タイトリストが同社ゴルフボールラインナップのアイオノマー/ツーピースボールに2モデルを刷新し、新しい「Tour Soft(ツアーソフト)」と「TruFeel(トゥルーフィール)」を発売した。

タイトリストの競合他社の多くは、ツーピースやアイオノマーモデルの製造を第三者工場に委託しているが、「Tour Soft」と「TruFeel」は、タイトリストのウレタンカバー以外の他のモデル同様、マサチューセッツ州ノースダートマスにある第2ボールプラントで製造されており(ウレタンボールは第3ボールプラント)、どちらも「Pro V1」同様、タイトリストの品質はキープされている。


タイトリスト「Tour Soft(ツアーソフト)」ゴルフボール

titleist,タイトリスト,tour_soft,ツアーソフト,trufeel,トゥルーフィール,ゴルフ,ゴルフボール

タイトリストは、この「Tour Soft」が、同社ボールラインナップの中で最も過小評価されていると考えているようだ。

「『Tour Soft』は、このクラスより上位のモデルと張り合っている」と語るのは、タイトリストゴルフボール・マーケティング・バイスプレジデントのジェイミー・ストーン氏。

ストーン氏が述べたことが事実であれば、「Tour Soft」が“隠れた逸品”なのか、それとも単に見過ごされているだけなのかは別とて、タイトリストは、このモデルが非ウレタンカバーボールでは考えられない程、全体的なパフォーマンスが強烈に優れているということを皆さんに知ってほしいと考えているのだ。

同社が、「Tour Soft」を他のプレミアム2ピース製品(「ベロシティ」や「トゥルーフィール」)として見ていないというのは特筆すべきこと。「Tour Soft」は、ツアー向けの非ウレタンボールと勝負できるようにデザインされている。

多くの競合他社のパフォーマンスの中でも、特にグリーン周りの性能を見ると、見かけでは判断できない何かがあるのは明らか。別の言い方をすると、こうした競合ボールのいくつかは、アイオノマーのパフォーマンス特性をウレタンカバーで巧みに隠している。

その理由は簡単で、単に「ウレタン」だと言いたいからだ。


titleist,タイトリスト,tour_soft,ツアーソフト,trufeel,トゥルーフィール,ゴルフ,ゴルフボール

コアからカバーまで向上

今年のモデルの特徴として、コアからカバーまで向上していると、よく聞くまたは目にすることだろう。確かに「Tour Soft」もコアからカバーまでが向上している。しかし、全体がコアとカバーでできている2ピースボールなら、当然それしか言えないだろう。


大きくて初速が出るコア

titleist,タイトリスト,tour_soft,ツアーソフト,trufeel,トゥルーフィール,ゴルフ,ゴルフボール

新しいタイトリスト「Tour Soft」のコアは1.608インチ。これを判断する基準はないはず。正直に言って、多くのコアを測定しているわけではないので、何がベストな基準なのか分からない。

だが、注目すべきは、「Tour Soft」のコアは市場にある2ピースボールの中で最も大きいということ。基本的にコアが大きいと初速も出るので、もし飛距離を求めるなら、コアの大きいモデルを選択するというのも1つの手かもしれない。

コンプレッション(硬度)に関して言うと、前作(2022年モデル)の「Tour Soft」は67だった。

これはテーラーメイド「Tour Response(ツアーレスポンス)」、スリクソン「Q-Star Tour (キュースターツアー)」、ブリヂストン「TOUR B RXS(ツアーB RXS)」と同等。今回の新モデルは少し硬めになっているので、初速に貢献しているはずだ。

また個人差はあるが、もう一つ付け加えると、新構造により遠くに飛ばす際のスピンが軽減することも特徴となっている。


改良されたフューザブレンドカバー

キャロウェイの「スーパーソフトマグナ」のようなビックサイズモデルもあるが、そこまでゴルフボールを必要以上に大きくしたい人なんてはいないはず。USGAのボールの最小サイズ制限はあっても最大がないのはそれが理由だ。

となると、コアを大きくするとカバーを薄くする必要が出てくるのは当然のこと。

今回の新しい「Tour Soft」には、『新薄型フューザブレンドカバー』を使用することで、グリーン周りでのスピン性能を向上させている。グリーン周りのスピン量は「Pro V1」程ではないが、タイトリストからもらったデータによると、皆さんが思うよりも遥かに数値が近くなっているのだ。

