はじめに
COBRAの「KING」ウェッジシリーズには、すべてのゴルファータイプに対応する4つのモデルが用意されている。
「KING」「KING Black」「KING Raw」「KING-X」の4モデルはいずれも、『精密ミーリング加工された溝』『独自の仕上げ』『用途に特化したソールグラインド』を備え、理想的な「スピン量」「操作性」「寛容性」のバランスを追求している。今回、「フィクスユアディボット」、「シーサイダーズ12」、「カーソン・オーモンド」、「ポール・ヘドリック」の4人のテスター(いずれも「MyGolfSpyフォーラム」のハンドルネーム)がこのウェッジを徹底的にテスト。
あらゆるライでの性能、打感、スピン性能、そしてショートゲームにおける自信の持ちやすさといった観点から評価を行った。 本レビューでは、彼らの率直なインプレッションをもとに、コブラゴルフが提案する最新ショートゲーム用ウェッジの実力を探っていく。テスターによる主な評価ポイント

パフォーマンスの概要
テスターが挙げたポイント:
・グリーン上でピタッと止まる安定したスピン性能
・構えたときに安心感を与える、洗練された見た目 ・フルショットでもコントロールショットでも安定したやさしさ ・グラインドの種類が実用的で、プレーヤーによって好みが分かれる傾向も ・特に「KING Black」と「KING Raw」モデルの仕上げは高い耐久性を発揮主な特徴
コブラ「KING」ウェッジ 各モデルの特徴:
・KING:伝統的なマッスルバック形状と、さまざまなライに対応できる多彩なソール設計
・KING Black:「KING」と同じ形状ながら、まぶしさを抑えるブラック仕上げを採用 ・KING Raw:無メッキ仕上げにより自然なサビを促進し、摩擦を高めてスピン性能を強化 ・KING-X:キャビティバック設計でやさしさを確保しつつ、スピンコントロールも維持総合評価
テスター全員が一致して評価したのは、コブラゴルフのウェッジが「上質な打感」「構えたときの安心感」、そしてあらゆるショットで明らかに感じられる性能向上を兼ね備えているという点だった。
テスターの声:実際の使用感とパフォーマンス

第一印象と見た目
■フィクスユアディボット
「このウェッジは見た目が本当に美しい。サテン仕上げがとてもなめらかで、コブラゴルフらしい“ギザギザ”のソール relief(リリーフ)エリアや、“Cobra”と“King”のロゴを区切るハニカム調のアクセントラインがいい感じに映えている。ロフトやバウンス角、グラインドの表示がトゥ側に入っているデザインも気に入ってるし、ツートーンのペイントも好印象だね。」
「フェース面に施されたごく細かなミーリング仕上げも特徴的。最初はほとんど気づかないくらい繊細なんだ。」
■シーサイダーズ12
「とにかく見た目が美しいウェッジだよ。余計な装飾がなくて、そこが逆に好印象。デザインの細部へのこだわりが本当に素晴らしいんだ。ヘッド形状もすごく良くて、“スプーン”のような丸みを帯びたフォルムは、ウェッジを打つときに自分が特に好むポイントだね。」
■カーソン・オーモンド
「このウェッジ、めちゃくちゃカッコいいよ!ブランドロゴのデザインも過去モデルよりずっと洗練されてるし、新しく採用された『ドロップソール』や『ツアーソール』も見た目がすっきりしていて好印象。バックフェースに施された“スネークスキン”調(または金槌で叩いたような)模様も、とても丁寧で細部までこだわっている感じが伝わってくるね。」
ただし、ひとつ気になる点も:
「48度のウェッジには、はっきりと分かる3本のキズがついていたんだ。これは正直かなり残念。調整時のものなのか、配送中か、それとも別のタイミングなのか……。もちろん、クラブの性能には影響ないけど、“たまたまなのか、それとも製品全体の問題なのか”って不安にはなるよね。」
■ポール・ヘドリック
「じっくり見てみると、このウェッジはとても魅力的だと感じたよ。装飾を抑えた“クリーン”なデザインが気に入っている。昔から僕は、見た目に関しては“引き算の美学”が好きなんだ。」
打感と打音

