主要ポイント

・クリーブランド「スマートソール 4」にブラックサテン仕上げが登場

・「C」はチッパー、「G」はギャップ、「S」はサンドのこと

・価格はスチールシャフトが119ドル、カーボンシャフトが129ドル


クリーブランド「スマートソール 4」ブラックサテンウェッジの新機能とは? その答えは、“美しさ”と同じように“表面”にある。クリーブランドウェッジの既存シリーズ用の「PVDブラックサテン仕上げ」のことだ。

テクノロジーという点では、これと言って真新しいことはない。しかし、この超簡単ウェッジは意見を二分する傾向がある。どういうわけか、超ワイドソールのチッパーやサンドウェッジは、「GET LESSONS(レッスンを受けよう!)」層への受けが良い。この記事では、ほんの少しだけ新しい仕上げについてお伝えするが、残りの部分はどうだろう?

まぁ、一石を投じたいものではある。


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クリーブランド「スマートソール 4」ブラックサテンウェッジ

2013年の登場以来、クリーブランドの「スマートソール」ウェッジシリーズの発売周期は3年となっている。ということは、「スマートソール 5」がお披露目されるのは来年ということ。そして、クリーブランドは他のメーカー同様、自社製品に新しい仕上げを投入しその周期の末期を飾ることを好んでいるようだ。

どういうわけか「PVD」の評判はイマイチだが、数回使った程度で“摩耗”するなどと考えないで欲しい。以前にもお伝えしたが、もう一度言う。「PVD(物理蒸着法)」は、「DBM(ダイアモンドブラックメタル)」や「QPQ(クエンチング+ポリッシング+クエンチング)のように高級ではないかも知れないが、耐久性はある。

※PVD :「Physical Vapor Deposition」の略で、材料が凝縮から蒸気に移り、凝縮に戻る過程で起こるコーティングプロセスのこと。

※QPQ:「クエンチング+ポリッシング+クエンチング」の略で「PVD」に比べて耐久性が大幅に向上。「クエンチング」とは焼入れのことで、軟鉄はそのままだと柔らかいので、硬度を上げるために焼入れを行う。

このウェッジには「C」、「G」、「S」という番手があり、「C」は42度のチッパー、「G」は50度のギャップウェッジ、「S」は58度のサンドウェッジとなっている。


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基本テクノロジー

ウェッジのテクノロジーに関していうと、クリーブランド「スマートソール 4」ブラックサテンウェッジはとても基本的なモデルといえる。超ワイドで3段になっているソールが特徴。

1つ目は、従来のウェッジに似ており、スクエア(真っ直ぐ)に構えたフルショットが打ちやすい。2つ目は、ソールで一番幅広な部分。ダフったり突っかかったりすることなくラフやバンカーから脱出させてくれる。3つ目は、若干削られているトレーリングエッジだ。

またスマートソール独自の『フィール・バランシング』テクノロジーも搭載されている。これにより、重心がスイートエリアに近くなり「打感」が向上。クリーブランドでは、ホーゼル内の素材を取り出すことで重心をホーゼルから遠ざけセンターに近づけるようにしている。

「スマートソール」ウェッジには、『ROTEXフェースミーリング』はないが、『CNC精密ミルド』の溝は採用されている。対象ゴルファーは強烈なバックスピンを求めているわけではないが、通常のパフォーマンスは必要となる。


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上げる、出す、そして乗せる

このクラブの対象ゴルファーは、グリーン周りでフェースを開いたり、フロップショット(ロブショット)をしたり、あるいは独創的なショットを“しない”層だ。

そのようなショットは、この層の持ち球ではない。58度の「S」は、酷いトラップからボールを出すという目的のためだけにある。積極的なフルショットでボールを出すために十分なロフト角がついているのだ。このモデルはグリーン周りで使うこともできるが、バンカーからの脱出で一番威力を発揮する。

クリーブランド独自のテストによると、ハンディキャップ12以上のゴルファーが「スマートソール」を使いバンカーから脱出する確率は50%、グリーンにボールを載せる確率は30%以上となっているようだ。

ちなみに言っておくと、我々もこのコンセプトを2017年に我々自身で検証済みだ。


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「C」は「S」や「G」よりも短くてアップライトになっている。ややハンドファーストに構えるようになっており、チッピングしやすい構えとアライメントもできるようになっている。「C」を使ってもタッチは必要だが、少なくともボールはカップに向かっていくはずだ。

そして、試打で分かったことだが、「C」は一芸に秀でているだけというわけではない。ロフト角42度で、見た目には分からないが、フルショットで驚くほど力を発揮する。

一方、「G」は明らかに上記2モデルの間に位置する。対象ゴルファーは、ラフからアプローチを打つ可能性が高いタイプ。だからこそこの3段にソールが役に立つというわけだ。


確かに、レッスンは受けよう!

