キャロウェイのゴルフボール事業にとって、2024年の「クロムソフト」から「クロムツアー」と「クロムソフト」への移行は、キャロウェイ史上2番目に重要な進化となるかもしれない。

初代「クロムソフト」のために「Speed Regime(2014年に発売されたヘッドスピード別のツアー系ボール)」を廃番にするという決定の重要性は、どれだけ強調してもしすぎることはない。

「クロムソフト」は、“ボールを変えたボール”と宣伝されたこの初代の赤い箱によって、キャロウェイのゴルフボール事業がただの追随メーカーのひとつから、明確な市場シェア第2位に押し上げられたことは間違いないからだ。


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2024年はキャロウェイゴルフボールシリーズの、ラインナップ全てにおいて、コアからカバーまでを向上させる重要な時期となる。

前作からの変更点として、性能の向上のみならず、高コンプレッションボールから「ソフト」の名称を取り除き、ラインナップから「LS」を削除すること、そしてこれまでキャロウェイのゴルフボールをあまり真剣に検討してこなかったであろう「上級者」をターゲットにしたことも含まれる。

これらすべては、世界がこれまで見たこともないような最先端のツアーボールを作るという目的のもとに構築された、大規模計画の一部。

そして、キャロウェイの初代「クロムソフト」が店頭に並んだときと同じように、タイトリストと真っ向勝負する準備ができているかのように聞こえるとするなら、それこそ、まさにいま起きていることと言えるだろう。


2024年「クロム」シリーズのラインナップ

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2024年モデルの「クロム」シリーズラインナップは、おなじみの(改良はされているが)「クロムソフト」に「クロムツアー X」、そしてまったく新しい「クロムツアー」で構成されている。

この3モデルそれぞれについては後ほど個別に詳しく説明するが、簡単に言うと「クロムソフト」と「クロムツアー X」は歴代の「クロムソフト」と「クロムソフト X」の直接の後継モデルとなる。

「クロムツアー」はラインナップ上では「クロムソフト X LS」に代わるものだが、後継モデルではない。これはタイトリスト「プロV1」ユーザーにアピールするように設計されたゴルフボールで、これまでの「クロムソフト」ラインナップにはなかったものだ。


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ちょっと考えてみてほしい。これまで、「クロムソフト」のラインナップには、世界で最もプレーされているゴルフボールと同様の性能スペックを狙って設計されたモデルはなかった。

タイトリスト「プロV1」と比較すると、キャロウェイ「クロムソフト」はより柔らかくより高弾道と低スピンを実現してきた。また、90以上となる高いコンプレッションと高スピンを備えた「クロムソフト X」は「プロV1x」により近い製品だった。

しかしその中間を求める多くのゴルファーに向けて、差別化のために、キャロウェイは何も用意してなかったわけだ。

ボール部門におけるキャロウェイのこれまでの戦略は、市場リーダーの両脇を固めることだったが、「クロムツアー」でそれが変わるというわけだ。


コアからカバーに至るまでの全面改良

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新バージョンのゴルフボールが市場に投入されるたびに、すべてが変わるわけではない。ゴルフボールは多くの場合、一度に1レイヤーずつ進化する。

しかしキャロウェイの「クロム」シリーズは、1つどころかコアからカバーまで、そして察するにカバーの上にまで及んだ。


新しいカバー構成

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新ボールは外側から内側に向かい、新たなコア配合が特徴だ。キャロウェイは、前世代の「クロムソフト」をベースに、コア素材の配合をより初速向上に貢献する素材へと変更した。

そしてその新しいベースポリマーと他の新素材により、コンプレッションを増やすことなく初速をさらに向上させることが可能になった。これは3モデルすべてに共通している。

コアは初速だけでなく、スピン量をコントロールする際のフィーリングにも影響する。基本的に、コアが硬ければ高初速/高スピンに、コアが柔らかければ、低初速/低スピンになる。ボールを打った時のコアのつぶれ方、高い反発力が初速を生み出すというわけだ。

また、新しいコアで目標の性能を実現するために、マントル層(「クロムツアー」および「クロムツアー X」は4ピース、「クロムソフト」は3ピース)が調整されている。


改良されたヘックスディンプル

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キャロウェイが2024年の「クロムツアー(およびソフト)」ボールで採用したすべての変更の中で、その特徴的な「ヘックスディンプルパターン」への変更が最も重要だという意見もある。

これまでで最も広範な数値流体力学と、カリフォルニアにあるイーリー・キャロウェイ・パフォーマンスセンターにある9台の高解像度カメラによる「トップトレーサー」システムを通じて、ボールの飛行全体にわたる空力性能をより最適化し、検証できるようになったからだ。