■フィクスユアディボット
「芝との抜けがすごく良くて、狙い通りのショットを安定して繰り返しやすい感触があった。58度/10Vソールは、ちょっと“恋に落ちそう”なくらい気に入ってるよ。」
■シーサイダーズ12
「このウェッジの見た目と全体のシャープな仕上がりには本当に感心した。ヘッド形状やグラインドの種類も自分に合っていて、グリーン周りのどんなショットでも自信を持って打てる気にさせてくれるよ。」
■カーソン・オーモンド
「どのウェッジも、打感は全体的に平均以上って感じだったよ。でも54度だけは別格。絶対にキャディーバッグから外さないつもり。いや、誰がなんと言おうと使い続ける!ピッチショット、フルショット、チップショット、高い球も低い球も…とにかく、必要なショットは全部これでいける。」
■ポール・ヘドリック(60度について):
「この60度ウェッジは本当に優秀だね。『ツアーグラインド』は、ウェッジの感覚をすぐにつかめる器用なプレーヤー向けのグラインドだと思う。自分がこのウェッジでどんなショットを打てるか理解していくにつれて、ますます武器になってきたよ。」
■ポール・ヘドリック
「60度のウェッジを手に取って、何度か軽く振ってみたんだけど、すごくフィーリングが良かった。ヘッドの重さのバランスもいいし、グリップの吸いつくような感触も気に入った。ほとんどすべてが自分好みだったね。」
スピン性能と止まりやすさ

■フィクスユアディボット
「60ヤード、40ヤード、20ヤード、8ヤードの距離からそれぞれ10球ずつ打ってみたけど、打感や芝との抜けの良さ、そしてボールの止まり方がすごく気に入った。チップショットもピッチショットもグリーン上で素早く止まってくれるから、高い球も低い球も打ち分けやすくて、対応力がグッと広がるね。」
■シーサイダーズ12
「これまでもコブラゴルフのウェッジを使ってきて、特にグリーン周りでのスピン性能が気に入ってたんだ。ここ数年、コブラゴルフが評価されてきたのも納得だし、そのぶん今回のウェッジにはかなり期待してる。」
■カーソン・オーモンド
「このウェッジは、どのショットでもこれまで使ってきたどの新しいウェッジよりも、しっかりボールを“つかんで”くれる感覚があるんだ。フルショットでは、なんとボールが手前に戻る“バックスピン”がかかったこともあって、正直それは初めての体験だった。新鮮で、ちょっと感動したよ!」
■ポール・ヘドリック
「平均すると、この60度ウェッジでは73ヤードを狙って打てるようになった。以前使っていた60度では、うまくいってもせいぜい60ヤードだったし、どこに落ちるかも分からない状態だったからね。」
寛容性と安定性

■フィクスユアディボット
「サイズ感としては、大きすぎず小さすぎずちょうどいい印象。他ブランドのウェッジと比べても、全体の形状はかなり一般的で違和感はなかったね。」
■シーサイダーズ12
「これからブラック仕上げの耐久性について、じっくりチェックしていくつもり。手持ちのSub 70ウェッジはかなり長持ちしてくれたからね。あわせて、飛距離やスピン量、打ち出し角や打感といった点も細かくテストしていく予定だよ。」
■カーソン・オーモンド
「まず驚いたのは安定感。どのウェッジもキャリーのばらつきは平均から4〜5ヤード以内、スピン量も±300回転以内に収まってたんだ!ただ、番手ごとの飛距離の間隔(48度:117ヤード、54度:91.5ヤード、58度:71ヤード)は理想とは少し違ってて、そこは自分の打ち方の問題かもしれない。もう少し検証が必要だね。」
■ポール・ヘドリック
「52度のウェッジでは、平均して89ヤード飛ばせることがわかった。まだ引っかけ気味のミスが出ることはあるけど、初めて使った感触としてはすごく好印象だったよ。振りやすくて、ボールにもきれいにコンタクトできるし、芯を外してもそこそこいい結果になってくれるんだ。」
グラインドと汎用性

■フィクスユアディボット
「自分が選んだのは『V = (バ―サタイル)versatile(万能)グラインド』。理由はシンプルで、一番人気があるみたいだし、あらゆる芝のコンディションやフルショット、コントロールショットにも幅広く対応できるからね。」
■シーサイダーズ12
「手元に届いたのは、50度と54度が『バ―サタイルグラインド』、そして58度が『ツアーグラインド』。このウェッジたちで、自分のショートゲームをもう一段レベルアップさせられると思うと、すごく楽しみだよ!」
■カーソン・オーモンド
「今のところ、48度はあんまりしっくりきてないんだ。『バ―サタイルグラインド』は、どちらかというと56〜60度で使いたいタイプだと思ってる。48度にそれしか選べないのは、正直コブラゴルフの見落としじゃないかな。理想を言えば、48度は『ドロップグラインド』で使いたかったね。」
■ポール・ヘドリック
「今使っているウェッジと“同じ条件で比較”できるように、このスペックを選んだんだ。自分のプレーで一番の弱点は、昔からウェッジとパター。だから、ここでどれだけ改善できるか楽しみにしてるよ。」
実戦でのパフォーマンス

