2019年の春に発表されたヴェンタス ブルー シャフトは、フジクラ独自のVeloCore(ヴェロコア)テクノロジーにより高性能(かつ高価な)シャフトに仕上がった。

VeloCore(コア=芯における、ヴェロシティ=速度)では、シャフト全体にピッチ70トンの炭素繊維を用いたバイアス層を採用し、また、手元から中央部には加速テーパーを採用している。

ドライバーやフェアウェイウッドのMOI(慣性モーメント)を高めるため、全体的に硬いシャフトであるにもかかわらず(ピッチ70はT1100と比較して150%の硬さ)、低スピン/低トルクのシャフトにありがちな硬く板のような感触からは程遠い。

簡潔にいえば、VeloCoreはシャフト全体のねじれを最小限に抑えることを大前提に作られた。

MyGolfSpyのトニー・コーヴェイによれば「ねじれがなければ、フェースはスクエアに保たれ、フェースセンターでインパクトを迎えられる。それは安定したボールスピードと方向性、ばらつきのなさに繋がる」。

ヴェンタス ブルーはVeloCoreテクノロジーのリトマス試験紙だった。クラブと違って、ツアープロにフジクラシャフトを使う義理はない(ほとんどの大手シャフトメーカーについても同様)。

従ってシャフトの採用率はパフォーマンスの向上を如実に表すことになる。

「VeloCoreを搭載したブルーヴェンタスの採用率とツアーでの成績を目の当たりにしたとき」フジクラのツアー担当ディレクターのパット・マッコイは「このシャフトの成功を確信しました」。

ネイト・ラシュリー(ロケット・モーゲージ・クラシック)とカン・スン(AT&T バイロン・モーガン・クラシック)はいずれもヴェンタス ブルーを使用して優勝した。

また、ルーカス・グローバーやジョーダン・スピース、ブラント・スネデカーなどの有名どころも前年度のシーズン中にヴェンタス ブルーにスイッチしている。

フジクラ,VENTUS,ヴェンタス,ブラック,レッド,ブルー,シャフト,ATMOS


ブラックとレッド

シャフトの特性を見れば理論上はなんでもできるように思えるが、実際は万能ではない。

すなわち、シャフトは同時に重くて軽くはならないし、低い打ち出し角と高打ち出し角を両立することはできない。

ヴェンタス ブルーは中弾道/中低スピン特性を有する。求められているパフォーマンスに応じて、手元と先端の剛性を高め、中間部を柔らかくした。

ツアープロからの反応を見ると、ヴェンタス ブルーと同等の安定性と正確性を保ちつつ、異なる打ち出し角やスピン量を引き出すシャフトも求められていた。

そこで、色違いのATMOSツアースペックシリーズの時と同じように、フジクラはヴェンタスシリーズに新たな2種、レッドとブラックを追加することとなった。

ヴェンタス ブラックは手元と先端を硬く、中間部においてもかなり硬めに仕上げることで、ヴェンタス ブルーに比べて低打ち出し角、低スピンを実現している。

ダスティン・ジョンソンやダニー・リー、ダニエル・バーガーらが最近ヴェンタス ブラックに変更した。

反対に、高打ち出し角のヴェンタス レッドは全体的に柔らかめだが、下記チャートでわかるように、手元から中間部にかけてはヴェンタス ブルーよりほんの少し硬めに仕上がっている。

シャフトメーカーは高スピン量については明言を避けるが、比較するとヴェンタス レッドは3種の中で最もスピン量が多い可能性が高い。

だからといって扱いづらいほどのスピン量ではない。ヴェンタス レッドを使用して、ボウ・ホスラーが2019-2020年度のPGAツアーカードを取り戻したことでもわかるだろう。

フジクラ,VENTUS,ヴェンタス,ブラック,レッド,ブルー,シャフト,ATMOS

RED・・・3種類の中で一番先端側に動くシャフト 先調子 中高弾道系

BLUE・・・3種類の中で中間の特徴のシャフト 中調子 中弾道系

BLACK・・・3種類の中で先端がもっとも硬い 手元調子 低弾道系

 


新しいシャフトに100ドル費やすのか400ドル以上なのかに拘わらず、専門家によってフィッティングをしてもらうことがなにより重要だ。

打ち出し角やスピン量はゴルファーのタイプとシャフトの特性で変わる相対的なものである。あるプレーヤーにとって打ち出し角とスピン量を上げるものが、他のプレーヤーにも同じ効果を及ぼすとは限らない。

これはPGAツアーのプロだろうがハンデ18のアベレージゴルファーだろうが変わらぬ真実なのだ。

例えば、クールクラブスのシャフトシミュレーションシステムS3による計測では、ヴェンタス ブルーは手元と先端剛性の高い低〜中打ち出し角のシャフトとされている。

しかし、低打ち出し角/低スピン量のブラックと高打ち出し角/高スピン量のレッドの間に位置するブルーは、中打ち出し角/中スピン量のシャフトであるはずだと、印象だけで間違った判断をする者もいるだろう。

前述したように、いずれもドライバーのヘッドスピードが50m/sを超える熟練のプロゴルファーでありながら、ボウ・ホスラーには最も打ち出し角の高いヴェンタス レッド。

また、剛性を必要とするダニー・リーにはヴェンタス ブラックがフィットする。

フジクラ,VENTUS,ヴェンタス,ブラック,レッド,ブルー,シャフト,ATMOS


フジクラ,VENTUS,ヴェンタス,ブラック,レッド,ブルー,シャフト,ATMOS フジクラ,VENTUS,ヴェンタス,ブラック,レッド,ブルー,シャフト,ATMOS フジクラ,VENTUS,ヴェンタス,ブラック,レッド,ブルー,シャフト,ATMOS


フジクラ,VENTUS,ヴェンタス,ブラック,レッド,ブルー,シャフト,ATMOS


価格、入手方法およびスペック

ヴェンタス全種のメーカー希望小売価格は350ドル。2019年9月3日より、600を超えるフジクラ認定販売業者においてのみ取り扱う。

ヴェンタスのラインナップは、重量57〜86グラム、フレックスR2〜Xといずれも幅広い。

フジクラ,VENTUS,ヴェンタス,ブラック,レッド,ブルー,シャフト,ATMOS

※上記表の用語

FLEX(硬さ)/LENGTH(長さ)/WEIGHT(重さ)/TIP FLEX(ヘッドよりの硬さ)/BUTT FLEX(グリップよりの硬さ)/TORQUE(トルク)/BUTT DIAMETER(バット径)/BEND POINT(調子)/SPIN(スピン量)/LAUNCH(打ち出し角)


Shares 0