すべてはゲームのために
あなたは自分に合ったアイアンを使っているだろうか? 残念ながら、「No」と答える人がほとんどだろう。優れたアイアンとは、精度(正確性)、飛距離、やさしさを兼ね備えたクラブをいうが、そこにルックスの良さも加わる。 では、どのように優れたアイアンを選ぶのか?芯にあてるのに苦労している人は、絶対にクラブの力を借りた方がいい。 そこで登場するのが、「中級者向けアイアン」だ。中級者向けアイアンは、クラブフェース全体がやさしい設計で、望む飛距離(もしくは、かつてあった飛距離)が手に入る。 今回のテストでは、17モデルの中級者向けアイアンを使用し10,000ショット以上のデータを集計した。世界でも類をみないテストである。 今年アイアンをお探しなら、このテストのデータはあなたにとってためになるものだ。MOST WANTED:ミズノ JPX919 ホットメタル
アイアンの購入にあたり
アイアンを購入する際、最も考慮すべきは「性能」だが、重要なポイントは他にもある。クラブセッティング
アイアンは、ほとんどのホールで使用する。だからこそ、クラブのセッティングが重要になる。ゴルフには、クラブ構成における世界基準は存在しない。 モデル同士の組み合わせが可能な点を考えると、決して悪いことではないが、4番アイアンがないセットもあれば、ギャップウェッジを含まないセットもあることは覚えておかなければならない。 重要なのは、そのアイアンセットがゲームに必要なクラブを網羅しているか、不必要なクラブが含まれていないかを確認することだ。シャフトセレクション
近年、アイアンのシャフトオプションは増加している。多様なモデルや、ウェイト、フレックスの中から、個人に合ったシャフトを探すのは至難の業だ。シャフト性能を測るのは、もはやグラファイトかスチールかという選択には留まらない。 プロのフィッティングを受けることが一番だが、それが難しいなら「Mizono Shaft Optimizer(ミズノ・シャフト・オプティマイザ―)」があるゴルフショップに問い合わせてみることをおすすめする。 ジャイロスコープ(物体の回転を計測する機器)とひずみゲージ(物体のひずみを計測する機器)という高度な技術を駆使したこの計測器は、クラブスピードや、テンポ、インパクト時のシャフトのフレックス度合いを測ることができる。 計測後は、あなたのスイングに合ったフレックスや長さに従い、お薦めのシャフトがリストアップされる。飛距離 VS やさしさ VS 操作性
欲を言えば、この3つの性能が備わった完璧なアイアンが欲しいところだが、残念ながら、飛距離・やさしさ・操作性は同時に叶わず、ひとつを取ればひとつを諦めなければならない。 自分のプレーの中で最も高めたい性能を絞ることだ。「飛距離」が欲しいなら、ストロングロフトが飛距離を生み出すトミーアーマー Atomicアイアンが最適だろう。「やさしさ」を望むなら、ミズノ JPX 919 Hot Metalを選ぶといいだろう。 一般的に、中級者向けアイアンは操作性が最高になるようには設計されていないが(ウェイト位置から判断して)、2019 Most Wanted 中級者向けアイアンテストでは、短めのブレードや、薄いソール、ヘッド周辺にウェイトが配置されていないなどの特徴のアイアンがまだ見られた。 「操作性」が欲しいが、やさしさも求めるなら、2018年Most Wantedの勝者であるスリクソン Z585がおすすめだ。価格
クラブの中でも一番高価なクラブは、アイアンセットだ。たとえ中級者向けというカテゴリーでも、1,000ドルは超える。テストで高性能と評されたアイアンは、ほとんどこの価格帯だが、コブラ F9 SpeedBackやテーラーメイド M5は、比較的お手頃だといえる。 豊富なシャフトアップグレードを提供している割に、価格は7本セットで800ドルから850ドルという手頃さだ。
プロダクトスポットライト ‐ 真っ直ぐ、飛ぶクラブ
コブラF9 SpeedBackは、テストした3つの距離全てで好結果だった。ショートアイアンで高い精度、ミドルとロングアイアンでは素晴らしい飛距離をみせた。このアイアンの特徴は、最新の「SpeedBack」テクノロジーだ。ソールのサイド部分を薄くすることにより、ターフコンタクトを最小に抑えながら、ヘッド周辺にウェイトを置くことで、更なるやさしさが加わる。
「飛距離」と「やさしさ」が欲しい人には、コブラ F9 SpeedBackを検討してほしい。
テスターからのフィードバック
テストでは、マーケット全体がどこに向かっているのか、前モデルから何が変わり改善したのかを探るため、トレンドも追っている。また、テスターからフィードバックを提供してもらい、良かった点、悪かった点を理由とともに共有してもらう。 ただし、これらの主観的なフィードバックが、Most Wantedのランキングに直接影響することはない。トレンドと改善点
