コブラゴルフの新しい「OPTM(オプティム)」ドライバーは、業界が長年“重視してきた”MOI(慣性モーメント)中心の考え方に、一石を投じる存在だ。
その鍵を握るのが、これまでほとんど語られてこなかった指標『POI(プロダクト・オブ・イナーシャ)』である。
多くのゴルファーは、MOIが高ければ高いほど「曲がりにくい」「ミスに強い」と捉えてきた。 だが現実には、「寛容性が高いはずのドライバー」を使っていても、思ったほどフェアウェイを捉えられないケースがある。
なぜ“やさしいはずのドライバー”でも、ショット範囲(左右のばらつき)が収まりきらないのか。コブラゴルフは、その理由を説明する新たな視点として『POI』に注目している。
ここで重要なのは、コブラゴルフが「飛距離を犠牲にして安定させよう」としているわけではない点だ。
狙いは、MOIに期待されてきた“本来の効果”──初速を落とさず、より真っすぐで、ショット範囲(左右のばらつき)を小さく抑えた弾道を、理論として成立させることにある。これは単なる新技術の追加ではない。
「寛容性とは何か?」という定義そのものを、もう一段深いレベルで捉え直そうとする試みだ。
正直に言えば、この話は軽く読める内容ではない。
マーケティング的な“分かりやすさ”よりも、物理学的な裏付けが前面に出てくる。しかし、長年ゴルファーの常識として刷り込まれてきたMOI中心の価値観に挑戦する以上、理屈を示さなければ説得力は生まれない。だからこそ、「OPTM(オプティム)」の考え方を理解する第一歩として、まずは業界標準であり続けてきたMOI──その本当の意味と、限界について整理する必要がある。
MOIを整理する|基本だが重要な前提
MOI(慣性モーメント)とは、端的に言えばヘッドがどれだけ“ブレにくいか”を示す数値だ。
インパクト時に打点がズレた際、ヘッドがねじれようとする動きに、どれだけ抵抗できるか──それを数値化したものがMOIである。これまで長い間、ゴルフ業界で語られてきたMOIの中心は、「MOI_YY → MOI(YY軸)」と呼ばれるヒール〜トゥ方向のMOIだった。USGAが定めるMOIの上限値「5,900(g・cm²)」も、このY軸方向のMOIを基準としている。つまり、多くのゴルファーが「MOIが高い=曲がりにくい」と認識してきた背景には、この「MOI_YY」だけを基準として語られてきたという前提がある。
ところが近年、状況は少しずつ変わり始めている。メーカー各社が注目し始めたのが、「MOI_XX → MOI(XX軸)」──フェースの上下方向のMOIだ。この「MOI_XX」の数値自体は、「MOI_YY」ほど大きくはならない。しかし、「MOI_YY」と「MOI_XX」を組み合わせて考えることで、合計MOIが10,000を超える設計が可能になる。これが、「10K」「MAX MOI」といったドライバーカテゴリーが誕生した理屈である。 ただし重要なのは、数値を足し算しただけで“本当に曲がらなくなるのか”という点だ。ここにこそ、コブラゴルフが「OPTM」で踏み込もうとしている領域──MOIだけでは説明しきれない“もう一つの要素”が存在する理由がある。
これまでゴルフ業界が語ってきたMOIは、基本的に「MOI_XX(上下方向)」と「MOI_YY(ヒール〜トゥ方向)」の2軸だった。
だが、クラブヘッドは言うまでもなく三次元の物体であり、2軸だけでその挙動を完全に説明できるはずがない。そこで浮かび上がってくるのが、「MOI_ZZ」という第3の指標だ。
