評価」第1位 L.A.B. GOLF「OZ.1I」

PuttView HCP総合
-7.6
ショート
-8.1
ミドル
-5.8
ロング
-8.7

このパターが最適なゴルファーは?

  • ►とにかく性能重視のゴルファー:

    最終的にゴルファーが求めるのは“結果”だ。L.A.B. GOLF「OZ.1i」は、まさにその答えを体現している。2025年『Most Wanted ゼロトルクパターテスト』で堂々の総合No.1を獲得し、データでもその実力を証明。ショートパットの確実性からロングパットの距離感まで、幅広い状況で安定した性能を発揮する一本だ。「OZ.1i」の大きな特徴は、『Lie Angle Balanced(ライ角バランス)』テクノロジーによるゼロトルク設計。ストローク中にフェースがねじれることなく常にスクエアを保ち、ミスヒット時でも方向性が安定する。これは特にショートパットでの安心感に直結し、狙ったラインに対して確実に打ち出せる強みとなっている。L.A.B. GOLF「OZ.1i」は総合で最も優秀なスコアを記録。全距離で安定して良い結果を出しているが、特にロングパットやショートパットの距離が苦手なゴルファーには神のご加護となるはずだ。

  • ►デザイン・打音・打感でも満足できる一本を選びたいなら:

    ゼロトルクパターは、その独特な形状から「デザイン性では劣る」と思われがちだ。ところが今回のテストでは、主観的な評価指標である 打音・ルックス・打感・購入意欲 のすべてにおいて、L.A.B. GOLF「OZ.1i」が堂々のトップを獲得。つまり、性能だけでなく“カッコよさ”まで兼ね備えた、数少ないゼロトルクパターであることを証明したのだ。

このパターが合わないゴルファーは?

  • ►「コスパ重視派」には不向き:

    L.A.B. GOLFのパターは、性能の高さと引き換えに“高い”ことは避けられない。カスタム仕様を選べばさらにコストは上がり、多くのゴルファーにとってはその値段が購入を遠ざける要因になりかねない。優れたテクノロジーを備えているとはいえ、あなたの懐具合およびパートナーとじっくり相談してみて欲しい。中古が出回るのを待つ手もある。

最終評価

初開催となった『Most Wanted ゼロトルクパターテスト』で、L.A.B. GOLF「OZ.1i」が2025年ゼロトルクパターテストで総合No.1に選ばれた背景には、全距離でバランスよく結果を出した点にある。 ショートパットの精度(-8.1)とロングパットの安定感(-8.7)はともに非常に優秀で、他モデルのような「特定距離での弱点」が見られない。 テーラーメイド「Spider 5K ZT」がロングで突出した数値を出した一方、ミドルでは伸び悩むなど、各モデルには得意不得意がある中で、「OZ.1i」は総合力で上回った。

テスターたちの声

“試打したL.A.B.の中で一番良かった。フォワードプレスグリップも握りやすい。”

“すぐにでも実戦で使いたいと思った。”

“これなら買う。アドレス時の角度が良く、ボールがエンドオーバーエンドで真っ直ぐ転がる。”

“転がしやすく、距離感も抜群。プレスグリップも気に入った。”

専門家の視点

L.A.B. GOLF「OZ.1i」は、ゼロトルクパターの可能性を体現した一本だ。今回のテストではショートパットでNo.1、ロングでも上位と、距離を問わず安定した結果を残した。『Lie Angle Balanced』テクノロジーによりフェースがねじれにくく、「303ステンレスインサート」が生む“真っすぐな転がり”と安定した「初速」が、データで裏付けられている。主観的評価でも「構えやすい」「距離感が合う」と高く評価され、とりわけ『フォワードプレスグリップ』の快適さは多くのゴルファーに好印象を与えた。確かに価格の高さというハードルはあるが、それを補って余りあるのが「スコアを変える力」だ。総合No.1の座は、単なる話題性ではなく実力で勝ち取った証拠である。パッティングという最も簡単なスコアアップを狙うなら、「OZ.1i」は検討ではなく“候補の最上位”に置くべき一本だ。


第2位 テーラーメイド「SPIDER 5K ZT」

PuttView HCP総合
-7.1
ショート
-5.5
ミルド
-7
ロング
-10.2

このパターが最適なゴルファーは?

  • ►ミドル〜ロングパットで結果を出したいなら:

    ミドルパットからロングパットで優れた結果を出せれば、スコアを確実に縮めることができる。カップインさせるにせよ、カップ際に寄せるにせよ、この距離で安定した成果を出すことが長期的な成功につながるのだ。テーラーメイド「Spider 5k ZT」は、この2つの距離帯で特に優れたゼロトルクパターのひとつであり、なかでもロングパットでのテスト結果は際立っている。

  • ►見た目やフィーリングに魅力を感じる人:

    ゼロトルクパターは、市場に出ている中でも必ずしもルックスがよくない。それでも、テーラーメイド「Spider 5k ZT」はテスト参加者からすぐに注目を集めた。ゼロトルクパターの中では、ハンサムパター上位に入るモデルのひとつだ。ゼロトルクパターは一般的に「形が独特で構えにくい」という声も多いが、どの世界にも優れた例外というものが存在する。従来のSpiderシリーズに通じる洗練されたデザインと、心地よい打感・打音が高評価。「ゼロトルクの中でもっとも違和感が少なく、構えた瞬間に安心感がある」との声が多く寄せられた。

このパターが合わないゴルファーは?