■フィクスユアディボット
「一度しっかり調整してからは、ずっとセンターを張ってくれる頼れる相棒になってくれたよ。『どれだけ強く振っても真っすぐ飛ぶから任せろ』って言ってくるような安心感があるんだ。ふつうは強く振れば振るほどミスも大きくなるけど、コブラゴルフのウェッジではそういうミスがほとんど出なかった。」
■シーサイダーズ12
「この1年はショートゲームにかなり力を入れてきたんだ。今回のウェッジには、もっとピンを攻めて、ショートゲーム全体をさらにレベルアップさせてくれることを期待しているよ。」
■カーソン・オーモンド
「今回のテストは、全米のいろんな場所で行う予定なんだ。それぞれのグラインドが、どれだけ正確なコンタクトや安定した弾道を生み出してくれるか、そしてスコアアップにどこまで貢献してくれるかをじっくり見ていきたいと思ってるよ。」
■ポール・ヘドリック
「ラウンドの1ホール目、グリーンまで32ヤードの距離まで寄せすぎちゃったんだけど、60度のウェッジを使ってピンそば約45センチにピタリ。ワンピン以内に寄せて“アップ&ダウン”成功!自分にとっては、こういうのはかなり珍しいんだ。」
耐久性と仕上げ
■フィクスユアディボット
「今回は、標準装着のコンポジットシャフトを選んだんだけど、ちょうど自分がスリクソンZX5で使っている三菱の『MMTシャフト』と同じモデルだったんだ。今回のシャフトは『85R』で、『80R』にあるサテン仕上げじゃなく、グロス(光沢)仕上げになっていて、見た目もすごくいい感じだよ。」
■シーサイダーズ12
「特に注目してテストするつもりなのが、ブラック仕上げの耐久性。手持ちのSub70ウェッジは、2年使ってもしっかり状態を保ってくれているからね。」
■カーソン・オーモンド
「Raw仕上げのウェッジには、すでにうっすらとサビが出始めてるんだけど、それこそが自分が一番楽しみにしていた変化なんだ。」
■ポール・ヘドリック
「実際に測ってみたら、ちゃんと希望どおり+0.5インチになっていて、グリップもミッドサイズが装着されてた。今のところ、仕上がりは完璧だね!」
高く評価されたポイント
・細部まで丁寧に仕上げられた、洗練されたデザイン
・すべてのショットで高いスピン性能と優れた止まりやすさを発揮 ・プレーヤーの好みに応じて選べる多彩なグラインドバリエーション ・構えたときに自信が持てる打感と打音 ・飛距離のバラつきが少なく、ミスにも強い安定した性能 ・特に「KING Black」と「KING Raw」の仕上げは耐久性に優れている気になったポイント
・一部ロフトではグラインドの選択肢が限られている(カーソン・オーモンド)
・納品時に小さな外観上のキズが見られた(カーソン・オーモンド) ・一部テスターは番手間の飛距離調整に課題を感じた(カーソン・オーモンド) ・梱包材にもう少し保護クッションがあっても良い(シーサイダーズ12、ポール・ヘドリック)結論
最終評価
コブラゴルフ「KING」ウェッジシリーズは、安定したスピン性能、汎用性の高いグラインドバリエーション、そして上質なデザインによって、テスターたちに強い印象を残した。
それぞれのテスターが、ショートゲーム全体で明らかなパフォーマンス向上を実感しており、グラインドの相性や番手間の飛距離差に関する指摘は一部にとどまった。テスターの総括コメント:
■フィクスユアディボット
「58度/10Vにはもう夢中だよ。芝との抜けも打感も最高。」■シーサイダーズ12
「このウェッジは本当に美しい。期待値はかなり高いし、長期的なパフォーマンスが楽しみだね。」■カーソン・オーモンド
「54度は絶対にバッグから外さない。ピッチ、フルショット、チップ、高低打ち分け…なんでもできる!」■ポール・ヘドリック
「こんなに飛んで、真っすぐ、しかも安定して打てたウェッジは初めて。間違いなく、これまで使った中で最高のウェッジだよ。」おすすめしたいゴルファー
多彩なグラインド、優れたスピン性能、そして洗練されたデザインを求めるゴルファーには、コブラゴルフの「KING」ウェッジシリーズを強くおすすめしたい。
自身のプレースタイルに合ったグラインド選びや、番手間の飛距離調整をしっかり行うことが、性能を最大限に引き出すカギとなる。
よくある質問
Q:コブラ「KING」ウェッジは時間が経つとサビますか?
A:『KING Raw』モデルは、あえて自然にサビが発生するよう設計されており、それによって摩擦とスピン性能を高める効果があります。
Q:最も汎用性の高いグラインドは?
A:テスターの間では、『バ―サタイルグラインド』が最も評価されました。さまざまな芝の状況やショットタイプに対応できる点が好評です。
Q:ミスヒットにも強いですか?
A:はい。芯を外した際の飛距離ロスはごくわずかで、打感や安定性もしっかり保たれているという評価でした。
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