間違いなく、ホンマはアメリカ市場を「本気で」攻めようとしている。「本気」とは非常に曖昧な表現ではあるが。

PGA Tour SuperStoreに来店すると、ジャスティン・ローズモデルのブレードや、格好いい中空ボディーアイアンセット、TW 747メタルウッドが目に入る。おそらく、値引きされたTW 737メタルウッドや昔のアイアンモデルも目に留まるはずだ。

もちろんこれらを少し探せば、ジュニア用の中古レフティークラブの前に陳列されているだろう。

PGA Showではお決まりのように、日本メーカーがいかにアメリカ市場を攻略するかという話題がのぼるが、リーダーシップ戦略という意味ではホンマはすでに先行している。

テーラーメイドとアディダスの前CEO(北米)のマーク・キング氏がアドバイザーとしてホンマの指揮を執っていたが、キング氏は今年7月食品業界であるタコベルに転身した。

その後は新社長にジョン・カワジャ氏が就任。カワジャ氏は11年に渡りテーラーメイドのトップとしてアメリカ市場を確立し、商品部門副社長に就任したクリス・マッギンレー氏はタイトリストで20年に及ぶ経験を持つ。

昨年冬のジャスティン・ローズとの契約は事前に知れ渡ることになったが、おそらく今回もソーシャルメディアを完全に遮断していない限り、中級者向けの新作ラインナップXP-1の発売をどこかで耳にしていることだろう。

発売にあたりホンマから公式にその詳細が語られた。

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XP= EXTREME PERFORMANCE(エクストリーム・パフォーマンス)

ホンマは全世界で2.6億ドルから2.7億ドル規模の売上を誇る企業だが、アメリカ市場での売上は2千万ドル以下に留まる。

この数字が予想より大きいのか少ないのかは分からないが、ひとつ確かなのはホンマがこの数字を膨らましたいと考えていることだ。

「オーナーは、ホンマをグローバル企業に育てたいと闘志を燃やしている。ゴルフ界で最も市場の大きいアメリカに挑戦し、強気な戦略でビジネスを拡大させようと考えている。」(カワジャ氏)

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新モデルXP-1ラインナップは、市場の60%~75%を占めると言われるハンディキャップ8~20を対象としたメタルウッドやアイアンで構成される。

「我々は現在の市場が十分満たされていないように感じるが、それは一般的な不十分さとは違うかもしれない。このゴルフ業界は多くの技術に溢れ、素晴らしい商品がたくさん存在する。けれども、それは美しいとは言えない。“美しさ”こそホンマの価値が見いだせると考えている。」(クリス・マッギンレー氏)

「現代のクラブは最新技術が詰まった機能的なルックスがウリだ。それとは対照的に、ホンマは“美しい”クラブを作る。それが他のブランドとの違いだ。」(クリス・マッギンレー氏)

XP-1ラインナップはルックスが魅力だ。

アイアンは洗練されシャープな上級者好みのキャビティーバックが特徴、ドライバーと3番ウッドには光沢のある黒のカーボンファイバークラウンを採用しシンプルですっきりとしたデザインになっている。

ソールのミラー仕上げが気になる人もいるだろうが、決して過度ではなく程よく仕上がっている。

また、ホンマは独自の「Vizard」というメタルウッド用グラファイトやアイアンシャフトを作っている。差別化をという意味でも、設計における包括的なアプローチを目指しているという。



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カワジャ氏は先週カールスバッドでのメディアイベントで次のように述べた。

「我々の競合にあたるメーカーは、部品ビジネスに近い。彼らはヘッドをコンピューター上で設計し、シャフトは他の業者から購入し組み立てる。私達が目指すのは、もっと包括的なクラブ作りだ。」

ホンマにとって、「包括的」とはヘッドとシャフトを同時に同じ工場で製造し、グリップからヘッドまで一貫してデザインすることを意味する。

ホンマは自社でグラファイトシャフトを設計・製造する数少ない会社のひとつだが、他の例ではMiyazaki製シャフトを使うスリクソンや独自シャフトを装備するXXIOなども馴染みがあるだろう。

