ボーケイの「SM10」ウェッジに、新たなブラック仕上げ「Black Vapor(ブラックベイパー)」が登場。

この仕上げは、正式には「チタン カーバイド ベイパー(Titanium Carbide Vapor)」と呼ばれ、PVD加工に『FPPコーティング』を施したものだ。

細かい話はさておき、この新仕上げは耐久性が高く、しかも指紋が付きにくいのがポイント。どうやら最近はそこを気にするゴルファーも多いらしい。

実を言えば、製品写真を撮るたびにクラブについた指紋をPhotoshopで消す作業、何度やったか分からない。だからこの「指紋対策」、意外と重要な進化なのかもしれない。

「チタン カーバイド ベイパー」と聞いて、「SM9」の「ジェットブラックプレミアム(Jet Black Premium)」仕上げを思い出す人もいるかもしれない。ただ、あのときは『FPPコーティング』についての言及はなかった。

とはいえ最低限、「ブラックベイパー(Black Vapor)」は「ジェットブラックプレミアム」にかなり近い仕上がりだ。

でも正直なところ、「スレートブルー(Slate Blue:最強の仕上げ™)」には似ても似つかない。

最近のボーケイは、なぜか「Slate Blue」じゃない仕上げを次々と出してくる。ここまでくると、ちょっと意図的なんじゃないかとすら思えてくる。


タイトリスト Vokey SM10 Black ウェッジの全体像。ダーク仕上げのボディと精密なロフト刻印が確認できる

こだわり尽くしの限定仕様

多くの限定モデルと同様に、ボーケイ「Black Vapor」ウェッジも“統一感のある限定仕様”で仕上げられている。

ヘッドは「チタン カーバイド ベイパー」仕上げに、シャフトはもちろんブラックの「Dynamic Gold Onyx」。さらに、グリップにはブラック×シルバーの「Golf Pride Z-Grip Cord」を装着。そこには「BVウィング」ロゴもあしらわれている。

全体の統一感は抜群で、「ショートゲームに本気です」と主張するようなルックス。

もしくは、「これがSlate Blueだったらな」と思う人もいるかもしれないけど…。


Vokey SM10 Black ウェッジのソール部、BVロゴとVokey Designの刻印が際立つ美しい仕上げ

“限定”なのに、意外と選べる。けど?

フェース面の溝加工が際立つ、Vokey SM10 Black ウェッジのクローズアップショット

ボーケイ「Black Vapor」は“限定モデル”とはいえ、実際には右利き・左利きの両方に対応し、ボーケイの通常ラインナップにある全27種類のロフト・バウンス・グラインドの組み合わせから注文が可能となっている。

参考までに、その組み合わせは以下のとおり:

46.10F、48.10F、50.08F、50.12F、52.08F、52.12F、54.08M、54.10S、54.12D、54.14F、56.08M、56.10S、56.12D、58.04T、58.06K、58.08M、58.10S、58.12D、58.14K、60.04T、60.06K、60.08M、60.10S、60.12D、60.14K、62.08M。

なかなか幅広い展開ではあるが、それでも「Vグラインド」だけは用意されていない。

またしても「Slate Blue」ファンにはちょっと意地悪な仕打ち、なのかもしれない。

すぐに使いたい、というゴルファーのために、右利き用のみにはなるが、以下の番手については在庫モデルが用意されている:

48.10F、50.08F、52.08F、54.10S、54.12D、56.08M、56.10S、56.12D、58.08M、58.10S、58.12D、60.08M、60.10S、60.12D。


性能はそのまま、見た目は一新

ひとつハッキリさせておきたいのは、この「Black Vapor」ウェッジは、現在の「SM10」ウェッジと性能はまったく同じということ。

これはフルモデルチェンジではなく、仕上げの変更にすぎない。

だから、番手ごとに最適化された『重心設計(プログレッシブCG)』や、『TX9グルーブ(ロフト別に調整された溝)』といった「SM10」の特長はすべてそのまま継承されている。

要するに、中身はそのまま。変わったのは“見た目”だけ。なのに、なぜか今回も「Slate Blue」じゃない。


Vokey Black Vapor ウェッジのシャフト部に刻まれたロゴ「BV」と「BLACK VAPOR」の精巧なディテール

“自分仕様”にカスタムしよう(もちろん常識の範囲で)

ほとんどの「Vokey」ウェッジと同様に、「WedgeWorks Black Vapor」ウェッジも、豊富なカスタムオプションに対応している。

・トゥ部に施せる8種類の限定刻印デザイン

・文字刻印のカスタム(10文字までのストレート/フリースタイル刻印、トゥ周りに15文字まで、2行×10文字までの刻印も可能)

・ロフト・グラインド表記や「BVウィング」ロゴのペイントカラーをカスタム可能

・シャフト、グリップ、シャフトバンド、フェルールの選択も自由


独自パターンが施されたVokey Black Vapor ウェッジのグリップ部分。中央にはBVロゴが配置されている

まとめ

「Vokey SM10 - Black Vapor」

価格:39,600円(税込)

発売:2025年7月24日

詳細はタイトリストホームページまで。


※下記はアメリカ仕様の情報

「Vokey Design SM10 Black Vapor」ウェッジは現在プレセール中。

7月24日(木)より数量限定で一部店舗にて販売開始となる。

価格は1本225ドル。一般的なウェッジと比べれば高めだが、「Vokey」の限定モデルとしては、これがいわば“相場”だ。

まあ、そういうものだ。