テーラーメイドといえば、長く「初速(スピード)」を武器にしてきたメーカーだ。
「Burner(バーナー)」から「SLDR」、初代「Stealth(ステルス)」に至るまで、飛距離性能を前面に押し出したモデルを数多く送り出してきた。良し悪しは別として、その方向性は分かりやすかった。
たとえデザイン面で賛否が分かれるモデルがあっても、「初速を重視している」という軸は一貫していた。ところが、「Stealth 2」以降、「Qi10」、そして「Qi35」へと続く流れの中で、テーラーメイドが何を一番の強みにしているのかは、少し見えにくくなっていた。
「Qi4D」は、そうした状況を受けて登場したモデルだ。
ボール初速を改めて重視しつつ、フィッティングの考え方やミスヒット時の挙動を整理することで、テーラーメイドらしい“初速(スピード)”を、より現実的に引き出そうとしている。
テーラーメイドは近年、慣性モーメント(MOI)の数値を高めることに強く注力してきた。ミスヒット時の安定感、いわゆる「寛容性」を重視した結果だ。
もちろん、「寛容性」はドライバーにとって欠かせない要素だ。だが、「初速(スピード)」を最大の武器としてきたテーラーメイドにとって、ボール初速を抑えてまで慣性モーメントを優先する設計は、ブランドの本質から少し外れて見えた。実際、「LS」モデルを除く「Qi」シリーズの多くは、安定性を得る代わりに、かつてのテーラーメイドらしいスピード感を失っていた。極端に言えば、「初速を武器にするブランドらしさが感じにくくなっていた」。
それが、この時期のテーラーメイドドライバーに対する、率直な印象だった。
「慣性モーメントを追い求める中で、少し行き過ぎた部分があったのは事実だと思う」そう語るのは、テーラーメイドのグローバル・プロダクト担当、ブライアン・バゼル氏だ。
「ドライバーは、この会社にとって中核となるカテゴリーであり、“スピード(ボール初速)”はいまも欠かせない要素です」ここで言う「スピード」は、単なる数値としての「初速」ではない。テーラーメイドが長年築いてきた、ブランドの設計思想としてのスピードを指している。その考え方を象徴しているのが、「Qi4D」というモデル名だ。
この“4”は世代番号ではなく、初速を生み出すために必要な4つの要素を意味している。・ヘッド設計・空力性能・フェーステクノロジー・フィッティングテーラーメイドの結論は明快だ。ボール初速は、ひとつの技術で生まれるものではない。4つの要素を揃え、噛み合わせたときに、結果として「初速」が最大化される。「Qi4D」は、その考え方を明確に示すドライバーである。受け継がれた点と、変えた点
「Qi4D」でチタンフェースへの回帰を期待していたゴルファーにとっては、この点は少し意外かもしれない。
テーラーメイドは、チタンに戻る選択をしていない。
「Qi4D」シリーズは、「カーボンフェース」と「カーボンクラウン」を継続採用。
加えて「Qi4D Max」と「Qi4D Max Lite」では、ボディ素材に「アルミニウム」を使用している。注目すべきは、単にチタンを使わない、という話ではない点だ。テーラーメイドは一部モデルにおいて、チタン素材を完全に排除し、代わりに「775アルミニウム」を使った鍛造・フルミルド構造へと踏み込んだ。この素材は、「軽量であること」「高い強度を持つこと」そして、「極めて高い製造の精度を実現できること」という点で、大きな利点がある。製品開発がこの方向で進み続けるなら、将来的にテーラーメイドのドライバーから、チタンという素材そのものが姿を消す可能性も現実味を帯びてくる。
テーラーメイド「Qi4D」ドライバーシリーズのメインシャーシは、精密に削り出されたアルミニウムを基盤として構成されている。ドライバーにはチタン素材は一切使用されていない。
「Qi4D」ドライバーシリーズの設計の核となっているのは、精密ミルド加工されたアルミニウム製シャーシだ。
この構造にはチタンが一切使われていない。その代わり、アルミニウムを用いることで、重量を配置する位置や量を、設計どおりにコントロールしやすい構造を実現している。テーラーメイドの姿勢は、ここでもはっきりしている。
ブライアン・バゼル氏は、素材選択について次のように述べている。 「チタンに戻るつもりはありません。むしろ、これまで以上にチタンから離れた方向へ進んでいます」これは一時的な方針転換ではない。 テーラーメイドは、ドライバーにおける主素材を見直し、カーボンやアルミニウムを軸にした設計へと、さらに踏み込む意思を明確にしている。「Qi4D」においても、カーボンフェースは性能の中核を担っている。