新しいパターンは六角形と球形の組み合わせで、飛行全体にわたる安定性を向上させながら最大の飛距離を実現する。

過去に、キャロウェイはディンプルの深さとヘックスディンプル形状を形成するファセットの幅を操作して、各ボールの弾道を修正していた。今回、ディンプルパターンは各ボールに固有であるため、ゴルファーが弾道を操作することなく、それぞれの狙った打ち出しができるようになったのだ。


より柔らかいカバー

新しいカバーデザインの一環として、キャロウェイは「クロムツアー」、「クロムツアー X」および「クロムソフト」のカバーをよりソフトにした。キャロウェイでは、自社のカバーは主要な競合他社のカバーよりも柔らかいと太鼓判を押している。

性能面では、グリーンに近づくにつれてスピン量が増えるだけでなく、(濡れた状態でも)より安定したスピン量が保持できるという。


シームレスなカバーデザイン

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多くのメーカーがシームレス、すなわち“継ぎ目のない”カバーデザインの打開策に取り組んでいくだろうが、実際には、ゴルフボールのカバーは例外なく2つの型を合わせて形成されており、これらの型が接する部分の継ぎ目は避けられない。

キャロウェイもそれを否定しているわけではないが、ここで重要なのは、競合他社の製品でよく見られるインシームとクロスシームの性能差を解消できるような製造工程を採用しているという点だ。

違いはキャロウェイの仕上げ工程にある。キャロウェイでは、縫い目を直接トリミングしてバフをかけるのではなく(業界では一般的)、ボール全体を効果的に滑らかにしている。同社によれば、これにより均一性が向上し、バフをかける工程を考慮した上で継ぎ目に沿ってディンプル形状を修正する必要がなくなるという。


よりプレミアムな外観

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小さなことかもしれないが、キャロウェイはボールの外側にも変更を加えた。プレーヤーナンバーが更新され、サイドスタンプが大きくなり、塗装品質も向上した。

数値化は難しいものの、ゴルファーが「クロムツアー」や「クロムソフト」の箱を開けたときに、よりプレミアムな製品を体験しているように感じてほしいとキャロウェイは考えているということだ。


プレシジョン(精密技術)テクノロジー2.0

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これらすべては、キャロウェイが2022年のボールで導入した『プレシジョン(精密技術)テクノロジー』を基盤としている。

当時『プレシジョンテクノロジー』は、キャロウェイが自社工場におこなった投資にすぎなかったが、現在では業界をリードする製造工程を備えていると信じられるレベルにまで達している。

その評価については熱い議論が交わされるに違いない。しかし、重要なのは2024年モデルにより、『プレシジョンテクノロジー』がゴルフコースにまで波及したことにある。ゴルファーが3モデルのうちどれを選択しても、より安定した結果が期待できるとキャロウェイは考えているのだ。

では、「クロムツアー」と「クロムソフト」各モデルを詳しく見てみよう。


キャロウェイ「クロムツアー」ゴルフボール

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「クロムツアー」は、「クロムソフト」が存在する以前から今に至るまで、タイトリスト「プロV1」と真っ向勝負するというキャロウェイ初の試みだ。

そのゴールドの箱は、「クロムツアー」が今までと違うこと、何かが変わったことを示している。

「クロムツアー X」と同様、「クロムツアー」は4ピース構造 (デュアルマントル) だが、「X」(および現在ラインナップにある「X LS」)の高いコンプレッションと引き換えに、飛距離とソフトな打感を実現している。

「クロムツアー」は、キャロウェイがPGAツアープロに提供したプロトタイプの「クロムソフト X ドット」がベースとなっている。「クロムソフト X ドット」は「クロムソフト X LS」よりも柔らかく高スピンで、ツアーでのボール使用率は30~40パーセントを占めていた。


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また「クロムソフト X ドット」に比べ、「クロムツアー」は空力特性が向上しており、キャロウェイ曰く「プロV1」と比べても遜色はないという。

キャロウェイのテストでは、「クロムツアー」は「プロV1」よりもボール初速が0.22m/s速く、テーラーメイド「TP5」と比べても速かった。これはツアーレベルのヘッドスピードに基づいているため、平均的なゴルファーがまったく同じアドバンテージを実感する可能性は低いが、速いのは確かだ。

おそらくより大きなポイントは、「クロムソフト X LS」を使っていたゴルファーが「クロムツアー」にしても、飛距離を失うことはないということだ。


キャロウェイ「クロムツアー X」

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コアからカバーまでの性能向上 (実は一大事) は別として、「クロムツアー X」という名前以外は前作「クロムソフト X」とかけ離れたものではない。