これは「Z軸方向」──つまり、スイング中に起こるトゥアップ(フェースが上を向く状態)や、トゥダウン(フェースが下を向く状態)といったねじれに対する抵抗を示す指標だ。多くのゴルファーが見落としがちだが、重要なのはこのねじれがインパクトの瞬間だけで起きているわけではないという点だ。ドライバーは、テイクバックから切り返し、ダウンスイングに入った時点ですでに回転し、ねじれながら動いている。つまり、インパクトで起きるフェースの向きや打ち出し方向は、その直前のスイング中のヘッド挙動の積み重ねによって決まっている。「MOI_YY」や「MOI_XX」が、打点ズレに対するフェースのねじれにくさを示す指標だとすれば、「MOI_ZZ」は、スイング中におけるトゥアップ/トゥダウン方向の回転の起きやすさを示す指標と言える。言い換えれば、インパクトを迎える前段階でのヘッド挙動の安定性に深く関わる要素だ。ここまで来ると、「MOIが高いのに、なぜショット範囲(左右のばらつき)が思ったほど小さくならないのか?」という疑問が、少しずつ理屈として見えてくる。「MOI_ZZ」を言葉だけで理解するのは、正直かなり難しい。
そこでドライバーのヘッドを車の「ハンドル」に置き換えてみる。道路上の障害物を避けるために一度ハンドルを切り、そこから素早く元の車線に戻す──そのとき、ハンドルがどのように動くかを思い浮かべてほしい(この例えは直感的に理解しやすいだろう)この動きこそが、「MOI_ZZ」が関わる“ねじれ”のイメージだ。大きな意味では、MOIは打点が芯を外した際のねじれを抑え、ボール初速を維持することでミスヒットの影響を軽減する役割を果たす。
しかしコブラゴルフの考えでは、MOIという指標だけでは、インパクト前からインパクト中にかけて発生するすべてのねじれを正しく説明することはできない。ドライバーは、ボールに当たる瞬間だけ安定していればいいわけではない。スイング中、ヘッドは回転し、上下方向にも姿勢を変えながら、インパクトへと向かっていく。この過程で生じるわずかなズレやねじれが、最終的なフェース向きやショット範囲(左右のばらつき)に影響を与える。では、その“MOIでは捉えきれないねじれ”を、どう説明すればいいのか。──ここで登場するのが、『POI』という考え方だ。
『POI(プロダクト・オブ・イナーシャ)』とは何か|「MOI」の先にある指標
「MOI」と「POI」の違いを、ここで明確に整理しておこう。
MOIは、ある1つの軸に対してヘッドがどれだけねじれにくいかを示す。 コブラゴルフが例に挙げる「ドアの蝶番」は、そのイメージを分かりやすく伝えている。つまり、MOIとは一方向のねじれに対する耐性を示す指標である。一方、「POI」はまったく視点が異なる。ゴルフボールを芯からわずかに外して打った瞬間、クラブヘッドには、複数の軸方向に同時にねじれが発生する。「POI」は、その複雑で同時進行のねじれ挙動を捉えようとする指標だ。ここが、従来の理解と大きく異なるポイントでもある。MOIは「高いほうが良い」とされてきたが、「POI」は逆で、「低いほうが良い」。
「POI」が低いほど、不要なフェースローテーション(フェースの回転)が抑えられる。 その結果、打ち出し方向の安定性が高まり、スピン軸の傾きも小さくなる(ボールの曲がりが減る)。そして最終的には、ショット範囲(左右のばらつき)が小さく抑えられる。もし、この一連の話からひとつだけ覚えておくべきことがあるとすれば、多くのゴルファーが「MOIが高い=真っすぐ飛ぶ」と誤解している一方で、実際に真っすぐなショットを生み出す助けになるのは、POIが低いことだという点である。
「MOI」と「POI」の関係|「寛容性」をめぐるトレードオフ
一般に「寛容性」とひと括りにされている性能は、「MOI」と「POI」という2つの要素の掛け合わせで成り立っている。
