練習場で100球打つなら、その100球をどう使うか。
私が長年続けている練習には、ひとつの決まった型がある。
1カゴ100球を7つのパートに分け、すべてのショットに明確なターゲットを決めて打つというルーティンだ。
最初は25、50、75ヤードの短いウェッジショットから始め、アイアン、ドライバー、フェアウェイウッドやユーティリティへ。そして71球目からは、同じクラブを繰り返し打つ練習から、1球ごとにクラブやターゲットを変える、より実戦に近い練習へ切り替える。
最後は再び75、50、25ヤードへ戻り、徐々にスイングを小さくして100球を締める。
100球ルーティンの全体像
| 球数 | メニュー | 意識すること |
|---|---|---|
| 1〜15球 | 25・50・75ヤードを各5球 | 正面のターゲットを狙う |
| 16〜25球 | PWのフルショット10球 | 正面のターゲットを狙う |
| 26〜45球 | 7〜9番アイアン | 左へ10球、右へ10球 |
| 46〜55球 | ドライバー約10球 | 1球ごとに間隔を取り、狙う方向も変える |
| 56〜70球 | FWまたはUT+5・6番アイアン | 通常の弾道や低いスティンガーも打つ |
| 71〜85球 | 1球ごとにクラブ・距離を変える | ターゲットも変えて実戦形式で打つ |
| 86〜100球 | 75・50・25ヤードを各5球 | 徐々にスイングを小さくして締める |
ちなみに、ここで出てくる「スティンガー」とは、通常より低く抑えた、強い弾道のショットのこと。
風の影響を抑えたいときや、低い球で前へ運びたいときなどに使われ、タイガー・ウッズを象徴するショットのひとつとしてもよく知られている。
「タイガーのような低い球を打ってみたい」と思ったことがあるなら、この56〜70球目で何球か試してみるのも面白い。
私は、この100球ルーティンを形を少しずつ変えながら、もう何十年も続けている。
きっかけは若い頃だった。
練習場へ行って1カゴ分の料金を払うと、出てくるのは100球。最初から球数が分かっていたので、「それなら、この100球を分けて練習してみよう」と考え、自分なりのルーティンを作るようになった。
それを続けているうちに、いつしかこれが私のいつもの練習になった。
もちろん、毎回必ずこの通りに100球を打つわけではない。
ドライバーの調子が悪かったり、ウェッジで特定の課題に取り組んでいたりする日は、決められた球数に無理やり合わせることはしない。その日の課題に応じて内容を変える。
でも、スイングに大きな問題がなく、純粋に練習するために練習場へ行く日なら、今でもこの100球ルーティンが私の定番だ。
このルーティンなら、同じ動きを繰り返す練習と、コースを意識した実戦的な練習をバランスよく取り入れられる。すべてのショットにターゲットがあり、練習そのものにも始まり、中盤、終わりがある。
そして何より、私はこの練習が好きだ。
何度も繰り返してきたトレーニングや、いつものサイクリングコースのように、慣れ親しんだ流れがある。練習場に着いてから「今日は何を打とう?」と迷うこともない。
これが完璧な練習法だとは言えない。
ただ、私はスクラッチゴルファーとして長年このルーティンを続けてきた。そして、少なくとも私の練習スタイルには、とてもよく合っている。
1〜15球目:25、50、75ヤード
まずは25ヤードほど先のターゲットへ5球。次に50ヤードへ5球、そして75ヤードへ5球打つ。
狙うのは、すべて自分の正面にある具体的なターゲットだ。
私にとって、この15球は100球ルーティンの中でも特に大切なパートかもしれない。
というのも、私はこうした小さな振り幅のショットが、自分のゴルフスイングの土台になっていると感じているからだ。
25ヤードや50ヤードのショットでクラブを思い通りに動かし、しっかりボールを捉えられると、その感覚がその後の練習にもつながっていく。
そしてもうひとつ、いきなりフルスイングを始めるのではなく、小さなスイングから自然に体を温めていけるというメリットもある。
16〜25球目:ピッチングウェッジのフルショット
次はピッチングウェッジに持ち替え、正面のターゲットを狙って10球ほどフルショットする。
ここからフルスイングに入るが、まだやることはシンプルだ。
意識するのは、しっかりボールを捉えられているか、狙った方向へ打ち出せているか。 そして、この日の自分のスイングがどんな状態なのかを確かめる。
最初の15球で小さなスイングから体を動かし、ここでフルスイングへ。その日の感覚を確認できたら、次はいよいよ狙う方向を変えていく。

26〜45球目:練習場の左右を狙う
次は、練習場の左側にターゲットを決めて10球ほど打つ。距離はだいたい7番、8番、9番アイアンで狙えるところだ。
それが終わったら、今度は右側にターゲットを変えて、さらに10球ほど打つ。
これは、多くのアマチュアゴルファーが練習場で見落としがちなことだと思う。
練習場では、マットに沿って足を置き、そのまま正面を向いて何球も打ち続けるのが簡単だ。気づけば、ほとんど同じ構えから同じ方向へ打ち続けていることも多い。
