ランキングを眺めているだけでは、そのボールがあなたのショットにどう影響するのかまでは見えてこない。
そこで今回は、タイトリスト「Tour Soft(ツアー ソフト)」を徹底チェック。
UNRL提供の『2025年ゴルフボールテスト』のデータをもとに、ドライバーの初速やスピン量、アイアンのキャリー、ウェッジの止まり方まで、実戦で重要になるポイントを細かく見ていく。
タイトリスト「Tour Soft(ツアー ソフト)」ゴルフボールとは?
モデル名からは柔らかいフィーリングを想像しがちだが、実際の「コンプレッションは88」。
想像よりも“しっかりめ”の打感で、数値だけを見ると「Pro V1」とほぼ同じ。必要以上に柔らかすぎず、初速を出しやすい適度な反発感がある。📝補足:多くのゴルファーは「コンプレッション=硬さ」と捉えがちだが、正確には“ボールのつぶれやすさ”を示す指標だ。
・コンプレッションが高い(=つぶれにくい)ボールは、インパクトでしっかりした打感になりやすい。
・コンプレッションが低い(=つぶれやすい)ボールは、より柔らかい打感につながる。
こうした違いが、ヘッドスピードとの相性やショットのフィーリングにも影響してくる。
構造はシンプルな2ピース。
その中身は、・高反発の大径コアにより、初速が出やすい構造
・薄いアイオノマーカバーが耐久性と直進性に寄与
・「342キューボクタヘドロン・ディンプル」が風に流されにくい安定した弾道を生む
という、アマチュアゴルファーが恩恵を受けやすい設計となっている。
タイトリストはこのボールを「ソフトな打感 ×飛距離性能 × 扱いやすいショートゲーム」というバランス型として打ち出している。
実際のテストデータを見ると、・メーカーの狙いどおり性能がしっかり出ている部分
・ウレタン系ボールと比べた際に“差が出る領域”
その両方がはっきり現れている。
これから紹介する各ショット領域の結果から、タイトリスト「Tour Soft」がどんなゴルファーにフィットするのかが見えてくるはずだ。
🏌️♂️ドライバー性能⛳
タイトリスト「Tour Soft(ツアー ソフト)」は、2025年テストでティーショット性能において“アイオノマー系ボールのトップクラス”という評価を得た。
一般的にアイオノマー系は価格を抑えた2ピース構造が多く、「ウレタンほど初速が出ないのでは?」というイメージを持たれがちだが、「Tour Soft」はその先入観を覆す結果に。
ドライバーショットでは、しっかり初速が出て前へ前へと伸びる飛びの強さが際立ち、同カテゴリーの中でも頭ひとつ抜けた存在となっている。
「コストは抑えたい。でも飛びは妥協したくない」そんなゴルファーにとって、「Tour Soft」は十分“キャディバッグに入れる候補”になるモデルといえる。
🏌️♂️高ヘッドスピード帯(約51m/s):高ヘッドスピード帯では、「Tour Soft(ツアー ソフト)」がアイオノマー系ボールの中で最も長い324ヤードのトータル飛距離を記録。
飛距離そのものを見ても、ウレタン系の上位モデルに数ヤード差まで迫るレベルだ。スピン量は2,700rpm台の中〜低スピン。吹き上がらず、かといってボールが落ちすぎるわけでもない、“素直に前へ進むフラットな弾道”が出やすいのが特徴。最高到達点もほどよく、強いライナー系というより “無駄な浮きがない、使いやすい高さ” に収まり、フェアウェイキープしやすい弾道を描いてくれる。「アイオノマー系でもここまで飛ぶのか」と感じる、高ヘッドスピードのゴルファーには頼もしさを感じる仕上がりだ。🏌️ 中ヘッドスピード帯(約45m/s):中ヘッドスピード帯では、「Tour Soft」のトータル飛距離は285ヤード。カテゴリーのトップモデルにもほんの数ヤード差まで迫り、アイオノマー系としては優秀な飛びを見せた。
打ち出し角は平均より少し高めで、“ボールがしっかり上がってキャリーが出る” タイプ。ボール初速が特別速いモデルではないものの、高さでうまく飛距離をつくる特性が、中ヘッドスピード帯のゴルファーと相性がいい。スピン量は2,400rpm台と低すぎず高すぎず、必要な揚力はキープしつつ、ランも確保できるバランス型の弾道。キャリーとランの配分が安定しているため、フェアウェイの傾斜やうねりが変わっても、狙いどおりの落下地点をイメージしやすいモデルといえる。🏌️♂️低ヘッドスピード帯(約38m/s):低ヘッドスピード帯はもっとも飛距離の差がつきやすい領域だが、「Tour Soft」は 222ヤードのトータル飛距離を記録。トップモデルとわずか2ヤード差という優秀な結果だった。