では、包括的なクラブ作りは本当に重要なのか?ホンマはそう確信する。

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XP-1ドライバー&メタルウッド

XP-1ドライバーは決して派手なルックスではない。華美なクラウン装飾はなく、光沢あるソールに高級感あるブラッククラウン。

唯一分かりやすい技術は、ソール上リーディングエッジ背後にあるWスリットだけだ。見覚えがあるならそのはず、この技術は10年前にテーラーメイドが採用している。

「スリット自体は最新技術ではなくどこにでもあり、スピード性能を向上させることが分かっている。ホンマのスリットはWスリットだが、スリット中央を狭めるWスリット配置は誰もやったことがない技術だ。」

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従来のクラブは、フェースとソールが繋がる部分にスリットは存在しなかった。

最近の技術では、スプリングのような働きをするスリットが構造全体に柔軟性をあたえ、結果スピード性能を向上させる。他のメーカーもフィンやウェイブ、ホールなど同じ機能を果たす技術をソールに採用している。

XP-1のスリットはWスリット構造で、奥の部分は深く、その後ろは浅めのスリットになっている。さらに前途のwスリット構造によってヒールとトー部分のたわみ効率が増す。

「スリットがこの中央でたわむのがポイントだ。フェース全体でもたわむのだが、特にヒールとトゥでたわむのが特徴だ。そのため、芯にあたらなかった場合でもボールスピードを維持することができる。また、そのたわみによって真っ直ぐに飛ばす効果も得られる。確実にフェアウェイの真ん中に飛ばせるわけではないが、スリット構造により大きなミスを防ぐことが可能だ。」(マッギンレー氏)

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また、中級者向けドライバーには欠かせない低深部重心である。素材は最も軽量で強度があると言われるET40カーボンファイバーを使用。

軽量クラウンによりウェイトの削減はもちろん、ウェイトの後下部配置も可能にした。この内部ウェイトシステムを使うと、オープンフェースでもわずかにドローバイアスになるのが特徴だ。

実際のプレーにどれ程影響があるのか定かではないが、ホンマは柿の木からフルサイズドライバーヘッドを作った熟練の職人による手作業から始まっているという。

すべて手作業で削り、形を作り、完璧に研磨された後に、CAD部門に送られコンピューターに入力される。

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では職人による手作業が、どれほどクラブ性能に影響を与えるのか?

おそらく、それほど影響しないのではないか。しかし、クラブがもつ特有の美しさはホンマの職人の目と技にあると考え、彼らに絶大な信頼を置いている。

XP-1フェアウェイウッドもWスリットを採用し、フェアウェイウッドとハイブリッドともに低深部重心設計だ。ハイブリッドは特に大きめで、ボールを高く打ち出せる設計が採用されている。


 

シャフト

「このカテゴリーのゴルファーには、シャフト先端のヘッドを感じてほしい。ホンマのクラブを振ると、特有のしなりを感じる。」(マッギンレー氏)

ホンマは包括的なクラブ設計を念頭に、シャフト設計をヘッドと並行して行う。XP-1ドライバーとメタルウッド向けに独自のVizardシャフトを作る。シャフトオプションは43g~63g、中央が軟らかくしなり、バットとチップが硬いのが特徴だ。

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「ヘッドを感じられるようにトルクを増やしたが、しなりは十分にある。実はこの二つを同時に実現するのは容易ではない。振動計で測ると少し硬めにふれるが、実際にクラブを振るとヘッドを感じられ、ボールがフェースから押し出されるのを体感する。」

また、ホーゼルにはホンマ独自の「Non-rotating System」を採用。Vizardシャフトのスパインはすべて6時方向に設定され、ホーゼルはヘッドやシャフトを回転させることなくロフト角とフェース角が調整できる設計になっている。

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「クラブを振り下ろす時、シャフトがあらゆる方向に曲がりたわむという問題がある。つまりトゥアップ・トゥダウンが起きやすくなるが、6時方向にスパインを固定することにより、安定したライ角を保つことができる。ホーゼル自体、内部パーツを回転させ、ヘッドとシャフトの位置は動かない。シャフトのアライメントを正しく設定し、動かさないのがこの理論の素晴らしいところだ。」(マッギンレー氏)


 

シンプルなルックス

最近の中級者向けアイアンはキャビティーのシンプルさが際立つ。中級者向けアイアンにも多くの技術が採用されるが、XP-1はさらに上をいく非常にシンプルなルックスだ。 本間,ゴルフ,XP-1,アイアン,メタルウッド,ジャスティン・ローズ