ところが、コースではそうはいかない。
ターゲットが自分の左にあることもあれば、右にあることもある。練習場とはまったく違う角度に見えることもある。
マットや打席に対する足、肩、体の向きが変わるだけでも、構えたときの感覚は意外と変わるものだ。
だから私は、あえて練習場の左右にあるターゲットを狙うようにしている。
正面だけでなく、どんな方向に対しても違和感なく構えられるようにしておきたいからだ。
46〜55球目:ドライバーを10球ほど
ここでは、ドライバーを10球ほど打つ。
もう少し練習が必要だと感じた日は15球ほどに増やすこともある。ただ、練習場へ行くたびに、ドライバーを何十球も続けて打つことはしない。
ドライバーに持ち替えたら、打つペースも少し変える。
ウェッジやアイアンのときよりも、1球ごとの間隔を長めに取る。 10球をどれだけ早く打ち終えられるかが目的ではないからだ。
狙う方向も、毎回同じにはしない。
その日に取り組んでいる課題があれば、フェードやドローを何球か打ってみることもある。ただし、球筋の打ち分けを毎回必ず練習するわけではない。
ここで意識しているのは、コースでドライバーを打つときと同じように、1球ずつ打つこと。
ターゲットを決め、いつものルーティンに入り、1球打つ。
そして一度リセットしてから、次のショットへ進む。
56〜70球目:フェアウェイウッド、ユーティリティ、ロングアイアン
この15球は、その日の練習によって少し内容を変える。
フェアウェイウッドとユーティリティを毎回両方打つのではなく、どちらか一方を選んで練習することが多い。
そして、5番、6番アイアンもここでしっかり打っておく。
ショートアイアンほど簡単に打てないからといって、こうしたクラブを練習から外したくないからだ。
変えるのはクラブだけではない。弾道にも変化をつける。
通常の高さで打ったり、少し弾道を抑えてみたり、低いスティンガーを何球か打ったりする。
そして、ここでも必ずターゲットを決める。
私が知りたいのは、単に「芯に当たったか」だけではない。
そのショットがコースだったら、どこへ飛んでいったのか。
そこまで意識しながら打つようにしている。
71〜85球目:より実戦に近い練習へ
ここまでの反復練習を終えたら、今度は内容を大きく変えていく。
例えば、まずウェッジで50ヤードのターゲットを狙う。
次は8番アイアンに持ち替えて、練習場の左側にあるグリーンを狙う。その次はドライバー。そして今度は7番アイアンで右側のターゲットへ。
こんな具合に、1球ごとにクラブ、ターゲット、距離を変えながら15球ほど打っていく。
ここからは、同じクラブを繰り返し打つ反復練習から、より実際のラウンドに近い練習へと切り替わる。
考えてみれば、コースでは7番アイアンを8球続けて打ち、納得のいく1球が出るまでやり直すことなどできない。
チャンスは1球。
その1球を打ったら、次はまったく違うクラブ、距離、ターゲットが待っている。
私は、1回の練習の中にこの2つを両方取り入れるのが好きだ。
前半では、同じクラブをある程度繰り返しながら、自分の動きに取り組む。
そして後半では、1球ごとにクラブ、ターゲット、距離を変え、その都度新しいショットに対応する。
86〜100球目:75ヤードから25ヤードへ戻る
最後は、練習を始めたときの距離に戻る。
75ヤードを5球、50ヤードを5球、そして25ヤードを5球。最初とは逆の順番で、徐々に距離を短くしていく。
こうして締める理由は2つある。
ひとつは、この距離のショットが大切だからだ。
ウェッジの練習を、まだ体を温めている最初の15球だけで終わらせたくない。しっかり体が動くようになった練習の最後にも、もう一度75、50、25ヤードを打っておきたい。
もうひとつは、私にとってこれがクールダウンになるからだ。
練習の最後がドライバーのフルショットだと、どこか途中で終わってしまったような感覚が残る。
この100球には、始まりがあり、中盤があり、そして終わりがある。
75ヤードから50ヤード、最後は25ヤードへと徐々にスイングを小さくしていくと、自然とペースも落ち、練習にもきれいな区切りがつく。
100球を打ち終えたら、私はそのままパッティンググリーンへ向かう。
なぜ、この100球ルーティンを続けているのか
この100球ルーティンには、同じクラブを繰り返す練習と、1球ごとにクラブやターゲットを変える実戦的な練習の両方が入っている。
弾道を変え、長いクラブを打ち、ショートゲームにも取り組む。そして何より、すべてのショットにターゲットがある。
ただ、練習場へ行くたびに、すべてを完璧に効率化する必要はないと思っている。
頭の中を整理できる。集中して1球ずつ打てる。そして、また練習したいと思える。
そんなルーティンを持っていること自体に、十分な価値がある。
もちろん、この100球をそのまま真似する必要はない。
自分のゴルフや、そのとき取り組みたい課題に合わせて、自分なりの100球に変えていけばいい。
まずはこのルーティンをひとつの出発点にして、自分に合うもの、合わないものを見つけてみてほしい。