  • ►ショートパットに苦手意識があるなら:

    テーラーメイド「Spider 5k ZT」の唯一の弱点を挙げるとすれば、それはショートパットでのパフォーマンスだ。17本のゼロトルクパターの中で、平均以下の順位に位置している。このハンサムパターにも弱点はあるということ。ただし、あなた好みにしつければ(フィッティングで長さ・ライ角を最適化すれば)最強のバディになる可能性は高い。

最終評価

テーラーメイド「Spider 5K ZT」は、ゼロトルクという新しい設計思想と、従来のSpiderシリーズの完成度を融合させたモデルだ。見た目や構えやすさの面でゼロトルクパター特有の違和感を最小限に抑えており、他ブランドのモデルと比べても「取り入れやすさ」が大きな特徴といえる。ミドルからロングにかけての安定感は、スコアメイクを支える大きな強みとなった。その一方で、ショートパットには課題が残る。価格も含めて決して気軽に手を出せるモデルではないが、ゼロトルクのメリットを体感したい一方で極端なデザインには抵抗があるゴルファーにとって、有力な選択肢となるはずだ。

テスターたちの声

“これまでで一番気に入ったSpiderパター。とても印象的で、シンプルかつ効果的なデザインだ。”

“使った中で一番フィーリングの良いSpider。まさに“シンプル イズ ベスト”を体現している。”

“ショートパットには苦戦したが、ロングパットは非常に優秀だった。”

“数あるパターの中でも間違いなくトップクラスの一本だった。”

専門家の視点

もしパター市場で、NO.1モデルと肩を並べるゼロトルクパターがあるとすれば、それはテーラーメイドの「Spider 5k ZT」だろう。「Spider 5k ZT」は市場で2番目に優れたゼロトルクパターであり、ロングパットではまさに“猛威を振るう”存在だ。手に入れることができるなら、ぜひデモして試す価値がある一本。おそらく、もっとも伝統的なルックスをしたゼロトルクパターのひとつと言えるだろう。今回のテストでは、特にロングパットでの安定性は際立ち、ゼロトルク設計が持つ直進性と高MOI構造の組み合わせがデータに裏付けられた。一方で、ショートパットへの課題は、慣性モーメントが高い分、細かいタッチや距離感の調整が難しくなる点が影響したのかもしれない。総じて「Spider 5K ZT」は、ゼロトルクの直進性とSpiderシリーズの完成度を組み合わせ、ゼロトルクの中でも“従来のSpiderらしさを残した、より実用的な選択肢”として位置づけられるモデルだ。


第3位 ベティナルディ「アンチドートSB2」

PuttView HCP総合
-6.7
ショート
-6.4
ミドル
-7.7
ロング
-6

このパターが最適なゴルファーは?

  • ►ミドルパットとショートパットの性能を求めるなら:

    ベティナルディ「Antidote SB2(アンチドートSB2)」には2つの大きな強みがある。それはミドルパットとショートパットでの安定したパフォーマンスだ。特にミドルパットでは最高評価を獲得しており、ショートパットにおいてもゼロトルクパターの中で上位に入る実力を見せている。これら2つの距離帯での強みが組み合わさることで、「Antidote SB2」は2025年に登場したゼロトルクパターの中でもトップクラスの一本となっている。形状は比較的オーソドックスで、構えた瞬間に安心感を得られるのも魅力だ。さらに、美しい仕上げと高級感ある質感は、所有感を重視するゴルファーにもうれしい。総じて「Antidote SB2」は、パフォーマンスとデザイン性のどちらも欲しいゴルファーに有力な選択肢となるだろう。

このパターが合わないゴルファーは?

  • ►ロングパットにすでに苦戦しているなら:

    ベティナルディ「Antidote SB2」は、フェースの『F.I.T.フェース』による柔らかい打感がタッチの繊細さを生む一方で、大きなストロークが必要なロングパットではフィードバックが弱く、距離感を合わせにくくなる可能性がある。また、オーソドックスな形状は安心感をもたらすが、高MOI設計や強調されたアライメントを持つモデルほど直進性や方向性の補助は強くない。これは「ロングに弱い」というよりも、他のロング特化型モデルに比べて優位性が小さいと捉えるのが妥当だろう。ロングパットを重視するならL.A.B. GOLF「OZ.1i」やテーラーメイド「Spider 5K ZT」、フィードバックを求めるならイーブンロール「ZERO」シリーズといった選択肢も考慮すべきだ。

最終評価

「Antidote SB2」は、ゼロトルクカテゴリーの中で“扱いやすさ”と“所有する満足感”を兼ね備えたモデルだ。オーソドックスな形状に高級感ある仕上げを融合し、初めてゼロトルクを試すゴルファーでも構えやすい点が特徴的。性能面では中距離での再現性の高さが光り、スコアメイクに直結する安定感を提供してくれる。ロングパットに特化したモデルと比べれば優位性は小さいが、極端な設計に頼らずバランスを取った仕上がりは、多くのゴルファーにとって実用的な選択肢となるだろう。

テスターたちの声

“カラーコントラストが気に入った。アライメントがとても取りやすい。”

“構えやすく、より従来型に近い見た目で安心感がある。”

“ストロークのフィーリングが良く、全体的にスムーズな流れを感じた。優れたパターだと思うが、アライメントラインは少し独特だった。”

“魅力的なヘッド形状で、スピードコントロールもしやすい。ゼロトルク系パターの中では慣れるまでの時間が少なくて済むのも良い。”

専門家の視点

ベティナルディ「Antidote SB2」は、ミドルパットでゼロトルクパターの中でも最高のパフォーマンスを発揮し、その強みが総合評価を大きく押し上げたモデルだ。パターにおいてスコアに直結するのはショートからミドルの安定感であり、この距離での強さこそ「Antidote SB2」の最大の武器といえる。テスターからも「ゼロトルクパターの中でも特に扱いやすい」との声が多く寄せられ、ゼロトルクに不安を抱くゴルファーにとっても安心感のある仕上がりとなっている。一方で、ロングパットでは他モデルに比べて順位が下がる傾向があるものの、スコアへの影響度を考えれば致命的な弱点とは言い難い。むしろ、ショートとミドルで高い安定性を発揮する点が実戦ではより重要となる。さらに、デザイン性・打感・安定性のバランスに加え、ベティナルディらしい高級感のある美しい仕上げも魅力のひとつ。実用性と所有感の両方を求めるゴルファーにとって、「Antidote SB2」はゼロトルクカテゴリーを代表する選択肢となるだろう。



ベストゼロトルクパター TOP5「ショートパット部門」

2025年ショートパット性能TOP5。1位L.A.B. GOLF「OZ.1i」-8.1、2位PXG「Allan」-8.0、3位ベティナルディ「Antidote SB1」-7.4、4位BGT「Paradox」-6.7、5位ベティナルディ「Antidote SB2」-6.4。

最も多くのショートパットを決められるゼロトルクパターこそ、真のトップモデルだ。

ショートパットにおいては、パッティングの成功率を下げるようなパターは避けたいところ。

というのも、短い距離でのミスは、他の距離以上に「PuttViewハンディキャップ」へ与える影響が大きいからだ。

ここでは、ショートパットで優れた性能を発揮するゼロトルクパターを紹介する。


「ショートパット部門」第1位 L.A.B. GOLF「OZ.1I」

PuttView HCP総合
-7.6
ショート
-8.1
ミドル
-5.8
ロング
-8.7

このパターが最適なゴルファーは?

