今日のリリースを見ると、どうやらボーケイチームは、新作ウェッジのメインとなるラインナップモデルを想起させる手段として、WedgeWorksを活用していくつもりのようだ。

新モデルはSM8シリーズで今秋に発売されると予想できる。

最近のタイトリストの傾向を考えると、WedgeWorksを活用させ通常モデルと異なるリリースをしていく予測は見当違いになるかも知れない。

とは言え、WedgeWorksから発売される最新モデルは、新商品チェックリストに加わるものとなるはずだ。

今年の初め、ボーケイはSlute Blueウェッジの64°のTグラインドをリリースした。

64°というロフトにこのバウンスのコンビネーションは特殊で、オーガスタでプレーした選手の中には必要だったプロもいたかも知れないが、アマチュアゴルファーにとっては使いこなせないスペックだ。

64°のウェッジの良さを本気で感じられるというゴルファーなど自分たちの周りには殆どいないし、コスパも感じられないだろう。しかし、Slate Blue仕上げには目を奪われる。すごくセクシーな感じがするのだ。

ボーケイ,Wedgeworks,54°,56°,Dグラインド,タイトリスト

  ボーケイは、今回の新作では機能を最優先している。54°と56°のDグラインドは見た目が良くないということではなく、グラインドそのものを推し出しているのがその理由だ。

ハイバウンスウェッジとして知られるDグラインドだが、バウンスと多彩性という、相反する関係に一石を投じているように思う。

ウェッジデザイナーたちは「バウンスは友達」と繰り返し、これは特にフルショットでは本当のことだ。

頻繁に言われているわけではないが、普通はバウンスがある方、特に正真正銘のハイバウンスウェッジなら多彩性は低くなる。

ボーケイのFグラインドはその典型例だ。スクエアに構えることが可能で、バウンスも大きく入射角が鋭角に入るプレーヤー(打ち込むプレーヤー)に向いている。

デメリットは、リーディングエッジがストレートでヒールとトゥ部分もグラインドされていないため、グリーン周りやバンカーからのショットには一番向いていないことだ。

それと反対なのがMグラインドだ。トゥからトレーディングエッジ、ヒールにかけて大きくグラインドされており、グリーン周りでのフェースの操作性が多彩。

一方、打ち込むタイプのゴルファーには、バウンスが小さいためフルショットの距離感や方向でバラつきなどのマイナスに作用する可能性がある。

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ボーケイは、SM7シリーズのラインナップとして58°と60°のDグラインドをすでに発売している。

Dグラインドは、やさしさと操作性を兼ね備えたモデルで、ハイバウンスのロブウェッジとして訴求されており、FグラインドのバウンスとMグラインドの多彩性を合わせ持つ。

今回のボーケイのリリースにより、Dグラインドの特性を54°と56°のサンドウェッジでも使うことができるようになった。

Dグラインドは、スクエアに構えたショットでハイバウンスが効果を発揮し、三日月型のソール形状によりフェースを開いた時の多彩性を実現する。

これにより、グリーン周りでサンドウェッジを使うプレーヤーのショットとフェースの開閉の自由度が増した。

クラブフェースを閉じたり開いたりして使うダウンブローに打つゴルファーにとっては理想的なウェッジだ。

また58°、60°と同様、54°と56°のDグラインドは三日月型のソール形状をしており、フェースを開くとソールが地面に近づき、アドレス時にボールの下にクラブが入っているように見える。

この形状の好みは分かれるが、私はこのソールが好きだ。

去年の夏にタイトリストのフィッティングを受けた時は、58°のDグラインドと54°のFグラインドを勧められた。

その時からDグラインドはお気に入りとなり、ハイバウンスの恩恵を得られるようになった。その一方でFグラインドが多彩でないことに不満を感じていることも事実だ。

敢えて言うなら、54°のDグラインドを試す気は満々だし、次のボーケイのフルリリースにこのスペックが加わらないことなど考えられない。

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スペック、販売状況と価格

ボーケイの54°、56°のDグラインドは、ツアークローム仕上げが今日からWedgeWorksで発売。価格は195ドル(ボーケイのカスタムグリップ、シャフトバンド、10文字までのカスタムスタンプを含む)。