30年以上にわたりゴルフをプレーし、PGAのクラスAプロとして指導してきたが、自分でドライバーの調整方法を理解しているゴルファーには、片手で数えられるほどしか出会ったことがない。
多くのゴルファーにとって、ドライバーに付属するホーゼル調整用のレンチは、何のために入っているのかわからない道具なのだろう。
だが、それはもったいない。
ほんの少し設定を変えるだけで、フェアウェイを捉える回数が増えたり、飛距離が数ヤード伸びたりする可能性があるからだ。
調整式ホーゼルの仕組みについては、「ドライバーのロフト角調整はどういう仕組み?ホーゼルの基本を解説」で詳しく紹介している。
また、自分のヘッドスピードに適した打ち出し角とスピン量を知りたい場合は、「ドライバーの適正打ち出し角・スピン量は?ヘッドスピード別早見表」を参考にしてほしい。
今回の記事では、その先に踏み込んでいく。
自分のミスの傾向がわかっているなら、次に知りたいのは「どう調整すればいいのか」だろう。
以下の早見表では、ミスの傾向に応じて、ドライバーの設定をどう見直せばよいのかを紹介する。
ミスの傾向別・ドライバー調整早見表
ドライバーの設定を見直す際は、まず以下の早見表を参考にしてほしい。
練習場で少しずつ設定を変え、可能であれば弾道計測器を使って、その調整がどのような効果をもたらしたかを確認しよう。
ミスの傾向別・ドライバー調整早見表
| ミスの傾向 | 調整方法 | 期待できる変化 |
|---|---|---|
| スライスが出る | ロフト角を増やし、ライ角をアップライトに設定する。ウェイトをヒール側に移動する。 | 打ち出し方向が左寄りになり、スライスの曲がり幅が小さくなる。 |
| フックが出る | ロフト角を減らしてフェースを開く方向に調整する。ウェイトをトウ側に移動する。 | 打ち出し方向が右寄りになり、フックの曲がり幅が小さくなる。 |
| 向かい風でボールが吹け上がる | ロフト角を減らし、ウェイトを前方に移動する。 | 弾道が低くなり、風に負けにくい球筋になる。 |
| ボールが上がらない | ロフト角を増やし、ウェイトを後方に移動する。 | 打ち出しが高くなり、キャリーやミスへの寛容性の向上が期待できる。 |
| 左右どちらにもミスが出る | 設定は変更しない。 | 設定ではなく、スイングの再現性を見直す必要がある。 |
| 標準的なロフト角でもスピン量が多い | ロフト角を少し減らすと、多少改善する可能性がある。 | 根本的には、ホーゼル調整よりも入射角の見直しが重要。 |
調整用レンチを使う前に、いくつか知っておきたいことがある。
ロフト角とフェース角は連動して変化する
多くの調整式ホーゼルでは、ロフト角を増やすと、ヘッドを地面に置いたときのフェースが閉じる方向に変化する。反対に、ロフト角を減らすと、フェースが開く方向に変化する。
ただし、実際の弾道はアドレス時のフェースの向きや、インパクト時のフェース角によっても変わる。
また、ライ角を独立して調整できるモデルもあるため、ロフト角の変更だけでスライスやフックが改善するとは限らない。
調整方法や設定幅はメーカー、モデルによって異なるため、使用しているクラブの調整チャートを確認してほしい。
レンチの締め付けはメーカーの指定に従う
タイトリストの「GT」シリーズ用レンチは30インチポンド(約3.4N・m)、キャロウェイやテーラーメイドの多くの調整式ホーゼルでは40インチポンド(約4.5N・m)が指定されている。
調整する際は、使用しているドライバーに付属する専用レンチを使い、カチッと音がするまで締め付けよう。
ヒール側とトウ側のウェイト調整は弾道にも影響する
ウェイトをヒール側に移動すると、ヘッドの重心位置が変わり、ボールのつかまりを高める方向に働くことがある。
そのため、スライスに悩むゴルファーにとっては、ヒール側へのウェイト調整が改善につながる可能性がある。
反対に、ウェイトをトウ側へ移動すると、ボールのつかまりを抑え、フックを軽減する方向に働くことがある。
ただし、調整による効果はヘッドの設計やゴルファーのスイングによって異なる。
すべてのミスをホーゼル調整で解決できるわけではない
ラウンドごとにミスの方向が変わり、一定の傾向が見られない場合や、標準的なロフト角でもスピン量が多すぎる場合は、調整式ホーゼルだけでは解決できない。
こうした問題には、入射角やインパクト時のクラブの動きが関係している。
ドライバーの設定を変更する前に、弾道計測器を使って自分のスイングやインパクトの傾向を確認しておきたい。
※ラウンド中の調整には注意
ゴルフ規則では、ラウンド中にロフト角やウェイトなどを調整して、クラブの性能を意図的に変更することは認められていない。設定の見直しはラウンド前に行おう。
まとめ
ドライバーの調整式ホーゼルは、まだ十分に活用されていない機能のひとつだ。
まずは早見表を参考に、自分のミスの傾向に合った調整方法を確認しよう。ただし、一度に変更するのは1項目だけにしたい。
設定を変えたら、弾道計測器の数値や実際の球筋で効果を確かめてから、次の調整に進もう。
せっかくクラブに備わっている機能なのだから、積極的に活用してほしい。