  • ►とにかく性能重視のゴルファー:

    最終的にゴルファーが求めるのは“結果”だ。L.A.B. GOLF「OZ.1i」は、まさにその答えを体現している。2025年『Most Wanted ゼロトルクパターテスト』で堂々の総合No.1を獲得し、データでもその実力を証明。ショートパットの確実性からロングパットの距離感まで、幅広い状況で安定した性能を発揮する一本だ。「OZ.1i」の大きな特徴は、『Lie Angle Balanced(ライ角バランス)』テクノロジーによるゼロトルク設計。ストローク中にフェースがねじれることなく常にスクエアを保ち、ミスヒット時でも方向性が安定する。これは特にショートパットでの安心感に直結し、狙ったラインに対して確実に打ち出せる強みとなっている。L.A.B. GOLF「OZ.1i」は総合で最も優秀なスコアを記録。全距離で安定して良い結果を出しているが、特にロングパットやショートパットの距離が苦手なゴルファーには神のご加護となるはずだ。

  • ►デザイン・打音・打感でも満足できる一本を選びたいなら:

    ゼロトルクパターは、その独特な形状から「デザイン性では劣る」と思われがちだ。ところが今回のテストでは、主観的な評価指標である 打音・ルックス・打感・購入意欲 のすべてにおいて、L.A.B. GOLF「OZ.1i」が堂々のトップを獲得。つまり、性能だけでなく“カッコよさ”まで兼ね備えた、数少ないゼロトルクパターであることを証明したのだ。

このパターが合わないゴルファーは?

  • ►「コスパ重視派」には不向き:

    L.A.B. GOLFのパターは、性能の高さと引き換えに“高い”ことは避けられない。カスタム仕様を選べばさらにコストは上がり、多くのゴルファーにとってはその値段が購入を遠ざける要因になりかねない。優れたテクノロジーを備えているとはいえ、あなたの懐具合およびパートナーとじっくり相談してみて欲しい。中古が出回るのを待つ手もある。

最終評価

初開催となった『Most Wanted ゼロトルクパターテスト』で、L.A.B. GOLF「OZ.1i」が2025年ゼロトルクパターテストで総合No.1に選ばれた背景には、全距離でバランスよく結果を出した点にある。 ショートパットの精度(-8.1)とロングパットの安定感(-8.7)はともに非常に優秀で、他モデルのような「特定距離での弱点」が見られない。 テーラーメイド「Spider 5K ZT」がロングで突出した数値を出した一方、ミドルでは伸び悩むなど、各モデルには得意不得意がある中で、「OZ.1i」は総合力で上回った。

テスターたちの声

“試打したL.A.B.の中で一番良かった。フォワードプレスグリップも握りやすい。”

“すぐにでも実戦で使いたいと思った。”

“これなら買う。アドレス時の角度が良く、ボールがエンドオーバーエンドで真っ直ぐ転がる。”

“転がしやすく、距離感も抜群。プレスグリップも気に入った。”

専門家の視点

L.A.B. GOLF「OZ.1i」は、ゼロトルクパターの可能性を体現した一本だ。今回のテストではショートパットでNo.1、ロングでも上位と、距離を問わず安定した結果を残した。『Lie Angle Balanced』テクノロジーによりフェースがねじれにくく、「303ステンレスインサート」が生む“真っすぐな転がり”と安定した「初速」が、データで裏付けられている。主観的評価でも「構えやすい」「距離感が合う」と高く評価され、とりわけ『フォワードプレスグリップ』の快適さは多くのゴルファーに好印象を与えた。確かに価格の高さというハードルはあるが、それを補って余りあるのが「スコアを変える力」だ。総合No.1の座は、単なる話題性ではなく実力で勝ち取った証拠である。パッティングという最も簡単なスコアアップを狙うなら、「OZ.1i」は検討ではなく“候補の最上位”に置くべき一本だ。



「ショートパット部門」第2位 PXG「ALLAN(アラン)」

PuttView HCP総合
-6.7
ショート
-8
ミルド
-2.6
ロング
-8.3

このパターが最適なゴルファーは?

  • ►ショート&ロングパット性能を求めるなら:

    PXG「Allan」は、グリーン上で求められる「ショートパットの確実性」と「ロングパットでの距離感」の両方に強みを持つパターだ。PuttViewデータではショートパット部門で第2位、ロングパットでも「PuttViewハンディキャップ」で6位にランクインし、総合ランキング4位という実績を残している。その安定したパフォーマンスを支えているのが、独自の『マルチマテリアル構造』と『極薄フェース』、そして『S CORポリマー』の融合だ。これにより、ソフトな打感とオフセンターヒット時の安定性を両立。さらに、マレットに近い形状と視認性の高いアライメントラインは、ゼロトルクパター特有のクセを感じさせにくく、「極端なデザインは避けたいがゼロトルクを試してみたい」というゴルファーに安心感を与える。初めてゼロトルクを導入するプレーヤーはもちろん、ショートパットで自信を取り戻したい人にも頼れる一本といえるだろう。

このパターが合わないゴルファーは?