・テーラーメイドやPXGのようなメーカーは、ヘッドテクノロジーの改善に挑んでいるが、他のゴルフメーカーはターフインタラクション(芝のコンタクト)の向上を目指し、ソール設計の改良に努めている。ソール設計の改善は目新しいものではないが、見逃されがちでもある。スリクソンは、長年ZシリーズにTour V.T.Soleを採用している。コブラは、新KING F9のソール形状を改良し、F9 ONEモデルでは芝とのコンタクトを減らす設計にした。スリクソン、コブラともに、あらゆるスイングスタイルに対応するため、ターフインタラクション(芝のコンタクト)の設計を改善している。このようなソール形状は、難しい下り斜面のライで一役買ってくれる。 ・中級者向けアイアンカテゴリーのトレンドのひとつに、複合素材のヘッドがある。これはボールスピードを維持し、ミスヒット時にやさしさが加わるように技術が詰め込まれている。これらの特徴を満たすために、ヘッドは鋳造に、溶接面はフォージドである場合が多い。また、中空ボディーや、PXGの0811 GEN2 XFのような熱可塑性エラストマーによる充填キャビティー設計なども、トレンド傾向にある。 ・このカテゴリーに共通するのは、ロフト角の強化だ。その目的はひとつ、飛距離を伸ばすためだ。トミーアーマーやツアーエッジなどのメーカーは、競合ブランドより3度や4度ロフトが立ったアイアンを作っている。飛距離は魅力だが、弾道や精度に影響することを覚えておくべきだ。なぜなら、アイアンは、飛距離よりも正確性の方が重要だからだ。
プロダクトスポットライト – 超やさしいアイアン
PPGX 0311 XFアイアンの「XF」は(e)Xtreme Forgivenessの略で、「究極のやさしさ」を意味する。テスト結果も、まさにその通りになった。長いブレードや幅の広いソール設計が、ミスヒット時にやさしさを生む。ミドル・ロングアイアンでは安定したボールスピードや、キャリー、トータルディスタンスを示し、トップ5にランクした。
つまり、0311XFは芯をヒットしなかった時でも、「究極の」グッドショットを保つ。0811 XFが納得いく価格なら、フィッティングしない理由はないだろう。
テスターからのフィードバック
・打感で高い評価を受けたのが、2018 Most Wantedの勝者スリクソンZ585と、新たに加わったトミーアーマー Atomicだ。Z585は、完全なフォージドヘッドが特徴であり、Atomicにはフェースとボディーをつなぐ独自のろう着工程(金属接合方法の一種)を採用。チタンカップフェースを利用することで、Atomicアイアンに見事な打感が生まれ、テスターの評価につながった。 ・スイングスピードの遅いテスターグループは、ボールを上に打ち出しやすいクラブを好む傾向があった。クリーブランド Launcher CBXや、ピン G410、今年のMost Wanted勝者であるミズノ JPX 919 Hot Metalなどが、スロースイングプレーヤーに好評だった。 ・ルックス・打感・アライメントの評価が高かったのは、ミズノ JPX 919 Hot Metalだ。軟らかいが、パワフルな打感に評価が集まった。ボールスピードは最高ではなかったが、精度とやさしさに関しては、3つの距離で高性能を示した。 ・今回総合的に高評価だったのはタイトリストAP1だった。ルックス・打感・アライメントのカテゴリーで、平均して最も点数が高かった。Hot Metalと同様、AP1は鋳造設計のため、打感は良いはずだ。 ・逆にルックスと打感の評価が低かったのは、Exotics EXSだ。テスターによると、打感が悪く、すわりが大き過ぎるというコメントが目立った。2019 MOST WANTED 中級者向け アイアン データ
[table id=83 /] [table id=84 /] [table id=85 /]アドバイス – シャフト素材
アイアンにおいて、シャフトの役割は大きい。平均的なシャフトウェイトは年々軽量化されているが(特に中級者向けアイアンでは)、通常スチールシャフトはグラファイトより重い。これはゴルファーにとって、多くのエネルギーを必要とし、疲労を招く。また、重めのシャフトはスイングの移動が安定するため、打ち出しが低くなりスピン量も減るという利点もあるが、全員が望むことではない。
グラファイトシャフトは軽く、最近ではデザイン改良が進み、スイングスピードの速いプレーヤー向けに数多くの選択肢が増えた。スピードが出せる軽いシャフトは、打ち出しを高く、スピンをかけられるため、スロースイングプレーヤーに最適だ。
また、グラファイトシャフトに備わる振動を軽減させる特性が、インパクトで軟らかい打感を生み出すことも利点のひとつだ。安定性と精度を得るには、正しいフィッティングが必要不可欠だ。
MOST WANTED 中級者向け アイアン スペック
よくある質問
アイアンの購入について
Q:どのくらいの頻度でアイアンを買い替えるべきか?