スピン量は3,200rpm台とやや高め。これによりボールがしっかり空中に“長く留まる”ため、
・キャリーが落ちにくい
・ボールが途中で失速しにくい
・落下地点(落としどころ)が読みやすい
と、ヘッドスピードが遅めのゴルファーにとって扱いやすい弾道になる。
同じ“ソフト系”カテゴリーでも、高さと滞空時間で差をつくれるモデルという印象が強い。
アイアン&ウェッジで見える「Tour Soft」のもう一つの顔
アイアンやウェッジになると、「Tour Soft」の特性がガラッと変わる。
ドライバーでは「トータル飛距離」を伸ばすタイプだが、ショートアイアン〜ウェッジでは一転して、スピンがしっかりかかってグリーンで止めやすい性能が前に出てくる。特に 中ヘッドスピード帯のプレーヤーや低ヘッドスピード帯のゴルファーでは、打ち出しが高く、必要な「スピン量」を確保できるため、ランが抑えられて狙いやすい。
“止めるショット” を求める人には、この変化が大きな武器になるはずだ。🏌️♂️高ヘッドスピード帯アイアン性能:高ヘッドスピード帯のアイアンショットでは、「Tour Soft」は飛距離勝負では少し苦しくなる。
アイアンの「トータル飛距離」は 188ヤード とやや控えめで、打ち出しも最高到達点も低いため、弾道は全体的にフラット気味。空中での“伸び”を感じにくいタイプだ。ただし「スピン量」は中〜高めで、グリーンに落ちてからのランを抑えやすいというメリットもある。とはいえ、スピン性能だけで飛距離不足を補うほどではなく、飛距離チャートでは下位に近い位置となっている。高ヘッドスピード帯のゴルファーで、「最大飛距離よりもコントロールを重視したい」というタイプにはフィットするが、「飛ばし」を求める人には物足りなく感じる可能性がある。🏌️中ヘッドスピード帯アイアン性能:中ヘッドスピード帯になると、「Tour Soft」は距離だけを見ると 149ヤードと控えめ。
ただし、ここからがこのモデルの強みだ。アイアンショットでは、テスト中 最高のスピン量(6,748 rpm) を記録。打ち出しと最高到達点は低めで弾道自体はフラット気味だが、そのぶん スピンがしっかりかかってグリーンで止めやすい。中ヘッドスピード帯のゴルファーにとっては、「飛ばす」よりも“狙った場所でしっかりボールを止めたい”状況で力を発揮するタイプのボールだ。🏌️♂️低ヘッドスピード帯アイアン性能:低ヘッドスピード部門になると、「Tour Soft」は飛距離こそ 127ヤード と控えめで、最も飛ぶモデルとはクラブ1本分近い差がつく。
ただし、この部門でもスピン量はトップ(5,531 rpm)。しっかりスピンがかかることで、プレーヤーが意図した落下地点でボールを止めやすく、低ヘッドスピードでもコントロール性能を引き出せる。最高到達点は中程度だが、この“適度な高さ+しっかりスピン”の組み合わせが効いて、「飛距離よりも、狙った場所に寄せたい」ゴルファー向けのコントロール重視のボールとして機能する。🔍グリーン周りで見える「Tour Soft(ツアー ソフト)」の限界と魅力
ウェッジのフルショットでは、「Tour Soft(ツアー ソフト)」が9,765 rpmを記録。
アイオノマー系ボールとしては十分健闘しており、しっかりとフェースに乗ってくれる感覚がある。
一方で、35ヤードのアプローチでは4,584 rpmと下位に位置。
ここはやはり、「アイオノマーカバー」では「ウレタンカバー」の“止める力”には敵わない部分が明確に現れた。
打ち出し角は、フルショット:やや低めの約27°
→ 強めに前へ出ていく弾道
アプローチショット(35ヤード前後):高めの約31.5°
→ ふわっと上がり、キャリーが読みやすい
という特性がはっきりしており、扱いやすさはあるが、プレミアムツアーボールほどの“狙った場所にピタッと止める精度”には届かない。
それでも、アイオノマー系としては「止まらなすぎて困る」というレベルではなく、実戦で十分使えるショートゲーム性能といえる。