ただし、多くのゴルファーが注目してきたのはMOIだ。実際の弾道安定性に強く影響しているのはPOI──このズレこそが、コブラゴルフが問題提起しているポイントでもある。重要なのは、「MOI」と「POI」がトレードオフの関係にあることが多い点だ。高MOIを追求したドライバーは、構造的にPOIも高くなりやすい。逆に、MOIを抑えた設計のドライバーは、結果としてPOIが低くなりやすい。この考え方は、テストデータとも整合する。
MyGolfSpyの『Most Wantedドライバーテスト』を振り返ると、低スピン系ドライバー(=本質的にMOIが低めの設計)が、高MOIモデルよりも真っすぐで、ショット範囲(左右のばらつき)が締まる結果を出すケースが少なくない。コブラゴルフによれば、POIが低いドライバーほど、クラブヘッドはスイング中に余計な回転が起きにくくなり、結果としてスイングの動きに対して自然な挙動を保ちやすい。
その結果、スピン軸の傾きが抑えられ、方向性のミスが減るという。もしここまでの話が少し難しく感じられるなら、「寛容性=MOIかPOIか」ではなく、「自分に合ったMOIとPOIの組み合わせ」と考えると理解しやすい。
MOIが重要であることに変わりはない。ただしコブラゴルフは、ゴルファーそれぞれがこの2つの指標の適切なバランスを見つける必要があると考えている。人によってはPOIの低さを重視すべき場合もあり、また別の人は高いMOIの恩恵を受け続けるだろう。そして多くのゴルファーは、その中間に最適解を見つけることになる。そして、コブラゴルフ「OPTM(オプティム)」ドライバーでは、その最適なバランスを実現するために、2つの設計上のアプローチが用意されている。
POIシェーピング|ヘッド形状で『不要な回転』を抑える
最適なPOI値を実現するうえで重要な要素のひとつが、ドライバーヘッド形状の見直しだ。
コブラゴルフが「パラサイトローテーション(不要な回転)」と呼ぶ動きは、スイング中からインパクトにかけて発生する、意図しない多軸方向のねじれを指している。POIを下げるということは、この不要な回転を生みやすいアンバランスな要素を、いかに減らせるかという戦いでもある。ヘッド形状の中には、比較的調整しやすい部分もある。しかし、ホーゼル周辺のように、シャフトを接続する以上、構造的にどうしても重さや偏りが生じる領域も避けられない。さらに、メーカーには用途ごとに明確な役割を持ったモデル展開が求められる。
たとえば「LS(低スピン)」モデルは、もともとコンパクトでバランスの取れた形状を採用しているため、POIを低く抑えやすい。一方、「MAX」モデルのように高MOIを重視する設計や、「MAX D」のようなドローバイアスを持たせたモデルでは、POI低減はより難しい課題となる。
これらの設計では、実現可能な範囲に一定の制約があることを受け入れつつ、それぞれのモデルが持つ固有の性能特性を維持しながら、可能な限りPOIを意味のあるレベルまで下げる方法を見つけることが求められる。つまり「OPTM」では、「全モデルを同じ方向に寄せる」のではなく、モデルごとの役割を尊重したうえで、POIを意味のある水準まで下げる──そこに設計の本質がある。『アダプティブPOIウエイト設計』|新しいウエイトポート表示の意味
POIを下げるためにコブラゴルフが行った取り組みは、決して抽象的な理論の話ではない。
ウエイトポートの位置そのものを見直すという、極めて実践的なアプローチだ。過去のモデルを知っているゴルファーなら、「OPTM」シリーズでウエイト配置が明らかに変わっていることに気づくだろう。 その狙いは、ウエイトシステムによって得られる弾道補正・調整機能を維持しつつ、よりバランスの取れた、POIを意味のある水準まで下げやすい配置を実現することにある。さらにコブラゴルフは、「POI」という新しい考え方を分かりやすく伝えるため、ウエイトポートの名称そのものも刷新している。
• 「OPTM LS」
→ Fade(フェード)/Accuracy(正確性)/Forgiveness(寛容性)