また、念のためお知らせしておくと、『フューザブレンド』はアイオノマーと柔らかいポリマーの混合物のこと。この素材を製造する工程はタイトリストが開発しており、最近ではデュポンが混合しているが、タイトリスト独自のものであることに変わりはない。

「Tour Soft」のディンプルパターンは、346個のディンプルがある四辺形双錐体だが、この形状の細かい部分については特に気にする必要はない。大切なことは、これが「Tour Soft」独自のものであり、低スピンの特性にマッチするようにデザインされているということだ。


試す価値はある?

titleist,タイトリスト,tour_soft,ツアーソフト,trufeel,トゥルーフィール,ゴルフ,ゴルフボール

『フューザブレンドカバー』の「Tour Soft」が、ソフトウレタンボールよりも優れているとタイトリストから聞いた時、眉をひそめたことは確かだ。2ピースボールのテストはそこまで実施していないが、この「Tour Soft」がお手頃価格なら細かい部分をチェックする価値はあるかも知れない。


タイトリスト「Tour Soft(ツアーソフト)」:価格、カラー、発売時期

<日本発売モデル>

カラーはホワイトとイエローの2色で、価格は¥4,400(税込)、現在発売中。


※下記はアメリカのモデル

タイトリスト「Tour Soft」ゴルフボールの小売価格はダースで39.99ドル。カラーはホワイト、ハイオプティックイエロー、(光沢のある)グリーンで、1月24日に発売されており、ピンクは7月にデビューする。


タイトリスト「TruFeel(トゥルーフィール)」ゴルフボール(2024年モデル)

・ソフト(タイトリストボールの中で一番柔らかい打感)

・優れた飛距離性能は、他の競合ボールと遜色ない

・価格は24.99ドルと、タイトリストボールの中では一番お手頃。

※日本での価格は¥2,860(税込)


このくらい全てが簡単なら良いのに…。


タイトリスト「TruFeel(トゥルーフィール)」で新しいこと

titleist,タイトリスト,tour_soft,ツアーソフト,trufeel,トゥルーフィール,ゴルフ,ゴルフボール
前作(2022年モデル)と比較すると、2024年モデルのタイトリスト「TruFeel」には新しい『トゥルータッチコア』が搭載されている。これにより、フルスイング時の「打感」がソフトになり、飛距離もやや伸びる。

そして、スピンコントロール性能を向上させる『2.0トゥルーフレックスカバー』からより進化した『3.0トゥルーフレックスカバー』を採用したことで、グリーン周りのスピンを向上させつつよりソフトな「打感」を実現している。

しかし、誤解のないように言うと、「TruFeel」は「Pro V1」のようにスピンがかかるわけではない。もちろん「Pro V1」とは価格帯も異なるため比較の対象にはならないかもしれないが、「TruFeel」は、この価格帯でよりソフトな打感を求めるゴルファー向けであり、さらにスピンがかかると言っても、単なるボーナスのようなものだと考えてほしいということ。

また、376個の四面体ディンプルパターンを採用した『トゥルーフィットエアロダイナミクス』が、直進性と(繰り返しになるが、対象ゴルファーにとって競合モデルと相対的に)十分な飛びを実現する。

ソフトな「打感」とタイトリストボールを求めているなら、是非どうぞ、という感じだ。


titleist,タイトリスト,tour_soft,ツアーソフト,trufeel,トゥルーフィール,ゴルフ,ゴルフボール

タイトリスト「TruFeel(トゥルーフィール)」:価格、カラー、発売時期

<日本発売モデル>

カラーはホワイト、イエロー、マットレッドの3色で、価格は¥2,860(税込)。

現在はホワイトのみ発売中で、イエローは2024年3月15日、マットレッドは2024年5月に発売予定となっている。


※下記はアメリカのモデル

タイトリスト「TruFeel」ゴルフボールの小売価格はダースで24.99ドル。カラーはホワイト、イエロー、マットレッド。ホワイトは1月24日に発売されており、イエローが店頭に並ぶのは3月1日、マットレッドは5月15日にデビューする。