PINGが数量限定モデル「PLD Ally Blue Onset(PLD・アリー・ブルー・オンセット)」パターを発売する。
すでにこのモデルを目にした人もいるかもしれない。今シーズン、PGAのコーリー・コナーズやLPGAのジェニファー・カプチョがキャディーバッグに入れて使用しているからだ。
特にカプチョは6月の「ShopRite Classic(ショップライト・クラシック)」でこのパターを武器に勝利を手にしている。
最大の特徴は「オンセット構造」にある。通常、パターでは「オフセット」と呼ばれるシャフトの前後位置、つまりシャフトがどの程度フェースの前に出ているかが語られる。
しかし、このモデルでは逆にシャフトがフェースよりも後方に差し込まれている。
これが「オンセット」と呼ばれるゆえんだ。フェース前方に余白が生まれることで、通常の「PLD Ally Blue」とは異なる構え感をもたらしている。新しいシャフト位置はパターの「トルク(インパクト時のフェースの回転傾向)」に影響を与える。ただし、一般的に想像する形とは少し違う。
「Ally Blue Onset(アリー・ブルー・オンセット)」はゼロトルクパターではない

ステンレススチールとアルミニウムを組み合わせた精巧な削り出しのこの写真で見て、「ゼロトルク」だと早合点した人もいるかもしれない。
近年、シャフトがパター中央に差し込まれているのを見れば、多くの人が「ゼロトルク」だと考えるのも当然だ。たいていの場合はその通りだが、今回は違う。
確かに、このパターではシャフトが本体に直接挿入されている。
しかし、それは「ゼロトルク」設計のように重心位置ではなく、中心からずれた位置に取り付けられている。その結果、「PLD Ally Blue Onset」には約15度のトゥハング(フェースの傾き度合)が生まれる。この「トゥハング」は、ストローク中のフェース回転=トルクにつながるのだ。
ロフト角やライ角の調整はできない

「PLD Ally Blue Onset」は、ロフト角3度・ライ角70度のみの設定で提供される。
つまり、*ミッチェルマシンで自分好みに曲げることはできない。外付けホーゼルを曲げて調整できる一般的なパターとは違い、このモデルはヘッドにシャフト穴を開ける時点でロフトとライが決まる仕組みだからだ。*「ミッチェルマシン」:(アメリカの Mitchell Golf Equipment 社 が作っているライ角とロフト角の調整器具)
もちろん、PINGの技術者は優れた仕事をするが、さすがに穴そのものを曲げることはできない。コンポジットシャフトを曲げるのも現実的ではないだろう。
この仕様は「PLD Ally Blue Onset」の使い手を、ロフト角・ライ角が合うゴルファーに限定してしまう。おそらく、ここまで調整が効かないPINGパターは珍しい。
ライ角70度(固定)に合わない人は、レフティ(左利きゴルファー)の気持ちを少し理解できるかもしれない。
特別限定モデルは定番化するのか?

パターブランドが特別限定モデルを出すのは、市場の反応を探る意味合いが強い。
もしゴルファーが興味を示さなければ、それを量産モデルにする理由はない。逆に熱狂的に受け入れられれば、翌シーズンには定番化するケースもある。では、「PLD Ally Blue Onset」もそうなるのか?正直なところ、現段階ではわからない。
個人的には市販モデルを期待したい。ただし、大量生産の壁になるのは「ロフト角・ライ角が固定」されている点だ。
もし量産化するなら、カスタムフィッティングやPINGへのダイレクト注文が前提になるだろう。とはいえ、それは工房やショップでも対応可能だし、PINGが「PLD Plus」シリーズのようにオンライン注文システムを整えれば実現できるはずだ。
「PLD Ally Blue Onset(PLD・アリー・ブルー・オンセット)」はとても興味深いモデルだ。
個人的には「Ally Blue 4」の見た目と打感が大好きなので、このモデルとの違いも試してみたい。だからお願いしたい。ライ角70度にフィットする人は、ぜひこの限定版を手に入れてほしい。そうすれば、PINGが他スペックの展開を考えるかもしれない。最新情報はPING公式サイトでチェックしてほしい。2025年10月9日数量限定で発売!
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