A:まれに技術革新が続くこともあるが、通常メーカーがクラブの性能を向上させるには3~5年かかる。特にUSGAが規制を厳しくしたことから、今後の技術革新にはより時間がかかる可能性がある。おすすめするのは、今使っているアイアンよりも、明らかに性能が優れたクラブが見つかったときに買い替えることだ。ただし、単に新しいアイアンが欲しいという理由で買っても問題ない。Q:自分に適したアイアンカテゴリーを見つけるには?
A:アイアンには上級者向け、上級者向け飛距離系、中級者向け、初級者向けの4つのカテゴリーがある。これらのカテゴリーは、スキルやハンディキャップ、ゲームに何を求めるかによって区別される。初めに、自分のスキルレベルを知ることだ。ハンディキャップが10以上で、スイングが弱い人には、中級者向けアイアンか初級者向けアイアンカテゴリーが妥当だろう。安定的にボールを打てる経験者には、上級者向けか飛距離系のアイアンの方がメリットが得られる。Q:シャフトは重要か?
A:もちろんシャフトは重要だ。スピンや打ち出しの変化はそれほど大きくないが、シャフト交換によってショットの精度やボールのばらつき、総合的な安定性の向上が期待できる。Q:アイアンを試打する際、何に注目すべきか?
A:飛距離以外の他の要素が無視されがちだが、スクリーン上の小さい数字や丸の表示に着目してほしい。飛距離やボールスピードのような測定項目を比べるとき、必ず「標準偏差」(これらの数字は、スクリーン上の大きな数字の下に表示される)の項目を見るべきだ。数字が小さいほど「安定性」に優れていることを示すが、ショットが安定すればコース上で1~2ヤード伸びることもある。同様に、「ショットのばらつき」を示す丸印も見てほしい。アイアンでは、「安定性」を過小評価してはならない。ロフト角によるスピンへの影響
毎年、飛距離を謳うクラブが多く発売されるが、ロフト角を立てれば、飛距離を簡単に伸ばすことができる。特に7番から6番アイアン、それ以下では顕著である。
気を付けなければならないのが、6番と8番アイアンで打つ場合の打ち出し角とスピン量だ。ロフト角を強くしたところで、ショットやグリーンを捉える力に影響が出るなら、アイアンセットを見直した方が良い。
MOST WANTEDテスト
Q:テスターは、どのようにアイアンを選ぶのか?
A:アップグレードオプションはなく、標準スペックのみを使ってもらう。各セットから、ショートアイアン・ミドルアイアン・ロングアイアンを1本ずつテストする。調節機能付きのアイアンはなかったが、できるだけテスターに合ったアイアンを選んだ。弾道の向上が期待できるため、複数のシャフトが利用できる場合は使用した。Q:Most Wanted中級者向けアイアンはどのように決定するのか?
A:フォーサイトスポーツGC Quad(GCクワッド)弾道計測機で集めたデータをもとに、あらゆるパフォーマンス測定項目を検証する。また、ストロークス・ゲインド値という統計的有意性を重視する独自手法を用いて、総合ランキングを決定している。Q:「最も飛ぶアイアン」の決め方は?
A:統計学的有意性に基づいてテスター全員の平均トータルヤードを検証し、「最も飛ぶアイアン」を決定する。Q:「最もやさしい」アイアンは、どのように決定したのか?
A:ショットエリア(ばらつき)や精度、ボールスピードとキャリーの平均標準偏差などの測定結果を検証し、「最もやさしい」アイアンを決める。Q:ルックスや打音、打感などの主観的な要素は、どのくらいランキングに反映されるか?
A:まったく反映されない。MyGolfSpyのランキングは、弾道計測モニター上のデータとパフォーマンス測定項目のみで決まる