テーラーメイドがこの素材を使い続ける理由は、はっきりしている。ひとつは、軽さだ。フェースが軽くなることで、インパクト時のエネルギー伝達効率が高まり、結果としてボール初速を引き出しやすくなる。もうひとつが、製造精度の高さである。金属フェースは、最終工程で研磨が必要となり、その作業には人の手が入る。この工程は避けられない一方で、個体差が生まれる要因にもなる。しかし、カーボンフェースは違う。ロボットによる製造が前提となるため、フェースの曲率や形状を設計どおりに、安定して再現しやすい。テーラーメイドがカーボンフェースを重視する理由は、単なる素材の違いではない。初速性能と、個体差の少ない安定した仕上がり──その両立こそが、カーボンフェースを選び続ける最大の理由だ。スピン量の安定性を高める設計
カーボンフェースによって、フェースの曲率(フェースのロール/バルジ)や形状を設計どおりに、毎回安定して作れるようになった。
その製造の精度が、「Qi4D」のフェース設計を一段引き上げている。テーラーメイドはこの精度を活かし、「Qi4D」ではロール半径をより厳密にコントロール。その結果、スピン量のばらつきは全体で30%以上低減し、打点によっては最大で約50%近い改善が見られたという。とくに効果が大きいのが、フェース上部でのヒットだ。少し噛み砕いて言えば、当たりどころが多少ズレても、スピンが極端に変わりにくくなったということ。
実はこの「打点によるスピン量のばらつき」は、過去のテーラーメイドドライバーにおいて、社内だけでなく、フィッターからも問題点として挙げられてきた。
ボール初速や打ち出し角は適正でも、スピン量が安定しないと──「飛距離が読みづらい」「弾道が揃わない」「フィッティング結果が再現しにくい」といった課題が残る。「Qi4D」は、その弱点だった部分に正面から手を入れたモデルだ。初速や打ち出し角に加え、スピン量の安定性まで含めて“揃える”。それが、このドライバーの大きな進化点と言える。
「Qi4D」が選んだのは、打ち出し角のわずかなばらつきを許容する代わりに、スピン量を安定させるという考え方だ。
その理由は明確だ。 実際のラウンドでは、打ち出し角が少し変わることよりも、スピン量が大きく変わるほうが、飛距離差を生みやすい。たとえばフェースの上下で芯を外したとき、打ち出し角の違いは数ヤードで収まることが多い。しかしスピン量が増減すると、キャリーもランも大きく変わる。結果として、「思ったより飛ばない」「同じように振ったのに距離が合わない」といったズレが生じやすくなる。「Qi4D」は、この縦の打点ズレによるスピンの乱れを抑えることで、飛距離の再現性を高める方向を選んだ。これは、最大飛距離や最高の数値を追い求める設計ではない。 芯を外したときでも、必要以上に距離を失わないための設計だ。言い換えれば、「Qi4D」が目指しているのは、慣性モーメント(MOI)を無理に高めなくても得られる、実戦的な「寛容性」。
スコアにつながるのは、一発の最大飛距離ではなく、ショットごとの距離差が小さいこと。その現実を踏まえたうえで、スピン量の安定性を最優先する設計を選んでいる。耐久性に関する懸念について
テーラーメイド「Qi4D Max Lite」ドライバー
カーボンフェースを採用し始めた初期世代では、テーラーメイドは耐久性の面で課題を抱えていた時期があったのも事実だ。
「Qi35」でその多くは改善されたが、一部の個体では、インパクトの負荷が集中しやすいトレーリングエッジ付近にひび割れが生じるケースも報告されていた。この点について、テーラーメイド自身も問題を把握していた。
ブライアン・バゼル氏は、次のように説明している。「トレーリングエッジにかかる負荷は、私たちも明確な課題として認識していました。新たに採用したアルミニウム製カラーと、ロボットによる接着工程によって、インパクト時の負荷をどのように受け止めるか、その構造自体を根本から見直しています」「Qi4D」では、その対策がクラブの構造そのものに反映されている。
再設計されたアルミニウム製カラーは、従来のチタンよりも軽く、かつ強度に優れる。さらに、フェースの接着工程は完全にロボット化され、人の手によるばらつきは排除された。テーラーメイドは、この新しい構造によって、フェースの剥離やトレーリングエッジのひび割れといったトラブルの発生リスクを、大きく抑えられると判断している。4つのモデル構成(2026年も)
