1月7日夜、待ちに待った「TGL」がついに開幕した!
一言で言えば「間違いなく待った甲斐があった」と言えるだろう。
この新しいテクノロジー満載のシミュレーターリーグは、6チームに分かれた24人のPGAツアープレーヤーたちが参加している。その開幕戦は、正直なところ期待以上だった。
開幕夜に「TGL」が成功させたポイントは数えきれないほどあった。
「ニューヨークゴルフクラブ」と「ザ・ベイゴルフクラブ」の最初のホールは、わずか4分で終了。アクションのスピード感は驚くほどで、同時に新鮮だった。ショットは40秒の制限時間(ピッチクロックよろしくショットクロック!!)が設定されていて、どのプレーヤーも残り10秒を切ることはほとんどなく、テンポ良くプレーを進めていた。
自分でも信じられないけど、正直、ゴルフにしてはスピードが速すぎると感じる場面が多くあった。特に放送の最初の30〜45分のテンポたるや、電光石火のようだった。
早いプレーペースのおかげで、選手同士のやりとりが他のテレビ向けマッチでよく見られるような「わざとらしさ」を感じさせなかった。本当に楽しんでいる様子が自然に伝わってきたし、次々とショットを打つリズムのおかげで、あの退屈な「間」がほとんどなかった。
テクノロジーはしっかり機能していたし、エンターテイメント性も十分だった。フルショットのたびに、従来のゴルフではあまり見られない新しい視点でボールを追う楽しさがあった。さらに、回転するグリーンの仕掛けは難易度が高く、選手たちは不安定な位置からアプローチするのに苦戦していた。

3人1組で交互にショットを打つ「トリプルショット」のフォーマットは、最初の9ホールにぴったりだった。全員がプレーに参加し、夢中になっていた。ツアーイベントというより、仲間同士のボウリング大会を見ているよう感じ。
意外だったのは、観客がミスショットにブーイングしたり、フェイクの制限時間をカウントダウンをして盛り上がっていたことだ。まるでカレッジバスケットボールの試合を見ているような雰囲気だった。
試合後半では観客の盛り上がりが少し落ち着いていたけど、それでも観客が試合に積極的に参加できたのは大きなプラスだった。ESPNの放送もかなり高評価だった。序盤にスコット・ヴァン・ペルトが雰囲気をしっかり作り上げたことで、番組に重みが出てたし、選手同士のやり取りを「ホットマイク(マイクをオンにしたまま)」でキャッチして、それをフラッシュバック形式で見せる演出も自然で良かった。
さらに、最初のCMが入ったのは34分が経過してからだったから、視聴者としてもしっかりと試合に入り込めた。放送には改善の余地があるけど、全体の演出や雰囲気にはかなり感心した。全体的にリハーサルのようなまだ気が張ってない雰囲気があってそれが逆に良い意味でリアルな仕上がりにつながっていた。
開幕初日の「TGL」の評価は“B+”ってところかな。それでも十分な好スタートだと思う。この先も間違いなく観るよ。
ここナッシュビルでは真冬真っ只中(なんと7インチの雪が降る予報!)、しかもほとんどの地域でゴルフなんてできない季節。それなのに、こういうユニークで誰もが楽しめるアイデアで人々がESPNでゴルフを観ている。この発想、なかなかいいよね。
平均120万人以上という視聴者数もかなり好調で、予想を上回る数字だった。しかも、この3年間の「LIV」のどの放送と比べても2倍以上の視聴者数。これは「TGL」にとって大きな追い風!
