「TR21X」の主な特徴

・「TR21X」は「上級者向け飛び系アイアン」部門の新提案

・MyGolfSpyの2020年「上級者向け飛び系アイアン」ランキング寛容性1位、総合2位に輝いた「T//World TW-X」の後継モデル

・歴代「TRシリーズ」の中で最も寛容性の高いアイアン

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新規まき直しをはかる本間ゴルフにとって「TR21X」は期待の星だ。

ご多分に漏れず、本間ゴルフにとっても2020年は苦難の年だった。ジャスティン・ローズと袂を分かつことになり、それについて十分な説明が与えられなかったこともあって製品の品質についての憶測を呼んだ。

「TR20シリーズ」の発売は新型コロナウイルスのせいで勢いをそがれ、認知度を上げられなかった。そして、CEOのジョン・カワジャ氏がひっそりと会社を去った。

つまりは計画通りにいかなかったのだが、ギアのシーズンが2021年度を迎えるタイミングでの「TR21」発売は、北米で最も成功する可能性の高い「JDM(日本国内市場)ブランド」として、ブランドを再活性化させる良い機会となる。

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本間ゴルフ「TR21X」アイアン

「TR21X」は、アベレージプレーヤーの飛距離アップに対する、本間ゴルフの本気度を表している。もちろんそれはどのメーカーも同じだ。

「飛距離性能」は遊び場でいえば一番人気の“砂場”だが、同じカテゴリー内での選択肢が増えることでチャンスを創出することになるかもしれない。

本間ゴルフは、“細分化”により注目を集めることができるとポジティブに考えている。

テーラーメイドの「P770」やタイトリストの「T100S」など、最近の製品は飛距離性能を前面に打ち出す傾向にある。

「TR21X」は逆からのアプローチでこのカテゴリーに取り組んでいる。もちろん飛距離性能について謳っているが、それだけでなく易しさも兼ね備えたクラブなのだ。

複数の性能を同時に叶えようとした場合、どちらの分野も同等に結果を出すことは容易でない。

易しくて飛距離性能が高く、見た目的にも「これならブレード」と呼べるだろうと納得できるアイアンを探しているなら、「TR21X」は買いだ。



少々異なる足跡

これまで述べてきたことを考えると、「TR21X」が本間の「TRシリーズ」の中で最もヘッドの大きいアイアンだと言われても驚きはないはずだ。

最大のヘッドサイズは、ミスに寛容な易しい中級者/初心者向けクラブの「XPシリーズ」のために取ってあるものの、「TRシリーズ」の中でいえば、「TR21X」は「TR20P」に最も近いサイズとなる。特筆すべき違いは、「TR21X」の中空構造と1.4ミリ長いブレードだ。

視覚的に最も注目すべきは、「TR21X」の特異なプロファイルだ。バックキャビティはソールからトップラインにかけて一般的なものよりもなだらかになっている。

その結果、厚めのほぼ四角い形状となり、タングステンやフォームを充填するだけの余裕を生み出している。

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タングステンウエイト内蔵

このタングステンについてのざっくりとした説明が特に興味を引くとは思わないが、仕事上、ロングアイアンで42グラム、ミッドアイアンで50グラム、ショートアイアンで73グラムを使用していることを記しておく。大量とは表現しないが、かなりの量であることは確かだ。

もちろんこれは「TR21X」の性能に関わることで、タングステンそのものについての話ではない。

本間ゴルフがタングステンをどこに配置したかという話でもある。タングステンはほとんどの場合、ヘッドの低い位置に配置される。

驚くべきことに、「TR21X」はその深いキャビティにより、低い位置に加え、フェースから離れたソール後方にタングステンを配置することが可能となり、それによってダイナミックロフトが増加する。

つまり、心ときめくタングステンの話は素材についてだけではない。ヘッドのどこにどれだけの量が使われているかが問題なのだ。

そのことが、「TR20P」に比べて全体的にロフト角が1度ずつ立っているにも拘わらず、「TR21X」の打ち出し角が0.5度高く、よりスティープでソフトな落下角(1.2度)を生み出しているということの説明になるだろう。