昨年(2025年)に続き、テーラーメイドのドライバーシリーズは、4モデル構成でラインアップされる。
テーラーメイド「Qi4D Core」ボール初速・調整幅・バランスを備えた基準モデル
テーラーメイド「Qi4D (Core) 」ドライバー
「Qi4D Core」は、このシリーズのど真ん中に位置するモデルだ。
そして同時に、テーラーメイドが“初速重視へ立ち返った”ことを、最も分かりやすく示している存在でもある。設計の要となるのは、「R7 Mini Driver」でも採用された「クワッドウエイト」構造。
標準仕様では、後方に9gウエイトを2つ、前方に4gウエイトを2つというバランスでセットされている。この初期設定は、高い寛容性をベースにしながら、調整の余地をしっかり残す考え方だ。 まずはミスヒットに強く、扱いやすい。そのうえで、ゴルファーの求める方向にチューニングできる。たとえば、重いウエイトを前方へ移せば、スピン量を抑えつつ、ボール初速を引き出しやすいセッティングになる。一方で、ウエイトをヒール〜トゥ方向に振れば、つかまり具合や弾道の曲がり幅を調整することも可能だ。「Qi4D Core」は、寛容性・調整幅・初速性能をバランスよくまとめた、シリーズの基準となる1本と言える。
最も安定性を重視したセッティングでも、「Qi4D Core」の慣性モーメント(MOI)は約8,500。これは前作「Qi35」より低い数値だが、意図的な判断だ。
テーラーメイドが狙ったのは、MOIを無理に引き上げることではなく、初速を取り戻すこと。そのために、MOIはあえてわずかに抑えつつ、実戦で必要十分な「寛容性」はしっかり残している。言い換えれば、守りすぎないMOI設定だ。その結果、「Qi4D Core」はシリーズの中で最もフィッティングの自由度が高いヘッドとなっている。
ウエイト配置によって、「安定性重視」「低スピン・高初速方向」「弾道やつかまりの調整」まで幅広く対応でき、多くのゴルファーにとって“最も速く仕上げやすい”モデルと位置づけられている。「Qi4D Core」は、慣性モーメント(MOI)・ボール初速・調整幅のバランスを突き詰めた、シリーズの基準となる存在だ。
テーラーメイド「Qi4D LS」ボール初速最優先。迷いのないLS設計
テーラーメイド「Qi4D LS」ドライバー
「Qi4D LS」は、今のテーラーメイドが何を取り戻そうとしているのかを、最もストレートに示すモデルだ。
ヘッド体積は460cc。見た目はコンパクトで、いかにも「LS」らしい引き締まった形状。
もはや「少し小さいLS」ではなく、堂々としたツアー志向の「LS」へと進化している。標準仕様では、前方に15g、後方に4gのウエイトを配置。狙いは明確で、低く、前寄りの重心による低スピン設計だ。慣性モーメント(MOI)はシリーズで最も低い。ただし、それは欠点ではない。テーラーメイドは、「LSとして必要十分な寛容性は確保している」と位置づけている。
さらに空力面でも手が入った。ソールの『イナーシャ・ジェネレーター』(ソール後方の空力・重心設計テクノロジー)は控えめな形状となり、空気抵抗を減らすことで、ダウンスイング中のヘッドスピード向上を後押しする。ブライアン・バゼル氏は、「LS」の考え方をこう説明する。「低く前寄りの重心こそが重要です。このタイプのプレーヤーに、後方重心は必要ありません」
実際、「Qi4D LS」はツアープレーヤーのテストで、最も大きな初速向上が確認されたモデルだ。
その差は約0.9〜1.3m/s。 テーラーメイドが再び“ボール初速を最優先するブランド”へ戻ってきたことを、これほど分かりやすく示すモデルはない。テーラーメイド「Qi4D Max」高MOI設計だが、10Kは狙わない
テーラーメイド「Qi4D Max」ドライバー
この「Max」モデルは、「Qi4D」シリーズの中で最も高いMOIを持つヘッドだ。
ただし今年は、あえて「10K」には届かせていない。MOIは約9,700。「10K」に迫る安定性を確保しながら、この領域では省かれがちな『可変式ウエイト』による調整幅を残している。
テーラーメイドが重視したのは、「10K」という数字そのものではない。十分に高いMOIを確保したうえで、初速とフィッティングの自由度をどう両立させるかという判断だ。
ブライアン・バゼル氏は、こう説明する。
