6番・7番・8番アイアンはキャディーバッグの中でもっとも働き者の存在だ。
130〜180ヤードという、スコアメイクに直結する重要な距離をカバーしており、ここでのショットがパーやバーディーチャンスにつながる。ただし、飛距離は「ロフト角の違い」や「インパクトの精度」によって大きく変わる。
つまり、同じ番手でもプレーヤーによって飛距離に差が出るのは当然のことだ。そこで、今回参考にするのが「Shot Scope」の提供するデータ。
この「ミドルアイアン飛距離チャート」は、ミスショットを除外して集計されているため、芯をとらえたショットでどれくらい飛ぶのかが明確にわかる。25ハンディキャップ
「25ハンディキャップ」レベルでは、ミドルアイアンの飛距離は番手ごとの差が出にくい。特に6番と7番は距離がほとんど重なりやすい。
打ち出しやキャリーの飛距離が安定せず、グリーン手前で終わるミスが多いのも特徴だ。8番アイアンでもグリーンヒット率(規定打数以内にグリーンをとらえた割合)は20%未満にとどまるため、「飛距離を伸ばすこと」よりも「芯をとらえたショット」を増やすことを優先したい。
加えて、「寛容性」の高いアイアンや打ち出し角を高めやすいモデルに切り替えることで、グリーンに届き、さらに止められる確率も高まるだろう。

20ハンディキャップ
このレベルになると、ミドルアイアンの飛距離に少しずつ差が出始める。ただし、番手間の飛距離のバラつき(ギャッピング問題)はまだよく見られる。
グリーンヒット率はいずれの番手でも30%未満にとどまり、120フィート(約36m)以上の平均残距離からすると、多くのアプローチがロングパットや寄せに回る状況になってしまう。
こうした課題を解消するには、クラブフィッターによるロフト角・ライ角のチェックを受けて、それぞれの番手が本来のギャップを発揮できているかを確認することが効果的だ。

15ハンディキャップ
「15ハンディキャップ」レベルでは、ミドルアイアンの飛距離の番手差が安定し、コントロールも向上してくる。
8番アイアンのグリーンヒット率は20%台後半にまで上がるが、それでも平均残距離は100フィート(約30m)を超えており、多くのアプローチは2パット圏内に収まる。この段階に来たら、部分的なショット(コントロールショット)に取り組み始めると良いだろう。
例えば「7番アイアンを10ヤード短く打つ」といった調整ができれば、スコアチャンスを広げられる。
10ハンディキャップ
「10ハンディキャップ」レベルでは、グリーンヒット率(規定打数以内にグリーンをとらえた割合)が20%後半から30%前半に向上し、特に8番アイアンではカップへの残り距離も縮まってくる。
この段階では、ミドルアイアンは「グリーンに近づけるためのクラブ」から「バーディーチャンスを作るための武器」へと役割が変わり始める。
ここで重要なのは、弾道の高さをコントロールすることや、ドロー・フェードといった球筋を打ち分けてピンを攻める技術を磨くことだ。
これができれば、より多くのバーディーチャンスを演出できる。
5ハンディキャップ
「5ハンディキャップ」レベルのゴルファーは、ミドルアイアンで高弾道・低弾道の打ち分けが自在にできるようになる。
8番アイアンではグリーンヒット率が40%超に達し、7番アイアンでも残り距離80フィート(約24m)以内に寄せられるケースが多い。このレベルでは、25ハンディキャップのゴルファーと比べて圧倒的に多くのバーディーチャンスを手にできる。
次のステップは、スピン量や弾道をさらに細かくコントロールすることだ。これにより、狙った位置にピタリと止めるショットが可能になる。
スクラッチゴルファー
スクラッチプレーヤーにとって、ミドルアイアンはまさにスコアを作るクラブになる。
6番アイアンのアプローチでもグリーンヒット率はほぼ50%、8番アイアンに至っては半分以上がグリーンオンする。平均残距離も80フィート(約24m)以内と安定しており、常にチャンスにつながるパットを打てる状況を作り出している。
このレベルのゴルファーに求められるのは、さまざまな芝質や風の条件に応じて飛距離感を調整できることだ。
完璧なライでなくても狙った数値を出せるようになれば、ミドルアイアンでの得点力はさらに高まる。
まとめ
このチャートはあくまで基準、そしてチェックのためのツールとして活用してほしい。
もし6番・7番・8番アイアンがほぼ同じ距離しか出ていないなら、それは番手間のギャップチェックが必要なサインだ。あわせて、ミドルアイアンの安定性を高める練習計画を立てることも重要。
さらに、弾道計測器を使ったセッションや、プロによるフィッティングを受ければ、自分に本当に合ったクラブセッティングを見直すことができる。
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