高い打ち出し角、低いスピン量、そして十分な飛距離。もちろん見慣れた“見出し“ではあるが。

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フォームを充填したLカップ構造

スピードに関しては、「ストロングロフト」と薄い(2.2mm)「Lカップフェース」の組み合わせにより実現。

そこそこ本間ゴルフなりのアレンジは加えられてはいるものの、基本的な構造はタイトリストの「Tシリーズ」アイアンで採用された手法と同じものだ。

「Lカップフェース」は、リーディングエッジの下に伸びる“へり”のようなもので、そこでヘッドとつながっていると考えてほしい。おそらくヒンジのビジュアルでわかってもらえるだろう。

2.2mmは業界一薄いフェースではないが、本間ゴルフは限界まで薄くすることを目標にしているわけではないと強調している。実際、2.0mm以下にするとフェースの追従性が低下し、ボール初速が落ちるという。

本間ゴルフは、半ば恣意的な優位性を主張するために、紙ベースのスペック合戦に勝とうとしているのではない。

すべての設計要素をうまくはめ込んで、性能面と審美的観点の両方の目標を達成することを重視している。

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中空アイアンの楽しみのひとつは、メーカーがそのスペースを埋めるために何を使っているか(または使っていないか)を見ることだ。

粘着物、フォーム、ペースト、エラストマー、ゼリー、デオドラント。なんとなくイメージはできただろう。とりあえずゼリーについては冗談だと考えている。

PXGやTaylorMade同様、本間ゴルフは、フェースの硬さに干渉しない独自のフォームを注入し、より「ソリッドな」打音と打感を実現した。

反対に、PINGは「i500」アイアンにおいて、キャビティを空のままにすることを選択した。

打音と打感は基本的には主観的なもので、あいまいな領域ではあるが、インパクト時に「硬さ」や「からっぽ」」である感覚を求めるゴルファーはとても稀だろう。


視覚的な類似性

実際のところ「クリーンでクラシックで審美的にシンプルな」アイアンなど数えるほどしかないため、普段ならあまりこれに言及することはない。

デザイナーが一つの会社でキャリアを終えることなど滅多にないという現実と重ね合わせれば、推して知るべしというところ。あとは「誰もそんなこと気にしちゃいない」ってことだろう。言い過ぎ?確かにね。

しかし、これに関してはちょっと違う気がする。

いくつかの目立った情報を無視することは不可能だ。まず、1ヶ月ちょっと前、テーラーメイドが「P7MB」と「P7MC」、「P770」アイアンをリリースした。

バッジやらミーリングマークやらを差し引いても、互いに無関係と考えるのは無理な相談だろう。そして最近別の道を選んだ、かつて本間ブランドの顔だったジャスティン・ローズのこともある。

本間ゴルフ内では、ヴォルデモート卿のようにその名前を口にしてはならないという扱いになることは間違いないだろうが、偶然のタイミングであろうと思われる。


「TR21X」との組み合わせ

本間ゴルフは、ゴルファーが「TR21X」アイアンを「TR20」シリーズと組み合わせて使うことを期待している。

エンジョイゴルファーでそこそこのプレーヤーなら「TR21X」のフルセットを選ぶか、「TR20P」や「TR20V」アイアンと組み合わせるのもいいだろう。

競技志向のアマチュアやプロは、ロングアイアンの代わりとして、またはバッグの中の5番ウッドやハイブリッドを抜いて「TR21X」を使用する可能性が高い。

「TR21X」のいろいろな要素が組み合わさって、これまでで最も扱いやすい「TR」アイアンが完成した。

通常「TR」シリーズはハンディキャップ12あたりを頂点としているが、ミスに対する寛容性を考えれば、特にフィッティングによってきちんと選べば、ターゲット層は拡げられるはずだ。


本間ゴルフ「TR21X」のスペック、価格と発売日

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※用語 CLUB:番手/LOFT:ロフト角/LIE:ライ角/OFFSET:オフセット(mm)/LENGTH:長さ/SHAFT:シャフト/SWING WEIGHT:バランス

標準シャフトはオリジナルの「Vizard」カーボンシャフトの65gと85g。市場に出回っているどのカーボンシャフトよりも優れていると本間ゴルフは考えている。

もっと重量が欲しいプレーヤーには、スチールシャフトのオプションとして日本シャフト「N.S.PRO 950GH」もある。

他と同じく本間ゴルフにも、上記シャフトがどれも合わない場合には数多くの代替シャフトの用意がある。

標準グリップはゴルフプライドの「ツアーベルベット+2」。

価格はカーボンシャフトが各$212、スチールは各$188。11月1日より発売。


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