中古のゴルフクラブを買うのは、出費を抑えたり、セッティングを見直したり、前から気になっていたギアを試したりするのに賢い選択となることがある。
一方で、ミスにつながりやすい買い方でもある。なかには掘り出し物もあるが、「安いには理由がある」クラブも少なくない。ここでは、中古クラブを買うべきタイミングと、見送った方がいい判断基準を紹介しよう。中古クラブを買うべき3つのケース
中古クラブが賢い選択になるのは、以下のようなケースだ。
✅ まだ寿命がある高品質クラブを手に入れる場合
もし2023年や2024年のテスト結果をチェックして、自分のプレースタイルにぴったり合いそうなモデルがあったなら、中古で探してみるのは十分アリだ。
そのクラブにはまだ十分な寿命があり、搭載されているテクノロジーも現役。中古を賢く選べば、ゲームをワンランク引き上げることもできる。ブランド名だけでなく、クラブの状態をしっかりチェックすることが大事だ。
・ウェッジやアイアンの溝が摩耗していないか
・軟鉄フェースのフェース表面に大きな傷や変色がないか
・ドライバーのフェースやトップラインがきれいな状態か
クラブのバックフェースではなく、フェース面や溝の写真を必ず確認しよう。

✅ グリップを交換すればOKな場合
クラブの状態が良ければ、グリップの劣化はそれほど気にしなくていい。
グリップはクラブ全体から見れば安価なパーツで、交換費用も1本あたり1,500円〜2,000円程度。手軽に交換できるうえ、「自分のクラブ」としてのフィーリングも得やすくなる。注意したいのは、アイアンセット同士を比較するときだ。たとえば、片方は全番手グリップ交換が必要で、もう片方はそのまま使える状態。
そんな場合は、交換コストの差が意外と大きく、どちらが「お買い得」かが変わってくることもある。✅ 自分に合うスペックだと分かっている場合
そのクラブを打ったことがある、またはスペックに詳しいなら、中古での購入は賢い選択だ。 重要なのは、最新モデルかどうかではなく、自分に合った長さ、ライ角、シャフトの硬さかどうか。
中古クラブでも、これらの条件が合っていれば性能的には十分通用する。
ショップによっては、中古クラブでも試打できるところがある。実際に打って確認できるなら、それは大きなメリットだ。

中古クラブをおすすめできないケース
中古クラブを選ばない方がいい理由は、実はたくさんある。ここでは、その中でも特に重要なポイントを紹介しよう。❌ 溝がすり減っているクラブはNG
ゴルフクラブの溝がすり減っていると、十分なスピンがかからなくなる。特にウェッジやショートアイアンではアプローチの精度が落ちるため、溝の状態はしっかり確認したい。
フェース中央の溝が浅くなっていたり、滑らかになっている場合は要注意。明らかに溝が減っていたら、選ばない方がいい。また、摩耗が一部分だけ偏っていないかどうかも確認しておこう。
❌ シャフトにダメージがあるクラブは避けるべきダメージ?
中古クラブを探すときは、シャフトの交換が高額になることを念頭に置いておこう。
とくに注意したいのは、シャフト上部のグリップからヘッドに向かって全体の3/4あたり。この部分は、キャディバッグの中でこすれて傷つきやすい。すり傷やヘコミがないか、必ずチェックしよう。ダメージのあるシャフトは見た目以上に性能に影響し、場合によっては交換が必要になることもある。

❌ パターのフェースに傷やヘコミがあるクラブはNG
グリップなら交換できるが、フェースのダメージ修復は難しく、コストもかかる。フェースの欠け・ヒビ・ヘコミなど、明らかなダメージがないか確認しよう。
とくにインサートタイプのパターは、フェース部分がデリケートなので注意が必要だ。ミルドパターの場合も、フェース表面に横方向の傷があると転がりに悪影響を及ぼす。パターに求められるのは、精度・打感・再現性の高さ。フェースにダメージがあるなら、その1本は見送るのが正解だ。
❌ ヘッドカバーがないクラブは要注意
ヘッドカバーが付いていないということは、そのクラブが大切に扱われてこなかった可能性がある。
たとえ純正カバーでなくても、ドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッド、パターなどには何らかのカバーが付いているか、以前付いていた形跡があるかをチェックしよう。
❌ 古すぎるクラブは、性能面でメリットがないことも…
見た目がきれいなクラブでも、今の基準で見れば性能が足りないというケースは少なくない。
まずは今使っているクラブと比べて、本当にその中古クラブが「アップグレード」と言えるのかを見極めることが大切だ。とくにドライバーは、数年ごとに飛距離性能や寛容性が大きく進化している。6〜7年以上前のモデルを選ぶと、最新のフェーステクノロジーや寛容性を逃す可能性が高い。
テクノロジーが古すぎると、どれだけ完璧なスイングをしても、最新モデルのような「飛距離」や「寛容性」は得られない。中古クラブでも、正直ある程度新しいモデルを選んだ方が、プレーへの効果は大きい。
とはいえ、過去のクラブがすべて劣っているわけではない。
実際、ツアープロの中には10年以上前の名器をいまなお愛用している選手もいる。 そこには、「自分の感覚に合っている」という確かな意図がある。気になるクラブを見つけたら、とにかくじっくり試打しよう!
最後に
中古クラブの購入は、コストを抑えつつ、より自分に合ったクラブに出会うチャンスでもある。ただし、価格やブランドロゴだけで判断するのは危険だ。
溝の状態を確認し、シャフトの感触を確かめ、グリップの劣化もチェックする。そして、「お得」に見えるクラブが、じつは“失敗のもと”にならないよう見極める目を持つことが大切だ。
近年、中古クラブ市場はますます活性化しており、過去の人気モデルや限定モデル、いまでは入手困難な“お宝クラブ”が眠っている可能性もある。
うまく見つければ、新品以上の価値を感じられる1本に出会えるかもしれない。
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