  • ►すでにミドルパットに苦戦しているなら注意:

    PXG「Allan」は、ショートパットとロングパットでは高い評価を得て総合順位を押し上げたものの、ミドルパットの安定感に課題を残した。特にこの距離はパター評価を大きく左右する区間であり、ここでの不安定さがベスト・ゼロトルクパターの座を逃す要因となったのは否めない。また、ロングパットにおいてもL.A.B. GOLF「OZ.1i」やテーラーメイド「Spider 5K ZT」のような突出した安定感は見られず、長い距離をしっかり打ち切りたいゴルファーにとっては物足りなく感じられる可能性がある。さらに、ソフトな打感は繊細なタッチを生み出す一方で、明確なフィードバックや強めの打感を好むプレーヤーには曖昧に映るかもしれない。加えて、PXG特有のプレミアム価格帯は、コストを重視するユーザーにとって大きなハードルとなるだろう。総合的に見ると「Allan」は、ショートパットの確実性やソフトな打感を重視するゴルファーに適しているが、ロングパットの安定性や打感の明確さを最優先に考えるプレーヤーには必ずしもフィットしないモデルといえる。

最終評価

PXG「Allan」は、ショートパットとロングパットで高い評価を得て、ゼロトルクパターとしての実力を示したモデルだ。特にショートパットでは「第2位」の成績を収め、確実性と構えやすさを重視するゴルファーにとって心強い存在となる。ソフトな打感と構えやすい形状は、プレッシャーのかかる場面でも自信を持たせてくれるだろう。一方で、ミドルパットの成績は振るわず、この弱点が総合評価で表彰台を逃す要因となった。さらに、ロングパットで抜群の強さを発揮するタイプではなく、PXGらしいプレミアム価格も簡単には手を出しにくい要素といえる。それでも、ショートパットの安定性とロングパットでの一定の信頼性を兼ね備えた「Allan」は、スコアメイクを支える安心感に加え、所有欲を満たす高級感を備えたゼロトルクパターとして魅力的な選択肢になるだろう。

テスターたちの声

“グリップは変えたい。カラーコントラストは気に入った。フェースは優れたフィードバックと反応性を感じる。”

“転がりが良く、セットアップも簡単で、他のモデルと比べてスクエアに構えやすい。ただし打音と打感はイマイチ。”

“第一印象は“Spider”のような見た目。自分にとっては安定したパフォーマンスだった。”

“打音がとても空洞的で気になってしまう。グリップも合わない。ただし打感や見た目は良い。”

専門家の視点

PXG「Allan」は、ミドルパットでの成績が伸び悩んだことで惜しくも表彰台を逃したが、この弱点が全体の評価を大きく左右するものではない。実際にはショートパットとロングパットでトップクラスの結果を残しており、総合的に見ても優れたゼロトルクパターであることは揺るぎない。PXGがゼロトルクカテゴリーに初めて投入したこのモデルは、伝統的なデザインと革新的テクノロジーを融合させた点が特徴だ。シャフト軸に重心を近づけたネック設計と『マルチマテリアル構造』により、ストローク中のフェースのねじれを抑制し、データ上でも高い再現性を証明。特にショートパットでの方向性の安定性は、テスト結果にもはっきりと表れている。一方で、『極薄フェース』と『S CORポリマー』が生み出すソフトな打感は繊細なタッチをもたらす反面、打音の好みによって評価が分かれる傾向も見られた。性能面では高い水準を誇りながら、感覚的な部分では賛否が分かれるモデルといえる。総じて「Allan」は、ゼロトルク特有の直進性をゴルファーが扱いやすい形で落とし込んだ、実用性の高いパターとして位置づけられる。



ベストゼロトルクパター TOP5「ミドルパット部門」

2025年ミドルパット性能TOP5。1位ベティナルディ「Antidote SB2」-7.7、2位シーモア「Mini Giant Curve Back」-7.6、3位テーラーメイド「Spider 5k ZT」-7.0、4位エヴンロール「Z2s」-6.5、5位シーモア「Mini Giant FGP」-6.1。

ミドルパットを沈められるかどうかは、スコアに直結する“ゲームチェンジャー”だ。

過去のテストでは10フィート前後のパットが基準となり、この距離で優れたパフォーマンスを発揮するパターと、そうでないモデルとの間に大きな差が生まれた。

「PuttView」を導入し内部パラメータを調整した現在でも、この傾向は変わっていない。

つまり、ミドルパットに強いパターは、必然的にランキング上位へ食い込む可能性が高い。

これらが、ミドルパットに最も優れたゼロトルクパターだ。


「ミドルパット部門」第1位 ベティナルディ「アンチドートSB2」

PuttView HCP総合
-6.7
ショート
-6.4
ミドル
-7.7
ロング
-6

このパターが最適なゴルファーは?

  • ►ミドルパットとショートパットの性能を求めるなら:

    ベティナルディ「Antidote SB2(アンチドートSB2)」には2つの大きな強みがある。それはミドルパットとショートパットでの安定したパフォーマンスだ。特にミドルパットでは最高評価を獲得しており、ショートパットにおいてもゼロトルクパターの中で上位に入る実力を見せている。これら2つの距離帯での強みが組み合わさることで、「Antidote SB2」は2025年に登場したゼロトルクパターの中でもトップクラスの一本となっている。形状は比較的オーソドックスで、構えた瞬間に安心感を得られるのも魅力だ。さらに、美しい仕上げと高級感ある質感は、所有感を重視するゴルファーにもうれしい。総じて「Antidote SB2」は、パフォーマンスとデザイン性のどちらも欲しいゴルファーに有力な選択肢となるだろう。

このパターが合わないゴルファーは?