「10Kにすること自体は簡単です。ただ、私たちが優先したのは、初速とフィッティングのしやすさでした」標準仕様では、後方に13g、前方に4gのウエイトを配置。さらに、ヘッド自体が前作の「Max」より軽量化されており、ヘッドスピードを引き出しやすい設計となっている。
ヘッド形状は、「LS」や「Core」よりひと回り大きい。ただし、露骨な“やさしさ重視”を主張するものではなく、構えたときに安心感を与えるサイズ感に収められている。
テーラーメイド「Qi4D Max Lite」軽量でも妥協しない設計思想
テーラーメイド「Qi4D Max Lite」ドライバー
軽量ドライバーというと、「振りやすい代わりに、どこか物足りない」そんなイメージを持つゴルファーも多いはずだ。
だが、「Qi4D Max Lite」は、その枠に収まらない。
テーラーメイドは、ただ軽くするのではなく、「Max」が持つ高MOIの安定感をしっかり残したまま、全体の重量バランスを見直すというアプローチを取った。
狙いは明確だ。中ヘッドスピードのゴルファーでも、ヘッド挙動が不安定になったり、軽すぎて頼りなく感じたりすることなく、自然に初速を引き出せること。つまり、「軽いから速く振れる」ではなく、「安心して振れるから、結果的に速くなる」設計だ。
テーラーメイド自身も、このモデルに強い手応えを感じている。ブライアン・バゼル氏は、こう語る。
「これは、皆さんに一番テストしてほしいモデルです。正直、これが期待以上の結果を出さなかったら、私のほうが驚きます」「Qi4D Max Lite」は、ヘッドスピードが遅いゴルファーだけの選択肢ではない。
「重量の変化に敏感な人」「力まずに振ったほうが、ショットが安定する人」「無理に振りにいかないほうが、ボー初速が伸びやすい人」こうしたタイプのゴルファーにとって、フィッティングで一度は試す価値のある1本だ。クロージャーレートで考えるシャフトフィッティング
フェースのクロージャーレート(インパクトに向かってフェースが閉じていく速さ)を正確に測るには、フォーサイト(Foresight)のローンチモニターに加え、通常はフェースに反射マーカーを貼る必要がある。
「Qi4D」では、この計測をよりスムーズに行えるよう、フェースに計測用マークを最初から組み込んだ専用ヘッドが用意される。価格は追加50ドル。
「Qi4D」の開発で、テーラーメイドがとくに力を入れているのがシャフトフィッティングだ。ポイントは、インパクトに向かってフェースがどう回転しているかという部分にある。
テーラーメイドは、シャフトを「打ち出し角を上げる」「スピン量を減らす」といった単純な性能調整の道具としては見ていない。
重視しているのは、フォーサイトが計測するクロージャーレート。フェースが閉じていく速度とタイミングだ。この数値を基準にシャフトを合わせることで、ショット範囲(左右のばらつき)が一気に引き締まる──それが、テーラーメイドの考え方だ。ブライアン・バゼル氏は、シャフトについてこう語る。
「シャフトは、クラブの中でいちばん誤解されている存在です。重要なのは間違いありませんが、とても複雑。データを見ても、何が起きているのかを読み解くのは簡単ではありません」テーラーメイドも、この取り組みがまだ完成形ではないことを隠していない。
だが同時に、確かな手応えも感じている。「今回が初めて、何かを掴み始めている感覚があります。理論が机上の空論ではなく、実際の結果として“機能している”ことが見え始めました。今は、これまでで最も正解に近づいています」
「Qi4D」は、ヘッド設計だけでなく、シャフト選びまで含めて“フェースの返り”をコントロールしようとするシリーズだ。だからこそ、このドライバーはフィッティングでこそ真価が見える。
クロージャーレート(フェースの閉じる速さ)を軸にしたシャフトフィッティングは、理論としては非常に理にかなっている。
ただし、現実的なハードルがあるのも事実だ。現時点で、クロージャーレートを正確に計測するには、フォーサイの「GCQuad(GCクワッド)」を用いたフィッティング環境が必要になる。テーラーメイドがMyGolfSpyスタッフを「“The Kingdom(ザ・キングダム)” テーラーメイドの最上位フィッティング&開発拠点」でフィッティングした際も、フォーサイトとトラックマンを同時に使用していた。