あるいは、楽しむためだけに、練習せずにゴルフを楽しむゴルファーがかなりいるということも理解しておいた方が良いだろう。彼らはレッスンを受けない層で、週に4回も5回も練習しない。80(あるいは90)を切るのは遠い昔の話だったり、はかない夢なのだ。

ゴルフは彼らが楽しむものでもある。週末ゴルファーに向けた、ゴルフのイライラを解消しもっとゴルフを楽しむためのクラブが1つや3つあっても、誰も傷つくことはない。

ここで、このサイトからの引用文を一つお届けしたいと思う。これは、約9年前にトニー・コビーがオリジナルのクリーブランド「スマートソール」ウェッジのリリースにあたって書いたものだ。

「見せかけだけの自分に直面することになった私は、他人を見下すような態度を改めることにし、独善的なクソ人間であることを止め、『スマートソール』ウェッジをしっかりとチェックすることにした」。-トニー・コビー(2013年10月)





誰にでも合う

私のお気に入りのゴル友であるロッドとジーンの2人以上にゴルフを楽しんでいる人はいない。彼らのゴルフは激戦のガチバトルで、“舌戦”においてはともに相当の強者たちだ。賭けているのは2ドルのナッソーだけかも知れないが、特に10ドルが掛かった、引き分けに持ち込むために決めなければいけない約1mのパットは、総合格闘技のタイトル戦のようなものとなる。

ベトナム帰還兵の2人はともに70歳台で、100を切ることは難しい。しかしながら、楽しむということについてはプラスハンディキャップだ。「スマートソール」ウェッジは、ロッドとジーンのようなゴルファーのためにある。

ロッドがボールをグリーンに放り投げる前にバンカーで4打を費やしているのを見たことがあるが、それでも、ロッドはそのホールでジーンから勝利を奪っていた。この時、ロッドが「スマートソール」のサンドウェッジを使ったとしても、ジーン以外誰も損をすることなどなかっただろう。


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また、ジーンがグリーンから6mも離れていないところから、グリーンに乗せるまでにチャックリ、チャックリ、トップ、チャックリと連発し、それでもそのホールを獲ったことも見たことがある。良い感じのワイドフランジのチッパーは、ロッドのサンドウェッジに匹敵するかも知れない。

そして、さすがにチッピングやサンドウェッジのイップスに悩む自称ハンディキャップ8から12くらいの人なら、「スマートソール」のようなクラブを考えたことがあるはずだ。正直に言って欲しい。問題ないから。ゴルフがあなたを見放すことはない。

R&Aによると、世界には6600万人以上のゴルファーがいるという。仕事としてゴルフをしている者はごくわずか。残りの人たちは、それぞれの理由があってプレーしているのだし、「楽しむため」というのは他と同じくらい正当な理由となるのだ。


スペック・価格・発売時期

「スマートソール」の思想の1つはシンプルさにある。お伝えしたように、42度の「C」、50度の「G」、58度の「S」であれば、どのロフトでもOKだ。

そしてグラインドオプションは「トリプルソール」のみとなる。

クリーブランドの純正シャフトも良い感じだ。カタログでは、「スマートソール・スチール(130g)」と「カーボン(106g)」シャフト。レディースモデルは、クリーブランドの「Action Ultralite(59g)」カーボンシャフトが装着されている。「スマートソール」を使用するプレーヤーは、カステムウェッジ・フィッティング対象外のようだ。


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純正グリップは男性用がゴルフプライド「Tour Velvet 360」で、女性モデルは42gのアンダーサイズのゴルフプライド「Tour Wrap Microsuede」グリップが装着されている。

そして、クリーブランドが市場を理解していることを評価したいと思う。「スマートソール」ウェッジシリーズの価格は2017年から変わっておらず、スチールシャフトは119.99ドル、カーボンシャフトは129.99ドルとなっている。

クリーブランド「スマートソール 4」ブラックサテンウェッジは、現在発売中。