タイトリスト「Tour Soft(ツアー ソフト)」の強みと弱み
ゴルフボールには必ず“プラス面”と“マイナス面”がある。
ここでは、「Tour Soft(ツアー ソフト)」がどんなシーンで力を発揮するのか、そして、どんなゴルファーには別モデルのほうが合うのかを整理した。ボール選びの判断材料として、『キャディバッグに入れる価値があるか』を見極めるヒントにしてほしい。🎯強み「Tour Soft(ツアー ソフト)」が評価されたポイント
✅ 高ヘッドスピード帯では、イオノマー系ボールで最長のトータル飛距離
→ 初速の強さとエネルギー効率が際立つモデル。
✅ どのヘッドスピード帯でも初速が落ちにくく、安定して前へ運べる特性
→ アマチュアでも飛距離性能の恩恵を受けやすい。
✅ 中・低ヘッドスピード帯ではアイアンのスピン量がトップクラス
→ グリーンに向かって狙うショットで、止めやすさを確保しやすい。
✅ ウレタン系より価格が手頃で、性能とのバランスが良い
→ コストを抑えたいゴルファーにも選びやすいモデル。
🎯弱み・トレードオフ|「Tour Soft(ツアー ソフト)」が苦手とする領域
❌ アイアンの飛距離は全体的に控えめ
→ ドライバーほどの強い飛びはアイアンでは出にくい。
❌ 中・高ヘッドスピード帯では弾道が低めになりやすい特性
→ ボールを高く上げて止めたいプレーヤーには物足りない場面も。
❌ 35ヤードのアプローチスピンはカテゴリー下位
→ ウレタン系ボールほど“キュッと止める”性能は期待できない。
❌ モデル名の“Soft”ほど柔らかくは感じない打感
→ 数値(コンプレッション88)どおり、意外としっかりしたフィーリング。
👉こんなゴルファーにおすすめ
タイトリスト「Tour Soft」は以下のようなゴルファーに適している。
✅タイトリストの中で、価格を抑えつつ“飛び”も確保したい人
→ ドライバーの「ボール初速」が安定しやすい特性は、コスパを重視する層に魅力。
✅アイアンでしっかり止めたい人
→ 中・低ヘッドスピード帯で「スピン量」が増えやすい特性があり、グリーンを狙いやすい。
✅ティーショットは“中弾道の素直な球筋”を求める人
→ 過度なランより、コントロールしやすい直進性を優先するプレーヤーに向く。
👉こんなゴルファーには合わない
❌グリーン周りでしっかり止めたい人
→ 35ヤードの部分ショットではスピン量が低めの特性。
→ ウレタン系の「Pro V1」「Pro V1x」「AVX」のほうが適している。
ヘッドスピード別まとめ📈
| ヘッドスピード帯 | ドライバー性能 | アイアン/ウェッジ性能 | 一言まとめ |
|---|---|---|---|
| 高ヘッドスピード帯 | アイオノマー系モデルの中で最長クラスのトータル飛距離。スピン量はやや低めで、中弾道の素直な飛びが持ち味だ。 | アイアンは距離がやや短め。弾道は低めで、スピンは中〜高。 | ティーショットは強いが、グリーンに高さを出しにくい特性。 |
| 中ヘッドスピード帯 | トップモデルと数ヤード差。高めの打ち出しでキャリーを確保。 | グループ内で最も高いスピン量。高さは出にくい。 | 飛距離よりもスピンを重視したい人に適した特性。 |
| 低ヘッドスピード帯 | トータル飛距離は上位に迫る好結果。スピンは平均以上で扱いやすい弾道。 | アイアンでも高いスピン量を発揮する一方、飛距離は短め。 | キャリーとスピンは安定するが、飛距離は最長ではない。 |
まとめ⛳
タイトリスト「Tour Soft」は、グリーン周りでの止まり方こそウレタン系には及ばないものの、飛距離・扱いやすいスピン量・ソフトな打感を“手頃な価格帯”で手に入れたいゴルファーには非常に魅力的な選択肢だ。
テスト全体を見ても、アイオノマー系モデルの中ではトップクラスの総合力を発揮。ドライバーでは十分な「初速」と「トータル飛距離」を確保し、アイアンでは「しっかりスピンがかかる」ため、グリーンを狙うショットでも安心して攻めていける。
“ウレタンほどのキレ味はいらない。でも飛んで、やさしくて、価格も抑えたい”──そんなニーズに最もよく応えるモデルと言える。




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