・フォーサイト:シャフト選定に必要なヘッド挙動データ・トラックマン:ボール弾道全体の把握という役割分担だ。 もちろん、2台同時運用には大きなメリットがある。だがテーラーメイド自身も、多くのフィッターがそこまでの環境を用意できないことを理解している。また、すべてのフィッティング施設がフォーサイトを導入しているわけでもない。 つまり、クロージャーレート(フェースの閉じる速さ)を用いたアプローチには確かな可能性がある一方で、すべてのゴルファーがその恩恵を受けられる環境にあるわけではないのが現状だ。標準シャフトの考え方を刷新──テーラーメイド「Qi4D」が示す新しいアプローチ
これまでのテーラーメイドに対して、「標準シャフトは正直いまひとつだった」そう感じていたゴルファーは少なくないはずだ。
いわゆる プレミアムシャフトの名前を借りただけの“made-for仕様(実質的には簡略化された専用設計)”。ブランドイメージはあるが、本来期待される性能とはズレがあった。だが、「Qi4D」では、その流れがはっきりと変わっている。「Qi4D」シリーズに用意される標準シャフトは、テーラーメイドのフィッティング思想そのものを前提に設計された専用品。単なる“付属品”ではない。
開発は、三菱ケミカルとの共同作業。素材選定から設計まで、実際の中身で勝負するシャフトになっている。設計のベースにあるのは、ゴルファーが「どうクラブを下ろし」「どうフェースを閉じていくか」という実際の打ち方。一方で、赤・青・白というおなじみのカラー分けは残されており、それぞれが高・中・低弾道の目安として機能する。ただし、色=単純な弾道性能ではなく、あくまでフィッティングの入口としての目安だ。
結論はシンプルだ。「Qi4D」のシャフトは、「妥協の標準」ではなく、最初から使う価値のある標準。この方針転換は、素直に評価していい。
構えたときの印象も重要──テーラーメイド「Qi4D」は“見た目”も洗練された
「Qi4D」は、性能だけでなく見た目の方向性もはっきりと変えてきた。
全体の投影面積は「Qi35」よりも抑えられ、ヒール〜トゥ方向の広がりも見直されている。ツアーで評価の高かった「Qi35 DOT」モデルをベースに、より伝統的で引き締まったシルエットへと寄せている。構えた瞬間に、「大きすぎる」「いかにもやさしさ重視」と感じさせないこと。それが、「Qi4D」のデザインにおける大きなテーマだ。
結果として、見た目はクリーンで落ち着きがあり、それでいてテーラーメイドらしさは失っていない。
フェースやクラウンに見えるカーボンの表情も、これまでより一歩控えめ。主張しすぎず、上質さを感じさせる方向に振られている。
そして、性能はそのままに、見た目だけを変えたいゴルファー向けには、デザイナー・シリーズも継続される。
「Qi4D」は、「やさしさ」を強調する見た目から一歩引き、構えたときの安心感と精悍さのバランスを狙ったドライバーだ。
テーラーメイド「Qi4D」ドライバーの総評
「Qi4D」は、やさしさを否定するドライバーではない。ただ、やさしさだけを最優先する時代から、一歩引いた。
その結果、ここ数世代ぶりに“これぞテーラーメイド”と感じさせるドライバーが戻ってきた。速さがあり、調整幅があり、フィッティングで詰めていける。そして何より、ボール初速を軸に据えた設計思想がはっきりしている。
もし「Qi10」や「Qi35」に対して、「少しやりすぎだった」と感じていたなら、「Qi4D」はその答えだ。
慣性モーメントを追い求めすぎることなく、テーラーメイドが本来得意としてきた初速・調整・フィッティングのバランスを取り戻した。言い換えれば──
「Qi4D」は、テーラーメイドの“定番レシピ”が、ようやく整った1本だ。
価格と発売時期(米国)
日本仕様の「Qi4D」ドライバーの詳細については、『テーラーメイド公式サイト』で公開されている情報を参照してほしい。
テーラーメイド「Qi4D」ドライバーの価格は649ドル。
今回の注目点のひとつが、フォーサイト計測用の反射マーカーを組み込んだヘッドを、追加50ドルで選択できることだ。
これは「Qi4D」で初めて用意されるオプションとなる。ブライアン・バゼル氏は、この仕様についてこう語っている。
「Qi4D」ドライバーは、すでに先行販売がスタートしており、1月29日から本格的に店頭展開される予定だ。
また、新モデル登場にあわせて、前作「Qi35」は価格が見直されている。
「Qi35」:499ドル
「Qi35 LS」:549ドル
最新モデルを選ぶか、価格が下がった前作を狙うか──
ゴルファーにとって選択肢が広がるタイミングとも言える。



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