4~7番アイアンは下部にタングステンインサートを埋め込んだ中空ボディー構造だ。ショートアイアンは深く隠れるようなキャビティーが特徴で、すべてに薄肉フェースを採用しボールスピード性能に優れている。

「フェースは出来る限り薄くし、少ないスピン量でボールスピードと打ち出しを最大化する設計を取り入れた。結果として、キャリーの飛距離が伸びる。」(マッギンレー氏)

間違いなくXP-1アイアンは中級者向けだが、ストロングロフト設計はこのカテゴリーでは重要だ。


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「ストロングロフト設計は、中級者向けアイアン市場に参入するのに必要不可欠だ。ロフトを立てればボールスピード性能は優れ、打ち出しも高くなる。もちろん、XP-1アイアンにも採用した。」

ホンマの63g Vizardアイアンシャフトは、メタルウッド向けのシャフトの特徴に似ていて、ヘッドスピード性能を高める。また、先端に用いたメタルファイバーToraycaグラファイトによって、安定性が増す。

スチールシャフトを好む人には、日本シャフトのNS Pro 950 GHも用意されている。どちらもフレックスは、RかSのみ。XP-1アイアンは中級者向けのため、軽量でスイングしやすいことが重要だ。

試打ラウンドでは、ホンマの宣伝通り非常に軽く、振りやすいことを実感した。また、多くの人がホンマに期待する「打感」は健在。

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XP-1にはレディースも販売される。ドライバーとフェアウェイウッド、ハイブリッドにはメンズと同じ技術が搭載され、Vizardシャフトはさらに軽い39、43、53gが用意される。

仕上げはホンマ独自のホワイトカラーだ。レディースXP-1アイアンには、ヘッドウェイトを相殺しトータルウェイトを削減する目的で、大きなチタンフェースインサートが使われる。

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価格と販売予定

繰り返すが、ホンマはアメリカ市場に本気で取り組もうとしている。

先週、ホンマはカールスバッドに、小売やフィッティングセンター、ミュージアム、クラブ製作のワークショップ、ツアー本部で構成する「Honma House」を正式にオープンさせた。

今年の秋には、公式にオープンする予定で、ホンマ商品の購入やフィッティング、クラブの製造工程まで楽しむことができる。

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すべての商品は揃えていないが、Honma Houseはホンマの挑戦のひとつだ。XP-1はホンマのラインナップを総括する大きなステップでもある。

T World 747ウッドやアイアンラインはジャスティン・ローズモデルのブレードから中級者向けディスタンスアイアンまで幅広くカバーするが、XP-1の登場により中級/初級者向けカテゴリーにホンマの存在感を放つことができる。

XP-1アイアンは本日より販売が開始される。

標準セットは、5番~11番アイアン(日本スペック)だが4番アイアンはオプションで購入可能。XP-1ドライバーは460ccでロフトは9.5、10.5、12度のオプションがある。ホンマ独自のVizardシャフトは、 43g、53g、63gの3種類でレックスはRかSから選べる。

フェアウェイウッドは、15、18、21度モデルがあり、シャフトは53gと63g 、フレックスはRとSを用意。

ハイブリッドは、63g Vizard シャフト装備の19、22、25度で、フレックスはRとSだ。グリップは、ホンマ独自のTour Velvetを装備。

本間,ゴルフ,XP-1,アイアン,メタルウッド,ジャスティン・ローズ XP-1ラインは、XP-1ドライバー$599.99、フェアウェイウッド$299.99、ハイブリッド$249.99と比較的高額だ。アイアンは1本$175(スチールシャフト)と$200(Vizardグラファイトシャフト)が販売される。

現時点では右利き用のみだが、今年秋にレフティー用が発売される。

最後に、XP-1のターゲットは誰か?ハンデ8-20がターゲット層だというが、シャフトさえ合えばハンデ一桁のプレーヤーも惹きつけるのではないかと思う。

また、以前よりヘッドスピードが落ちて、クラブの助けが欲しい人にも是非検討してほしい。

ハイブリッドは、フェアウェイウッドのミニ版に近いため、ハイブリッドに何を求めるかによって好みが分かれるだろう。

ホンマXP-1に興味を持っていただけただろうか?

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