  • ►ロングパットにすでに苦戦しているなら:

    ベティナルディ「Antidote SB2」は、フェースの『F.I.T.フェース』による柔らかい打感がタッチの繊細さを生む一方で、大きなストロークが必要なロングパットではフィードバックが弱く、距離感を合わせにくくなる可能性がある。また、オーソドックスな形状は安心感をもたらすが、高MOI設計や強調されたアライメントを持つモデルほど直進性や方向性の補助は強くない。これは「ロングに弱い」というよりも、他のロング特化型モデルに比べて優位性が小さいと捉えるのが妥当だろう。ロングパットを重視するならL.A.B. GOLF「OZ.1i」やテーラーメイド「Spider 5K ZT」、フィードバックを求めるならイーブンロール「ZERO」シリーズといった選択肢も考慮すべきだ。

最終評価

「Antidote SB2」は、ゼロトルクカテゴリーの中で“扱いやすさ”と“所有する満足感”を兼ね備えたモデルだ。オーソドックスな形状に高級感ある仕上げを融合し、初めてゼロトルクを試すゴルファーでも構えやすい点が特徴的。性能面では中距離での再現性の高さが光り、スコアメイクに直結する安定感を提供してくれる。ロングパットに特化したモデルと比べれば優位性は小さいが、極端な設計に頼らずバランスを取った仕上がりは、多くのゴルファーにとって実用的な選択肢となるだろう。

テスターたちの声

“カラーコントラストが気に入った。アライメントがとても取りやすい。”

“構えやすく、より従来型に近い見た目で安心感がある。”

“ストロークのフィーリングが良く、全体的にスムーズな流れを感じた。優れたパターだと思うが、アライメントラインは少し独特だった。”

“魅力的なヘッド形状で、スピードコントロールもしやすい。ゼロトルク系パターの中では慣れるまでの時間が少なくて済むのも良い。”

専門家の視点

ベティナルディ「Antidote SB2」は、ミドルパットでゼロトルクパターの中でも最高のパフォーマンスを発揮し、その強みが総合評価を大きく押し上げたモデルだ。パターにおいてスコアに直結するのはショートからミドルの安定感であり、この距離での強さこそ「Antidote SB2」の最大の武器といえる。テスターからも「ゼロトルクパターの中でも特に扱いやすい」との声が多く寄せられ、ゼロトルクに不安を抱くゴルファーにとっても安心感のある仕上がりとなっている。一方で、ロングパットでは他モデルに比べて順位が下がる傾向があるものの、スコアへの影響度を考えれば致命的な弱点とは言い難い。むしろ、ショートとミドルで高い安定性を発揮する点が実戦ではより重要となる。さらに、デザイン性・打感・安定性のバランスに加え、ベティナルディらしい高級感のある美しい仕上げも魅力のひとつ。実用性と所有感の両方を求めるゴルファーにとって、「Antidote SB2」はゼロトルクカテゴリーを代表する選択肢となるだろう。


「ミドルパット部門」第2位 シーモア「MINI GIANT CURVE BACK」

PuttView HCP総合
-5.6
ショート
-4.5
ミドル
-7.6
ロング
-5.8

このパターが最適なゴルファーは?

  • ►ミドルパットでの性能を求めるなら:

    シーモア「Mini Giant Curve Back(ミニジャイアント・カーブバック)」は、ミドルパットに強みを持つゼロトルクパターだ。約2.7〜3.7メートルの距離で「PuttViewハンディキャップ」第2位を記録しており、この距離に自信を持ちたいゴルファーにとって心強い存在となる。また、Curve Back形状によるアライメントのしやすさと、安定感のある形状は構えに安心感を与えてくれる。ゼロトルクやロートルク設計に興味はあるものの、極端なマレットデザインや重心移動の強いモデルには抵抗を感じるプレーヤーにとっても、「見た目」と「安定性」のバランスが取れた扱いやすい選択肢となるだろう。

このパターが合わないゴルファーは?

  • ►シーモアの独自アプローチがしっくりこないなら:

    シーモアは全モデルに採用している『ライフルスコープ・テクノロジー(RST)』を特徴としている。このテクノロジーの目的は「赤いドットを隠すこと」にあり、すでにシーモアのパターを使った経験がある人なら馴染み深いだろう。ストローク中にドットを隠すことで再現性が高まり、安定したパッティングにつながる。ただし、テスターの中には「RSTの存在や使い方が少し気になる」という声もあった。いずれにせよ、このモデルはフィッティングを受けて調整してこそ本来の力を発揮するパターといえる。

最終評価

2025年『Most Wantedゼロトルクパターテスト』で注目を集めたモデルのひとつが、シーモア「Mini Giant Curve Back」だ。一般的にはゼロトルクパターのイメージが薄いブランドだが、このモデルは確かなゼロトルク特性を備えており、その性能で期待を裏切らなかった。 特にミドルパットでは「PuttViewハンディキャップ」で第2位を記録し、約2.7〜3.7メートルの距離で安定した成果を示した点は大きな強みだ。一方で、ショートやロングにおいては他モデルほど突出した結果を残せず、総合成績ではフィールドの中位にとどまった。しかし、派手さよりも安定性と再現性を重視するゴルファーにとって、このミドルパットでの信頼感は実戦的な武器となる。総じて「Mini Giant Curve Back」は、華やかなデザインや極端な形状を求めるのではなく、堅実に結果を出せるパターを探しているゴルファーにとって有力な選択肢といえる。

テスターたちの声

“フィーリングが良いパターのひとつで、スピードコントロールもしやすかった。”

“このパターのアライメントラインの大きさが気に入った。”

“よく入ってくれた。たくさん決められたので性能は十分。主観的には“まあ許容範囲”といった感じ。”

“見た目は少し変わっているが、実際に打ってみると結果は良かった。”

専門家の視点

シーモア「Mini Giant Curve Back(ミニジャイアント・カーブバック)」は、ミドルパットにおいてゼロトルクパターの中でも信頼性の高い選択肢だ。ショートやロングではやや波があるものの、打ち出したボールが安定して転がる点は高く評価できる。派手さこそないが、必要な役割をしっかり果たす実用性がこのモデルの価値といえる。独自の『ライフルスコープ・テクノロジー(RST)』は、ターゲットラインを正しく捉えることでストロークの再現性を高める設計思想が反映されている。テストでも中距離での方向性と安定性が数値として裏付けられ、Curve Back形状による高い慣性モーメントがフェースのブレを抑え、安定した転がりを生み出していることが示された。一方で、打音や見た目は好みに左右されやすく、評価が分かれる要素となる。それでも「Mini Giant Curve Back」は、感覚的な好みを超えてデータが保証する安定感を提供する、実証的なゼロトルクパターと位置づけられるだろう。



