好き嫌いは分かれる選手かもしれないが、ブライソン・デシャンボーのスイングに関する発言は、一度立ち止まって考える価値がある。
特に、これまで「当たり前」とされてきたことと違うことを言うときはなおさらだ。今回取り上げるのも、そんなテーマのひとつ。「インパクト付近の回転」についての話だ。
もし、インパクトでフェースがなかなかスクエアに戻らない、右に出たりスライスしたりする、そんな感覚があるなら、この考え方はヒントになる可能性がある。
一見シンプルな話だが、多くのゴルファーがつまずいているポイントでもある。クリス・ライアンの解説とあわせて、その中身を整理していく。
👉 問題は回転ではない。タイミングだ
「もっと体を回そう」「インパクトで止まるな」 こうしたアドバイスは、これまで一度は聞いたことがあるはずだ。
実際、この考え方自体が間違っているわけではない。上手いゴルファーほど、しっかり回転してスイングしているのも事実だ。
ただ問題は、その“解釈”にある。多くのゴルファーは、インパクトの瞬間まで体を回し続けようとする。
するとどうなるか。体も手元も前に動き続け、クラブヘッドが追いつかない。結果としてフェースは開いたまま当たり、打ち出しは右へ出て、当たりも弱くなる。
ここで重要なのは、回転が足りないわけではないという点だ。問題は「いつ回っているか」。つまりタイミングにある。
どこかの段階でフェースはスクエアに戻る必要があるが、回り続けているだけではそれは起きない。
👉 では、デシャンボーは何をしているのか
デシャンボーは、インパクトに向かって体をひたすら回し続けようとはしていない。
ダウンスイングの前半では、しっかり回転し、地面に力をかけながらスピードを作っていく。この流れ自体は、一般的に言われている動きと変わらない。
違いが出るのはその先だ。クラブがインパクトに近づくにつれて、体の動きは“加速し続ける状態”から少し変わる。無理に止めるわけではないが、手元が前に走り続ける動きが収まり、わずかに上方向と体の内側へと動き始める。
この変化によって、クラブヘッドが自然に追いつくスペースが生まれる。結果としてヘッドが手元を追い越し、フェースが無理なくスクエアに戻る。
ここが、多くのゴルファーが見落としているポイントだ。
体をしっかり回しているのに当たらない、方向が安定しない。その原因は、回転量ではなく“インパクトまで回し続けていること”にある。
フェースがスクエアに戻る前に体だけが先に進んでしまえば、どれだけスピードがあってもプロのような安定したインパクトにはならない。

インパクトで回り続けるとフェースは開く。回転の“量”ではなく“タイミング”が安定したインパクトの鍵になる。
👉 なぜ多くのゴルファーはここでつまずくのか
フェースをスクエアに戻すと聞くと、「どこかで体を止めないといけないのでは」と感じるかもしれない。あるいは、インパクトで起き上がって調整するようなイメージを持つ人も多い。
ただ、実際に起きているのはそういう動きではない。
上手いゴルファーも体はしっかり回しているし、地面を使ってスピードも作っている。違うのは、インパクトまでその回転を“押し続けていない”という点だ。
ダウンスイングの前半で十分な動きとスピードを作っているからこそ、インパクト付近ではクラブに任せる余裕が生まれる。結果として、無理に操作しなくてもヘッドが走り、フェースが自然にスクエアに戻る。
そのため、上手いゴルファーのインパクトは一見すると力感がなく、ゆったりして見える。それでも実際には十分なスピードが出ているのは、この流れができているからだ。
👉 試すなら、このやり方から始めたい
この動きをいきなりフルスイングで再現しようとすると、タイミングが合わず、かえって崩れやすい。
まずは「当てにいく」のではなく、感覚をつかむことを優先したい動きだ。
そのためにはスピードを落とし、動きを分解しながら順序を体に覚えさせていく方がうまくいく。
まずは動きを小さくして、順序を体に覚えさせるところから始めたい。
- 振り幅は腰から腰までの小さいスイングから始める
- ダウンスイングの早い段階でリード側に圧を乗せる感覚をつくる
- フェースを操作しようとせず、そのまま手元をボール方向へ下ろす
- インパクトに近づくにつれて、手元がわずかに上方向と体の内側へ動くイメージを持つ
- 同時に体は回し続けるのではなく、クラブが通るスペースを残すように落ち着かせる
うまくいくと、クラブヘッドが自分で加速してくるような感覚になる。無理に操作しなくても、ヘッドが自然に手元を追い越していく。
いわゆる手で返すような動きにはならない。それでもフェースは無理なくスクエアに戻り、インパクトの当たりは明らかに厚くなる。
余計な力を使っていないのにボールがしっかりつかまる。この感覚が出てくれば、方向性も安定してくるはずだ。
動き自体は動画で見るとより理解しやすい。ここまでのポイントを意識しながら確認すると、なぜそうなるのかがはっきり見えてくる。
👉 最後に押さえておきたいポイント
フェースコントロールを改善しようとして、体を強く回したり、インパクトで手を使って合わせにいく。多くのゴルファーがこの方向に進みがちだが、それがかえってフェースを開かせる原因になることも多い。
重要なのは回転の強さではなく、その順序だ。流れが整えば、クラブは無理に操作しなくても自然にスクエアに戻る。
クラブをコントロールしようとするのではなく、クラブが動ける流れを作る。その違いを一度試してみてほしい。




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