• 「OPTM X」
→ Accuracy(正確性)/Forgiveness(寛容性)
• 「OPTM MAX-K」
→ 固定バックウエイトに Forgiveness(寛容性)
• 「OPTM MAX-D」
→ Draw(ドロー)
ここで注目したいのが、前後方向のウエイト調整だ。
重いウエイトを後方に配置すれば、MOIは高まり、ミスヒットに強くなる──これは、多くのゴルファーがすでに理解している「寛容性」だ。
一方で、重いウエイトをより前方に配置すると、POIが下がり、不要なフェースローテーションが抑えられる傾向が強まる。その結果、「正確性」が高まり、ショット範囲(左右のばらつき)が小さく抑えられる。つまり、コブラゴルフは「後ろ=やさしさ」「前=正確性」という直感的に理解しやすいラベル表示を通じて、「MOI」と「POI」の違い、そして使い分けをゴルファー自身が選べるようにしている。
「POI」以外にも注目したいポイント
洗練されたヘッド形状、『アダプティブPOIウエイト設計』、そしてより真っすぐな弾道。POIを軸にした設計思想こそが、コブラゴルフ「OPTM(オプティム)」ドライバーの主軸となる考え方だ。
「OPTM」では、これまで培ってきた継続採用のテクノロジーや、構えたときの印象を左右する外観のアップデートにも、しっかりと手が加えられている。「POI」という新しい視点が主役であることは確かだが、その土台には、従来から評価されてきた基本設計がある。見た目や細部の作り込みも含めて、1本のドライバーとしての完成度を高めている。「H.O.T.フェース」AI設計で初速を支える中核テクノロジー :
コブラゴルフの象徴的な『H.O.T.フェーステクノロジー』は、今回も継続して採用されている。この技術の詳細についてはこれまでも触れてきたが、要点だけを押さえるなら、MOIやPOIといった設計思想を土台にしながら、オフセンターヒット時でもボール初速を維持するための仕組みだと言える。「FUTUREFIT33(フューチャーフィット33)」 :
33通りで弾道を細かく調整できる可変ホーゼル『FUTUREFIT33』は、コブラゴルフが誇る、極めて調整幅の広い弾道調整システムだ。33通りのポジションを持つ『可変ホーゼル』により、ホーゼル調整だけで弾道を幅広く調整できる。その結果、フィッターは理想的な弾道やスピン特性を、これまで以上に正確に導き出せる。コブラゴルフの分析によれば、ヘッドスピードや再現性に優れた競技志向のプレーヤーは、比較的ニュートラルな中央付近の設定に収まることが多い。一方で、多くの一般ゴルファーは、つかまりや打ち出し角を補正できる調整範囲の外側で、最も安定した弾道を見つける傾向があるという。構えたときの印象を整える、クリーンなアドレスデザイン:
「OPTM」シリーズでは、モデルごとに明確な役割を持たせたヘッド形状の設計が採用されている。ただし、アドレス時の見え方に関しては、シリーズとしての統一感と安心感を重視している点が印象的だ。4モデルすべての「OPTM(オプティム)」ドライバーには、サテン仕上げのアライメントグラフィックと、グロス仕上げのカーボンクラウンが採用されている。カーボン織り目は視認できるが、主張しすぎないデザインだ。各モデルは、これまで同様にカラーコード化されている。
「OPTM LS」はブラック、「OPTM X」はブルー、「OPTM MAX-K」はシルバー、「OPTM MAX-D」はレッドのアクセントが施されている。
ここまでで、「POI」や「MOI」といった“少し理屈の多い話”はひと区切りだ。
ここからは視点を切り替え、4つのコブラゴルフ「OPTM(オプティム)」ドライバーを、モデルごとに詳しく見ていこう。コブラゴルフ「OPTM LS」|方向性を重視した低スピンドライバー
