・テーラーメイドが新作の「P7MB」、「P7MC」、「P770」アイアンをリリース

・「Pシリーズ」はツアープロの声に応え若干の改良を加えたモデル

・3モデルのメーカー希望小売価格は、スチールシャフトが1,299ドル、カーボンシャフトは1,499ドル

・1月20日発売


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アイアンの大量投入を約束していたテーラーメイドが、新作3モデル、というかより正確に言えば、「Pシリーズ」アイアンの改良版を追加することになった。「P7MB」、「P7MC」、「P770」のリニューアルは確かに若干ではあるが、テーラーメイドが「Pシリーズ」の“三本柱”と呼ぶ「打感」「デザイン」「パフォーマンス」を表している。


テーラーメイド「P7MB」アイアン

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「P7MB」は、その名の通りこのシリーズのマッスルバックアイアンだ。テーラーメイドによると、「精確な操作性と正確なショット」を実現するという。

これは当然ながらごく一部の上級者に向けたメッセ―ジだが、あらゆるレベルのゴルファーが、少なくとも表面的な部分である「流麗なライン」や当然と言える「ピュアな美しさ」には惹かれるはずだ。

美しいアイアンではあるが、フェースセンターの後ろにある新しい重厚感たっぷりの対照的な「バックバー」により、口うるさい層にとってはこの「P7MB」は少しモダン過ぎるかも。とはいえ、こうした層は3番で20度、7番で34度、PWで47度という伝統的なロフト設定には納得するはずだ。

今回のリニューアルは、ローリー・マキロイやコリン・モリカワといったテーラーメイド契約プロが大きくかかわっている。というわけで、ブレード長がさらに短く、ソールも1mm薄くなり、バウンス角もやや増えている。


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そしてマッスルバックにおいて正確性は重要なだけに、「P7MB」のフェースと溝はマシーン加工が施されている。これにより一貫性が増すことは間違いなく、一番眼の肥えたゴルファーの心を掴もうとしているわけだ。

また「P7MB」(そして「P7MC」)では、『コンパクト・グレイン・フォージング』が採用されている。ミズノの『グレイン・フロー・フォージング』と似て聞こえるが、それも偶然ではない。テーラーメイドの新アイアンは、業界標準の倍となる2,000ポンドの圧力で5度も鍛造されているのだ。


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これはアイアンの粒状構造を厳密に揃えるための工程。テーラーメイドによると「『P7MB』でショットする度に、フィーリングが過敏に反応してしまうくらいアイアン本来のフィードバックと最高の打感が得られる」ようだ。

これが真実なのかを判断するのは結局のところゴルファーだし、自分には多くのゴルファーが、マッスルバックにすら、“フィーリングのダイレクトなフィードバック”を求めているかは分からないが、プロにおいては求められることなのだろう。


テーラーメイド「P7MC」アイアン

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「P7MC」は、「Pシリーズ」ラインナップにおける真のキャビティバックだ。テーラーメイドによれば、改良版は“トップクラスのボールストライカー(正確無比なショットを放つゴルファー)たちのパフォーマンスの要望を満たすために細心の注意を払って精査された”とのこと。

みなさんはトップクラスのボールストライカーではないだろうが、比較的シンプルでクリーンなデザインは気に入るはず。一方、鍛造されたキャビティの質感と高光沢の“T-Bug”ロゴにより、この「P7MC」は「P7シリーズ」の中で一番凝ったアイアンとなっている。

この「P7MC」は、PGAツアーにおいてテーラーメイドの最も人気のあるアイアンだが、その特徴を考えると、改良部分は小さいと思うのが妥当であり、失敗しないことに重点を置くことと同じくらい、少しだけ改善させることに重点を置いている可能性が高い。


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「P7MB」同様、新しい「P7MC」はトップラインがやや薄くなっておりソールも狭くなっているが、それ以外は特に変わっていないのだ。

また、やや「寛容性」が増すように周辺重量配分も考慮しているが、このアイアンは、うまく当たってもフェースセンター付近というゴルファーには適しているとは言えない。

「P7MC」は「P7MB」同様、テーラーメイドの『コンパクト・グレイン・フォージング』プロセスにより、5度の鍛造工程が施されている。また、ロフト角は「P7MB」とマッチしている。


テーラーメイド「P770」アイアン

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テーラーメイドでは、新しい「P770」アイアンを“完璧を目指してデザインされ、グラインド好きなゴルファーに向けて生まれた”としている。

「P770」は、現行の「P790」と同じように中空ボディ構造を採用しているがこの2モデルを間違える可能性は少ないだろう。

最も分かりやすいのは、新しい「P770」は前作よりもオフセットが少ないこと。タイガー・ウッズがこの3番アイアンに惚れ込んでいるので、タイガーのアドバイスがそれなりに詰まっているということだ。

「P790」がやや大きいと感じる方は、この「P770」は選択肢になると感じた。オフセット(あるいはオフセットがないこと)を見た瞬間に私は対象外だが、間違いないのは、「P770」は上級者飛び系カテゴリーの最先端タイプということだろう。


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2023年モデルの「P790」には、現行の「P790」にも採用されている振動を抑制する「スピードフォーム・エアーポリマー」が充填されている。この軽量素材により、同社開発人の柔軟性が増し、ヘッドにウエイト(お察しの通りタングステン)を追加することが可能になった。

今回の「P770」には45gのタングステンが搭載されており、これは現在のスタンダードほどではないが、「P770」のサイズとしては少なくない。そしてこのタングステンにより、同社が「フライテッド・CGデザイン」と呼ぶ機能を活用することが可能となった。

ゴルフ業界では珍しいことではないが、これによりロングアイアンでは重心を低く設定(3番アイアンで1.1mm低く設定)することが可能となり、簡単に高弾道が打てるようになる。アイアンが短くなるにつれて、重心は高くなりスピンが効いたより直進性の高い弾道になるというわけだ。


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最後に、鍛造「4140L」フェースと同社の『プログレッシブ・インバーテッド・コーン』テクノロジーが『スルースロット・スピードポケット』と相まって、よりフェースの柔軟性が増し、最終的にはフェース全体の初速アップも実現している。

「P770」のロフト角は「P7MB」、「P7MC」よりもややストロングロフトの設定となっているが、我々が“ストロングロフト”と表現するほどにはないっていない。


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価格と発売時期

テーラーメイドの新作「Pシリーズ」はスチールシャフトが1,299ドルでカーボンシャフトが1,499ドル。

純正シャフトは「KBSツアー」の「130X」と「120S」で、純正グリップはゴルフプライドの「Z-Grip」となっている。先行販売はスタートしており、店舗での発売は1月20日から開始される。