これまでのところでは、間違いなく「TGL」の大きな勝利と言えるね。
「『LIV』を批判するなら『TGL』も応援するべきじゃない」なんて声もあるようだけど、正直意味がわからない。「LIV」は基本的に「ツアー」とほぼ同じで、フォーマットも雰囲気も似通ってるけど、「TGL」はまったく別物。
ゴルフをクリエイティブに再構築した新しいコンテンツなんだ。それを同じ土俵で語るのは無理。「TGL」がますます人気が出るのか、それとも人気が失速するかはまだわからないけど、コンセプト自体「LIV」とはほとんど無関係。むしろ全く別のものとして考えるべきだよね。
「LIV」は、シミュレーターリーグやこれまでにない革新的なゴルフの形に挑戦していれば、もっと大きなインパクトを与えられたかもしれない。既存のツアーを真似たような形式では、差別化が難しかったのは明らかだ。
その点で「TGL」が目指しているのは、新しいジャンルとしてのゴルフの可能性を切り開く方向性であり、非常に賢い選択と言える。「TGL」が改善できるポイント

「TGL」では観客がプレーを間近で見ることができるー。(GETTY IMAGES/Mike Ehrmann)
こういった新しい試みでは、常に学びがあり、改善が加えられていくもの。これからどんな調整が行われるのかも注目だね。
ここから順不同で、「TGL」が次週に向けて改善できそうな5つのポイントを挙げてみる。
1. 選手紹介やインタビューを短縮する
初回の「TGL」放送は、男子のカレッジバスケットボールでデューク大がピッツバーグに大差をつけて勝利した午後9時ちょうど(アメリカの東部時間)にスタート。バスケの試合は延びることが多いだけに、このタイミングの放送は疑問だったな。
でも、初回放送の最初の15分間は「内容が薄い」感じだった。退屈な選手インタビューが続いたあと、少し大げさで無駄に感じる選手紹介があったりしてテンポが悪かった。
そこは思い切ってカットできる部分だよね。理想を言えば、放送は選手たちがすでにアリーナにスタンバイしているところから始まる感じがいい。司会者が軽く2、3の質問を投げかけたらすぐにゴルフスタート。放送開始から試合開始まで、5分もあれば十分だと思う。これなら視聴者もダレずに試合に入り込める。
さらに、無駄なインタビューもいくつかあった。頼むから、DJキャレドは放送に出さないでほしい。誰も彼を求めてないよ。本筋と関係ないインタビューを省けば、もっとスムーズで集中できる放送になるはず。
2. フルスイングごとにショットデータを表示する
これは絶対に必要だと思う。
せっかくテクノロジーを駆使したシミュレーターリーグなんだから、その技術を存分に見せてほしいよね。「ボール初速」「ヘッドスピード」「スピン量」「キャリー」なんかをフルスイングごとに表示すれば、視聴者も選手の技術やショットの凄さをより実感できる。
これは「TGL」らしさを強調するポイントになるはず。「どれだけ細かいんだ」って思うかもしれないけど、ゴルフ好きにとっては当然だよね?「キャリー」が何ヤードだったかとか、「ボール初速」がどれくらい出てたのかとか、「スピン量」がどうだったかっていうのは、試合を観る上での醍醐味なんだよ。
むしろ、こういう細かいデータが出るからこそ楽しめるし、それが「TGL」の魅力をさらに引き立てるポイントになると思う!試合中、ルドヴィグ・アーベリがドライバーを豪快に振り抜き、チームメイトたちが彼の「ボール初速を予想する」という、最高に盛り上がる瞬間があった。こういう自然なやりとりこそ、このリーグの真骨頂だ。
まるで親友同士がバチェラーパーティーでふざけながらゴルフをしているようなリラックスした雰囲気。それでいて、世界最高峰の選手たちがそれをやっているというギャップがたまらない!この気持ち、わかるでしょ?ショットデータって、視聴者をその瞬間に引き込む力があるよね。「今のショット、どれくらい飛んだんだ?」とか、「リッキー・ファウラーのドライバーのスピン量って、自分のと比べてどうなんだろう?」なんて思いながら見てると、もう止まらなくなる。
画面にデータがパッと出てくるのを見てるだけで、ある意味中毒性があるんだよ。その通りだと思わない?数字ひとつでゴルフの奥深さを体感できるから、これが「TGL」の大きな武器になると思う!語りすぎかな??