「OPTM LS(オプティム・エルエス)」は、ヘッド体積460ccの、コンパクトなヘッド形状を備えている。
多くの低スピンモデルと同様に、コブラゴルフはこの最新「LS」を、打ち出し角とスピン量をコントロールしたい、ヘッドスピードの速いプレーヤー向けとして位置づけている。ただし、長年にわたるテスト経験から言えるのは、低スピンモデルは必ずしも限られたゴルファーだけのものではないということだ。
とくにPOIを重視した今回の設計を踏まえると、何よりも真っすぐなショットを最優先したいゴルファーは、「OPTM LS」を試打ブースで打ってみる価値がある──そう考える余地は十分にある。「MOI」と「POI」の数値に目を向けると、コブラゴルフは「MOI_YY(ヒール/トゥ方向)」は約4,500、X+Yを合算した総MOIは約7,200弱とされている。
いわゆる「10K」には届かないが、「LS」ドライバーはそもそも、高MOIによる寛容性を狙うカテゴリーではない。
「OPTM LS」の総POI値は292。数値としては良好だが、正直に言えば、現時点ではPOIを公表・議論しているのはコブラゴルフだけであり、競合モデルとの横並び比較ができる段階ではない。
ただし、社内比較という意味では前進がはっきりしている。コブラゴルフのデータでは、「OPTM LS」のPOIは「DARKSPEED LS」および「DS-ADAPT LS」から大きく改善されている。良し悪しを断定する材料はまだ揃っていないが、設計思想が数値として前に進んでいることは確かだ。「OPTM LS」は、3つの『可変式ウエイト』を備えた調整システムを採用し、標準仕様では、11g/7g/3gのウエイトが装着されている。
POIが最も低くなる構成は、11gをヒール、7gをトゥに配置する設定だ。
これまで見てきたPOIの考え方から想像できるとおり、この配置はMOIも最も低くなる。一方、MOIを最大化する構成では、11gを後方、7gをヒールに配置する必要がある。また、11gをヒール、7gを後方に置くとドローバイアスとなり、11gをトゥ、7gをヒールに配置すると、わずかなフェードバイアスが生まれる。コブラゴルフ「OPTM LS」は、9度と10.5度のロフトで展開される。
コブラゴルフ「OPTM X」|高MOI×低POIを両立した主力モデル
「OPTM X」は、飛距離性能・寛容性・方向性のコントロールをバランスよく両立させることで、最も幅広いゴルファーに対応することを目的として設計されている。
そのヘッド形状は、コブラゴルフ「F9 Speedback(エフナイン・スピードバック)」から大きな影響を受けている。
「F9 Speedback」は、重量あたりの完成度という点では、過去10年でコブラゴルフを代表する完成度を誇ったモデルと言っていい。少なくとも、この形状を復活させることで、懐かしさを覚えるゴルファーもいるはずだ。MOI_YY(ヒール/トゥ方向)の公表値は5,200以上(重いウエイトを後方に配置した場合)。
同じ構成におけるX+Y合算MOIは8,800を超える。コンパクトすぎず、かといって過度に後方へ伸びた形状でもない、バランスの取れたヘッド形状を採用したことで、コブラゴルフは「OPTM X」がシリーズ中で最も低いPOI値を実現していると述べている。公表されているPOI値は-500(可変)。この値がマイナスであることは、POIが非常に低いことを示唆しているが、やはり比較対象が少ないため、その絶対的な意味合いを断定するのは難しい。
それでも、コブラゴルフの数値を見る限り、「OPTM X」は、近年の同社ドライバーの中でも、高MOIかつ低POIを同時に達成した稀有な存在であることが分かる。