ベストゼロトルクパター TOP5「ロングパット部門」

2025年ロングパット性能TOP5。1位テーラーメイド「Spider 5k ZT」-10.2、2位オデッセイ「Ai-ONE Square 2 Square DW」-9.6、3位L.A.B. GOLF「OZ.1i」-8.7、4位エヴンロール「Z2s」-8.5、5位Axis1「Tour-S」-8.5。

ロングパットで安定したパフォーマンスを発揮できることは、スコアメイクに欠かせない要素だ。

実際に沈められることはもちろん重要だが、スピードコントロールとカップに寄せる精度も同じくらい重要になる。

これら3つの要素をバランスよく満たせるパターこそ、ランキング上位に名を連ねる。

そしてこれらが、ロングパットに最も優れたゼロトルクパターである。


「ロングパット部門」第1位 テーラーメイド「SPIDER 5K ZT」

PuttView HCP総合
-7.1
ショート
-5.5
ミドル
-7
ロング
-10.2

このパターが最適なゴルファーは?

  • ►ミドル〜ロングパットで結果を出したいなら:

    ミドルパットからロングパットで優れた結果を出せれば、スコアを確実に縮めることができる。カップインさせるにせよ、カップ際に寄せるにせよ、この距離で安定した成果を出すことが長期的な成功につながるのだ。テーラーメイド「Spider 5k ZT」は、この2つの距離帯で特に優れたゼロトルクパターのひとつであり、なかでもロングパットでのテスト結果は際立っている。

  • ►見た目やフィーリングに魅力を感じる人:

    ゼロトルクパターは、市場に出ている中でも必ずしもルックスがよくない。それでも、テーラーメイド「Spider 5k ZT」はテスト参加者からすぐに注目を集めた。ゼロトルクパターの中では、ハンサムパター上位に入るモデルのひとつだ。ゼロトルクパターは一般的に「形が独特で構えにくい」という声も多いが、どの世界にも優れた例外というものが存在する。従来のSpiderシリーズに通じる洗練されたデザインと、心地よい打感・打音が高評価。「ゼロトルクの中でもっとも違和感が少なく、構えた瞬間に安心感がある」との声が多く寄せられた。

このパターが合わないゴルファーは?

  • ►ショートパットに苦手意識があるなら:

    テーラーメイド「Spider 5k ZT」の唯一の弱点を挙げるとすれば、それはショートパットでのパフォーマンスだ。17本のゼロトルクパターの中で、平均以下の順位に位置している。このハンサムパターにも弱点はあるということ。ただし、あなた好みにしつければ(フィッティングで長さ・ライ角を最適化すれば)最強のバディになる可能性は高い。

最終評価

テーラーメイド「Spider 5K ZT」は、ゼロトルクという新しい設計思想と、従来のSpiderシリーズの完成度を融合させたモデルだ。見た目や構えやすさの面でゼロトルクパター特有の違和感を最小限に抑えており、他ブランドのモデルと比べても「取り入れやすさ」が大きな特徴といえる。ミドルからロングにかけての安定感は、スコアメイクを支える大きな強みとなった。その一方で、ショートパットには課題が残る。価格も含めて決して気軽に手を出せるモデルではないが、ゼロトルクのメリットを体感したい一方で極端なデザインには抵抗があるゴルファーにとって、有力な選択肢となるはずだ。

テスターたちの声

“これまでで一番気に入ったSpiderパター。とても印象的で、シンプルかつ効果的なデザインだ。”

“使った中で一番フィーリングの良いSpider。まさに“シンプル イズ ベスト”を体現している。”

“ショートパットには苦戦したが、ロングパットは非常に優秀だった。”

“数あるパターの中でも間違いなくトップクラスの一本だった。”

専門家の視点

もしパター市場で、NO.1モデルと肩を並べるゼロトルクパターがあるとすれば、それはテーラーメイドの「Spider 5k ZT」だろう。「Spider 5k ZT」は市場で2番目に優れたゼロトルクパターであり、ロングパットではまさに“猛威を振るう”存在だ。手に入れることができるなら、ぜひデモして試す価値がある一本。おそらく、もっとも伝統的なルックスをしたゼロトルクパターのひとつと言えるだろう。 今回のテストでは、特にロングパットでの安定性は際立ち、ゼロトルク設計が持つ直進性と高MOI構造の組み合わせがデータに裏付けられた。一方で、ショートパットへの課題は、慣性モーメントが高い分、細かいタッチや距離感の調整が難しくなる点が影響したのかもしれない。総じて「Spider 5K ZT」は、ゼロトルクの直進性とSpiderシリーズの完成度を組み合わせ、ゼロトルクの中でも“従来のSpiderらしさを残した、より実用的な選択肢”として位置づけられるモデルだ。


「ロングパット部門」第2位 オデッセイ「AI-ONE SQUARE 2 SQUARE DW」

「PuttView HCP」総合
-4.8
ショートパット
-3
ミドルパット
-3.3
ロングパット
-9.6

このパターが最適なゴルファーは?

  • ►ロングパットでのパフォーマンスを求めるなら:

    オデッセイ「Ai-ONE Square 2 Square DW」、特にロングパットをなんとかしたいゴルファーにぴったりだ。長い距離でのスピードや方向のコントロールに安心感を求めていて、「1ストロークを大きく稼ぐor失わないパター」ことを求める人には選択肢として非常に魅力的である。さらに、ゼロトルク系のパターを使ってきたが、よりモダンで幅のあるヘッド(Double Wide)形状で構えやすさと重心の安定性を求める人にもフィットする。

このパターが合わないゴルファーは?

