5年の実測が語る、フェアウェイウッドの真実。

MyGolfSpyの『Most Wantedテスト』が持つ本当の価値は、毎年の繰り返しによって浮かび上がる“ブランドの軌跡”にある。進化するのはクラブのスペックだけではない。

テクノロジーの進歩が、実際にアマチュアゴルファーのプレー結果にどう影響を与えるか──そこにこそ注目すべき本質がある。

この5年間で、フェアウェイウッドはどう変わったのか?

どのブランドが「飛距離性能」で結果を出し続けてきたのか?

データが示すパターンをたどれば、「飛距離」を求めるゴルファーにとって、今どんな選択肢が信頼できるのかが見えてくる。

この検証こそが、クラブ選びの“出発点”となるはずだ。


テーラーメイド「Qi35」フェアウェイウッド 2025年モデル|直進性とボール初速を追求した最新フェアウェイウッド

5年間 (2021年~2025年)の飛距離トップモデル一覧

この5年間で、最も「飛距離性能」に優れたフェアウェイウッドを見極めるために、MyGolfSpyは2021年から毎年、『ベストフェアウェイウッドテスト』を積み重ねてきた。

その年ごとの結果を並べてみれば、単年のトップモデルが浮かび上がるだけでなく──毎年のように上位に名を連ねる“信頼できるブランド”の姿もくっきりと見えてくる。

つまり、フェアウェイウッドにおいて「飛距離」という一点においても、ブランドごとの実力と傾向は5年という時の中で、確かな“答え”を示しているのだ。


順位 2025年 2024年 2023年 2022年 2021年
1 テーラーメイド「Qi35」 キャロウェイ「Paradym Ai Smoke Triple Diamond」 テーラーメイド「Stealth 2」 テーラーメイド「Stealth Plus」 スリクソン「ZX」
2 キャロウェイ「Elyte」 コブラゴルフ「Darkspeed X」 キャロウェイ「Paradym」 コブラゴルフ「LTDx」 テーラーメイド「SIM2」
3 コブラゴルフ「DS-Adapt LS」 テーラーメイド「Qi10」 スリクソン「ZX Mk II」 テーラーメイド「Stealth」 キャロウェイ「Epic Speed」
4 スリクソン「ZXi」 Sub 70「Pro V2」 タイトリスト「TSR2+」 キャロウェイ「Rogue ST LS」 ツアーエッジ「Exotics C721 Pro」
5 PING「G440 LST」 ウィルソン「Dynapower」 キャロウェイ「Paradym Triple Diamond」 ダンロップ「XXIO 12」 テーラーメイド「SIM2 Max」

注目ポイントと主な傾向


テーラーメイド「Qi35 Max」フェアウェイウッド 2025年モデル|『Twist Face』搭載で高い寛容性と直進性を実現する最新モデル

1. テーラーメイド「飛距離王者」の証明

この5年間で、テーラーメイドは3度(2022年・2023年・2025年)も「飛距離性能」で首位を獲得。まさに“飛ばしの王者”としての地位を確立している。

とくに「ステルス(Stealth)」シリーズから最新の「Qi」シリーズまで、その進化は実測データの中にもはっきりと現れており、常に最長クラスの飛距離を安定して記録してきた。

驚くべきは、テーラーメイドが5年間一度もトップ5から外れていないという事実だ。しかも年によっては、トップ5に2モデル同時にランクインするという圧巻の存在感を見せている。

この「揺るぎない安定感」と「突出した飛距離性能」の両立こそ、テーラーメイドの強さの本質といえるだろう。他のブランドにとって、それは大きな壁でもある。


2.キャロウェイとコブラ、王者を追う存在感

2024年、キャロウェイは「パラダイム Ai スモーク トリプル ダイヤモンド(Paradym Ai Smoke Triple Diamond)」でついに頂点を奪取。この5年間で通算6度のトップ5入りを果たし、テーラーメイドに次ぐ“飛距離の常連ブランド”として確かな存在感を示している。

そのすぐ後ろを追うのがコブラゴルフだ。コブラはこの期間で4度のトップ5入りを記録しており、ブランドイメージとして広く知られる「寛容性」だけでなく、純粋な飛距離性能でも高いレベルにあることがデータから分かる。

一般的には“やさしいクラブを作るブランド”と評価されがちだが、実測データを見れば、そのイメージだけでは語れない。

コブラは実際には、トッププレーヤーも納得の飛距離性能を備え、ブランド全体として「攻め」と「やさしさ」を両立させた希少なポジションを確立している。

キャロウェイとコブラは、まさにこの5年間、テーラーメイドを追走し続ける“本気の競争者”であり、飛距離争いの構図を語る上で欠かせない存在だ。


キャロウェイ「ELYTE」フェアウェイウッド 2025年モデル|高弾道と安定した飛距離を両立する最新フェアウェイウッド

3.躍進と“消えた常連” ─ 5年間の意外な動き

2021年、スリクソンは「ZX」で堂々のトップに輝いた。その後も2023年、2025年と安定してトップ5に食い込み、継続的な飛距離性能の高さを証明している。

一方で、ランキングには一度だけ顔を出した“伏兵ブランド”たちの姿も見逃せない。

ウィルソン、Sub 70、ツアーエッジ、ゼクシオといった名前が、それぞれの年でトップ5に食い込んでいるのだ。

この“単年の躍進”は、時にブランドの方向転換や革新的モデルの登場を示している。逆に、毎年ランクインしていた常連ブランドが、ある年を境に姿を消すというケースもあり、クラブ開発の成否が如実に表れるテスト結果ともいえる。

5年というスパンで見ることで、「本物の実力者」と「一発屋」の違いも浮き彫りになる。だからこそ、このデータには価値がある。


5年の実測データが示す、変わり続ける「飛距離の真実」

この5年間のデータが教えてくれるのは、「飛距離最長フェアウェイウッド」をめぐる争いが、常に変化し続けてきたという事実だ。

たしかにテーラーメイドは、毎年トップ5に入り続ける安定感で他を圧倒している。

しかし、キャロウェイやコブラゴルフもまた、“飛ばせるフェアウェイウッド”の進化をリードし続けてきた。

誰もが知るビッグネームから、思わぬ伏兵まで──そのすべてをフェアに計測し、ランキングとして残すのが、MyGolfSpyの『Most Wantedテスト』だ。

最新の勝者、詳細データ、ブランドごとの実力の違い──そのすべては、2025年版『フェアウェイウッドランキング』に詰まっている。

「飛距離」にこだわるなら、次に選ぶ1本を決める前に、まずはこのランキングをチェックしてほしい。


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