少なくとも、比較的高いMOI(とはいえ、別次元と呼べるほどではない)と低いPOIの組み合わせは、高MOIによる初速維持性能と、低POIによって得られる直進性のあいだで、意味のあるバランスを取った設計であることを示唆している。
アップデートされた2ポート構成の『アダプティブウエイトシステム』には、11gと3gのウエイトが含まれている。
11gのウエイトをトゥに配置するニュートラル設定ではPOIが最も低くなり、一方で、重いウエイトを後方に配置するとMOIが高まる。コブラゴルフ「OPTM X」は、9度、10.5度、12度のロフトで展開される。
コブラゴルフ「OPTM MAX-K」シリーズ|最高MOIの寛容性重視モデル
「MAX-K」は、コブラゴルフの中で最も寛容性が高いヘッドであり、同社が長年取り組んできた超高MOI設計の最も明確な進化形を示すモデルだ。
この新しい「MAX-K」における最大の課題は、高MOIによる安定性を維持しながら、POIが過度に増加してしまうのを防ぐことにあった。コブラゴルフのチャートによれば、「MAX-K」はX+Y合算MOIが約10,100と、いわゆる「10K」クラスに位置づけられる。これは、「OPTM」シリーズの中で最も高いMOI値を示している。
さらに、X+Y+ZすべてのMOIを合算すると、(10.5度ヘッドにおいて)13,000弱に達する。これは前モデルよりもやや高い数値だ。ただし、より重要なのは、MOIをこれだけ高めながらも、POIを約75ポイント低減することに成功している点だろう。
驚くような数値というわけではないが、新しい「MAX-K」は、実質的な意味において、前作よりも寛容性が高くなっていることを示している。
標準仕様では、11gのバックウエイトを1つ搭載。この時点でもMOIはすでにかなり高い水準にあり、ミスヒット時の安定感を最優先する設計がはっきりと伝わってくる。勧めるわけではないが、仮にアフターマーケットでより重いウエイトを購入して装着したとすれば、USGAが眉をひそめるレベルまでMOIを押し上げられる可能性があるだろう。コブラゴルフ「OPTM MAX-K」は、10.5度と12度のロフトで展開される。
コブラゴルフ「OPTM MAX-D」|スライス補正に特化したドローバイアスモデル
「OPTM MAX-D」は、OPTMシリーズの中で最も目的が明確なモデルだ。
「LS」や「X」、「MAX-K」が、飛距離・寛容性・方向性のバランスを探るモデルであるのに対し、「MAX-D」は違う。スライスを抑えること──それだけに特化している。この目的がはっきりしているからこそ、設計には当然トレードオフが生じる。
コブラゴルフが、「MAX-D」についてPOIやMOIの数値を前面に押し出していないのは、そのためだ。当然ながら「MAX-D」は、MOIでは「MAX-K」に及ばず、POIでも「X」の数値には届かない。だが、それは欠点ではない。右に出てしまうミスを、確実に左側へ戻すための設計だからだ。スライスに悩むゴルファーにとって重要なのは、MOIやPOIの数値そのものではない。右サイドを気にせず振れるかどうか、フェアウェイの右側を“使わなくて済む”かどうか──「MAX-D」は、その一点において、はっきりと役割を果たす。
補足として触れておくと、コブラゴルフは、「OPTM MAX-D」のPOI値について、競合するドローバイアスドライバーと比べても、より適切に抑えられていると述べている。
もっとも、そもそもドローバイアスドライバーの目的は、直進性を保つことではなく、積極的に曲がりを補正することにある。その意味では、ある程度のトレードオフが生じるのは当然とも言える。標準仕様では、11gのヒールウエイトが装着されている。
「コブラゴルフ『OPTM MAX-D』」は、10.5度と12度のロフトで展開される。
では、POIは実戦で何をもたらすのか?