ルドヴィグ・オーバーグが「TGL」開幕夜の『マン・オブ・ザ・マッチ(一番輝いた選手)』だった。(GETTY IMAGES/Mike Ehrmann)
3. 選手の音声をもっと伝える
いくつか改善点がある。
選手の会話が聞き取りにくい場面があったのは、音楽が大音量で流れていたせいだと思う(音楽のバリエーションがもっと広がるのも嬉しいところ)。
背景音がないときはうまく機能してたけど、それ以外では選手同士のやりとりがあまり聞こえなかったのが残念だった。こういった「選手の声」は視聴者が試合に入り込む大事な要素だから、もっと明瞭に聞こえるように工夫してほしいね。
さらに、ESPNではマット・バリーが試合の実況を担当していたけど、正直、無難ではあるものの特に印象に残る感じではなかった。選手に質問を投げかけたり、間が空いたときに会話を埋めようと頑張っていたけど、時々ちょっと無理があるように感じた。
実況者の出番を少し抑えて、選手同士のやりとりをもっと引き立てた方がいいと思う。実況はゴルフの視点から「今何が起きているのか」を説明する役割に集中して、あとは選手たちの会話や自然な交流をメインに据える方が、視聴者にとっても面白い放送になるんじゃないかな。
選手の声を直接聞けるのが「TGL」の魅力のひとつだから、そこをもっと活かしてほしいよね。選手たちがぎこちなくなってしまうのではないかと心配していたけど、その懸念はテンポの速さによってかなり和らいでいた。ショットを次々と打つことで、プレッシャーが軽減されているのが分かる。
この点を考えれば、制作側はもっと選手たちに焦点を当ててもいいかもしれない。この考え方に沿えば、ESPNは選手がプレー中の何気ないつぶやきをもっと積極的に演出するべきだよね。
火曜日の放送であった、シェーン・ローリーが「インドアゴルフ界のスコッティ・シェフラーになりたい」って言ってた場面なんて、まさに最高の瞬間だった!こういった場面こそ「TGL」の魅力を引き出す鍵だよね。選手たちが楽しんでいる姿が中心になればなるほど、このリーグはもっと魅力的になる。
4. 中断を工夫して、試合のテンポを損なわないようにする
放送開始から1時間ほど経過したところで、最後の6ホールに向けたシングルス形式の前に、約12分間の休憩が挟まれた。この時間が正直なところ、少しテンポを損ねてしまった感があった。
その12分間で放送の勢いが完全に失速してしまった。試合も一方的な展開になり、さらにシングルス形式は各ホールで6人中わずか2人しかプレーしていなかったせいで、盛り上がりに欠けた。
シングルス形式については、まだ様子見といったところだ。接戦であればもっとエンターテインメント性が高まるのだろうか?それについてはまだ何とも言えない。
試合の中断と15ホール制の試合が2時間に及んだ点については……正直、長すぎたと思う。テレビ放送枠を今から変えるのは難しいだろうけど、この内容なら2時間よりも90分番組の方がずっと良かっただろう。
試合の展開がとても速かったおかげで、少しのCMは気にならなかった。でも、ラウンドの途中で12分間も中断してしまったのは、正直チャンネルを変えた人が少なくなかっただろうと思う。いくらなんでも長すぎだろ。
休憩を省いて、その代わりにプレーヤーへの短いインタビューを挟み、最後の6ホールに向けて流れを整えるのもいいかもしれない。
5. コースデザインにはもっと奇抜さと難易度を
「TGL」のホールデザインには面白いアイデアがたくさんある。
「Pick Yer' Plunder(ピック・ユア・プランダー:バウンティ ベイにあるパー5)」なんてまさにその好例だ。でも、実際のプレー内容を見ると少し物足りなさを感じた。攻略するには主に3つの選択肢があるというものの、選手たちが悩んでいる様子はあまり見られなかった。世界最高峰のゴルファーたちが集まっている上に、「TGL」はどんなデザインでも自由に作れるんだから、もっとぶっ飛んだホールがあっていいはずだ。
ツアーで見慣れたコースではなく、「マリオゴルフ」のようなとんでもないホールが欲しい。もしホールデザインが控えめな方向にいくなら、ターフの硬さをもっと上げて、ボールが弾むようなプレーを見せるべきだ。
選手たちに本気で考えさせるようなコースを作ってくれ!
いくつか不満点はあったものの、「TGL」開幕初日の内容には大いに期待を持てた。制作面ではこれからさらに良くなっていくだろうと思っている。
タイガー・ウッズが次の2週間プレーするとなれば、絶対に見るしかない。
みんなの「TGL」開幕初日の感想はどうだった?また見る予定かな?
写真キャプション:SoFiアリーナの巨大スクリーンは5階建ての高さがある。(GETTY IMAGES/Mike Ehrmann)
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