PXG好きの方なら、PXGの各ゴルフギアの名前が、創設者ボブ・パーソンズ氏が米国海軍を経験していることから米軍軍事職業コードのインスピレーションを受けていることはご存知だろう。

最初のモデルは、オリジナル 0311アイアン(軍事職業コードでライフル銃兵)だった。今回のスピットファイヤーは、第二次世界大戦時に、主に英国空軍によって使用された一人乗り戦闘機にちなんで付けられている。

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スピットファイヤーは100%のミルド303ステンレスヘッドで、伝説的なブレードとは少し異なる形状をしているが、ミッドマレットほどの大きさはない。

パター市場は、カーステンのオリジナル・アンサーを大きく逸脱しないパターが新作として登場することが多く、ユーザーに飽きがきている部分もあるが、このスピットファイヤーはゴルファーがじっくり見たくなるよう差別化されている。


 

選択肢が拡大

スピットファイヤー GEN1は、テクノロジーで特筆することがなかったが、今回のスピットファイヤー GEN2はGEN2パターシリーズの9作目で、3つのホーゼルと4つのソールウェイトから選べる。

それぞれヘッド重量は異なるが、ホーゼルのオプション(ダブルベント、プランバーネック、ヒールシャフト)により、あらゆるパッティングストロークに対応。

フェースバランスのダブルベントは360g、ヒールシャフトモデルは370g、プランバーネックは380gと重めになっている。

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そして、4つのソールウェイト(5g、10g、15g、20gのウェイトキットもラインナップ)により、ヘッドウェイトを標準モデルから10gまでの減量と50gまでの増量が可能。

トゥでもヒールでも軽量ウェイトから重めのウェイトまで自由自在に組み替えることができる。

ドライバーが弾道調整できるなら、パターも調整できて良いはずというわけだ。



 

フェースとヘッド

スピットファイヤーのフェースの特徴は、フェース中央に向かって高密度になり、ヒールとトゥに向かうにしたがいスペースができる小さなピラミッド構造を配したこと。

PXGでは、これにより「ボールのカバーをしっかりと捉え、どの部分でインパクトしても安定した転がりが得られる」としている。

また、ボールスピードに直接影響を及ぼすのはフェース表面であると考えているようだ。

ボールスピードは、ボールと接触する部分の物質量を変えることで、インパクトする場所によってわずかではあるが変化する。

PXGのピラミッド構造のような設計にすれば、センターヒット時のボールスピードが減り、トゥ/ヒール側でミスヒットした時にボールスピードは増す。

つまり結果として、インパクトポイントに関わらずボールスピードはほぼ変わらないということ。

細かいことは置いておき、この手のテクノロジーはいつだって転がる距離の安定性を改善することを目的としている。

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そしてスピットファイヤーは、アドレスするといくつかの並列した線と一点に集まるような線が確認できるが、これにはそれぞれ異なる目的がある。

PXGによれば(トップラインは垂直な)並列線は、ターゲットラインに向かってフェースをスクエアにすることをサポートし、両端のフレア状になっているパター後部からの線により、ゴルファーの意識がボールのちょうど前の点に向かうようにしている。

この考えは、GEN2ウッドでは意図していなかったアウトプットと似ているかも知れない。

GEN2のドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッドのクラウンは、アメ車のボンネットからインスピレーションを受けている。

特筆すべき特徴は、角度のついた隆起している部分で、両側の線を前に伸ばすとアドレスのボール位置の少し前で交わるようになっている。

ウッド発売当時は話題にならなかったが、PXG契約のうちの何名か、特にビリー・ホーシェルはこれに注目。

より安定したインパクトを実現するため、クラブと体を目標方向に正しくセットアップする機能として思っているようだ。

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PXGが、高級感を維持しつつどのようにブランドの手軽さと排他性を共存させようとしているかは、各商品リリースを見れば理解できるだろう。

もちろん、さじ加減が難しいところだが、ここまでは大きなミスをせず前に進んでいるようだ。


 

価格は発売時期

スピットファイヤーのメーカー希望小売価格は425ドル。追加のウェイトキットは75ドル。