POIが低いことの最大のメリットは、「正確性」の向上、すなわちショット範囲(左右のばらつき)が小さくなる点にある。それはつまり、フェアウェイを捉える回数が増え、白杭の向こう側に行くショットが減ることにもつながる。
もちろん、POIによる恩恵を最大限に引き出せるかどうかは、他のあらゆる要素と同様、プレーヤーごとの特性に左右され、ある程度はフィッティングの良し悪しにも依存する。
ただ、ひとつ定量的な数値として示すなら、コブラゴルフは、「OPTM」ドライバーによってショット範囲が最大で23%低減される可能性があると述べている。それが必ずしも誰にでも当てはまるとは言えない。だが、もしティーショットをより真っすぐ打てるようになることが、スコア改善につながると感じているなら、このPOIという考え方に、一度触れてみる価値はあるはずだ。
総括|「OPTM」が示す“次の寛容性”
コブラゴルフの「OPTM」は、MOIを否定するものではない。
MOIについての議論を、“完成させる”ための取り組みだ。高いMOIは、初速の維持に貢献する。低いPOIは、方向性のコントロールを助ける。
その両方を意図的に設計することで、コブラゴルフは「寛容性」の定義を捉え直し、なぜ完璧なヒットでなくても、一部のドライバーが真っすぐ飛ぶのかを説明しようとしている。速くてやさしいのは、正直それほど難しくない。だが、速くて正確にするのは難しい。
「OPTM」は、その両立を目指した、コブラゴルフの挑戦だ。この「直進性を最優先する」という考え方が、どこまでゴルファーに受け入れられるかどうかは、まだ分からない。
ただ、近年ゴルファーが「10K」というメッセージを予想以上に受け入れてきたことを考えると、その可能性は十分にある──私はそう考えている。
あなたの考えを聞かせてほしい
「より真っすぐ飛び、ショット範囲(左右のばらつき)が抑えられる」──その価値は、あなたのゴルフにとって魅力的だろうか。
もしそう感じるなら、今年は昨年よりもコブラゴルフのドライバーを試してみる価値があるかもしれない。スペック/価格/発売情報
コブラゴルフ「OPTM(オプティム)」ドライバーのラインアップは、LS/X/MAX-K/MAX-D の4モデル構成となっている。
すべて 460ccヘッド を採用し、『FutureFit33(フューチャーフィット33)』ホーゼルを搭載している。日本仕様・最新情報について
日本国内での最新情報、製品仕様、標準装備シャフトやロフト設定などの詳細は、『コブラゴルフ日本公式サイト』で確認できる。
※ただし、公式サイトに掲載されているスペックや価格情報の一部は、米国仕様をベースにした内容となっている点には注意したい。
日本仕様の細かな違いや、実際の販売価格については、国内流通情報をあわせて確認するのがおすすめだ。その点で参考になるのが、国内ゴルフ専門店がまとめている解説ページだ。中でも、「POI」の考え方や各モデルの立ち位置、スペック概要、在庫情報まで整理されているサイトがあるため、あわせてチェックしておくと理解が深まる。参考リンク(国内情報)
※ページ中盤以降に、POIの説明やモデル別の特徴が掲載されている
各モデル個別ページ(国内流通)
日本発売は、2026年1月17日(予定)
※これより以下は米国市場における価格および発売情報です。
標準シャフトのラインアップは、高弾道設計 → 低弾道設計 の順に以下の通り。
・MRC Vanquish(ヴァンキッシュ)
・MRC Kai’li Red(カイリ・レッド)
・PX Denali Frost Blue(デナリ・フロスト・ブルー)
・MRC Kai’li Blue(カイリ・ブルー)
・MRC Kai’li Black(カイリ・ブラック)
・PX Denali Frost Black(デナリ・フロスト・ブラック)
先行予約は 1月13日 から開始、正式発売日は 1月20日。
価格は全モデル共通で599ドル となっている。なお、最新モデルにこだわらず、コストパフォーマンスを重視したいゴルファーに向けて、前モデルの コブラゴルフ「DS-ADAPT(ディーエス・アダプト)」ドライバー は429ドル に値下げされている。
詳細は COBRAGolf.com を参照してほしい。




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