「9番ウッド」は、ゴルフクラブの中でもやや影の存在。話題にされることも少なく、実際に使っているゴルファーもそれほど多くない。

正直に言えば、いまだに“高ハンディキャップ向けクラブ”と見られているふしもある。

ただ、その評価は少しずつ変わってきている。

高弾道でやさしくグリーンに止まり、しかも意外と飛ぶ!そんな特性のおかげで、「9番ウッド」は4番アイアンや5番ハイブリッドの代わりとして、一部のゴルファーのキャディーバッグに居場所を見つけつつあるのだ。


9番ウッドのロフト角とは?

9番ウッドのロフト角は、ブランドによって多少異なるが、23〜26度が一般的。

これは、通常の7番ウッド(21度)よりわずかに寝ており、多くの4番ハイブリッドや5番アイアンと同じくらいのロフトに相当する。

このような高ロフトの9番ウッドは、ボールを高く打ち出してやわらかく着地させることができるため、特に180〜200ヤード前後からグリーンを狙う一般的な男性ゴルファーにとって、大きな助けとなる。


9番ウッドの平均飛距離

一般的に、9番ウッドの飛距離は7番ウッドよりも約10〜15ヤード短いとされている。

Shot Scopeのデータに基づくと、9番ウッドの平均飛距離は以下の通り:


ハンディキャップ15のゴルファー:約160ヤード

ハンディキャップ25のゴルファー:約150ヤード


このように、「スコア改善型(初・中級者)」にとっても扱いやすい距離設定となっており、ロングアイアンやロフトの立ったハイブリッドの代替としても現実的な選択肢になる。


ゴルファーが構えるテーラーメイド「Stealth 2」フェアウェイウッドのクラブヘッドを正面から撮影した画像。

9番ウッドを使うべきシチュエーションとは?

9番ウッドの“真の強み”は、実は「飛距離」ではない

もしあなたが、ティーショットや長めのセカンドショットで飛距離不足に悩んでいるなら、それは9番ウッドが必要というサインではないかもしれない。


では、どんな場面で9番ウッドが活きるのか?

ここからは、9番ウッドの使用が効果的な代表的シチュエーションを紹介していこう。


・パー4のセカンドショットで、高さと止まりやすさが求められる場面

浅いラフやフェアウェイバンカーからのショット(ロングアイアンでは刺さったり、弾道が低くなりがちな状況)

打ち出しが安定しない4番アイアンや4番ハイブリッドの代わりとして

球筋をシンプルにしたいとき(多くのゴルファーにとって、ロングアイアンよりも9番ウッドのほうがドローもストレートも打ちやすい)


9番ウッド vs. 7番ウッドその差はどれくらい?

9番ウッドを使ってみたいと思っても、「7番ウッドとの飛距離差がしっかり取れるかどうか」というのは、多くのゴルファーが気になるポイントだ。

もしどちらをキャディーバッグに入れるかで迷っているなら、弾道測定器で実際の飛距離を確認してみるといい。

通常、9番ウッドは7番ウッドより10〜12ヤードほど短くなるが、そのぶん高く上がって、やわらかく止まる

また、ラフからのショットでも扱いやすさが増すという利点もある。


9番ウッドは何と入れ替える?

9番ウッドをキャディーバッグに追加するなら、何かを抜かなければならないことが多い。

一般的に、以下のクラブと入れ替えられるケースが多い:


4番アイアン:もっともよくある入れ替えパターン。9番ウッドのほうがボールを上げやすく、グリーン上でしっかり止めやすい。


4番ハイブリッド:ロフトは近いが、打ち出し角や地面との相性が異なる。ハイブリッドよりウッドの打感を好むゴルファーもいる。


5番アイアン:特に、ヘッドスピードが速くないゴルファーや、フェアウェイウッドの弾道を好むプレーヤーにとって有効な選択肢。


9番ウッドを検討すべきゴルファーとは?

トミー・フリートウッドのようなツアープロですら9番ウッドをキャディーバッグに入れている今、アマチュアゴルファーが敬遠する理由はない。

結局のところ、重要なのはクラブの性能、狙いたい番手間の距離差、そしてプレーするコースの特性だ。

どの9番ウッドが自分に合っているかを知るには、フィッティングを受けるのが最善の方法。そしてその結果、キャディーバッグに入れる価値があるかどうかが見えてくるはずだ。


✅ こんなゴルファーは9番ウッドを検討すべき:

・ロングアイアンやハイブリッドの安定感に不安がある

・高弾道でグリーンに止めやすい球が必要

・硬いグリーンや、グリーン周りに厄介な障害が多いコースをよくプレーする

・フェアウェイバンカーや浅いラフから、信頼できる1本が欲しい


❌ こんなゴルファーは9番ウッドを9番ウッドは見送ってもいい:

・すでに7番ウッドと5番ハイブリッドを入れていて、飛距離がかぶっている

・低く強い弾道を好み、高さをあまり必要としない

・ロングアイアンをしっかり打てて、球筋のコントロールを重視している


9番ウッドを出しているメーカーは?

すべてのメーカーが9番ウッドをラインナップしているわけではない。

ただし、2025年時点で入手可能な代表的モデルとして、以下のような選択肢がある:


・キャロウェイ「Elyte」9番ウッド

・テーラーメイド「Qi35」9番ウッド

・ツアーエッジ「Hot Launch X525」9番ウッド


まとめ

9番ウッドは、コースによってキャディーバッグに入れたり外したりする“可変枠”の一本というゴルファーもいれば、常に入れておく“頼れる定番”として、番手間の飛距離差を埋めたり、厄介なライでも安心感を与えてくれる存在として活用している人もいる。

まだ打ったことがないなら、一度弾道測定器で試してみるのがおすすめ。

今のロングゲームのセッティングと比べてみれば、思いがけない発見があるかもしれない。