  • ►ショート〜ミドルパットでの安定性を求めるなら:

    一方で、ショートパットやミドルパットの繊細な距離感・タッチを重視するゴルファーには、「Ai-ONE S2S DW」 は不向きだ。テストではショート/ミドル距離での「PuttViewハンディキャップ」が低めで、短い距離でのパットを確実に決めたいシチュエーションではかなり不安が残る。さらに、見た目(構えたときのフェースの見え方、ロフト感)やフィードバックを重視する人にとっては、打感・打音などが「もう少しクリアなもの」が欲しいという要望が挙げられていることも情報として提供しておこう。

最終評価

オデッセイ「Ai-ONE Square 2 Square DW(エーアイワン・スクエアツースクエアDW)」は、2025年ゼロトルクパターテストに登場したオデッセイ3モデルのひとつだ。ロングパットでは「PuttViewハンディキャップ」で第2位を記録し、この距離での強さを証明。これまでのテストでも、優れた数値を示すのはロングパット部門が多いが、「Ai-ONE S2S DW」もその典型例といえる。 ただし、ショートやミドルの距離では安定性を欠く場面が目立ち、全距離で万能とはいえない。購入を検討する際は、この性能の偏りを十分に理解しておく必要があるだろう。

テスターたちの声

“打った感触は良かったけれど、構えた時の見た目に違和感がある。フェースが見えすぎてロフトが強く感じられ、アドレスで左を向いてしまうように見える。”

“ハンドファーストが強すぎる構えになる。そのまま構えるとロフトが多すぎるように見える。”

“独特なセットアップで、パフォーマンスは悪くないが慣れが必要。”

“フェースが少しクローズしているように感じられ、体のラインを合わせにくい。”

専門家の視点

技術的に見てオデッセイ「Ai-ONE Square 2 Square」 の「Double Wide」ヘッド幅は慣性モーメント(MOI)を向上させ、長距離ストロークでのフェースブレを抑制している。これがロングパットでの高スコアに寄与していると考えられる。このシリーズにはいくつかの異なるアライメントラインや視覚補助が含まれており、構えの段階でフェースの向きやロフト感覚を錯覚させにくくする設計がなされている。テストデータでは長めの距離での「PuttViewハンディキャップ」が高く評価されていることが、この設計思想が実際のパフォーマンスに結びついている証拠だ。一方で、短い距離でのパットで要求される“細かな手首のタッチ”や“ストローク中の繊細なフィードバック”をこのモデルで完全に満たすのは難しい。設計上、重さ・ヘッド形状・ライン設計がショートや中間距離での視認性や打感に影響を与えるため、短い距離でのパフォーマンスを重視するならフィッティングや試打を繰り返してフィーリングを確認してみよう。



2025年ベストゼロトルクパター 結果

2025年ゼロトルクパター総合ランキングと距離別(ショート・ミドル・ロング)ランキング表。総合1位はL.A.B. Golf「OZ.1i」、2位はテーラーメイド「Spider 5K ZT」、3位はベティナルディ「Antidote SB2」とPXG「Allan」。距離別でも各モデルが異なる強みを示している。

「PuttView」で進化するパターテストの新たなステージ

私たちのテストの根幹にあるのは、常に「データ」だ。もしデータがなければ、テスト自体に意味をなさない。そこに「PuttView」が加わったことで、パターテストの精度と信頼性は一気に進化した。これまで「業界トップクラス」と評価されていたものが、今では誰もが認める“圧倒的NO.1”へ。もはや議論の余地はない。

データだけにとどまらず、「PuttView」の導入はテストそのものを“よりリアルでダイナミック”なものへと変えた。実際のゴルフコースでは、ひとつとして同じパットは存在しない。距離、傾斜、ラインの曲がり、グリーンスピード、条件は常に変化する。

従来も複数の距離での検証は行ってきたが、コース上でゴルファーが直面する多様な要素まで再現することは難しかった。その壁を打ち破ったのが「PuttView」なのだ。


室内のPuttViewグリーンで3人のテスターがゼロトルクパターを試打している様子。ライン表示付きの人工グリーンを使用。

私たちが独自に導入した「ランダム化したテスト方式」によって、テストはコース上のリアルなパッティング状況により近づいた。すべてのパターは同一条件下で比較され、各テスターは上り・下り・左曲がり・右曲がり・ストレートのパットを同じ回数試みる。

ただし、打つ位置は毎回ランダムに変化する。これにより、同じ場所で繰り返すことで生じる“慣れ”を防ぎ、より実際のコースに近いパフォーマンスを反映することが可能になったのだ。

しかし、最大の進化はやはり「データ」にある。そして、そこには膨大な量のデータが蓄積されている。

「PuttView」という“データの宝庫”を使いこなしていく中で、私たちの使命は明確だ。膨大なデータを掘り起こし、分析し、その成果を次なるパター関連記事へと還元していくことである。


「PuttViewハンディキャップ」とは何か?

従来のパターテストでは、「ストロークス・ゲインド」と総パット数を基準に評価を行ってきた。確かに、これらの数値は優劣を示すには有効だが、追加の洞察には乏しく、結果がわかりにくくなる場面も少なくなかった。

そこで私たちは「PuttView」と組み、もっと直感的で理解しやすい評価軸を導入した。ゴルファーなら誰もが馴染みのある「ハンディキャップ」という形で結果を表したのだ。


PuttViewタブレット画面に表示されたテスト結果。パットビュー・ハンディキャップ「-11」、ショート・ミドル・ロングの結果、ストロークゲインド、インパクトパラメータなど詳細なデータが確認できる。

『PuttViewハンディキャップ』は以下のように定義される:

「PuttViewハンディキャップ」とは、ゴルファーのパッティング力を数値化した指標だ。パーに対して「何打多いか、または少ないか」を示し、実力を客観的に測ることができる。算出方法は「ストロークス・ゲインド」をベースとしており、各パット距離における自分の結果を平均的なツアープロと比較することで算出される仕組みになっている。

最終的な総合評価を決めるのは「PuttViewハンディキャップ」の数値だ。この指標は ショート・ミドル・ロングという3つの距離区分 に分けて算出され、それぞれの距離でのパフォーマンスが総合結果を形づける。


ショート

ミドル

ロング


最終的な総合優勝となるのは、3つの距離区分を平均した 「PuttViewハンディキャップ」が最も優秀なパター だ。

ここでの数値は、各距離ごとのPGAツアープロの平均的なパフォーマンスを基準に算出されている点に注意してほしい。


 

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2025年『Most Wantedパターテスト』の検証方法

今回の『Most Wanted ゼロトルクパターテスト』は、延べ100時間にわたり実施され、対象は17モデル。テストには20人の熱心なゴルファーが参加し、実戦さながらの環境でデータを収集した。