「クロムツアー X」は前作同様、キャロウェイにおいて最も高スピンのゴルフボールであり、市場で最も速い(そして最も飛ぶ)ボールのひとつであることに変わりはない。

「ツアー X」で、キャロウェイはタイトリストの「プロ V1x」に照準を合わせており、「V1x」よりもボール初速が0.67m/sのアドバンテージがあるという。

繰り返しになるが、これはあくまでツアーレベルにおける初速での話。しかし、キャロウェイはこのボールの使用者のほぼ全員がその違いに気づくと確信しているようだ。

キャロウェイのゴルフボールR&Dシニアディレクター、エリック・ローパー氏は「このボール初速の向上は本物であり、顕著であり、重要である」とコメントしている。


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またキャロウェイは、「クロムツアー X」がグリーン周りのスピン競争に勝つことも同様に確信しているようだ。「プロ V1x」よりもスピン量が約300 rpm多いというアドバンテージがその根拠らしい。

要点を明確にするために、キャロウェイは我々に「クロムツアー X」と「プロ V1x」を交互に打たせたが「クロムツアー X」ではドライバーの初速が増し、グリーン周りでのスピン量も増えたのだ。

ゴルフボールのフィッティング、ひいては適切なゴルフボールを見つけることは、初速やグリーン周りのスピン量だけの話ではないが、もしその両方にアドバンテージがあるならば、検討材料としては決して悪くはない。

弾道測定器にアクセスできるようになった今、ゴルファーが自分でテストできない理由もない。

「これは駆け引きでもなんでもなくて」と言うのはキャロウェイのジェイソン・フィンレー。「とにかく打てばわかる。我々が負けてないってことが」。

少なくとも、「クロムソフト X」と今回の「クロムツアー X」が今よりも小売市場で流通する価値があることを示唆している。


「クロムソフト」

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「クロムソフト」はなくならない。おなじみの赤い箱は今後も店頭に並ぶが、今シーズンの目玉商品は「クロムツアー」であるため、「クロムソフト」について耳にする機会は少々減るだろう。

「クロムツアー」に比べ、3ピースの「クロムソフト」はコンプレッション(硬度)がかなり低いため、ヘッドスピードの遅いプレーヤーやスピン量を大幅に減らしたいゴルファーに適している。

またキャロウェイが言うように、ツアークオリティを求める向上心の高いプレーヤーのためのボールとなっている。


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そして、ヘッドスピードの速いプレーヤーが柔らかいボールを使用するとボール初速が低下するということは、これまで延々と話されてきたが、キャロウェイによれば新しい「クロムソフト」ではその点が少し改善されたとのこと。より高い最高到達点を生み出す空気力学的改善と相まって、前世代の「クロムソフト」よりも約3ヤード(ボール初速62.58m/sの場合)の飛距離アップが実現したようだ。

さらにキャロウェイによれば、「クロムソフト」はテーラーメイドの「ツアーレスポンス」やタイトリストの「AVX」などの競合製品と比べても優れているという。


視覚技術

「クロムツアー」と「クロムソフト」ボールは、さまざまなラインとパターンでお目見えする。詳細はチャート参照のこと。

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さらに考慮すべきこと

キャロウェイだって、長年ゴルフ業界でナンバーワンに君臨するボールの地位を奪うことは一朝一夕にできることではないと分かっている。実際、マーケットリーダーを追い越すためには、市場のバランスが取れるまで根気よくじわじわと食い下がる必要がある。

キャロウェイは70年の歴史と戦っていることも忘れてはいない。ゴルファーが新たな忠誠心を確立するためには、「クロムツアー」が優れているというだけでは十分ではない。はっきりと優位であると知らしめる必要がある。

ある意味、キャロウェイは2つの困難な闘いを強いられているのだ。


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まずは、ツアープロや上級者に、現在使用しているものと真っ向勝負で「クロムツアー」と「クロムツアー X」を試す気になるよう説得できなければならない。

キャロウェイは、今回のモデルのメリットが否定できないことが証明できると信じているが、この特定の層の忠誠心は厚く、これまでにキャロウェイのツアーボールに興味を示した者はそう多くはない。

そして別の層においても問題はある。グリーンを狙うのに苦労しているゴルファーは、特定のゴルフボールの性能上のメリットを認識するのが難しいと感じることが多い。「違いが分かるほど上手くない」というのはよく聞くセリフだ。

キャロウェイは、両方のタイプのゴルファーにとって、「クロムツアー X」と「クロムソフト」が現在ある最良の選択肢であると信じているが、そのメッセージが共鳴しないことには、どれほど性能上の利点があろうが大した助けにはならない。

そのため、キャロウェイからのメッセージは、ゴールドの箱とツアーでの成績が話題の中心となる例年とは大きく異なるものになることが予想される。

さて、それだけでゴルファーの好奇心をくすぐるには十分と言えるだろうか?

キャロウェイ「クロムツアー」、「クロムツアー X」、「クロムソフト」ゴルフボールの価格は各¥7,150(税込)で、2024年3月1日発売。

追伸:今すぐボールが必要、あるいは最新のボールを正規の値段で購入したくないなら、2022年のキャロウェイ「クロムソフト」ボールシリーズが45ドルに値下げされている。 2022年モデルのアウトレット価格は、キャロウェイホームページより。