「PLD Oslo(ピーエルディーオルソ)」が好きだけど、“もう少し違う形があれば…”と思っていたゴルファーに朗報。

その願い、PINGが叶えてくれた。

新登場の『PLD Oslo AS(Alternative Style)』は、人気マレット「Oslo」をベースに、ホーゼル形状やシャフト長をアレンジした数量限定モデルだ。

今回の“スピンオフ”シリーズでは、3つの異なるデザインが登場。

ベースとなるOsloのシェイプをもとに、それぞれ異なる打感と構えやすさを生み出している。


まず押さえておきたい──これらはすべて「PLD Milled」パター

PING『PLD Oslo C』パターのヘッド形状。センターシャフト仕様で、フェースバランス設計による安定したストロークを実現。

PINGが「Oslo」をどのように進化させたのかに入る前に、まず「PLD Milled」シリーズの特徴を振り返るのが先だ。

写真の「PLD Milled Oslo 3」にも見られるように、新しい「AS Oslo」パターはすべて精密ミルド(削り出し加工)。

つまり、これらのモデルは「303ステンレススチール」を100%削り出しとなっており、他の「PLD」シリーズ(たとえば「PLD Ally Blue」などでは、アルミニウム素材をミルド加工)とは一線を画すモデルってこと。

また、「PLD Milled」のフェースは毎年ミルド加工が施されているが、そのミルドパターン(フェースの溝形状)はモデルごとに異なる。

今回の「AS Oslo」シリーズでは、PINGが言うところの「シャローミルドパターン(浅めのミルドフェース)」を採用。

これにより、従来の「PLD Oslo」シリーズに使われていた「アグレッシブミルドパターン(深めのミルドフェース)」に比べ、“やや硬め“の打感が得られる設計となっている。パスタで言うとアルデンテってところかな。

今回のような限定リリースだけでなく、「PING PLD Milled」シリーズには複数の派生プログラムが存在する。

ベースとなるのは標準モデルの「PLD Milled」ライン。

さらに、仕上げや刻印といったデザイン要素を選べる「PLD Milled Plus」プログラム、そしてヘッド形状から仕上げまで完全オーダーメイド可能な「PLD Milled Custom」プログラムがラインアップされている。

目的やこだわりに合わせて、誰もが“自分だけのPLDパター”を手にできるのが、このシリーズの魅力だ。


PINGはどうやって「Oslo」を“新しい形”に進化させたのか?

PING『PLD Oslo AS』パターのフェース面。シャローミルドパターンが採用され、やや硬めの打感を生む精密削り出し仕上げ。

基準となる「PLD Milled Oslo」といえば、「PLD Milled Oslo 3」が代表的な標準モデル。このモデルは「オフセットH3ネック」を備えた標準レングス(=標準長さ)仕様で、もっともオーソドックスな構成だ。

一方で、新しく登場した「Oslo AS(Alternative Style)」3モデルは、設計コンセプトが異なる。3本のうち、2本はセンターシャフト仕様、1本はヒールシャフト仕様。

さらに、標準長さモデルは1本のみで、それぞれに異なるフィーリングとストローク特性を持っている。


PING「PLD Milled AS Oslo C」|センターシャフト化で新たな構えやすさを実現

PING『PLD Oslo C』パターのバックフェース。センターシャフト設計により、フェースバランスと安定したストロークを実現。

3本の中で唯一の標準レングス(=標準長さ)仕様となる「Oslo C」。最大の特徴は、新たに採用されたセンターシャフトホーゼルだ。

シャフト位置を中央に移し、オフセット量も従来の「PLD Oslo 3」より控えめに設定されている。


PING『PLD Oslo L』のヘッド上面。長尺設計によりストローク軌道を安定させ、振り子のようなスムーズな動きをサポートするデザイン。

新しいホーゼル位置により、「Oslo C」はアドレス時の見え方が「Oslo 3」と大きく異なる。

「Oslo 3」と比べてフェースの見え方がすっきりし、一部のゴルファーにとってはより構えやすく、狙いやすいデザインになっている。


PING「PLD Milled AS Oslo CB」|ヒールシャフト×フェースバランスで狙いやすさアップ

PING『PLD Oslo CB』のヒールシャフトデザイン。ダブルベントシャフトを採用し、フェースバランスでストレートなストロークに対応。

続いて「Oslo CB」では、デザインと構造の両面で2つの大きな変更が加えられている。まず、ホーゼルをヒール側に配置し、ダブルベントシャフトを採用。

これによりヘッドはフェースバランス設計となり、ストレートなストロークに対応する仕上がりとなった。

さらに、「Oslo 3」と同様にヒールシャフトを採用したことで、フェース中央のアライメントラインやバンパー形状が視覚的に際立ち、ターゲット方向への狙いやすさが向上。

構えた瞬間にターゲットラインをイメージしやすいデザインだ。


PING『PLD Oslo CB』のトップビュー。長尺カウンターバランス仕様で、安定性と方向性を両立する設計。

「Oslo CB」は、「Oslo 3」とは異なる長尺仕様のカウンターバランスモデル。標準レングス(=標準長さ)37.5インチ、ヘッド重量380グラムという重厚なスペックを持つ。

ヘッドの重さに合わせて、17インチグリップを通常の位置で握ると、グリップとシャフトの一部が手元の上に伸びる形となり、ヘッドの重量を自然に打ち消すようなフィーリング。

これにより、ストローク中の安定感とテンポの均一性が高まり、しっかりとした転がりを生み出すって算段らしい。


PING「PLD Milled AS Oslo L」|長尺設計で安定感と体へのやさしさを両立

PING『PLD Oslo L』パターのソール部分。大型ヘッドと47インチ仕様で、安定感とやさしさを兼ね備えた長尺モデル。

「Oslo L」は、「Oslo CB」のコンセプトをさらに発展させた長尺・重量型モデル。

標準レングス(=標準長さ)47インチ、ヘッド重量475グラムという圧倒的な存在感を持つ。

もちろん、体にパターを固定して打つ“アンカリング”はルールで禁止されているが、このモデルは振り子のような安定ストロークを再現しやすい。

ストローク軌道を一定に保ちやすく、長尺パター特有のテンポの良さが魅力だ。


PING『PLD Oslo L』のヘッド上面。長尺設計によりストローク軌道を安定させ、振り子のようなスムーズな動きをサポートするデザイン。

長尺設計により前傾姿勢が浅くなるため、腰への負担が軽くなるという利点も期待できる。


「Oslo」シリーズの拡張

PING『PLD Milled AS』シリーズに採用された専用グリップ。長尺モデル用のカウンターバランス設計が特徴。

今回の「Alternative Style」シリーズは、PINGにとって大々的な新製品のお披露目というよりも、既存の「PLD Milled」ラインの拡張に過ぎない。

「Oslo」好きにはたまらないだろう。

ただし評価は、「PLD Oslo 3」が自分に合っていたかどうかで変わるはずだ。もし「Oslo 3」で満足していたなら、大きな違いは感じないかもしれない。

しかし、「センターシャフト仕様」や「標準レングス(=標準長さ)以外のモデル」を求めていたゴルファーにとっては、今回のリリースはまさに待望の追加モデルだ。

新モデル「PING PLD Milled AS Oslo」シリーズのメーカー希望小売価格は485ドル。

詳細は PING公式サイトをチェックしてほしい。