タブレット上に表示されたPuttViewのテストシナリオ画面。テスターが「Most Wanted Protocol」を選択し、ゼロトルクパターのテストを開始する様子。

各テスターは、すべてのパターでそれぞれ32回のパットを実施。打つ位置は毎回ランダムに変化し、実際のコースに近い状況を再現している。テストでは4種類の距離を設定し、それぞれの場面でのパフォーマンスを詳細に検証した。


使用された距離は以下の4つ:


・4フィート(約1.2m)

・8フィート(約2.4m)

・12フィート(約3.7m)

・18フィート(約5.5m)


テストの基本は「ストレートで平坦なパット」だが、PuttViewの導入によって上り・下り、さらには左右へ曲がるラインを加えることができるようになった。これによりテスト環境はより実戦的となり、リアルなパッティング条件を再現できる。

ただし、目的はゴルファーのグリーン読み能力を試すことではなく、あくまでパターそのものの性能を測ること。環境のバリエーションを増やしすぎると、純粋な性能評価がぼやけてしまうため、バランスを保ちながらテストを設計している。


テストから見えたポイント

ゼロトルクパターはそれぞれ違う──だが“外れ”はない

結局のところ、すべては「パフォーマンス」が物を言う。「PuttViewハンディキャップ」の数値がマイナスであればあるほど高評価で、それはまさにゴルフでいう“プラスハンディキャップ”と同じ意味を持つ。

今回のテストでは、たとえ下位に位置したゼロトルクパターであっても、全てが「プラス」の「PuttViewハンディキャップ」を記録していた。

加えて、ゼロトルクパターのテスト結果は、ブレードやマレットのテストと比べても全体的に僅差となった。トップと最下位の差はわずか4ポイント。つまり、どのモデルを選んでも一定の実力が備わっていることがデータからも示されている。


ゼロトルクパターは“見た目と感覚”に慣れが必要

ゼロトルクパターは型破りだ。その基本設計から、メーカーがその特性を実現する方法、そして全体的な見た目に至るまで、とにかく奇妙に映る。特に、それを使った経験のないゴルファーにとってはなおさらだ。

中には従来のパターに近いデザインや打感を備えたモデルもあるが、多くは個性的で独特な仕上がりになっている。重要なのは、見た目に惑わされず、実際にその性能を試してみることだ


マレットパターに匹敵するパフォーマンス

マレットパターのテスト結果と比べると、トップに立ったゼロトルクパターの「平均PuttViewハンディキャップ」はほぼ同水準だった。ユニークな形状の割に、意外にも慣れるまでのハードルは高くないのかもしれない。となると、ひとつの疑問が浮かぶ…ゼロトルクパターは、実際のところ“より優れた選択肢”なのだろうか?


ベスト vs ワースト:ショートパット編

ショートパット部門では、トップと最下位の差は「PuttViewハンディキャップ」で5.8。最も安定したパフォーマンスを見せたのはL.A.B. Golf「OZ.1i」で、逆に最も苦戦したのはオデッセイ「Ai-ONE Square 2 Square Max Stripe」だった。


L.A.B. GOLF「OZ.1i」とオデッセイ「Ai-ONE S2S Max Stripe」の分散比較。OZ.1iは打点の集中度が高く、S2S Max Stripeは散らばりが大きい。

ベスト vs ワースト:ミドルパット編

ミドルパット部門では、ベストとワーストの差が「PuttViewハンディキャップ」で6.2と、3つの距離区分の中で最大となった。

興味深いのは、同じシリーズであるベティナルディ「Antidote SB2(アンチドートSB2)」と「Antidote SB1(アンチドートSB1)」が、それぞれ最良と最悪の結果を記録した点だ。

この距離でこそ、モデル間のパフォーマンス差が最も大きく現れた。その中でベティナルディ「Antidote SB2」は安定した実力を発揮し、PXG「Allan」を抑えて総合3位の座を獲得している。


ベティナルディ「Antidote SB2」と「SB1」の分散比較。SB2は安定した集中分布を示し、SB1はやや散らばりが見られる。

ベスト vs ワースト:ロングパット編

ゼロトルクパターの中には、ロングパットを得意とするモデルがいくつか存在する。

この距離帯では「PuttViewハンディキャップ」の平均値が最も大きく開き、モデルごとの違いが際立つ結果となった。

ロングパットで最も安定感を示したのはテーラーメイド「Spider 5K ZT」、一方で最も苦戦したのはL.A.B.「DF3」だった。


テーラーメイド「Spider 5K ZT」とL.A.B. GOLF「DF3」の分散比較。Spider 5K ZTは打点が集中し安定、DF3は散らばりが大きい結果。

パットの本当の価値はカップイン率だけではない

パットの成否はスコアに直結するが、それだけが評価基準ではない。重要なのは「外したときにどれだけカップに寄せられるか」という点だ。

「PuttViewハンディキャップ」の算出でも、カップイン率に加えてカップまでの残りの距離が大きな影響を与える。たとえ半分しか決められなくても、外し方次第で総合的なパフォーマンスは大きく変わるのだ。

テストは32回のパットで構成され、各スタート地点から1打ずつ実施される。「PuttView」はボールが止まった位置を測定し、それをもとに「PuttViewハンディキャップ」を算出する仕組みだ。

短い距離、例えば1.2メートル(約4フィート)のパットを大きく外すと、「PuttViewハンディキャップ」には即座に大きな悪影響を与える。逆に、5.5メートル(約18フィート)のパットを少し外す程度なら、それほど大きなマイナスにはならない。


総括

パッティングに欠かせないのは「安定性」「寛容性」「一貫性」「距離感コントロール」、そして自分に合ったシャフトやグリップだ。

ライ角や長さを調整するためのフィッティングを受ければ、正しいラインに打ち出しやすくなり、フェースの打点も安定する。大切なのは必ずしも高額なモデルを手にすることではなく、自分のプレースタイルにフィットする一本を見つけることにある。

 

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2025年ゼロトルクパター一覧Q&A


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